会社都合により失業しました。最短で転職するためのポイントが知りたいです【転職相談室】
会社都合で契約更新にいたらず失業してしまったTさん。
経済的な理由からも、最短で転職できるよう動きたいと話します。
転職の流れや、できるだけ早く転職先を決めるための活動のポイントを、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがお答えします。
会社都合により、失業してしまいました。(Tさん/販売職/30歳/女性)
1年更新の契約だったのですが、ちょうど先日「会社の業績不振もあり、2年目の契約更新はできない」と言われてしまいました。
来月には無職になってしまい、貯蓄にあまり余裕もないので、できるだけ早く転職先を探したいです。
最短で動くにあたり、気をつけるとよいポイントを教えてください。
退職後はすぐに雇用保険(失業保険)の受給手続きをして、転職活動を始めよう
Tさんの場合は会社都合の失業となるため、退職後はすぐに雇用保険(失業保険)を利用することができます。
ちなみに、厚生労働省によると雇用保険を受けられる失業者とは、
・積極的に就職しようとする意思がある
・いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)がある
・積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていない
状態を指し、Tさんは問題なく申請できるでしょう。
雇用保険の受給期間(所定給付日数)については、離職日における雇用保険被保険者期間や年齢、離職理由などにより決められ、最低90日~最高360日の間で定められています。
また、雇用保険を受給できる権利の有効期限は1年間です。
失業保険(基本手当)の金額は、給与の総支給額などに応じて異なりますが、退職前6ヶ月の給与の総支給額の合計×給付率となります。
給付率は、退職時の年齢や賃金などによって異なりますが、45%~80%となります。
受給手続きをする際は、以下を参考にしながら進めてください。
最短で転職するための流れとポイント
仕事先を急いで決めたいものの、焦るあまり失敗しては意味がないので、注意したいポイントを事前に知っておきたいです。
ステップ①スケジュールを決める
経済的な理由が大きいのなら、現在の貯金額や支出額を出した上で、雇用保険の失業保険(基本手当)以外の収入が入らなくても生活ができる期間はどれくらいかを具体的に計算しましょう。
転職活動を無事終えて入社をしても、給料が支払われるのは一般的に入社翌月末なので、そのスケジュールも踏まえて考えるといいでしょう。
きちんと逆算して考えないといけませんね。
ステップ②自己分析や情報取集でキャリアの選択肢を広げる
まずは、何ができるのか、何がやりたいのかを整理していきましょう。
ただ、今回の契約更新がなかったことからわかるように、今後ニーズのある仕事かというと不安があります。
転職市場を考えても、これからの長期的なキャリアを考えても、接客経験を活かした未経験職種に挑戦する方がいいのではと思っています。
ただ、販売職のスキルがどんな仕事にどう役立つのか、具体的なイメージが持てていません。
対人スキルを活かすという点では、カスタマーサポートやインサイドセールス、サポート業務全般を担う事務職でも力を発揮できるでしょう。
しかしどんな職種にしても最低限のITスキルは必要になるので、経験・スキル面で不安があれば今から勉強を始めてみてはいかがでしょう。
マイクロソフトが認定するMicrosoft Officeに関する国際資格のMicrosoft Office Specialist(MOS)の勉強を始めるのも一つの方法です。
転職活動で「こんな勉強をしています」と言えれば、新しい知識を得ようという姿勢のアピールにつながります。
ステップ③一次面接・二次面接
複数の企業を受けた方が、比較検討した上で転職先を決められるので、入社後の納得感は高まります。
最短にこだわりすぎると、仮に転職できたとしても入社後にミスマッチがあり働きづらくなってしまったり、数ヶ月後に再び転職をしたりすることになれば、本末転倒です。
まずは応募先企業が、自分のスキル・経験を活かせそうな仕事内容がどうか、社風が合いそうかどうかをしっかりと見極めた上で、スケジュール上無理のない範囲で応募先企業を絞っていきましょう。
できるだけ早く転職活動を進めるためには、面接回数の少ない企業やオンライン面接ができる企業を選んで応募するのも一つの方法です。
先方には、一次・二次面接の希望日を幅広く提示し、選考がスムーズに行えるよう、こちら主導でスケジュール調整ができるといいですね。
企業としても、採用活動をしている以上はできるだけ早く入ってきてほしいというのが本音です。
失業の経緯や経済的な理由から急いでいると伝えれば、“転職意向が強い”と好意的にとらえられるのではないでしょうか。
企業によっては、一次面接と二次面接を同日に設定してくれたり、1回にまとめてくれたりと、選考プロセスを柔軟に変えてくれる企業もあるかもしれません。
ステップ④最終面談・比較検討
内定をもらったらすぐに決める、というのはあまりしない方がいいのでしょうか。
いつまでに転職をするという目標日程を決めることは大事ですが、その日程だけにこだわって急いで転職先を決めてしまうと「転職すること」だけが目的になってしまうので、入社後のミスマッチにもつながりかねません。
もちろん、経済的な理由から転職を急ぐ必要はあっても、仮に1週間待てばほかの選考が進んで内定が出るかもしれない、比較検討できるかもしれない…という状況なら、スケジュールを見直して柔軟に動くよう検討してみてもいいでしょう。
転職先を決めるという大事な決断だからこそ、慎重に進めてほしいです。
ステップ⑤入社承諾
転職活動においてしっかりと行動計画を立てて、条件面や企業の比較検討も抜かりなく行いながら動いていきたいと思います。
ありがとうございました。
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