給与・スキル・専門知識…ビジネスパーソン300人に聞いた真実

「キャリアの不安」その正体と対策を徹底調査!

不安の多い時代と言われるが、ビジネスパーソンの頭を悩ませるのは「キャリアの不安」だろう。そこで今回は、ビジネスパーソン300人に「キャリアの不安」に関する調査を行った。どのような不安を感じている人が多いのだろうか。
調査方法:インターネット上で実施(メディアパーク)
実施期間:2012年6月25日(月)から2012年6月28日(木)
調査対象:全国の28歳から32歳のビジネスパーソン
調査人数:300人(男性187人、女性113人)

2012年7月4日

300人のビジネスパーソンに大調査!
「キャリアの不安」はありますか?

「76.3%」がキャリアの不安を感じている

 

「キャリアに不安がある人」の実態とは?

約半数が「給与が低い」ことに不安を感じている

まずは、「キャリアに不安がある人」についての検証から。
もっとも多かったのが「今の給与が低い」ことへの不安。約半数が選んでいた。続いて、「専門知識」「専門スキル」への不安で、ともに42% と高かった。また、「どんな仕事が好きなのかわからない」が34.9%、「どんな仕事が得意なのかわからない」が32.3%ということで、仕事選びにまつわる不安も多いようだ。

「専門知識」「スキル」に強い不安を感じている人が多い

不安の中で、もっとも強く感じている事柄について聞いた。ここでもトップは「給与が低い」。内訳を見ると、現在年収額は100万円台から800万円台まで満遍なくいたが、もっとも多くを占めていたのが、「400万円未満」と回答していた人たちだった。
続いて多かったのが「専門知識」「専門スキル」への不安。複数回答と比べて特に目立ったのが、「やりたい仕事ができていない」が上位に来た点。逆に意外な結果だったのが、「語学力」に対する不安がわずか1.7%だったこと。昨今のグローバル化の流れで語学力への意識が高まっているが、現実的な不安にはまだなっていないということだろうか。

「友人との交流」をきっかけに不安を感じる人が多い

また、不安を感じている人に対しては「どのような時に不安を感じるか」について聞いた。
全体的に「同級生や学生時代の後輩と会った時」「同年代の人と話す機会があった時」といった、違う仕事をしている人と接した際に、自分自身のことを考え、不安になっているケースが多いようだ。以下に選択項目ごとに紹介する。

【給与が低い】
「専門職だが、一般企業と比べると給料の上がり方が低く、だんだんその差が開いている。勉強会などに参加してスキルアップもしたいが、金銭的にそのような余裕がない」(32歳・女性・サービス)
「学生時代の後輩に会ったら、自分のほうが年収が低かった時」(30歳・男性・サービス)
「マイホームの購入を検討するたびに不安になる。将来的な子どもの学費も考慮すると、共働きをしていても足りなくなりそう」(29歳・男性・技術系)

【専門知識が不足している】
「専門知識を使った打ち合わせを行う際、きちんと説明ができずに持ち帰ってしまうことが多い。スムーズに仕事を進められなかった時に知識不足を痛感する」(28歳・女性・サービス)
「後輩にフォローされた時」(31歳・女性・サービス)
「経済誌を読んでいて、自分が関係する分野の専門用語が理解できないことが増えてきた」(32歳・男性・メーカー)

【専門スキルが不足している】
「自分の仕事が、自分以外の誰でもできる内容だと感じる時」(29歳・女性・メーカー)
「同じ仕事をしている人のTwitterやブログなどを見ると、自分との環境の差に愕然とし、スキル不足を痛感する」(30歳・男性・IT通信)

【どんな仕事が好きなのかわからない】
「月曜日が憂鬱。きっと好きな仕事をしていないからだと思う」(32歳・女性・金融)
「今の仕事が好きかと聞かれた時に、自信を持ってYesと答えられない時。お金のために働いているだけの気がして仕方ない」(28歳・女性・専門職系)

【やりたい仕事ができていない】
「友人と再会し、やりがいを持って仕事をしているエピソードを聞いたとき。羨ましいと思ってしまう」(28歳・男性・サービス)

【今の業種に将来性を感じない】
「上司の推定年収を考えた時に、あれだけ仕事をしてもそんなもんかと想像してしまい、将来の人生設計が不安になる」(31歳・男性・IT通信)
「毎月の会社の業績を見るたびに不安になる。現在の主力製品は時代遅れで、次期製品への移行もスムーズに進んでいない。赤字続きだし、会社の今後が心配」(29歳・男性・メーカー)

【今の職種に将来性を感じない】
「ニッチなジャンルの業務をしているので、転職サイトに登録していても自分ができそうな仕事がなかなかヒットしない。スカウトで来るポジションは自分のスキルではこなせそうにないし…」(29歳・女性・IT通信/クリエイティブ系)
「今の仕事はとにかく暇。新しい知識を吸収する必要にも迫られない。30歳を過ぎているので、もっと汎用性のあるスキルがないと転職できないのでは…」(30歳・女性・メーカー/事務)

【どんな仕事が得意なのかわからない】
「同僚が辞めていき、周囲が自分より若い社員ばかりになっていることに気づいた時。給与面で今の会社に居続けるメリットはないが、転職をと考えても得意分野がない。しかもそれほど若くもなく、未経験の分野に飛び込む勇気もない」(32歳・女性・IT通信)

【語学力が不足している】
「海外支社も増え、売上比率も海外分が大きくなってきており、海外で活躍できる語学力がないとリストラにあいそう。海外留学経験のある後輩が入社してくるたびに不安になる」(28歳・男性・メーカー)

なお、「不安解消のために何か行っているか」という質問もしたが、33%が「何もしていない」と回答。「行っている」と答えた人については、「転職活動」がもっとも多かった。転職する/しないを問わず、ほかの仕事について情報収集している人が多いようだ。次いで「資格取得に向け勉強(独学/スクールに通う)」「先輩や友人に相談する」「今の仕事を真面目に取り組む」といた意見が多かった。

「キャリアに不安がない人」の実態は?

「何かへの自信」が不安を軽減させている

先のアンケートで「キャリアの不安はない」と回答した71人には、その理由を聞いた。結果、「給与」「スキル」「仕事内容」「ポジション」など、何かで自信を確立していることが“拠り所”となっているケースがほとんどだった。
「十分なだけの収入があると思っているから」(32歳・女性・建設)
「今の仕事は自分に向いていると思えるから」(32歳・女性・金融)
「今の仕事に必要な資格は取得してあるから」(31歳・女性・コンサル)
「昇格への道のりがはっきりしているので、自分なりに頑張ればいいから」(29歳・男性・流通)
「大企業に勤めているから。そこそこ出世もできたし、もう十分」(32歳・女性・IT通信)

ほかには、現状をとにかく受け入れるという人も。
「不安になってもしょうがない。現状でただ頑張るのみだと思っているから」(30歳・男性・サービス)。もちろん、「不安を感じる要素が何一つない」という人もいた。一方で、特に理由はなく、「ただ不安はない」という人も目立った。境遇・環境がそれぞれなのはもちろんだが、「個体差」として不安を感じにくい人がいるということも、また事実のようだ。
「ないものはない。特に根拠はない」(32歳・女性・サービス)
「特に深く考えていない」(30歳・男性・メーカー)
「楽観的な性格だから不安を感じない」(32歳・女性・流通)
「生きていければそれだけでよい。ほかは気にならない」(28歳・男性・サービス)

【事例】
「キャリアに不安なし」と言い切る元リーマン・ブラザーズ証券の営業職の場合

現在、地域おこしの仕事に従事する真鍋さん。新卒でリーマン・ブラザーズ証券に入社するも、2008年9月の経営破綻を機に地元を再考し、2012年1月には金融業界から離れ、生まれ育った香川に戻って地域おこしの仕事を始めた。150億円の金融商品を動かす営業から、150円の「ポン菓子」売りの“バリスタ”への大転身。
「キャリアの不安は…ないですね」と言い切る彼の考え方から、「不安」を吹きとばすためのヒントが見つかるかもしれない。

地元のためにコツコツ働く毎日。不安を感じる時間はない

株式会社459
真鍋邦大さん
東京大学大学院卒業後、2005年4月にリーマン・ブラザーズ証券に入社。2008年9月のリーマン・ショックで職を失う。ロイヤルバンク・オブ・スコットランドに転職した後、かねてから興味のあった地域おこしに携わろうと地元香川県に戻り、2012年6月より小豆島に移住。小豆島地域おこし協力隊に任命されるほか、「ポン菓子」や野菜の販売、ギフトカードやコミュニティハウスの企画など、幅広い活動を通じて地域からの情報発信に取り組んでいる。

現在の収入は6、7万円くらいですかね。それ以外に「地域おこし協力隊」として給与はいただいていますが、証券会社で働いていた時に比べたら雲泥の差です。収入源は、地元の食材を使った「ポン菓子」や、実家の畑で獲れた野菜の販売など。大きな会社に勤めているわけでもなく、明日どうなるかはわからない生活をしているのは事実ですが、とりあえず食うには困りませんし、身の丈に合った生活でいいと思っていますから、ストレスはありません。毎日の充実度が全く違います。不安がないというのは、そういうことかもしれません。
よく、「地元に帰って働くなんてロハスでいいね」とか「のんびり過ごせて羨ましい」なんて言われるのですが、全く違います。金融の世界で働いていたテンションのまま、地域おこしの仕事に取り組んだらどれくらいの成果が挙げられるのかということを意識していますから、のんびりなんてしている時間はありません。そもそも地域おこしを生業とする以上、仕事とプライベートの境はないので、24時間、365日仕事のことを考えているともいえます。毎朝4時半に起きる生活も変わっていません。でも何も苦ではありません。小豆島は小さな島ですから、自分の仕事で与えられるインパクトはものすごく大きい。それが何より楽しいんです。その結果、「元気な人が来ると、島がイキイキするね」なんて言ってもらえたら、素直に嬉しいですね。

今、企画を進めているのが、小豆島の特産品を集めたギフトカード作りです。また、地元ならではの食材を使って作る「ポン菓子」の商売を、もっと洗練させていきたいと考えています。地元食材をアピールするためのビジネスモデルとして、全国の地域おこしで活用できると思うからです。ベーゴマが「ベイブレード」として復活したように、ポン菓子を「ポンスナック」としておしゃれで健康的なものとして復活させる。これが、今本気で考えているビジネスです。
僕は作り手でも売り手でもなく、地元にある素晴らしいものをたくさんの人に知ってもらうための「伝え手」だと思っています。地に足をつけ、地元のために働く。それが僕のテーマです。だからやれることはまだまだたくさんあります。ただ前を向いて一つずつ取り組んでいれば、不安なんて感じている時間はないです。逆に、自分の地域活性化の取り組みが老齢化のスピードに追いつかないとしたら…それが僕にとっての「不安」かもしれません。

不安の感じ方はひとそれぞれ。あなたはどうだろうか

今回は、キャリアの不安を感じる人と感じない人に分けて、それぞれの実態をまとめてみた。やはり「不安の感じ方」は人それぞれ。ある一つの出来事に対して不安に感じる人もいれば、全く感じない人もいる。そして、不安を感じ始めるボーダーも、人それぞれ違うものなのだ。不安がないことが素晴らしいことだとは言い切れないが、不安というものは一つのエネルギーにもなり得る。不安解消のために何かしらの努力をしている人がいたように、自分を変えていくためのきっかけにもなるのだ。あなたが今、感じている「キャリアの不安」はどんなものだろうか?今後のキャリアを考えるうえで、いま一度見つめ直してみてほしい。

スカウトで、あなたの不安が払拭できる環境を探してみよう

スカウトに登録することで、思わぬ企業や転職エージェントからオファーが届くことがある。「もっと成長したい」と考えている人はもちろん、今の仕事に何かしらの不安や物足りなさを感じていたり、新たなチャレンジを望んでいる人には、新しい出会いの貴重なきっかけとなるはずだ。オファーが届くことで自分の市場価値も再認識できるはず。まだ登録していないという人はこの機会にぜひ登録しておこう。

スカウトに登録する

EDIT&WRITING
志村 江

会員登録がまだの方

会員登録(無料)

会員登録がお済みの方

「今すぐ転職」にも「いつかは転職」にも即・お役立ち!リクナビNEXTの会員限定サービスに今すぐ登録しておこう!

1転職に役立つノウハウ、年収・給与相場、有望業界などの市場動向レポートがメールで届きます

2転職活動をスムーズにする会員限定の便利な機能

・新着求人をメールでお届け

・希望の検索条件を保存

・企業とのやりとりを一元管理など

3匿名レジュメを登録しておくとあなたのスキル・経験を評価した企業からスカウトオファーが届きます

会員登録し、限定サービスを利用する

※このページへのリンクは、原則として自由です。(営利・勧誘目的やフレームつきなどの場合はリンクをお断りすることがあります)