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カリスマプログラマ・Web企業経営者・専門家11人が紹介

2014年 エンジニア必読の「この1冊」

昨年末に掲載したこちらの企画にご協力いただいた、IT/Web業界の著名人の方たちを中心に今回、「エンジニアにお勧めの1冊」を紹介していただいた。新たな年の幕開けとともにぜひ、1冊の本から理想のスタートを切って欲しい。

(総研スタッフ/山田モーキン)作成日:14.01.09

11名の著名人がお勧めする、エンジニア必見の1冊

いつの時代も、本は多くの知見や発見を与えてくれる重要な情報ツールだ。
日々スキルアップしていかなければならないエンジニアにとってもまた、本は欠かせない存在。
今回、IT/Web業界の11名の著名人の方たちが、これまでの人生に大きな影響を与えたり人生を変えるきっかけとなった本を紹介してもらった。
 
 
今回ご意見をいただいた皆様(※あいうえお順)
伊勢幸一氏(株式会社データホテル 情報環境技術研究室 執行役員CTA室長)
太田智美氏(@IT統括部)
倉橋一成氏(iAnalysis  代表・最高解析責任者(CAO))
清水亮氏(株式会社ユビキタスエンターテインメント 代表取締役社長兼CEO)
萩本順三氏(株式会社匠BusinessPlace 代表取締役社長)
橋本健太氏(クックパッド株式会社 執行役CTO)
平山宗介氏(株式会社リブセンス システム開発部部長)
福野泰介氏(株式会社jig.jp  代表取締役社長)
増井雄一郎氏(miil Inc. & Toreta, Inc. CTO)
まつもとゆきひろ氏(Rubyアソシエーション理事長)
湯川鶴章氏(IT評論家)

ビジネス・技術・絵本etc.11名の著名人が影響を受けた12冊

清水氏が影響を受けた1冊
『マイクロソフト帝国の反逆者たち―WindowsはガラクタOSだ!こんなもの、どうやって売り込めっていうんだ』
マイケル・ドラモンド著/内田昌之訳/徳間書店/2002年
 
これは単にエンジニアだけでなく、マーケティングやサラリーマンとしての仕事のあり方を考える上で非常に大きな影響を受けた本です。本書の主人公はアレックス・セント・ジョンとエリック・エングストローム。DirectXを開発したテクニカル・エヴァンジェリストです。
私自身が彼らの作り出した技術とコミュニティの影響を強く受けて育ったので、贔屓目もありますが、間違いなく優れたエンジニアであり、ビジョナリーでもあった二人の人物が、極めて破天荒なやり方で、世界中のゲームプログラマを魅了し、DirectXを成功させるまでの物語です。企業や組織の中で窮屈な思いをしているエンジニアの方にぜひ読んでいただければと思います。
 
 
伊勢氏が影響を受けた1冊
『星を継ぐもの』
ジェイムス・P・ホーガン著/池 央耿訳/東京創元社/1977年(国内発売1980年)
 
月面で発見した5万年前の死体発見を機に、人類の理解を遥かに超えたその状況に対し、科学者達はあらゆる分析をし、仮設を立て、そして検証とさらなる調査を繰り返す。新たな事実が発覚する度に過去の仮設が完全に覆されてしまう。しかし、科学者達はあきらめず、一つ一つの事実をつなぎあわせ、大胆な発想と客観的な考察を元にしだいに真実へと近づき、やがて謎は解明されていく。常に想定外の問題や突然の問題に直面し、それらを冷静に最短の時間で解決していかなければならないエンジニアとはかくありたいものだと感銘を受けました。
 
 
湯川氏が影響を受けた1冊
 天外伺朗著/講談社/2011年
 
「楽しく、しかも成果をあげるチームを作るのはどうすればいいのか」を学ぶことができた本。アメリカ型の経営やチームビルディングが実はうまくいかず、日本本来の個々に委ねるやり方こそが、強い組織の秘訣であることがわかった。仕事でも人生でも、実はその根本の真理がなんであるのかを理解することが重要である、ということに気づかされたことで、人生観や宇宙観が大きく変わりました。
真実とはなんなのかを探求しようと考えている人、今までのやり方でなぜかうまく行かなかった人にぜひ読んでもらいたいです。
 
 
倉橋氏が影響を受けた1冊
『分析力を武器とする企業』
トーマス・H・ダベンポート&ジェーン・G・ハリス著/村井章子訳/日経BP社/2008年
 
エンジニアから分析屋(データサイエンティスト)になろうという方が少しづつ増えていると思います。エンジニアにも分析屋にも必要なクリエイティビティは、さまざまな事例を知ることでも身に付きます。分析系で一番事例が豊富に紹介されているのがこの本。さまざまな大企業で、どういう風に分析が活かされているのか知ることができ、私自身わくわくしながら読んだのを覚えています。
特にデータ分析を行う仕事に興味のある人には、必ず読んで欲しいです。
 
 
萩本氏が影響を受けた1冊
『知った気でいるあなたのための構造主義方法論入門』
高田明典著/夏目書房/1997年
 
構造主義、特にソシュール関連の本でオブジェクト指向の本質を知りました。その流れで人がどのようにモノコトを認知しているか興味を持ちました。いま僕のメインのビジネスとなっている、ビジネス企画の際のビジネスやITの見える化についても、関係者の中で「価値」や「戦略」をどのように認知し、共感していくのかという事については、ソシュールから学んだ本質が有効でした。その中でも、一番わかり易くお勧めなのがこの本です。
この本を読んで「複数人でソフトウェアを設計・開発する」という事の本質が理解できるようになります。僕の場合、ソフトウェア開発という仕事の本質が、構造主義を知ることで理解できるようになりました。
それはひと言で言うと「説明責任」です。その考えが僕の中でアーキテクトとしての視点となり、上司、お客様、経営者、さまざま視点でソフトウェア構造の説明やその魅力を説明する努力を始めました。そしてその過程で、「見えない事を見えるようにする事こそ新たなビジネスの創出につながる」という考え方につながりITだけではなくビジネスの見える化にも挑戦している現在に至ります。
ソフトウェアの設計だけではなく、ビジネスの設計が必要とされる今、それにチャレンジしたい人は必読です。
 
 
太田氏が影響を受けた1冊
『マザー・テレサ 愛のことば』
いもとようこ絵/女子パウロ会/1998年
 
この絵本は、心に残ることばやかわいいイラストが有名です。しかし、実は、本の半分以上が「余白」です。私はこの「余白」が好きです。真っ白な空間を、ぼーっと眺めたい方にお勧めの1冊です。2014年は、読む人、あるいは同じ人でも読む時間や場所によって変化する作品に多く出会いたいと思っています。
 
 
福野氏が影響を受けた1冊
トム・ヒース&クリスチャン・バイツァー著/武田英明訳/近代科学社/2013年
 
厳密には書籍より前に、Web発明者 Tim Berners-Lee氏の取り組みをW3Cの国際会議の場で聞いたことがきっかけですが、この本にはその企みが、技術的観点から社会的観点まで丁寧に書かれています。
いにしえと思っていたセマンティックWebの夢を、粘り強く実現しようとしてきた技術者魂に心震えました。われわれはこの先を創らねばなりません!
 
 
平山氏が影響を受けた1冊
『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』
ジョン・C・マクスウェル著/弓場隆訳/ダイヤモンド社/2013年
 
数あるリーダーシップについて書かれた本の中でもこの本はとてもわかりやすく、かつ自分の心に響く言葉で書かれていることもあり、何か壁にぶち当たった時には必ず読み返すようにしています。
大企業、急成長ベンチャー、スタートアップなどさまざまな組織や環境下で働いてきましたが、この本に書いてあるリーダーシップを心底から理解し、そして実践できた時に自分のレベルやステージが上がった気がします。
エンジニアという職種の特性上、ついつい決められたことを受け身でやってしまう傾向が少なからずあるかもしれませんが、クラウドソーシングの流れもありエンジニアの競争は今後よりいっそうグローバルかつオープン化すると考えています。その中でセルフリーダーシップやぶれない自身の軸を持ち業務を遂行していくことは非常に重要です。
そういった意味でもテクニカルな部分に目がいきがちなエンジニアこそ一度は読んでもらいたい本です。
「役職に付いている訳でもないのでリーダーシップなんて自分には関係ない」と思っているような若手エンジニアもぜひ一読してみてはいかがでしょうか。
 
 
増井氏が影響を受けた1冊
SANCTUARY BOOKS監修/サンクチュアリ出版/2003年
 
ゼロから自分のお店を作るガイドブック。企画から資金集め、場所探しやお店作りを経て開店までを具体的に解説しています。
ITとは全く違う業界ながら自分の好きな場所を作るための方法が書かれていて、読んでみて元気になれる本です。
本書は若い人がカフェやバーを開店する事を前提に書かれているが、そのメンタリティや、そこから実際に開店にこぎ着けるまでのブレイクダウンはどの業界にも通じる物があり、2014年、新しい事を始めたいと思っている人が読むと面白いのではないかと思います。
 
 
橋本氏が影響を受けた1冊
サイモン・シン著/青木薫訳/新潮社/2009年
 
人類の存在意義についての探究心から、宇宙の仕組みを解き明かしてきた歴史についての本。仮説と測定という二つのツールだけを使うことにより、世界中の科学者が2000年以上の時間をかけて宇宙の成り立ち、構造を理解していく過程に非常に勇気づけられます。リーンスタートアップも、同じ考え方に基づいていると感じます。
エンジニアに限らず、理系が苦手な方にもお勧めです。
 
 
まつもと氏が影響を受けた2冊
『リーンスタートアップ』
エリック・リース著/伊藤穣一解説/井口耕二訳/日経BP社/2012年
『ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち』
ポール・グレアム著/川合史朗訳/オーム社/2005年
 
「リーンスタートアップ」は読んで「ピボットは重要だよな」とか感じましたし、「ハッカーと画家」を読んで「ポール・グレアムはいいこというな」とは思いました。

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