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結婚、出産、子育てを経て社会復帰した53歳女性が、地元中堅建設会社に新風を吹かせる “GOOD AGENT AWARD 2017” 金賞

株式会社アドバハンティングサービス 上田 隆寛氏

愛知県にある中堅建設会社Y社のリフォーム事業部は、事業開始から11年で3回も店長が変わっている。そして、また新たに、「店長職を降りたい」という申し出があった。相談を受けた(株)アドバハンティングサービスの上田隆寛氏が紹介したのは、非正規雇用で働く53歳の女性。このマッチングにより、どんなシナジーが生まれるのか。

経験や年齢よりも、“お母ちゃん”らしさを

 「建設やインテリア業務の経験がある、40歳くらいまでの女性。」これが、当初Y社が提示していた採用条件だった。リフォーム事業部に訪れるのは約9割が女性客。加えて、事業部内の人員は5人中3人が男性の工務メンバー。それらを考慮すると、店長は確かに女性であることが望ましい。しかし、経験や年齢にまでこだわりすぎると、候補者が集まらないことは上田氏の目に見えていた。

「企業の規模や年収、求職者の知識や経験を10段階のレベルで示した場合、例えばレベル8の求職者がレベル9の企業に入るとしたら、その求職者が自身を成長させながら活躍する姿が想像できます。しかし、レベル5の企業がレベル8の求職者を採ろうとするのは現実的ではありません。ただし、レベル4の求職者がその企業に入ることで、双方の成長につなげられることはあります。

では、Y社の場合はどうでしょうか。大手ハウスメーカーで経験を積んできた25〜40歳の働き盛りの女性が、年収300万程度の中堅建設会社の店長職に就こうと思いますか? なかなか難しいですよね。であれば、企業規模や年収を問わず仕事を探している求職者のなかから、本当に必要な能力を持つ人材を探すほうがよいと思うのです。」

そこで、上田氏は、Y社リフォーム事業部の店長職として本当に必要な人物像について考えぬいた。前任店長は、大手ハウスメーカーで設計経験のある40歳女性。設計やインテリアコーディネイトのスキルは高かったものの、お客さんへの対応や工務メンバーへの指揮といったコミュニケーションがうまくいかなかった。「つまり、店長職として必要なのは、10年くらいは働けて、女性のお客さんや男性従業員を取りまとめられる“お母ちゃん”みたいな存在だ。この条件さえクリアできていれば、経験や年齢は関係ないはず」と確信した。

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手を挙げたのは、正規雇用を目指す53歳女性

上田氏の考えをY社に伝えると、社長も首を縦に振った。上田氏は、3〜4年前からY社の人材採用を支援するほか、地域の周辺情報をもとに様々なアドバイスを行ってきた。そして、複数名の採用を成功させた実績がある。そんな上田氏に、社長は厚い信頼を寄せているのだ。

ちょうどその頃、上田氏の所属する会社で、「ポジティブ・アクション・オファー」というスカウト機能の利用ができるようになった。この機能は、男女雇用機会均等法が定める条件を満たす「ポジティブ・アクション」案件に限り、「女性限定募集」や「女性歓迎募集」として求職者にオファーできるというもの。「女性という条件は譲れない」というY社の案件にはぴったりの機能だ。上田氏は、「これでダメなら、女性という条件も外すことを検討してください」とY社に伝えたうえで、「ポジティブ・アクション・オファー」を開始。すると、2人の候補者が現れた。

候補者の1人、Bさんは事務職OL、結婚、出産、子育てを経て社会復帰をした53歳女性。復帰後は10年間、派遣スタッフとしてスーパーのレジ打ち、ラウンダーとしてパソコンのデモンストレーションなど、いずれも非正規雇用で12社の仕事を経験。2人の子どもたちが独立したのをきっかけに、正規雇用での就職を望むも、経験や年齢を理由にうまくいかない状態が続いていた。

上田氏は面談を経て、BさんこそがY社にふさわしい人物であると確信した。2人の子どもを育てあげたとあって、店長職に必要な“お母ちゃん”らしさが自然と身についている。加えて、「正規雇用でできるだけ長く働きたい」という意志も強い。さらに、年収200〜250万の非正規雇用で働いていた彼女にとって、年収300万の正社員として働ける安定感・安心感のあるY社は、最適な成長の場となるに違いないと感じられた。

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過去のことをとやかく言わず、“これから”を見て

しかし、「建設やインテリアの経験もなく、ずっと非正規雇用だった私に、いきなり店長職が務まるだろうか」と自信のない様子を見せるBさん。上田氏は、「あなたに知識や経験は求めていません。わからないことがあれば、一緒に働く工務メンバーに聞けばいいのですから。それより大事なのは、店長としてのマネジメント業務です。あなたならぜったいできると私は思います」と伝え、Bさんの不安を取り除くよう努めた。

また、「ここ愛知県で、子育てを終えた53歳の方が300万以上の年収で働ける職場はなかなかありません。Y社でなら、300万は保証されるし、頑張り次第では2年目から上げていくことも期待できます。そうしたら、安定した生活が送れますよね?」と、Bさんに必要だと思われる情報を余すことなく力説。「ぜひ、この会社で働きたい」という言葉をBさんから引き出した。

なぜ、上田氏はそこまでBさんに踏み込むことができたのか。その根幹には、上田氏の強い信念がある。

「私がいつも思うのは、『過去のことをとやかく言わない』ということ。転職経験が多いとか、逆に経験が不足しているとか、そんな済んだことを考えていてもしかたないじゃないですか。ですから、求職者には『これからどう成長していきたいですか』と問いかけ、クライアントには『入社後どう活躍してくれるかを見てください』と伝えます。そのうえで、クライアントと求職者、双方の良いところをしっかりと引き出し、つなぐのが転職エージェントの仕事。ピッタリと合うところが見つかるまで、できることをやりきるのです。」

また、上田氏は日頃から、愛知県という土地柄に合わせた転職支援を行うことを意識している。

「愛知県は、全国と比べると転職回数が圧倒的に少ない。条件だけで就職し、さらに条件のいいところがあれば転職する、といった考え方が許されにくい環境なのです。ですから、転職を希望する方には、『これを最後の転職にしましょう』と伝え、目先のことだけでなく60歳くらいまでのキャリアプランを考えてもらいます。そして、それが叶えられるイメージのできる会社を選んでもらわなくてはならないのです。」

赤字続きの事業部が、今年初めて黒字化へ

 一方、Y社社長は、40歳で住宅営業経験のある、もう1人の候補者に注目していた。しかし、上田氏は、「Bさんを第一優先で推薦します」と明言。面接後、社長の感想は、「上田さんの言っていたとおり、Bさんのほうがうちの会社向きでした」。こうして、Y社に必要な、「10年くらいは働けて、女性のお客さんや男性従業員を取りまとめられる“お母ちゃん”みたいな存在」として、Bさんが入社することが決まった。

その後、Bさんは自身の“お母ちゃん”力をフルに発揮し活躍している。まず、「リフォームの会社なのに、そのショールームがリフォームされていない」ということに気づき、ショールームのフルリフォームを提案。解体や下準備、工事手配などを積極的に行い、新ショールームを完成させた。そればかりか、新ショールームでは月に1回、地元の奥様方を集め、料理教室を開催。自ら講師を務め、お客さんとのコミュニケーションを深めている。

そんなBさんの姿を見て、男性工務メンバーも今まで以上にがんばり始めた。「職場の雰囲気が一気に明るくなったことが一番嬉しい」とY社社長。昨年まで赤字が続いていたY社は、今年初めて黒字化する勢いを見せている。

「この仕事なら、長く続けられそうです。安定した生活が実現でき、感謝しています」というBさんの様子を見て、上田氏はあらためて転職エージェントとしての決意を固めた。「これからも、クライアントや求職者一人ひとりと今まで以上に向き合っていきたいと思います」と。

転職者・企業へのメッセージ

【転職者の方へ】

過去の経歴を後悔したり、それによって萎縮したりする必要はありません。それより、これからどう働いていきたいか、長い目で見て考えることが大事なのですから。

【企業様へ】

求職者の方を色眼鏡で見るのをやめましょう。その方の持つ知識や技術、資格なども大事ですが、それ以上に、「これから何ができるか」に耳を傾けていただくと、新たな発見があるはずです。

【プロフィール】

株式会社アドバハンティングサービス 上田 隆寛氏

新卒で入社した会社では、通信事業を7年、広告事業を7年、派遣事業を7年経験。退職後、メーカー勤務を経て、(株)アドバへ。新設されたハンティングサービス事業にスタート時から携わる。2016年、同事業が(株)アドバハンティングサービスとして分社独立。主に中小企業を中心としたクライアントに対し、「サーチ型」と呼ばれる人材紹介手法により、人材を紹介している。一般的に知られていない、クライアント独自の魅力を引き出すことが強み。

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