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流行とともにクルクル変わる女性のファッション用語。今回は、ITエンジニア向けに難解なファッション用語をご説明する企画。これであなたもおしゃれ軍の仲間入り?
(文/渡辺将人 総研スタッフ/タニー只野)作成日:14.02.27
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システムエンジニアとして1日中パソコンの前で暮らしていると、ついつい縁遠くなってしまいがちなファッション関連の話題。実はしっかり追ってみると「短い周期で変わるトレンド」「定番の隙間を突くような新製品」「廃れたはずの流行の唐突な再浮上」などなど、IT業界とよく似た現象が起こっている業界だったりします。
今回は、そんな遠いようで似ているファッション業界の用語について、最新の女性向けファッション誌で用いられていた単語を中心に解説します。
「少女っぽい」という意味合いの言葉。英語で書くと「girly」。ふんわりしていたり、ひらひらしていたりするような、かわいい系の洋服やアイテムに対して使われる。
あくまでイメージ的な言葉なので、どれがガーリーで、どれがフェミニンで、どれがコンサバで、どれがカジュアルなのかといった分類を厳密に定義するのは難しい。プログラマには、どのソースコードの書き方が関数型っぽく、どれがオブジェクト指向っぽく、どれが手続き型的っぽいのかを判定する機能が“内蔵”されているが、それと同じように、世の中の女性にはガーリーを判定する機能が“内蔵”されており、見た瞬間に自動で分類できるようになっているのだと思われる。
最近のファッション誌では、ティーンズ向けのものから大人向けのものまで幅広くこの言葉が出現している。ティーンズ向けでは「全身ガーリー」なファッションが、大人向けでは全体はシックだけどワンポイントで「ちょっとだけガーリー」なスタイルがよく見られる。あなたの職場もぐるりと見回してみると「今日はちょっとガーリーに攻めてみた」女性の姿が目に入るかもしれない。
くるぶしくらいまでの丈のブーツ。一般的なショートブーツより丈が短く、パンプスよりは長い。今までにあったものたちの中間くらいを突いてきた製品。2007年ごろに1度ヒットして、今でも定番アイテムとして使われている。
こうした2つの一般的なアイテムの真ん中を狙う商品というのは、ITの製品でもよく見かける。10インチとスマホの中間で7インチタブレットが出たり、ファットになり過ぎた定番フレームワークの代替としてシンプルなものが少し流行った後に、その中間くらいのサイズのフレームワークが出たり。
その手のサービスを作って一発当てたいと考えている起業家志向の人は、職場の女性がブーティを履いている姿を見ながら何か目新しいサービスがないか考えてみると、良い発想が生まれるかもしれない。
IT系の人が「マック」という言葉を聞くと、パソコンを真っ先に思い浮かべる人が多いが(プログラマは特に)、ファッションの話題の中で「マック」というと、化粧品などを販売している海外ブランドの「M・A・C」を思い浮かべる人が多いそうだ。
「マックと聞いて連想するものはなに?」と聞くことで相手が興味を持っている分野がわかる、というネタは定番として使われている。
まぁ、普通はハンバーガーショップを真っ先に思い浮かべると思うのだが。
ピンク色の丸くてかわいいゲームキャラではなく、シュワルツネッガーの作品に出てくる「第三次大戦だ!」の名セリフを残した将軍でもない。ボディラインの丸みを表現する言葉。
ウェストやヒップから太腿にかけてカーブしてるラインを、カービーラインと呼ぶ。ピンクのキャラほど丸みを帯びてるわけではなく、もっと女性らしいタイトで滑らかなラインをしている。
カーヴィーと表記されることもあるようで、女性ファッション誌『CanCam』の2014年1月号にはカービー、『小悪魔ageha』の2014年2月号ではカーヴィーと表記されていた。そういえば少し前にダンスエクササイズでも、この言葉が流行っていたような。
原語が「scallop」(ホタテ貝)であることからもわかる通り、ホタテ貝のような波型を重ねた装飾やカットを指す言葉。トップスやスカートの裾にスカラップカットを施しているアイテムはよく見かける。
プログラミング言語のScalaを常用している人は、「Scalaのライブラリか何か?」と思ってしまいそうな名前だが(実際にScallopという名前のコマンドライン引数パーサライブラリが存在する)、当然ながらそれとは何の関係もない。
派手な付け方をするとロリータっぽくなるが、控えめにすれば職場に着ていく服にも使える落ち着いた装飾になる。同じカットでもアピールの仕方によって印象が大きく変わるところは興味深い。
わが家では「ちょっとシュッシュ取って」と言われるとファ○リーズのことを指すが、ファッション用語的には布とゴムで作られた髪留めを指す。
花や蝶などをイメージしたかわいいデザインをしているものが多く、ポニーテールにする時や、髪を盛る時などに使われる。2010年にリリースされた某アイドルグループのタイトルでその存在を知った人もいるのでは。
プログラマをしていると「前髪がうっとうしくなってきたけど仕事が忙しくてカットしに行く暇がない」というシチュエーションによく出くわす。そうした場合は、バンダナをするとかゴムで止めるといった暴挙に出たりせずに、男性的なデザインのシュシュで髪を止めてみるというのもアリなのではないだろうか。いや、きっとアリではない(反語)。
鹿児島県産が有名な食肉ではなく、「黒ブーツ・黒タイツ」の略。黒ブーツと黒タイツでそろえると足元がすっきりして見え、上に何を着ても合わせやすいので使い勝手が良い。街を歩いていてもそれなりの頻度で見かけられる。
「黒ブタ」という略し方はごく稀に見かけるくらいで(『CanCam』では何度か使われている)、それほど広く使われているイメージはない。しかしインパクトがある語感なので一度聞いたら忘れられない言葉でもある。
インパクトのある名前を採用することで認知度が変わるのはソフトウェア開発の世界でもよくあることだ。5年前に大して流行らずに消えたはずの概念が、名前を変えて再登場したら急に流行った、なんていう事態もちょくちょく起きている。ソフトウェアも、サービスも、開発手法も、変数も、良い名前を付けることはとても大切である。
「1つのアイテムを頻繁に使う」という意味のファッション用語。略して「ヘビロテ」とも言う。
IT系の職場の男子は洋服をヘビロテしている(同じ服を繰り返し着る)人も多いが、ファッション誌で言うところのヘビロテは、同じ服を着つつもコーディネートを変えて違った印象を出そうとしたり、流行り廃りが激しそうなものをワンシーズン限定で使い倒すなどの工夫を入れている。
同じ服を使っているのに毎日新鮮に見えるようなコーディネート例は、雑誌でよく紹介されている。ベースの服は同じなのに、上下の組み合わせを少し変えるだけで新鮮さが維持されていて感心させられる。
同じ検索窓が置かれているだけのトップページでも、毎日ロゴを少しだけ変えることでユーザの興味を惹けるかもしれないとか、同じパワーポイントの資料でもデザインに変化を付けることでお客さんの反応を引き出せるかもしれないなど、仕事で活かせそうな姿勢でもある(エンジニアとしては、できればそういったところに気を遣うよりもコードのできばえを良くすることだけに集中していたいのだけど)。
原語は「flare」。「朝顔のように広がる」という意味の言葉。
フレアスカートであれば、裾のあたりが朝顔のようにふんわりと広がったスカートを指す。ブラウスの裾を広がるように仕上げたフレアブラウスや、袖が広がるようにしたフレア袖などもある。 某RPGの大作で使用される魔法と同名の為、Googleトレンドでフレアの流行時期を調べようとしてもうまく結果を取ることができない。検索しづらい言葉である。
なお、フレアスカートの一種で、布を多く使い、広げると円形になるようなスカートを「サーキュラースカート」と呼び、フレアスカートと共にティーンズ向けから大人向けのファッション誌まで、年代を問わず登場している。
トップスの下に短いひだ飾りがついた洋服。ウェストのあたりまでは引き締めておいて、そこから裾にかけてふんわり広がる形になる。裾の部分にはフレアを入れることもある。ブラウスなどのトップスだけでなく、スカートやパンツの装飾にも用いられる。
ゲーム好きのエンジニアは「ペプラム」「フレア」「コーデ」といった横文字が並んだ文章を読んでいると、「魔法の話だろうか」という誤解を起こしてしまいがちだが、考えてみるとIT業界で日に使われている横文字についても、世間一般から見ればこれらと同じような「わけのわからない魔法のような言葉」として捉えられているのかもしれない。
迷彩柄のこと。
一歩間違うとオタク系ファッションとして扱われてしまうこともある迷彩柄だが、女性向けのファッション誌ではカモフラ柄という呼称で、バッグやインナーなどにワンポイントで使うなど、ポイントをおさえた利用がされている。
迷彩柄という言葉が使われなくなっているわけではなく、カモフラ柄、迷彩柄、双方の言葉が併用されている状態にあるようだ。どう使い分けられているのかについては謎である。
IT用語やビジネス用語でも、同じ意味の言葉が日本語と英語(カタカナ語)で併用されている例はよく見かけられる。急に聞いたこともないカタカナ語が流行り始めて「この言葉はどういう意味だっただろうか」「日本語で言ってくれ」と戸惑ってしまうことも多い。最新のファッションを追いかけている人たちも、新しく登場する謎のカタカナ語を覚えるのに苦労していたりするのだろうか。
カモフラ柄は迷彩柄のことでしたが、レオパ柄はさて、何柄のことでしょう?
答えは、ヒョウ柄。レオパード柄の略。IT系の人には「Mac OS X Leopard」のLeopardと同じ言葉、と言えば伝わりやすいだろうか。
レオパ出現により、ヒョウ柄という言葉が使われなくなったかというとそうでもなく、迷彩柄=カモフラ柄と同じように、双方が使われている状態にある。
IT業界においてカタカナ語と日本語が併用されるのは、いくつか理由が存在する。中には「なんとなくかっこ良いから」カタカナ語を使ってしまっている人もいるが、別の理由として、多くのIT系の言葉の出処は英語であることが挙げられる。英語の出典に触れている人にとっては、あまり使われていない日本語訳に置き換えるよりも英語のままのほうがなじみ深い言葉として感じられる。それでついカタカナに変換しただけの言葉を多用することが増えてしまうのである(カタカナにすることすら放棄して英語混じりの日本語で文章を書く人も多い)。
そんな要因などもあってIT業界では混沌とした言葉の使われ方になっているわけだが、ファッション系の言葉で同じような現象が起きているのはどういった理由からだろうか。
「プリクラ」ではなく「プリプラ」。プリティ・プライスの略で、「安くてかわいい」という意味で使われる。
エンジニアがこの言葉を使うとしたら「AndroidタブレットをプリプラでGETしちゃった♪ 環境整えるのに少し手間取ったけど、10k切ってても十分使える製品だったよっ」といった感じになるだろうか。
似たような言葉にプチプラがある。こちらは「プチ・プライス」の略で、安くて良いものという意味がある。プリプラとプチプラ、どちらを使うかは人によってわかれる。Google先生に聞いた限りでは、使われる頻度はプチプラのほうが多いようだ。
最近はファストファッションも(生地は多少微妙でも)デザイン的には侮れないものが出ているし、手ごろな値段の商品を集めたセレクトショップもあったり、学生のお小遣いでも十分に揃えられるコスメ商品もあったりと、安くて良いものがたくさん出ている。
そうした一品を探し選ぶという行為は、安値でも十分に性能が出るCPUを選んだり、手ごろな額で十分に楽しめそうなガジェットを探す時の感覚に通じるものがあるのかもしれない。
端がつながった状態になっているマフラー。マフラーと同じく、首に巻いて防寒の為に使う。
ファッションに興味がない方には、どれがスヌードで、どれがマフラーで、どれがネックウォーマーで、どれがストールで、どれがスカーフなのか、細かい違いは判別できない可能性も。
それは、IT系の用語に詳しくない人が、アプリケーションと、ソフトウェアと、プログラムの区別がつかなかったり、ウィルスと、ワームと、マルウェアの違いがわからないのと同じようなことかもしれない。
おじさま風の靴、略して「おじ靴」。言葉の通り、おじさまが履いていそうなテイストの革製の靴などを指す。男性向けの革靴そのものというわけではなく、ヒールが入っていたり、エナメルのものもあったりと女性向けにアレンジされているものも多い。
2011年ごろから流行り始めた言葉だが、今でも継続的に需要はあるようだ。
男性向けの製品をアレンジして女性向けに取り込むというのは、IT系のサービスでもちらほら見かける発想である。例えばあの男性向けのサービスを、乙女心のわかる人の手で女性向けのサービスにアレンジしてもらったらどうなるだろうか。
19世紀のイギリスで流行したこともある、フォーマルなコート。本冬のトレンドアイテムであると言われている。
いかにもなチェスターコートは着る場面が難しいが、最近は流行に乗って比較的安価でカジュアルなデザインも出ているので、ものによっては職場や休日のお出かけに着ていくことも十分にできる(それをチェスターコートと呼ぶべきなのかという問題は置いておいて)。
しかしこういった流行モノはいつまでトレンドが続くかわからないのが怖いところである。値の張るコートはできれば長く使いたいものだが、気合を入れて買ったものが1年でトレンドから離れたら、寂しい気持ちになること請け合いである。「これからはAdobe Airが来る!」と思って勉強に打ち込んだ5年前のあのころのような寂しい気持ちになることだろう。
友達2人で同じ服を着たり、似たようなコーディネートをして一緒に歩くこと。わかりやすく言い換えると「同性でやるちょっとおしゃれなペアルック」となるだろうか。
デザインは同じで色柄だけ変えたり、髪型まで揃えてみたりと、さまざまなバリエーションがある。
IT業界では、双子コーデをしてペアプログラミングをしたら物凄く効率が上がるんじゃないかという噂がまことしやかに流れている(主に筆者と友人の間で)。2014年はファッションとITの双方を学べるイベントとして、双子コーデペアプログラミングがATNDを中心に密かなブームになるのではないかと予想されている(主に筆者と友人の間で)。
胸に「GEEK」と大きく印字されたスウェット。ファッション用語ではないが、雑誌で見かけて面白いアイテムだと思ったのでご紹介を。
原宿系ストリートファッションブランド『WEGO』が出している。ファッション誌『mini』の2014年2月号のアンケートで2位を取っていた、まごうことなき女性向けブランドである。ギークというとIT業界では「コンピュータオタク」という意味で使われているが、ファッションとしてはどんな意味合いを持っているのだろう。
男性でも着られるデザインなので、我こそはギークだというエンジニアの方は(合うサイズがあれば)着てみてはいかがだろう?
胸に大きく「R」とプリントされたトレーナー。女性に人気のファッションブランド『Rich』が出している。こちらもファッション用語ではないが、雑誌を見て「ぜひ、Rプログラマに紹介しなければ」という使命感に駆られたので取り上げました。「Rich Rトレーナー」でググると発見できます。
これを着てプログラミング言語Rを利用すると、コーディング速度が当社比10%程度上がるかもしれない(プラセボ効果)。
プログラマ向けのワードがプリントされたTシャツが通販で売られているのはよく見かけるが、デザイン的にイマイチなものも多い。プログラマ向けの商品として探すよりも、流行のファッションの中からプログラマに向いたアイテムを探してみるというのも、1つの良い手だと言える。
2014年はこうした「一般的なブランドを利用したギークなファッションスタイルの構築」が、ATNDを中心に密かなブームになるのでは。
参考資料 | 『GINGER』(幻冬舎刊)、『CanCam』(小学館刊)、『小悪魔ageha』(インフォレスト刊)、『Zipper』(祥伝社刊)、 『mini』(宝島社刊)(2014年1〜2月号) |
プリント倶楽部およびプリクラはアトラス(現在はインデックス〈旧:セガドリーム、セガの100%子会社〉)の商標です。
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