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契約があることの利点&欠点等SI&Webを知るエンジニアが語る

SIとWeb それぞれの
メリット&デメリット本音トーク

「SI」と「Web」。ITエンジニアにとって大きな業界であるこの両者には、それぞれ特徴がある。それをメリットととらえるか、デメリットととらえるかは人それぞれ。今回、両業界を経験している2名のエンジニアの声から、SIとWeb両業界のメリット&デメリットについて考察してみたい。

(総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:14.01.20

今回参加したSI→Web業界に移った2名のエンジニアプロフィール

Hさん
2000年、日本を代表する大手SI企業に就職。医薬業、食品業のクライアントに対して物流システムやSFA営業支援システム等の開発系リーダーを1年目から担当。 
その後、とある理由から2006年に知人と共に会社を起業。現在はあるクラウドサービスを導入する事業などを中心に展開。
Sさん
2004年、大手外資系SIのシステム子会社に新卒入社。親会社の製品サポートや技術支援を担当。
2010年、大手Webサイト運営企業に転職。社内クラウド環境の開発プロジェクトを担当。

SIからWebに移った理由


Hさん
理由はエンジニアとしてできる「限界」を感じたことです。
私の場合、幸いにも1年目から開発リーダーを担当させてもらいましたが、どんなに開発工程で頑張っても「その前の段階」は一切コントロールできない。
つまり、最初から予算も内容もガチガチに固められたものを上から投げられてやることに、限界を感じたんです。
「このプロジェクトは、何のために作っているのか?」と疑問に感じることも多かった。
時には社内の権力闘争に巻き込まれて、作る必要のないシステムを無理やり開発させられた挙句、結局そのシステムが採用されることはなく、ただ振り回されるだけ。
そうした不満に加え、たまたま知り合いが会社を立ち上げるということで、そのタイミングで転職しました。
 
Sさん
入社以来、親会社の製品を使用する顧客からの問い合わせ対応や、製品導入プロジェクトの技術支援などを担当していました。
ただ年を経るにつれてオープンソースが普及し始めたことで、自社製品だけで販売・サポートしていくことの厳しさをひしひしと感じるようになっていきました。
一方、その時は親会社の製品以外のオープンソース製品の検証や提案支援、プロジェクト化なども行っていて、その時に、オープンソースソフトウェアに可能性を感じたことが、結果的に転職の引き金となりました。
 
Hさん
起業した当時考えていたのは、とにかく効果のあるシステムやサービスを作りたい、不毛な開発はしたくないという、前職での苦い経験を踏まえたものでした。
そこでいろいろ調べていくうちに当時、まだ日本で全く普及していなかった、あるクラウドサービスを日本に初めて導入する事業に注目。現在、その事業が数年を経て少しずつ育っていっているところです。
 
Sさん
今いるWebサイト運営企業は、特に明確な意図があったわけではないですが、多くのチャレンジができると思って転職し、実際に転職後にインフラからアプリ、企画から運用まで幅広くチャレンジさせていただいています。
台湾や中国でのECサイト立ち上げ開発を担当する中で、社内で使われているインフラ環境に不満があって、自ら手を挙げて社内のクラウド環境の開発や運用業務を担当することに。
インフラ領域に挑戦するのは初めてでしたが、前職でオープンソース開発に携わっていた経験もあるので、テクニカルな部分では実はそれほど大きな違いはなく、自然とチャレンジできましたね。

SIとWebの違い。そしてそれぞれのメリット&デメリットとは?

テーマ1 「契約」に縛られて仕事を進めるぜひ


Hさん
私の会社では、社内教育やイベントなどはすべてカットして、その分は社員それぞれが自己研さんに充てる方針をとっています。
一方、前職のSIでは経費の申請や事務処理などの「間接作業」が非常に多かったですね。全体の4割くらいは占めていたのではないでしょうか。
 
Sさん
私の場合、前職ではクライアントとの「契約」が前提にあって、そこから工数に合わせて作業を進めていくことが多かったですね。つまりまず決められたロジックがあって、そこに自分たちが当てはめていくような仕事の進め方。
逆に今は自分たちのやるべきことを積み上げていき、その結果予算や工数を決めて動いていくので、今のほうが自由にコントロールできるのは、私にとってはやりやすいですね。
 
Hさん
例えば前職では事業部で50億という売り上げ目標を上の人が決めて、その数字を各担当に割り振って、その数字を埋めるために作業をするなど、もはや「数字を作る」のが仕事の目的になってしまうわけです。本当は客に喜ばれたい、とか利益アップに貢献して自分自身も成長したい、といった目的で仕事がしたいんですけど。
それに比べて今は新しいサービスや機能を作りたいと思ったとき、技術サイトなどに自分の判断で投稿し、ユーザーの反応が良ければ実装してみるなど、自由に考え、動けるメリットは感じています。
 
Sさん
ただし「契約」があることで、その範囲内だけで動けばいいというメリットもあります。例えクライアントから無茶な要求が来ても「これは契約書に記載されていないので、別途見積もりをお願いします」ということもできる。
それに比べ、今自分たちが提供しているサービスは24時間365日安定稼働させなければならないので、アラートが鳴ればすぐに対応しなければならない。
極論、サービスが止まったら自分たちの給料も止まってしまう、みたいなリスクをいつも抱えている(笑)。
良くも悪くも契約に縛られて動くのが、SI業界の特徴ではないでしょうか。
 
Hさん
私のところでも今、5〜6つ稼働しているサービスがありますが何かトラブルが起こったら、というリスクは常に抱えています。
かといってサポートチームを作るほど、儲かっているわけではないのが悩みどころですが(笑)。
 
Sさん
特にSIでは極力、リスクを避けようとする圧力が常にかかっていたと思います。
前職ではクライアントとの契約時、「請負」なのか「委任」なのかに対し、非常に神経質になっていたのを覚えています。基本、請負のほうが作業時のリスクは高いので、極力避けていましたね。

テーマ2:自分たちの判断でスピーディに開発&削除するぜひ


Hさん
以前、私たちが提供するクラウドサービスで1000万PVという初めての大規模サービスを立ち上げたとき、自分たちだけで想像しながらデバッグしていく作業は前職では絶対に経験できないことで、楽しかったですね。
その一方、あるソーシャルサービスを年末商戦に利用できるよう、12月上旬オープン目標に開発していましたが、仕様書が決まったのが2日前とか(笑)。
Web業界ではスポンサーの意向に振り回されて、急に仕様が決まることも少なくないですよね。
 
Sさん
突発的なイベントや企画が発生して、それに対してスピーディに対応しなければならないのは、Webサービスの開発に関わる上で、避けては通れない大きな特徴です。
 
Hさん
必要な時、必要なことをやればいい、というのが今の私の会社の方針。
それも、突発的な出来事に対して迅速に対応できるようにするため、という側面があります。
ただ、本番のサーバで作業をするなど、場合によっては上長の許可を得てから対応することもありますね。
 
Sさん
社内のほかの部門から機能変更に関する要望がきますが、中には意味のない変更内容もあります。
その場合「変更したことにする」といった、いわばごまかすことも実はやったり。
もちろんすべてではありませんが、ある程度自分たちの判断でサービスや機能を作ることも、逆に消すこともできるのがWebサービスにかかわる特徴かもしれません。

テーマ3:役割分担&評価スタイルのぜひ


Hさん
前職のSIでは「工数だけ管理する人」「セキュリティだけチェックする人」といったように、分業が多かったですね。
今は、会社の規模の違いもありますが基本、今動いているプロジェクトの全工程をメンバーが共有できるようにしています。それによって一通りのサービス開発や運営に対応できるスキルを全員が高めて、成長できるようにしていますね。
 
Sさん
今の会社は比較的規模が大きいですが、前職と違ってあまり上司や部下という明確な役割分担はないですね。
テクニカルな部分での意思決定はすべて自分がやり、勤務時間の管理といったようなことは上司にお願いする、といったような大枠の役割分担はありますが。
 
Hさん
今の時代、わずか数人で作ったひとつのオープンソースソフトウェアで世界を変えることもできるから、そこまで大きな組織でなくても問題なく仕事が進められる、ということもあると思います。
SIでは一部でスペシャリストとして活躍できるキャリアも用意されていますが、基本、人やお金をマネジメントできないと生き残れない仕組みになっている。
 
Sさん
ただ、評価方法に関しては、前職のSIの方がよかったですね。「この期にこのくらいの売り上げを上げる」「論文を発表した時の、ほかの社員からの評価」「カンファレンスに参加した方からのアンケートを取って、満足度を測る」など評価項目が細かく設定されていました。
今は明確な目標を特に立てなくて、なんとなく評価されているような状態です。
 
Hさん
うちも15人くらいの会社だけど特に評価基準はなくて、社員同士が協議した上で給与を決めてもらっています。
その分、ひとつのプロジェクトの受注金額などすべての情報をオープンにしているので、それらを参考にしてもらうんです。だから社員は数字に対して敏感(笑)。
前職では、とにかく「予算内で数字を上げた人」が評価されるような仕組みで、必ずしも技術的に優れたエンジニアが評価されるわけではなかったですね。そういう意味では今のほうが個人的にはメリットを感じています。
 
Sさん
ただ、今の会社では予想以上にサービスがヒットした場合、爆発的に評価が上がる場合もあります。
あと、今後の給与予測に関しても評価基準がしっかりしている分、SIのほうが想定しやすかったので、その点もありがたかったですね。今は、そもそも自分がいくら給与をもらうべきか、という相場基準がわからないから求人広告に掲載されている給与を一通りチェックして、「だいたいこれくらいが妥当な金額かな」と一人で納得していますね(笑)。
 
 
以上、SIとWeb業界をそれぞれ経験した2名のエンジニアが感じた、両者のメリット・デメリットを紹介した。
人によって受け止め方はそれぞれで、また企業によっても、時代によっても違いがあるだろう。
今回の企画をきっかけに、SIとWeb両業界に関するそれぞれの特徴について今後も随時、紹介していきたい。

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