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5人の事例に学ぶ!「キャリアの不安」払拭のためのヒント
目まぐるしく変化する社会において、企業の社会的な立ち位置も刻々と変化している。自分の所属している企業の業種が今後も成長していくのか、また自分の就いている職種は今後も必要とされるのかなど、不安を感じている人も多いだろう。そのことを20代のビジネスパーソンはどう感じ、どう対処しているのか。今回は、28歳の5人にインタビュー。彼らは、自分の業種・職種をどう捉えていて、今後のキャリアをどのように考え、行動しているのだろうか。5人の考え方を、自身の今後のキャリアを考える上での参考にしてみてほしい。
2011年11月23日

【今後のキャリアの選択肢が広がりそうな職種に就きたかった】Aさんのケース
「店舗薬剤師」から「医薬品専門商社の営業」に転職
今後のキャリアパスが一つしかなく、選択肢が限られていることに不安を感じた
薬学部を卒業後、薬剤師として調剤薬局に勤務しました。入社4年目で店長を任され、自分よりも年上のメンバーをまとめるなど、期待されて働く毎日は充実していました。医療は人々の生活にダイレクトに関われる不可欠なもの。医療技術は日進月歩で刺激も多く、今後も成長が期待できる魅力の多い業界だと思っています。しかし、調剤薬局の数に比べ薬剤師の数が増えていて、今後のキャリアを考えた時に、このまま今の職種を続けていくことに若干の不安を感じるようになりました。また、現在の職場では、店長の次に目指せるのはエリアマネージャーのみ。選択肢がほとんどない状態で、仕事に将来性を見いだせない状況が続いていました。長く続けることで専門知識を身につけられるのは大きなやりがいです。しかし、それよりも「もっと視野を広げていきたい」という気持ちが強くなり、20代のうちに次のステップに進もうと、28歳で転職を決意しました。
医薬品業界の知識を活かし、今後の選択肢が広がりそうな職種に転職
転職先は医薬品の専門商社。職種を営業に変えた理由は、営業は店長職に比べて「つぶしのきく仕事」だと思ったからです。同じ業界ならば、自分の専門でもある薬剤師の資格や知識・経験が活かせるはず。さらに、自らの裁量でほかに出てさまざまな人と仕事ができる営業職に就いておけば、再度転職しようと思った時に、店長だけをしているよりも選べる仕事の選択肢が広くなるはずだと思いました。医療というものは、人々の生活に深く関わっているため、決して廃れることのない、今後も成長が期待できる産業だと思っています。日本もアメリカのように、「健康はお金で買うもの」という考え方が広まるはずだというのが私の考え。そうなった時には、医薬品メーカーや保険会社が担う役割は今以上に大きくなると思います。医薬品専門商社の営業という立場で広く深く業界に関われることで、最先端の情報に触れることができ、時代の変化にも対応できるスキルが身につくのではと期待しているんです。
【ニーズに合わせて提案できる業種に転職したかった】Bさんのケース
「通信業界の営業」から「ソフトウェア業界の提案営業」に転職
専門知識を活かした提案でなく、値下げで受注が決まる業種に物足りなさを感じた
前職は通信会社の営業。住宅やマンションを訪問し、インターネット回線や通信機器の導入を提案する仕事です。入社当時は業界も右肩上がりで、受注も取りやすく、最先端の専門知識をありがたがられることも多かったんです。しかし、徐々に競合が増えてくるにつれて、営業力や知識ではない部分、例えば値引きができるかどうかが受注を左右するようなことが多くなり、物足りなさを感じるようになったのです。ただ、インターネットは今や人が生活するためになくては困るもので、業界の将来性についてはまだまだ見込みがあると思っています。インターネット業界の別の分野で、単にモノを売るだけでなく商品知識を活かした提案型の営業をしたいと考えて、転職を決意しました。
幅広い商品を複合的に提案できる環境で、やりがいも大きくなった
現在は、大手ソフトウェア会社で法人向け提案営業をしています。ネットワーク商品の導入や通信機器の販売・コンサルティングなどに関われていて、市場の最先端で、前職時代よりも幅広い商品を扱うことができます。また、今後成長するであろうクラウドやデータベースなどの商品に注力し、基幹アプリやインフラ基盤の構築などの技術力を持ち合わせているのも強みです。実際に働き始めてみると、前職で経験したような「成長のスピード感」はそれほどありませんが、「劇的な成長はしないまでも常に需要が生まれる」業界だと感じています。顧客ニーズにこたえる提案の幅もぐっと広がったことで、「もっと専門知識を身につけておかないと」という意識も高まって、仕事への取組み姿勢が前向きになったように思います。一方で、前の会社のほうが少数精鋭のアットホームな職場だったので、裁量の幅が広く、出世のスピードも早かったかもしれません。今の会社で役職に就けるまでは、それなりに時間がかかりそうです。しかし、仕事のやりがいは、今の仕事のほうが大きいですね。
【今の時代ならではの、成長が見込めそうな業種に転職したかった】Cさん
「クレジットカード会社の営業」から「リサイクル業界の鑑定士」に転職
市場がすでに飽和状態で新規開拓を行いにくい業種に不安を感じるようになった
大学在学中から「将来は自分で雑貨店を開業したい」という目標があり、できるだけ多くの人と接する仕事を経験したいと考えていました。それで選んだのが営業の仕事です。中でも、人々の生活を便利にするもので、自分の頑張りによってたくさんの人の役に立てると思ったため、カード会社の加盟店営業を選びました。小売店や飲食店などを訪問し、クレジットカード取扱いの加盟店契約を勧めるのが主な仕事。先輩社員がイキイキと働いている姿を見て選んだ仕事でしたが、入社してみると、すでに多くのお店で導入済みだったりして、市場開拓に苦労することが多かったんです。担当エリア内の小さな個人商店や飲食店など、多い日は一日で100件近く飛び込み営業。それでも、「一つ一つの出会いが、私を成長させてくれるはず」と自分を奮い立たせていました。結局、5年間続けましたが、部署も担当エリアも入社時から変わらず、どこかで“やりきった感”が芽生え始め、「次のステージに進みたい」と思うようになりました。
「モノを大切にする意識」が高まってきた今だから、成長が期待できる業種だと感じた
転職のきっかけは、ブランド品買い取り店のスーパーバイザーをしている友人の話を聞いたこと。ここ最近、金の値段が上がったことで、買い取りビジネスに注目が集まっていますが、それよりも今後は、景気の影響や環境問題への配慮から「モノを大切にするという意識」はもっと高まっていくと思います。その点で、今後、成長が期待できる業界だと感じたのです。また、鑑定士の仕事内容を聞いて、単純に「面白そうだ」と思いました。営業職に比べると、鑑定士の経験のある人はまだまだ多くありません。鑑定士の経験を積んで、自分の店を持つ人も多いとのことでしたから、独立志向のある自分にはぴったりのキャリアだと思いました。実際、転職してからの会社の業績も好調で、各地に新店がオープンしています。また、経験を積んで認められれば、店長として登用されるチャンスもあるため、明確な目標を持つこともできます。常連客から査定担当として「指名」を受けるなど、自分の仕事への評価が実感できるところも、以前の仕事に比べてモチベーションが上がるところですね。スーパーバイザーやエリアマネージャー、出店担当など、キャリア選択の幅が広いところにも満足しています。
【世界に誇れる技術を持った業種に転職したかった】Dさん
「人材派遣業界のコーディネーター」から「半導体業界の人事」に転職を検討中
景気の影響を受けやすい業種に不安を感じるようになった
人材派遣会社で、登録者と派遣元との間をコーディネートする仕事に携わっています。入社当初は景気も今ほど悪くなく、業界そのものも順調に成長していました。働きたい個人と雇いたい企業の両方に向き合える環境で、成長できるチャンスが多いのではないかと思い選んだ業界です。しかし、2008年に起きたリーマンショックの影響で景気が悪くなり、自社の業務は大打撃を受けてしまいました。派遣社員の解雇も増え、業界そのものの元気がなくなったように感じました。社会にとって必要だし、決してなくならない業界だと思いますが、「景気に左右される」ことに対して不安を感じるようになったのです。
日本が世界に誇れる技術分野・電子機器や半導体などの製造業に興味
現在転職活動中ですが、電子機器や半導体といった製造業に興味を持っています。日本が世界に誇れる技術分野であり、技術者の採用は業績を左右する肝心なところ。人の雇用に関わってきた今までの経験を活かして、人事として転職したいと考えています。もちろん未経験転職になりますが、これまでに多くの求職者と接し、企業とのマッチングをやってきた経験が活かせると考えています。クライアントの人事担当者からも、「人のいいところを見抜く力があるので、人事に向いているのではないか」と言われたことがあるんです。人事というポジションは会社にとって必要不可欠。また、景気よりも自社の経営戦略に影響を受ける仕事だという印象を持っているので、納得感を持って仕事ができると思っています。
【変化のスピードが速い業種で働きたかった】Eさん
「食品業界の経理」から「インターネット業界の経理」に転職を検討中
成熟しきった安定感のある業種に、面白味を持てなくなった
食品メーカーで経理の仕事をしています。取引先からの伝票の処理や、出入金のチェック・管理などが中心です。グループのリーダーは入社20数年の大先輩で、その他4人のメンバーも30代後半以上のベテランばかり。先輩たちの仕事を見ていても、「数年先も今と大して変わらない仕事をしている自分の姿」が想像できてしまいます。安定感のある業界なので、働きやすく、安心できるいい環境だと思う人もいるとは思いますが、私は逆にそこに物足りなさを感じるようになりました。変化や刺激のある環境で働いたほうが、もっと成長を実感できるのではないかという思いが募り、真剣に転職を考えているところです。
目に見えて日々進化しているようなスピード感のある業種で、緊張感を持って働きたい
今後働くのであれば、変化が目に見えるような業種、例えばインターネット業界などに魅力を感じています。傍目からだと、まだまだ成熟するどころか、常に革新が起こっていて活気にあふれているように見えるからです。「明日、何が起こるかわからない」というような緊張感のある環境も張り合いがあると思うので、少数精鋭のベンチャー企業にも興味があります。実は今の会社が2社目なのですが、今と同様の伝票処理に加えて、給与計算や労務管理、採用窓口など、総務や人事関連の仕事も任されていました。今の業務では経理しか担当できていないのですが、転職するなら、前職のようにバックオフィス全般に関わりながら、経理のプロフェッショナルを目指せる環境がいいと思っています。
自分の「業種」「職種」の現状を見立てたうえで行動することが大切
20代後半の転職の場合、そこでの決断が30代以降のキャリアを大きく左右する。「なんとなく今後のキャリアに不安を感じる」という人は、まずは自分が何に対して不安を感じているか認識することが大切だ。自分の所属する業界の「業種」に対してなのか、「職種」に対してなのか、きちんと認識することができれば、次にどんな環境を目指せばよいのかを考えることができるだろう。どんな場合でも「転職してこうなりたい」という将来像をイメージしておかないと、納得できる転職はできないもの。まだまだ新しい挑戦はいくらでもできる。周りに左右されず、自分らしく成長できる環境を探してみよう。
リクナビNEXTスカウトを有効活用して自分に合った新しい環境を探してみよう
「リクナビNEXTスカウト」に登録することで、思わぬ企業やリクナビNEXT転職エージェントからスカウトが届くことがある。これまでに知らなかった企業について知るきっかけになるだけでなく、あなたが魅力を感じるような、思わぬ企業との出会いにつながるかもしれない。興味を持った企業があれば、その業界の将来性や、活かせるスキルについて研究してみよう。今後のキャリアを考えるヒントが、そこに見つかるはずだ。
- EDIT
- 高嶋ちほ子
- WRITING
- 志村 江
- ILLUST
- オブチミホ