転職トップ > 転職成功ノウハウ > Dr.門野の転活悩み相談 > 派遣事務から営業に転身したい。でも書類選考ですべて落ちている
(株)リクルート 門野友彦 1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。 |
2009年11月11日
塩尻有紗さん |
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一般事務を経験後、生命保険会社の営業に転職するが1年で退職し、派遣事務に。30歳を目前に法律事務所に正社員と入社したが、激務とパワハラで退職し、一時的に派遣事務に戻る。人と接することが好きなので再び営業に挑戦したいが、書類選考で落ちてしまう。 | |
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新卒で人材関連会社に入社し、2年半一般事務を担当しました。その後、生命保険会社に転職し、営業に携わったのですが、ノルマがとても厳しく安定収入すらままならず、退職。その後、派遣社員として2社で事務を経験し、30歳を機に「正社員として腰を落ち着けたい」と設立間もない法律事務所に入社したのですが、ここがとにかく厳しくて…。業務量の多さについていけず、「こんなこともできないのか」と社長に怒鳴られ、逃げるように退職したんです。
…それはつらい経験でしたね。そちらをお辞めになって、現在は?
一時的に派遣社員に戻りました。でも、やはり正社員になりたくて。前職の経験から、私は事務に向いていないのではと思ったので、以前手掛けたことのある営業職で探しているのですが、すべて書類選考で落ちてしまうんです。
なるほど。何社ぐらいに応募しましたか?
もう20社以上になりますね。1年前に転職活動していたときは、いくつかは面接に進めたんですが、それだけ環境が厳しくなっているんですね。もう1回営業に挑戦してみたいけれど、ここまで落ち続けると…。やはり、私の職歴だと、事務しかないのでしょうか。
本当に営業職に就きたいの?
うーん…周りには、「腰を据えて長く働きたいならば営業じゃないほうがいい」と言われるのですが、人と接する仕事が好きなので、営業がいいかなと。
営業にもいろいろありますよ。長く続けたいと考えるならば、同じ顧客をずっと抱え続けるスタイルの営業がいいでしょう。例えば、証券会社や生命保険の、エリア限定の営業専門職です。でもそういう求人は、契約社員や業務委託がメインですね。
生命保険ですか。私が勤めていたところはノルマが半端じゃなくて、プレッシャーが大きく、キツかったです。ルートセールスなんて、どうでしょうか?長く続けられそうなイメージがありますが。
確かに、ルートセールスは顧客が一定です。でも、顧客が決まっているだけに、高い専門知識がないと務まらない。また、顧客に気に入られないことには始まりませんから、足しげく通って、たまには接待をしたりと、常に気を使い続ける必要があるでしょう。
うーん…キツそうですね。
これで大変と思うようならば、営業は向いていないと思いますよ。業界最大手の、皆がうらやむような超大手企業の営業だって、同じ努力をしているのですから。…そもそも、塩尻さんはあまり営業に向いていないような印象です。おっとりしていて、おとなしいタイプですよね?営業はじっくり相手の話を聞くことも大切ですが、一方で「狩猟的」なアグレッシブさも必要です。
確かに、押しは強くないですね。どちらかというと受け身。そうなると、やっぱり事務なのかなあ。
そうですね。無理に方向転換するよりも、事務職中心に当たったほうが確率は高いでしょう。ただ、一般事務の正社員は今、非常に競争率が高いです。派遣契約を打ち切られた人が、一斉に正社員を目指しているためです。競争を勝ち抜くには、もっと応募書類の内容を工夫する必要がありますよ。
競争率が高いのですね。実は、最近いくつか事務職にも応募してみたのですが、そこも書類選考で落ちてしまって…。
どういう企業に応募したの?
自動車ディーラーのA社や、大手不動産関連会社のB社などです。
うーん、応募する企業も、再考したほうがいいですね。知名度の高い大手企業は、それだけ競争率も高い。だから、もっと小さい企業にも目を向けましょう。
小さい企業って、ベンチャーですよね?前職でのトラウマがあって、設立間もないところはどうしても尻込みしてしまいます…。
ええ、なので注目すべきは「歴史の長い中小企業」です。規模は小さいけれど、すでにビジネスモデルが確立していて安定感のある企業。少なくとも、設立して10年以上経っているところがいいでしょう。その中で、総務も人事も何でもやる!というスタンスで臨むのが、いいんじゃないかな。そういう企業は、欠員募集がメインだと思うので、転職サイト以外にハローワークや折り込みチラシ、地元エリアの無料求人誌なども併用するといいでしょう。
なるほど、わかりました。
応募書類も大幅に見直しましょう。今の職務経歴書では、「電話対応」「書類の作成」「エクセルでのデータ管理」と手掛けた業務が箇条書きにされていますが、これでは塩尻さんがどれほどの業務を任されてきたのか、どういう役割を担っていたのかが判断できません。新人さんの職務経歴みたいで、ビジネスパーソンとしての積み重ねや成長ぶりが見えてこないんです。
え?ではどう書けばいいんですか?
例えば、エクセルでのデータ管理。これってただ手段を伝えているだけでしょう?「何のために」エクセルでデータ管理をしたのか、その「目的」をメインに伝えるんです。
それで言うと…企業法務や民事事件の案件を、エクセルにまとめて検索性を高めました。担当者以外にも、事例を共有できるようにするためです。
情報管理の仕組みを作ったということですよね?そういうことこそ、伝えないと。
そうなんですね。ピンと来ていませんでした。
まとめ方で迷ったら、人事の視点に立って読んでみるといいでしょう。人事にとって魅力的に映るか、この人なら会ってみたいと思えるか、判断してみましょう。
わかりました。さっそく見直してみます!早く転職先を決めたいので、今の派遣先をやめて、本腰を入れて転職活動しようと思うのですが、どうでしょうか?
いや、それは止めたほうがいいでしょう。…今の環境は辛いの?
いえ、みんな人がいいし、居心地もとてもいいです。でも、給与額が低くて…。派遣という立場も不安定ですし。
それだけが理由ならば、頑張りましょうよ。塩尻さんは派遣歴が長いから、ただでさえ職歴が多く見えてしまいがち。今の会社も辞めてしまっては、ますます「辛抱できない人」と思われてしまいますよ。今の環境をベースに、腰を据えて活動することをお勧めします。
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- 伊藤理子
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