失敗しないための『転職完全マニュアル』

■面接編 STEP3 効果的な「逆質問」で企業の本質を探ろう STEP1 STEP2 STEP3
アガってしまい、言っていることが意味不明。これでは面接官も合格のハンコを押せるはずがない。面接で陥りがちなミスを知り、準備を進めておけば、
当日「頭真っ白」にならずに済む。面接の最後に訪れる「逆質問」のチャンスも逃さないように。
POINT1 「これでハマった!」エンジニアが陥りがちな失敗例を知っておこう
「(会社の不満は言っちゃいけないって言ってたな…)「今の仕事はおもしろくてやりがいもあり…」
「じゃ 辞めることないんじゃないの?」(アチャ〜)
「何かそちらからお聞きになりたいことは?」「ありません・・・(シュン…)」
「ただいま〜」「失敗したよ〜〜」「どうせダメだからいつ返事がもらえるかも聞かなかった…」「そんなガッカリしないで」
「ホラ、結果は吉と出ました」「ぜんぜんなぐさめられ〜ん」
面接担当者がいろんな角度から質問を投げかけてくるので、焦ってしどろもどろになってしまった……。そんな経験を多くの人がしているようだ。面接での失敗――多くの場合その原因は「準備不足」のひと言に尽きる。あらゆる質問の準備をするのは難しいが、なぜ転職したいのか、今後どんなキャリアを積みたいのか、なぜ転職先にその企業を選んだのかという「幹」がしっかりしていれば、「枝葉」の質問をされても答えに詰まることはないはずだ。
エンジニアが陥りがちな失敗例
失敗例その1 志望動機と退職理由が一致しない
応募者
応募者: 「人員不足であまりに業務範囲が広く、専門的な知識や技術力を身につけるのが難しいと考え、転職を決意しました」
面接担当者
面接担当者: 「それではなぜ、当社を志望したのですか?」
応募者
応募者: 「さまざまな業界に顧客を持つ、御社の幅広い事業展開に魅力を感じたからです」
面接担当者
面接担当者: 「……専門的なキャリアを積みたいのではないのですか?」
志望動機と退職理由を別々に考えてはダメ。矛盾がない答えを用意する。
失敗例その2 その会社を志望する理由が不明瞭
面接担当者
面接担当者: 「なぜ当社を志望したのですか?」
応募者
応募者: 「今後も成長が見込める金融の分野で、キャリアを積みたいと考えたからです」
面接担当者
面接担当者: 「金融業界にはたくさんの企業がありますよね。その中でどうして当社を志望したのでしょうか?」
応募者
応募者: 「えっと……(しどろもどろ)」
どの会社に対しても同じ志望動機ではなく、企業研究をしたうえで「なぜその会社でなければならないのか」を明確にする
失敗例その3 転職しても退職の原因が解消できない
応募者
応募者: 「現在の職務では顧客が大きな企業ばかりで、決裁に時間がかかったり、最新の技術を使おうと思っても決断してくれないケースが多いんです。このままでは私自身の成長のスピードも止まってしまうのではないかと考え、転職することにしました」
面接担当者
面接担当者: 「当社の顧客は決して大きな企業ばかりではないですが、同じようなことがよくありますよ。顧客相手に仕事をしている以上、どこでもあり得る話です。だったら、当社に転職しても仕方ないですよね」
応募者
応募者: 「……(頭真っ白)」
不満の原因が、応募先の会社で解消されない、あるいはどの会社でも起こりうるようなことを退職理由にしない。
POINT2 企業の実像を探るための「逆質問」をしよう
面接は、採用に値する人材かどうかを企業から判断されるだけの場ではない。その企業はキャリアを積むのにふさわしい会社か、自分に合う会社か、実際に見たり聞いたりできるチャンスなのだ。会社訪問の際は、会社の雰囲気や働いている人の表情を観察しよう。 面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれる場合が多いが、ここが「逆質問」のチャンス。仕事内容や開発環境など、具体的に質問をしてみよう。特に、エンジニアの場合は技術面接があり、現場をよく知る部門担当者から直接話を聞くことができるので、積極的に質問したい。
「逆質問」の例
例
「教育研修制度が充実していると求人広告にありますが、内容はどのようなものですか?また、エンジニアの方々の利用状況はいかがでしょうか?」
教育研修制度の内容や実施状況を聞くことで、その企業が人材の教育、育成に熱心かどうかがわかる。一般的に、ある程度お金と時間を掛けてエンジニアのスキル向上を目的とした研修を用意している企業ならば、成長できるチャンスも多い。研修内容を知ることで、エンジニアの仕事に何が求められるのかつかむこともできる。
例
「プロジェクトリーダーの方の平均年齢は何歳ですか?また、最年少の方はおいくつでしょうか」
年功序列で一定の年齢に達しないと責任あるポストに就けない会社か、実力次第でポストを任される会社かが判断できる。自分にとって適した評価、昇進制度を持つ会社を選んだ方が居心地がいいし、やりがいも上がるはずだ。「中途入社者のなかで最も活躍している人」の具体的な活躍ぶりを聞くのも有効だ。
例
「エンジニアに対する御社の評価基準はどのようになっていますか?」
転職後の給与額は誰もが知りたいところだが、ストレートに聞くと不快に思う面接官もいる。このように評価制度を問うことで、給与の設定の仕方や昇給の基準を探ることができる。もし、応募先が実力主義を謳っているなら、「御社は実力主義とうかがっておりますが」などの前置きを入れるとスムーズだ。
例
「社員の方の一日の行動スケジュールはどのような感じなのでしょうか?」
入社後の仕事のイメージをより具体的につかみたいならば、社員の実例を聞くのが有効だ。配属されるだろう部署の一日の仕事の流れを聞けば、面接官も答えやすい。中途入社した社員に直接話を聞かせてほしいと願い出るのも一つの方法。面接官の感触を見つつ、思い切って切り出してみるのもいいだろう。
POINT3 面接のその後の流れを知っておく
採用決定の流れや応募者の人数によって、採否の連絡までの日数は異なる。面接の最後に、いつぐらいに返事がもらえるのか聞いておいたほうがいい。採否について、まだかまだかとやきもきすることもないし、連絡が来ない場合はあきらめて次の応募先選定に早く取り掛かれるからだ。また、面接で失敗してもあまり落ち込まないこと。1社落ちたとしても、何者か活動するうちに自分らしさが出せるようになるし、本当に自分に合う会社がわかるようになる。ただし、1社ごとに「なぜ落ちたのか」を分析することは大切。その反省を次の応募に生かそう。
エンジニア読者が証言!
「できれば私と同年代で」「同じ職種の方とお話をさせていただけませんか?」 「う〜ん(あんまりぶっちゃけトークされても困るな〜)」 「じゃあTV電話で……」「ハイ…」 「正直残業がピーだし、昇進はピー…」「検閲されてる!!」
同年代で中途入社の人に会わせて!
面接に出てくるのは、たいてい現場のトップやマネジャーです。でも僕は、入社後のイメージをつかむために、同年代で、できれば同じ仕事をしている中途採用の人にも会いたいと思いました。いくつかの会社で頼んでみましたが、快く会わせてもらえた会社もありました。今の会社はその中のひとつ。すべてが本音ではないにしても、リアルな話が聞けてよかったです。皆さんもダメモトで頼んでみては?
(28歳/社内情報システム、MIS )
ひねった質問で仕事のイメージを
コンサルタント志望でしたが、前職がパッケージソフトの開発だったので、仕事のイメージが今一歩わかりませんでした。技術を離れてしまうのはイヤだなという思いもありました。で、面接で「顧客と会う以外の時間は、何をしているのか」と質問してみました。すると、プログラム開発もできるし、自分の勉強のための時間もとれるとのことなので、納得して入社できました。
(28歳/コンサルタント)
「なぜ質問するのか」を明確に示す
質問する時には、自分が現在おかれた立場や状況もあらかじめ伝えて、質問の意図が正確に伝わるようにしました。例えば「自分はこれまでこういう技術を中心にやってきたが、今度は新しい要素が入ってくるようなので、業務内容をもう少し詳しく聞きたい」というふうに。そのほうが相手にも親切だし、どういうつもりで聞いたのかがわかれば的確な答えが返ってきやすい。
(33歳/システム開発(Web・オープン系) )
「一番もらっている人の給与」から
面接で提示された給与が、思ったよりも低め。経験も浅いし、1年目はしかたないかなと思いましたが、昇給の可能性を確認しようと思い、「同じ仕事で、一番もらっている人はどれくらいですか」と聞いてみました。かなりの格差があったので「実力主義の給与体系」とわかり、入社してから頑張ろうとファイトがわきました。今はもちろん入社時よりたくさんもらっています。
(32歳/セールスエンジニア )
Part4 退職編  STEP1 「円満退社のためのスケジュールを確認しよう」へ
Part1 転職活動準備編
1.転職の目的、キャリアの棚卸をしよう
2.転職の流れ、手段を理解しよう
3.会社研究・情報収集をしよう
Part2 レジュメ作成・応募編
1.履歴書を作成しよう
2.職務経歴書で経験を魅力的に伝えよう
3.スカウトサービスを有効活用しよう
Part3 面接編
1.前日までに面接の準備をしておこう
2.面接で何を聞かれるのか把握しておこう
3.効果的な「逆質問」で企業の本質を探ろう
Part4 退職編
1.円満退社のためのスケジュールを確認しよう
2.保険、税金、年金の手続きをしよう

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