失敗しないための『転職完全マニュアル』

■レジュメ作成・応募編 STEP2 職務経歴書で経験を魅力的に伝えよう STEP1 STEP2 STEP3
職務経歴書は、今までのキャリアをアピールするためのプレゼンテーションツール。経歴のまとめ方ひとつで評価が大きくぶれることもある。
応募先企業のニーズを知り、読み手の気持ちに立って、わかりやすい書類作成を目指そう。
POINT1 部署名だけではダメ。プロジェクトごとに、個条書きでまとめる。
「○○システム開発部に所属…と」
「これじゃ部署名並べただけじゃん!」「何やってたかわかんないわよ!」
「じゃ Eくんが転職したときの職務経歴書を参考に書き直すか…」「Eさんって素材メーカーじゃん!」「違う業種の人のは参考にならないわよ!」
「よーし こうなったら地力で徹夜で書き上げてやる!」
(翌朝)「長すぎる経歴書もダメっていわなかったっけ?」(バタッ)
職務経歴書は、自身のキャリアをアピールするには欠かせないツール。「何年に、どこの部署に配属になり、どんな仕事を担当した」を記すのが基本だが、エンジニアの場合はこれだけでは不十分。職務経歴書と言うよりは「技術経歴書」ととらえ、プロジェクトごとの仕事内容や役割、身につけたスキルなどを明確に示す必要がある。
職務経歴書の基本ルール
●読みやすくする工夫を
ダラダラと書くのではなく、ひと目でわかりやすく簡潔なものが好まれる。パソコンで作成し、保存しておけば複数の会社に応募する際にも便利だ。
●A4判1〜2枚が基本
手掛けた業務などを詳細に書くのが望ましいが、職務経歴書はA4判1枚ぐらいが基本。多くても2枚は超えないようにしよう。
●編年体形式か、キャリア形式で
職務の表記法には、何年何月にどこで何をしたか、時間の経過を追って記述する編年体形式と、携わった職務分野や技術ごとにまとめる形式の2パターンがある。一般的には、携わったプロジェクトの数が少ないなら編年体形式を、数が多くて時系列では散漫になるなら、技術分野ごとにまとめる方がいい。いずれの方法でも、読みやすく個条書きにするのがポイント。
●未経験者こそ提出すべき
「未経験職種への応募だから職務経歴書を提出しても意味がない」なんてことはない。逆に、未経験だからこそ提出すべきなのだ。今までの経験の中から仕事に役立つ能力、資質を見出してもらえるかどうかが勝負。より多くの判断材料を提示しよう。
職務経歴書に盛り込むべき内容
●職務経験を詳細に記入
ソフトウェア分野を例に取ると、部署名(例:○○システム開発部)、携わったプロジェクト名(例:人事管理システムプロジェクト)、そのプロジェクトの内容と顧客(例:自社パッケージソフトを組み込んだ金融機関向け人事管理システムの開発)と規模(例:メンバー20人)、その中で担当した役割、部下は何人いたか(例:リーダーとして4人の部下とともに業務改善の提案からシステム構築までを担当)、使用機種、使用言語(例:WindowsXP、JAVA)などを個条書きにまとめる。
●技術以外のスキルも記入
技術者の場合忘れがちなのが、マネジメント経験や新しい仕組みの提案経験など、技術以外のスキル、経験だ。役職はなくても、プロジェクトを率いた経験やメンバーの管理、企画提案の経験は必ず記入しておきたい。
●新入社員研修などで基礎力をアピール
社会に出て初めて受ける研修についても、基礎が身についているかどうかの判断材料になるので、特に社会人経験が浅い人は詳細に記しておこう。
●取得した資格や社内外の研修も明記
取得した資格や、社内外で受けた研修の内容なども、時期や期間を併せて明記しよう。身につけた技術力を客観的に証明する材料になる。また、自らスクールに通った経験があれば、向上心をアピールする材料となるので記入を。
●担当技術分野が多岐にわたる人は「キャリア形式」で
大企業に勤務していて異動が多く、しかも担当の技術分野がたびたび変わったという人の場合、事例のような編年体形式の職務経歴書よりも、技術分野別に経歴をまとめたキャリア式の職務経歴書にするとわかりやすいだろう。この例をキャリア式の職務経歴書に変えた場合、業務システムの分野と画像処理の分野を項目立てして、その中を「○年○月〜○年○月、○○システムを担当」のように時系列で並べる。技術分野をまとめて、経歴が散漫に見えるのを防ぎ、得意分野を明確に見せられるメリットがある。
職務経歴書見本
職務経歴書、ここをチェック!
●ダラダラ文章でつづらない
個条書きでしっかり項目立てして書くのが基本。「○年、○○開発部に配属となり、エンドユーザー向けシステム開発プロジェクトにリーダーとして携わった。私が率いたメンバーは4人で、業務改善の提案からシステム構築までを担当。使用言語は……」などとダラダラ文章でつづると、わかりにくく読みにくい職務経歴書になりがちだ。
●所属部署名を羅列するだけではダメ
部署名は会社独自の呼称。「第3システムグループ」などと書かれても何をやっている部署なのか想像できない。具体的なプロジェクト名や規模、言語、役割を記すこと。
●職務内容が想像できない表現は×
職務経歴書は簡潔に、が基本とはいえ、「システム開発を手掛ける」だけではどんなキャリアを積んできたのか全く想像できない。何を担当したのかが伝わるよう、表現の工夫をしよう。
POINT2 技術分野ごとにアピールすべきポイントは変わる
技術分野によって、盛り込みたい内容は変わるものの、「ソフトウェア分野なら使用言語、使用機種」「ハードウェアでは開発ツール」など、各分野共通の技術用語を使用すれば、採用担当者にわかりやすい職務経歴書は書けるはずだ。もし、自分のキャリアをどのような言語で表現したらいいか分からなければ、リクナビNEXTの「経験・スキルから探す」を活用しよう。技術分野ごとに技術用語が並んでいるので、経験のある技術分野をチェックしてみるといい。これをプロジェクトごとに振り分けると、まとめやすい。
長すぎる職務経歴書もダメ。応募企業との関連分野に内容を絞ろう。
前述のように、職務経歴書は多くてもA4判2枚。詳細に書こうとするあまり、何枚にもわたるような大作を作ってしまう人もいるが、これは逆効果。長すぎて採用担当者が読む気を失ってしまう可能性があるばかりか、得意分野が伝わらず、結局アピール度の低い職務経歴書になってしまうからだ。得意分野により多くの分量を割き、強みを強調すること。あるいは応募先企業の事業や職務内容に必要なスキル、経験を選んで、その部分を中心に構成するといいだろう。
エンジニア読者が証言!
「サトウくん、君の職務経歴書だが…」 「この銀色の部分は何かね?」 「肝心な部分はコインで削らないと見えないようになってるんですよ」「(!!)」 「めっちゃ興味ひかれるぅ〜(コシコシ)」「へっへっ」
チラリズムの法則
職務経歴書はとにかくわかりやすく書くこと。また100%書くのではなく、この人に会って話を聞きたいと思わせる書き方にしたことが成功の秘訣だと思っている。
(30歳/システムエンジニア)
日頃からまとめておくと便利
以前の転職では、担当プロジェクトを細かく覚えていなくて、職務経歴書を作るのにすごく苦労しました。そこで、ひとつのプロジェクトが終わるごとに、要した期間、チームの人数、自分が担当した業務内容、成果などをメモして残すようにしました。おかげで今回は楽にわかりやすいものを作ることができました。
(35歳/機械・機構設計、金型設計)
貢献度だけでなく成長の足跡も
職務経歴書を書く時は、自分がどのように貢献したかを書くと同時に、その仕事を通じてどんなことが身についたかという成長の歴史が伝わるようにしました。面接したマネジャーからは「あなたのビジネススキルとヒューマンスキルがよくわかる」とほめられました。
(32歳/コンサルタント )
リーダー経験を強調してアピール!
リーダーの経験をより具体的に書いた。メンバーの人数やプロジェクトの規模だけでなく、プロジェクトにおける自らの役割と、メンバーに任せた仕事を詳細に記入した。さらに以前プロジェクトで失敗したときの対応策などもアピール。応募先企業に興味を持ってもらえた。
(35歳/コンサルタント )
STEP3 「スカウトサービスを有効活用しよう」へ
Part1 転職活動準備編
1.転職の目的、キャリアの棚卸をしよう
2.転職の流れ、手段を理解しよう
3.会社研究・情報収集をしよう
Part2 レジュメ作成・応募編
1.履歴書を作成しよう
2.職務経歴書で経験を魅力的に伝えよう
3.スカウトサービスを有効活用しよう
Part3 面接編
1.前日までに面接の準備をしておこう
2.面接で何を聞かれるのか把握しておこう
3.効果的な「逆質問」で企業の本質を探ろう
Part4 退職編
1.円満退社のためのスケジュールを確認しよう
2.保険、税金、年金の手続きをしよう

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