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10年後に伸びる有望市場はどれだ?
この激変する時代の中で、10年後を予測するなど無謀かもしれない。断定的に予測をしたところで、その通りにならない可能性のほうが高いだろう。とはいえ、今わかっている事実を組み合わせることで見えてくるものもある。たとえ先行きが不透明であっても、少しでも予測ができれば未来に対する備えができ、不安を和らげることにつながるかもしれない。そこで今回は3人のプロに、目の前にある事実をもとにした「10年後の有望市場」を大胆に予測してもらった。
2012年10月17日

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アイティメディア株式会社 |
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有限会社アリア |
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株式会社TNC |
【ITのプロに聞く】IT化がもたらす注目の市場とは?
お金のスマート化
電子マネーがすでに普及していますが、今後はさらにお金そのものをスマートフォンと組み合わせることで利便性を上げる「スマートマネー」ともいうべき市場が盛り上がるのではないかと予測しています。
そもそもお金というものはバーチャルなものですから、電子化との相性はいいはず。1000円があの形の紙であることに全く意味はありませんよね。だから、電子マネーのようにスマートフォンにお金を入れられるようにしておき、ボタンを押せばすべての支払いが「簡単に」「誰とでも」やりとり可能な仕組みになるのは、決して特別なことではないはずです。
技術的にも、NFC(近距離無線通信)がスマホに標準搭載されれば簡単に実現可能です。あらゆるクーポン券やポイントカードもすべて一括管理できれば、お金を使うことの利便性は著しく向上し、結果、新たな複合サービスが多々生まれるでしょう。特に、マーケティング手法は大きく変わるかもしれません。
また、個人商店や中小規模のお店に向けた導入支援サービスなどは当然立ち上がるでしょう。SNSと組み合わせることで、スマートフォン一つでご用聞きから配達手配、決算までを行うといった、新たな商売の仕方も生まれるかもしれません。
ネットとリアルを組み合わせた新サービス
ネットとリアルの関係が、どんどん変わっています。これまでは、「ネット証券」や「ネットお見合い」といったふうに、“リアルのネット化”が中心でした。しかし、Facebookに代表される“リアルな関係がネットに実装される”サービスや、「O2O(Online to Offline)」と言われるような、例えばSNS上でクーポンを配布して実店舗に足を運んでもらうといったマーケティングが普及。これはひとえに、スマートフォンが爆発的に普及し、誰もがいつどこにいてもインターネットに常時接続できる環境を手に入れたことに尽きます。こうした状況下での、ネットとリアルの関係をうまく駆使したサービスが、今後はいろいろと生み出されていくと考えられます。例えば、GPSを活用して近くのお店のお得な情報やサービスが随時配信されるとか、ネット上に集まったあらゆる口コミの蓄積から商品やサービスが検索できるようになる…といった可能性が考えられそうです。こうした環境の変化は、ブロードバンドの利用開始や、PC普及時と同じくらいのインパクトを秘めています。変わり目だからこそ、企画力で勝負しやすくなるはずです。
“なりすまし不可”で実現可能となる「ネット選挙」
2015年より導入予定の納税者番号制(マイナンバー)が大きなターニングポイントになるかもしれません。というのも、個人証明がこれまで以上に簡単で、かつ間違いにくくなると言われているからです。これをITの世界に導入することで、個人証明の部分が障害になっていたあらゆるアナログなサービスが、より安全にIT化できると期待されています。
例えば「ネット選挙」が考えられます。オンライン上で簡単に投票できるようになれば、もしかしたら選挙制度そのものが大きく変わるかもしれません。訴訟なども、わざわざ法廷に足を運ばなくてよくなり、これまで以上にスピーディーに行えるかもしれません。今まで想像もつかなかった意外なものがITと組み合わされ、新しいサービスやビジネスに成長する可能性は十分にあるので、例えばオンライン上で参加できる「ネット結婚式」「ネット葬式」というのも、考えられる話でしょう。
【シニアビジネスのプロに聞く】少子高齢化がもたらす注目市場とは?
高齢者向けのマッチングビジネス
まず、確実に伸びると考えられているのが、彼らが求めていることを実現するための「マッチングビジネス」です。“今日行くところ”と“今日やること”を求めている彼らには、「活躍できる場やサービスの提供」が必要です。落ち着いた雰囲気で仲間と集まれる飲食店や、生きがい起業をサポートするサービス、楽器などの若いころの趣味を楽しみたい人向けのライブハウスなどもいいでしょう。すでに、セミナー講師を探している自治体や学校などと、自らの経験や趣味・特技を誰かに伝えたいと意気込む高齢者をマッチングさせるビジネスが生まれています。
「シェアハウス」と「リノベーション」による住宅再生
古民家ならではの味を活かして、若者でも住みやすいようなおしゃれな家にリノベーション。そうすれば、多少は形を変えたとしても家は残せますし、将来的にも有効活用が期待できます。若年層の収入・消費は今後も右肩上がりは望めないため、「安く」「シェアする」というニーズは高まるでしょう。すでに、不動産業界を中心に注目を集める専門会社が出始めています。今後は、高齢者向けのシェアハウスも提供されるのではないでしょうか。
高齢者向けファッショングッズ
実は、彼らのニーズは高いのに、提供者がそれに気づいていない分野が多いと私は思っています。例えば、「遠近両用コンタクトレンズ」などもその一つです。現在65歳前後の団塊の世代が20代のころには、コンタクトレンズはすでに多く使われていました。しかし、老眼になるタイミングでコンタクトではなく眼鏡(老眼鏡)を使い始めてしまいます。遠近両用コンタクトレンズがあることさえ知らない人もたくさんいます。一方、せめて外出するときやおしゃれしたいときには、老眼鏡は使いたくないと思っている人も多いのです。もしも、遠近両用コンタクトレンズが今よりも使いやすくなり、皆がその使い良さを知れば、利用者は格段に増えるでしょう。その後の世代も必ず老眼になっていくのですから、市場としてのポテンシャルはとても大きいと考えます。
「老眼には眼鏡」「高齢者はヒールの靴など履くわけがないから、コンフォートシューズ」などの固定観念を外し、彼らが若いころに何をしていたか、今、何を欲しているかを真摯に受けとめたところに、新たなビジネスチャンスが潜んでいると思いますよ。
【海外マーケティングのプロに聞く】グローバル化がもたらす注目市場とは?
食習慣の変化に対応する「食のプロフェッショナル」
すでに多くの日本企業が進出し、ヘルシーな日本食は広く普及し始めています。世界中で日本食は人気ですから、海外向けの料理関連ビジネスや調理に関わる事業、システムキッチンや調理用品などの分野は今後注目が集まると予測できます。
日本ならではの高い質が活かされる教育産業
視点を未来に移すことで、有望市場が見えてくる
今回は、「IT化」「少子高齢化」「グローバル化」という3つのキーワードから、10年後に有望市場となりうるビジネスについて考察してみた。3人の識者に挙げてもらったキーワードの中には、すでに芽が出始めているものもあるだろう。大切なのは、現状をよく見たうえで10年先のわれわれの姿を具体的にイメージし、必要と思われるものを見い出すこと。起こることのすべては、起こるべくして起こる。想像力を働かせて次の動きを見据えながら、転職先だけでなく、日々の仕事における企画やビジネスモデルについても考えてみてはどうだろうか。
スカウトに登録して、チャンスを広げるきっかけをつくろう
スカウトに登録することで、思わぬ企業や転職エージェントからオファーが届くことがある。オファーの中には、数年後の新しいビジネスを意識して採用を行っているケースも多く、自分の力を試すにはもってこいといえそうだ。興味を持った仕事があれば、その仕事の将来性や、今後考えられそうな新たなビジネスチャンスについて想像してみるのもいいかもしれない。いろいろな仕事に興味を持つことはチャンスを広げることでもある。まだ登録していないという人は、この機会にぜひ登録しておこう。
- EDIT&WRITING
- 志村 江
- PHOTO
- 武島 亨