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ソーシャルアプリ開発現場のジェットでマッハな爽快感
スマートフォンやタブレット端末等の急速な普及でますます勢いづく、ソーシャルアプリ業界。それに伴い、ソーシャルアプリ開発に携わるエンジニアも増加している。今回、ソーシャルアプリならではの開発の面白さやできることの可能性、また必要なスキルなどについて探ってみた。
2011年11月9日

リリース1週間で50万人。人気ソーシャルゲーム開発の最前線から見えた、爆発普及する手ごたえと可能性
「カイブツクロニクル」開発立ち上げ3カ月でリリース〜一気にスターダムへ
株式会社アドウェイズ
国内・海外事業開発室
室長
上岡 隆典氏
今年1月にiPhone向けにリリースされたソーシャルゲーム「カイブツクロニクル」。およそ半年で約40万ダウンロードを記録し、App Storeランキングでも1位を獲得、現在も常に上位をキープしている人気アプリだ。
しかし開発の経緯をたどると、これほど短期間で人気ゲームとなるとは予想もつかないような体制でスタートしたと、開発当時からカイブツクロニクル開発プロジェクトのリーダーとして引っ張っていた、株式会社アドウェイズの上岡氏は振り返る。
「当社は中国にラボがあって、そこに所属するエンジニアがカイブツクロニクルの前身となる『カイブツライフ』の最初のアイディアを持ち込んだことから始まります。ちょうどそのころの2008年〜2009年にかけて、FacebookやmixiなどのSNSが相次いでプラットフォームのオープン化に踏み切る中で、『そうしてあなたは去ってゆくのね』という別のソーシャルアプリをリリースしたところ、170万人のユーザーを獲得できたことで“ソーシャルアプリはいける”と確信。中国のラボと日本の開発チームと合わせて10人、3カ月程度の期間で『カイブツライフ』をリリースしました」
まずmixiアプリで2009年にリリース、1週間で50万人のユーザーを獲得した後、先ほど紹介したとおり、今年に「カイブツクロニクル」としてiPhone、そしてAndroid向けにスマホ版をリリースしてそのいずれもが大ヒットするに至る。
そのヒットの理由について、上岡氏は「『カイブツライフ』『カイブツクロニクル』は、ソーシャルゲームの中でもシリアス路線かつ育成やバトルの要素も併せ持つ異色の内容だったことで、注目を集めやすかったのが大きな要因」と指摘する。
ちょっとしたアイディア勝負で、ソーシャルゲームはさらに大きな成果を生み出せる
「カイブツクロニクル」は、現在もApp Storeで上位にランキングされる人気アプリだ
それだけの大ヒットゲームをプロデュースした上岡氏、実はゲームに関しては全くの素人だったそうだ。今でこそソーシャルゲームの魅力にはまり、ほぼ毎日のようにプレイしている姿からは想像もつかない。しかしそこにこそ、ソーシャルゲーム開発ならではの面白さや、大きな可能性が潜んでいる。
「特にスマホでソーシャルゲームをプレイするユーザーは、“すきま時間”で気軽に遊べるものを求めている傾向が強く、大事なのは“すぐにプレイして面白い”と思えるかどうか。そのため私のようなゲームの素人でも、ユーザーと同じ視点で面白いと思えるアイディアを出すことで、数十万のユーザーに受け入れられるチャンスがあることが、ソーシャルゲーム開発の面白さだと思います」
さらに今後のソーシャルゲーム開発の可能性について、上岡氏はアイディア自体でまだまだ、世界中のユーザーに愛されるアプリを生み出すチャンスは無数にあると断言する。
「カイブツクロニクルのように、まだソーシャルゲームとして存在しないテーマやアイディアはたくさんあります。私のようにゲーム通でなくとも“ちょっとしたアイディア”をきっかけに、1週間や1カ月単位という短いスパンで一気に数十万人のユーザーを獲得できるチャンスがある。こんなことはこの業界以外ではあまり考えられないし、開発者にとって非常に刺激的かつ魅力的な領域だと思いますね」
ソーシャルゲーム開発者にとって、大事なのはゲーム通である以上にそのちょっとしたアイディアを生み出せる企画力。上岡氏いわく「子どものころ、オリジナルの遊びを考えることが得意で、周りの友達も喜んで一緒に遊んでくれた経験」を持っているような人が理想だという。つまりそれだけ柔軟な姿勢でアイディアを生み出せるスキルこそ、ヒットするソーシャルゲーム開発を可能にするのだ。
3人で開発したアプリから、ソーシャルならではの新しい価値を生み出す大きなチャレンジ
2週間で一度のペースで新機能をリリース。考えるより形にしてトライ
(左)株式会社tattva
チーフアーキテクト
中嶋信博氏
(右)株式会社tattva
デザイナー・プログラマー
長瀬敦史氏
あらゆる「モノ」に対して、「欲しい」「持っている」「おすすめ」「あげる」などのタグ付けをして収集し、そこから興味関心の関係を自動的に構築・分析することで、人と人との結びつきを図れるソーシャルアプリ「i.ntere.st」。いわばモノを介したSNSと言えるこのアプリは、今年の3月にリリースされたが開発期間は1カ月、メンバーはわずか3人でスタートした。リリース当時の状況について、開発の中心メンバーである中嶋氏は次のように語る。
「作りこんだものを満を持してリリースする、というよりはとにかくスピード重視で必要最低限の機能だけを作りこんでリリースしました。その理由のひとつには、ちょうど同じ時期に同様のコンセプトを持つ競合アプリが相次いでリリースされたこと。ソーシャルアプリの世界は、やりたいことを思いついたらとにかく形におとし込んで多くのユーザーに利用してもらうことが重要です。その上でユーザーからのフィードバックを参考にしながら徐々に修正したり、新機能を追加していくことでアプリの質を高めていく。つまり『走りながら手を動かす』姿勢が、ソーシャルアプリ開発の必須条件だといえます」
リリース後、およそ2週間に一度のタイミングで新機能の追加や修正を行っていったという。その結果、リリース直後と現在では「少なくとも半分はソースコードそのものが変わっている」と中嶋氏が語るように、アプリの中身が全く変わっているそうだ。しかし、そこにソーシャルアプリ開発ならではの面白さが含まれている。
「基本的に図面は作らず、メンバーとコミュニケーションをとりながらいいと思ったアイディアはすぐに形にしてリリース。当然、そのすべてがユーザーに受け入れられるわけではないし、“お蔵入り”したものもかなり山積みになってます(笑)。しかしこれだけのスピード感でトライ&エラーを繰り返しながらブラッシュアップしていくことができるこの開発スタイルは、少なくとも私にとって非常に刺激的ですね」
短期間で多くのユーザーが集まる興奮。新しい価値を生み出すやりがいを実感
「i.ntere.st」を閲覧する中嶋氏。“カジュアルな感覚でモノを共有できる”新しい価値観を構築していく
リリースから半年という短期間でさまざまな挑戦と新たな発見を経験してきた中で、中嶋氏が特に印象に残っているのが、8月にリリースしたiPhone向けアプリの時。なんと1週間で開発者の想定を大きく上回るユーザーが利用したという。
「スマートフォンとモノを介したSNS、という『i.ntere.st』のコンセプトへの期待感が相当高いというインパクトは、非常に興奮を覚えました。また数だけでなく、ユーザーの反応がWebに比べても非常に早いことも驚きでしたね。最初は『こんな変わったアプリがあるよ』といった流れで一気にユーザーが広まり、実際に利用したファーストインプレッションや感想が書き込まれていきました。しかしその後、使い続ける中での機能面の不満が徐々に増えてきて、違う意味で刺激を受けましたが(笑)」
そしてもう一つ、「i.ntere.st」の開発を通して中嶋氏は、ソーシャルアプリ開発の大きな可能性を肌で実感していることがある。それは「モノを買う仕組みそのものを根底から変えることで、ソーシャルの世界に新しい価値観を構築する」というもの。
「i.ntere.stを開発した真の目的は、カジュアルな感覚でモノを共有できることにより、モノを購入する仕組みやマーケットそのものを大きく変えたい、ということにあります。まだ未成熟なソーシャルの世界だからこそ、全く新しい価値観を生み出すチャンスがある。その中で強い信念を持って挑戦できることは、開発者にとってこの上ない大きなやりがいを得られるはずです」と、ソーシャルアプリ開発ならではの魅力や大きな可能性について中嶋氏は指摘する。
今後、さらに新機能をリリースしていく中でデータを蓄積し、モノを買う新たな仕組みを広げて、定着させることを目指していくという。
最後に今後、一緒にアプリ開発をしたいエンジニアのタイプについて中嶋氏に聞いたところ「あれこれ考え続けるよりも、まず形に落とし込んで常にトライし続ける姿勢を持った人」だという。
ソーシャルアプリ開発の価値
「ちょっとしたアイディアひとつで、大ヒットするソーシャルゲームを生み出すチャンスが無数にある」「想定以上の多くのユーザーの反応を得られる手ごたえと、新しい価値観を生み出す大きなやりがい」今回紹介した2つのケースの中からも、ソーシャルアプリ開発ならではの面白さややりがいを発見できた。その裏には、スピーディな開発に対応しなければならなかったり、多くのユーザーからの不満や改善要求にさらされるなど大変な面もあるのは事実。しかしそれでも、これからさらに大きく発展していくソーシャルアプリを開発する価値は大きいのかもしれない。
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- EDIT&WRITING
- 山田モーキン
- PHOTO
- モーキン山田