年収は?貯金は?250人に緊急アンケート

28歳ビジネスパーソンの最新「お金」事情

景気が上向き傾向にあるとはいえ、まだまだ若手ビジネスパーソンのお財布事情は苦しい日々が続きそう。28歳といえば、ビジネスパーソンとして充実真っただ中の時期。にも関らず、この不景気で困窮にあえぐ生活を送っている人も少なくないという。そこで今回は、28歳の男女250人にアンケートを実施。「自分の生活はどれくらいのレベルなのか?」「ほかの人は、何にどれだけお金を使っているのか?」普段はなかなか知ることのできない「お金の実態」を、ファイナンシャルプランナーの解説も交えて検証したい。

アンケート概要/首都圏(千葉・埼玉・東京・神奈川の1都3県)在住の会社員(正社員)の男女(男女比5:5)に実施。

2010年5月12日

<ADVISER>

有限会社アルファアンドアソシエイツ 代表取締役
ファイナンシャルプランナー 中村芳子氏

早稲田大学商学部卒業後、メーカー勤務を経て独立系FP会社でファイナンシャルプランナーとして活躍。1991年に独立し、アルファアンドアソシエイツを設立。資産運用やライフプラン、保険見直しなどのコンサルティングや、金融記事の執筆、FP・金融セミナーの講師など、幅広い分野で活躍する。20代、30代に対するお金の啓蒙に力を入れている。主な著書に『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)、『女性が28歳までに知っておきたいお金のため方』(三笠文庫)など多数。

年収、ボーナス、貯蓄、家賃。
まずは気になる「基本情報」から

年収は?

年収額は、「すえ置き、もしくは微増」がほとんどか

2009年の年収を見てみよう。3人に1人が.300万円台という結果となった。次いで多いのが400万円台。この2つのゾーンだけで全体の6割を占めている。「28歳で年収が200万円台というのは少し低いと感じますが、大部分の人の年収が300万円〜500万円という結果はうなずけます。ただし、気になるのは2008年のデータと比べて、2009年のデータがさほど上がっているように読み取れないということ。普通なら、1年経っていればもっと給与アップが見込める年齢のはず。不況の影響からか、ほとんどの方が昨年から据え置き、仮にベースアップがあってもほんの少しだけ、という状況だったことがわかります。業種によっては減収だった人もいるはずです」(中村氏)

ボーナス額は?

もらえるだけマシ?厳しい状況が浮き彫りに

この不況下では、「ボーナスが出るだけでもマシなのでは…」と思っている人も多いだろうが、まさにその通りの結果に。「最近では年俸制でもともとボーナスがない人も増えていますが、首都圏の正社員に聞いて27%がボーナスがないという結果になったのは、やはり不況が影響しているからでしょう。30万円未満が全体の6割を占めているということは、住宅ローンを抱えている人はかなり厳しかったでしょう」(中村氏)

貯蓄額の表

貯蓄額はマネジメント力で決まる!

理想の貯蓄額は「30歳で年収分」と中村氏。貯蓄額が100万円未満という人が4割近くいる一方で、300万円以上の人が3割以上いるという両極端な結果となった。
「年収がさほど変わらない中、これだけの差が出るということは、自宅か一人暮らしかの違いによるところが大きいでしょうね。実際、この世代の親たちは裕福な世代といわれており、自宅に「パラサイト」できてしまう傾向にあります。貯蓄のできる環境は大事ですが、将来的には一人で暮らす力をつけておくことが重要なんです。30歳までには自立して、お金をマネジメントできる力を磨いておくべきでしょう」。

1カ月の家賃の表

家賃は「利便性」とセットで考えたい

やはり実家にパラサイト派が多いのか、30%の人が「家賃なし」。一番のボリュームゾーンは6万円台〜7万円台という結果に。
「一般的に、『家賃は給与の手取り額のうちの20〜25%』というのが理想です。手取年収350万円程度なら家賃7万円くらいまでに抑えたいところです」(中村氏)。
不況下においては家賃は値下げ交渉が大いに可能だとか。「相談する価値は十分あると思います。正直に『給与が下がったので、家賃を下げてほしい』と話してみてはどうでしょうか。また、しばらく借り手がつかなかった部屋に人が引っ越してきた時は狙い目。低い家賃で入っている可能性がありますから、うまく聞き出して更新の際に大家さんに話してみましょう」(中村氏)ちなみに、家賃は安ければいいというものでもないとか。「利便性も考慮して家賃を考えるのがベスト。いくら安くても交通費が高ければ意味がありませんし、通勤時間がかかれば、その分だけ自由時間が減るわけです。ほかにも終電の時間や定期券の利用圏内など、日々の生活サイクルなどを考慮したうえで選ぶのが賢い方法です」(中村氏)。

デート代や自己啓発費、
一体いくらかけているの?

飲みのおかね

無駄を減らし、メリハリをつけて楽しもう!

毎日の飲み代で給与のほとんどが消えているなんて人もいるのでは?「回数にもよりますが、1回の飲み代が3000円から5000円という額は、給与額から考えても大きな出費です。日本人が好む『飲みニケーション』を自己啓発費だと考える人も多いようですが、グチだけをいうようなむだな飲み会は『浪費』だと考えるようにしましょう。
飲み会もデートも、無駄を見直してメリハリをつけることが大事。たまにはぜいたくを楽しむことも大事ですが、毎回お金をかければいいというものではありません。頭を使って工夫して楽しめば、企画力が鍛えられますよ」(中村氏)

自己啓発

お金と時間をもっとかけて、自己鍛錬すべき

5000円以下が半分以上と、習い事や本代などにかける自己啓発費にはあまりお金をかけていないようだ。「お金をかけないでもできることがあるとはいえ、5000円以下というのはちょっと残念。28歳ならもっと自分自身を磨くためにお金を使ってほしいですね」(中村氏)。お金をかけない方法としては、社内のセミナーや福利厚生を調べて活用するなどのほかに、テレビやラジオの講座や、図書館などの施設を利用する手もある。
「お金をかける場合は、1時間でいくらという風に考える習慣をつけるといいでしょう。例えば3カ月で6万円という英会話スクールに通うとしても、1時間あたりの出費を考えると、結構高額です。それを考えると無駄もなくなり、やる気アップにもつながります。あとは、アフター5に習い事の予定が入ることで、無駄な飲み会に参加しなくなりが浪費も抑えられます」。

資産運用額の表

貯蓄の中の一定額を投資にまわすのが理想

半分以上の人が資産運用していないという結果に。これには、「したくても余裕がなくてできない」という側面も多そうだが…。「将来を見越して資産運用を考えることはとても大事なことです。ただし、その前にどれだけの額を資産運用に使うべきなのかを計算しておくことが大事。そうでないと生活そのものに支障をたす恐れがあります」(中村氏)。
資産運用に回す額は、預金額から緊急時に残しておきたい1カ月分の家賃(家族持ちなら3カ月分の家賃)を引いた、残りの金額のうちの1〜2割が目安。「リスクのある運用にまわしたいのは、10年間は使う予定がない貯蓄の50%。金額は人それぞれですが、貯蓄の1〜2割程度になるのでは。それ以外の部分(8〜9割)については、リスクのない預金などにして置いておくのが理想です」。
ちなみに、傾向としては、男性は圧倒的に「株」が多く、女性には「外貨預金」が人気。少ない予算で始められるという点では、一口1000円〜10000円程度で積み立てられる投資信託がおススメだとか。

老後の投資の表

老後も大事だが、今はもっと大事

数十年後を見据えて投資している人が3割弱。その中でも貯金(定期預金や財形貯蓄など)をしている人が最も多かった。「目的があって計画的に貯蓄をするなら別ですが、28歳では老後のことなどはまだ考えなくていいでしょう。5年後だってどうなるかわからない時代です。そんな先のことを考えるよりは、もっと『今』を大事にすべきです。老後を意識しすぎて自己投資を怠った結果、スキルアップの機会を逃してリストラされたのでは意味がありません。28歳はビジネスパーソンとして最も力が付く時期。まずはスキルアップにお金を使うことを優先すべきです」(中村氏)。

明確な夢を持てば、節約生活も楽しくなる!

28歳は、ビジネスパーソンとして力を蓄える一番大事な時期だ。不景気で給与が上がらなくとも、「メリハリの効いた計画的なお金の使い方」を身につければ、自己啓発にかかるお金はねん出できる。まずは、目的を持つこと。それを達成するために、日々の生活を見直し無駄を省くこと。明確な夢があれば、節約生活も楽しみに変わるものだ。

目標設定や自己啓発にもつながる
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限りある収入を有効活用するには、まずは夢や目標を明確にすることが大切だ。「リクナビNEXTスカウト」にレジュメを登録することで、自己分析ができ、夢や目標が自然と浮かび上がってくることも多い。思いもよらぬ企業からオファーがくれば、モチベーションもアップするし、社外の人と話すことは自己啓発にもなるのだ。自ら積極的に動いて、スキルアップにつなげよう。

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EDIT
高嶋ちほ子
WRITING
志村江
PHOTO
平山 諭
ILLUST
高田真弓

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