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新規事業のスクラム活用、Flare、Haskellなどの最新技術を導入
世界中から集まるグリーのエンジニアたちの技術力に迫る
外国人エンジニアも積極的に採用しているグリー。国籍に関わらずエンジニアが働きやすい環境であるため、彼らも高いパフォーマンスを発揮しており、日本人エンジニアたちも刺激を受けているという。同社で活躍する外国人エンジニアたちに話を聞いた。
(取材・文/臼井 隆宏 総研スタッフ/宮みゆき 撮影/栗原克己) 作成日:13.04.03
高いパフォーマンスを発揮するグリーの外国人エンジニアたち

 韓国、フランス、バングラデシュ……グリーのソーシャルアプリやそれを支えるインフラ開発の最先端の現場で働きたかった3人の外国人エンジニア。異文化のもとでの仕事は決して楽ではないが、それ以上に彼らを魅了する働きやすさ、居心地のよさがグリーにはあるという。

[CASE1]日本のスゴ腕エンジニアと共に働くことで、スキルを身につけ成長したい
韓 松煕(ハン ソンヒ)さん

1981年韓国生まれ。大学時代には米国留学も経験。インターンをきっかけに来日し、日本で働き続けるエンジニア。2012年6月、グリー入社。

ハイレベルなエンジニアに囲まれて仕事がしたい! それがグリーを選んだ理由

 前職ではSNS構築や、投稿の監視などを担当。小規模のサービスがほとんどだったこともあり、もっと大きな仕事をしたいと考え、転職を決意したという韓さん。「たまたま、グリーに勤めている知り合いがいたんです。その人から、グリーの様子について細かく話を聞き、興味を持ちました。実際に働いている人から直接聞けたのが良かったのでしょう」

 韓さんが入社前に抱いていたのは「メンバーがみんな熱心に仕事に取り組んでいるイメージ」。そんな環境で働きたいという思いに加え、もう一つグリーに期待していたことがあった。「世界の優秀なエンジニアと共に仕事をしたい」というのがそれだ。入社後は、すぐに仕事を任された。
「正直不安でしたが、任された以上は成し遂げたい、頑張らないといけない、という気持ちになりましたね」

 当時、彼女が取り組んでいた仕事に、Notification Board(※日本語版ドキュメントによれば「通知ボード」)の3ボタン化があった。画面上の通知エリアにあった1ボタンを3ボタンに拡充するもので、グローバル向けにはすでにリリースされていた機能を、日本向けに導入するミッションだった。

「単に3ボタンにするだけでは終わらないのがポイントです。導入後に動作が重くならないよう、まずはAPIをつくり、トラフィックを計算し、機能を実現するための基本的な考え方から変えました。その上で、高速化のためにソースの『ダイエット』を行いました」 と、よりレスポンスを上げるため、ソースコードを見ながら、不要な部分を少しずつ省いていく作業をしていったという。
「使うデータベース(DB)の規模が大きいので、DB自体はもちろん、ソースのチューニングも大切です」

「スクラム」の活用が目下の課題。優秀な人材とふれ合いながら成長を目指す

 技術的な問題への対応は、社内のエンジニアたちに相談することで解決したという韓さん。グリーには、日本だけでなく世界中からトップクラスのエンジニアが数多く在籍している。各部署には、さまざまな技術の専門家たちがいるのだ。インフラの専門家、新しい言語に詳しい人、開発手法のマスター……。それぞれの専門分野のエキスパートたちに直接話を聞き、それを参考に自分でやってみる。エンジニアとしての成長にも繋がっている。
「なによりみなさん、やさしく教えてくれるのが嬉しかったです」

 グリーでは、所属している組織や役職に関係なく、自由にいろいろな人と話せる。技術者として壁に突き当たることがあっても、社内各所にいるスーパーエンジニアに話を聞くことでヒントを得るなどの魅力も大きい。インターンのため日本にやってきた韓さんは、「実は、日本に残ろうと思った理由もそれなんです」と、語る。日本で働けばもっと多くの優秀なエンジニアと仕事ができ、スキルアップにもつながると考えて日本での就職を決意したのだ。

 そんな彼女が現在担当しているのは、新規事業。ゼロから創りあげる楽しみが味わえるのが楽しいと言う。
「以前ベンチャーで働いていたので、立ち上げそのものの経験はあります。でも、グリーでは規模感が違いますね」

 その新規事業では、最近主流になっているアジャイル開発手法の一つ「スクラム」を採用している。チームでのプロジェクト遂行に特化したフレームワークであり、グリーでも急速に活用が進んでいるという。
「別のチームなのですが、社内に『スクラムマスター』が何人かいるんです。その方たちが社内勉強会でスクラム運用に関しての事例を紹介してくださるのを、参考にしています。グリーとして決まった形のスクラムがあるわけではなく、現場に任されているので、自分たちのプロジェクトにフィットするように工夫しながら進めています」

 ハイレベルな人材が集まるグリーで、さらなる成長を目指す韓さん。今後については「技術スキルはもちろん、もっと視野を広げてグローバルに活躍できる人材になりたいですね」と語ってくれた。

[CASE2]大好きな日本で、大好きなゲームづくりに関わる。毎日が最高の体験です
ベンジャミン・スルマさん

フランス生まれのフランス育ち。大学時代に日本語講座を受講し、日本への興味を深める。卒業後はフランス国内で就職。2008年に来日し、外資系証券会社などを経て2012年8月からグリーに在籍。

フランスのサーバエンジニアが、グリーで働くまで

 もともと日本のカルチャー、特にアニメやゲームに興味を持っていたというスルマさん。卒業後、地元フランスの会社でITエンジニアとしての一歩を踏み出した彼だったが、日本への観光旅行が、人生を変えた。
「日本は、とても素晴らしいところでした。観光だけではもの足りなくなり、次は住んでみたいと思うようになりました」

 地元企業を退職した彼は、日本でのインターンシップに応募。3Dグラフィックソフトウェアの開発およびコンテンツ制作を行う会社に1年勤めた後、本格的に日本で働く道を選んだ。次の仕事は、外資系証券会社。サーバエンジニアとして活躍し、主にサーバ側のミドルウエア開発に携わる。高性能のトレーディングシステム開発に加わるなど、重厚なシステムの構築に関わってきた。そんなスルマさんが、なぜグリーに入社する道を選んだのだろうか。

「もともとは、日本のゲーム会社で働きたいと考えていました。でも僕はサーバ側のエンジニアしか経験がない。ソーシャルゲーム領域はWebの世界だと思っていましたし、僕はWebが得意じゃないから」
 と、スルマ氏は笑う。そんな彼のもとに、転職エージェントから「グリーに興味はないか」との連絡が入ったのだ。ソーシャルゲームをつくる会社に入れるのなら、と彼は転職を決めた。「モバイルやソーシャルゲームの世界は、ものすごく早く進化します。エキサイティングでチャレンジしがいのある仕事だと思いました」

 入社にあたっては、日本語能力に不安を持っていた。前職は外資系企業で、コミュニケーションは全て英語だった。
「入社してみると、人事担当者の多くは完璧な英語ができますし、同僚のエンジニアもみなさん親切。日本語力が足りない部分はうまくくみ取ってくれますし、英語でメモが書ければ十分対応できました」

Haskellを用いた開発に挑戦中。新技術に取り組みやすい職場風土

 グリー入社後、スルマさんが最初に取り組んだのは、同社が開発したオープンソースの分散Key-Value Store「Flare」だ。新機能の開発やテストを担当したが、前職でテストフレームワークを開発していたことを活かしたベストプラクティスをグリーでも導入。継続的なインテグレーションを目的として、Flareのソースコードに対してテストケース2000個以上を毎日実行することで手戻りを防ぎ、自信をもってリリースできるようにしました。
「Flareはオープンソースとして他社でも利用されています。GitHubなどで自分たちの取り組みを公開し、業界全体の発展に資することができるのはいいですね。自分の書いたソースが公開され、役立っているのは気持ちがいいです」
 と、「資する」という言葉を選んで語ってくれたスルマさん。オープンソースコミュニティに寄与することに、新たなやりがいを感じている様子だった。

 最近のスルマさんは、新規インフラ基盤開発を担当。Flareを利用したDatastore Serviceの開発を行っている。言語はC++に加えて「Haskell」を利用。Haskellは最近注目されている関数型プログラミング言語だ。
「Haskellが得意な分野は、今までの言語とはまるで違います。そのため、勉強することも多いのですが、速く、安全に、バグフリーで、しかも楽しくできるので気に入っています」

 グリーでは、開発を効率的に行うためのツールなどを各エンジニアが得意、あるいは好きな言語で自発的に開発する文化がある。例えば次に紹介するラーマンさんはPHP+「Unity」(米UnityTechnologies社が提供するゲームの統合開発エンジン)でのソーシャルゲーム開発を効率的に行うためのツールをPythonで書いた。しかしスルマさんの場合は、なぜHaskellだったのだろうか。「社内にすごいエンジニアがいるのですが、その人が勧めてきたのがHaskellでした。社内にHaskellを使ってみましょうというグループがあり、私も興味を持ったので加わることにしたのです」

 Haskellは、早速グリーでの業務に活かされている。最近リリースされた「ハコニワ 不思議な手紙とどうぶつ島」でも、スルマさんの所属するチームがHaskellで開発したサーバサイドのミドルウエアが用いられている。

「グリーの開発環境はとにかく『自由』。最新の技術を使うことを誰でも提案できる。仕事の目的は最高のサービスを提供することですから、そのために最高だと思うものは何でも使うのです。今後、私も最高のゲームを提供できるように頑張ります。あとは、とにかくHaskellをもっと上手に使えるようになりたい。それと、日本語をもっと完璧に(笑)」

[CASE3]最新ゲームの開発を担当。世界で戦えるゲームをつくるべく奮闘中
ラーマン モハメドミザヌルさん

1983年、バングラデシュ生まれ。バングラデシュの大学を卒業後、ソフト開発会社に入社。仕事の関係で来日後、そのまま日本で働くことを選択。3社を経て、2011年グリーに入社。前職ではソーシャルゲーム開発を担当していた。

1年限定のつもりが、いつの間にか日本に定着

 バングラデシュ出身のラーマンさん。初めて来日した時点では「期間限定」のつもりだった。
「バングラデシュの会社にいたとき、国内では開発できないものがあり、そのために日本で仕事をすることになったのです。最初は1年間だけのつもりでしたが、結局ビザを延長して本格的に日本で働くことにしました」
 出張で来日したラーマンさん、なぜ日本に落ちつくこととなったのだろうか。それに対しては、きっぱりとこう答えてくれた。
「生活が便利ですし、何より安全ですから」

 そして彼は、日本でコンテンツ管理システムを開発する仕事に就いた。その後、もっと大規模な仕事にチャレンジしたいと、C#.netの大規模システムを開発する別の日本企業に転職。さらに「ソーシャルゲームがつくりたい」との思いから前職の職場へ移り、ソーシャルゲーム開発を担当。そして2011年、グリーに転職した。
「前職では主にフィーチャーフォン向けのゲームをつくっていましたが、もともとFacebookのソーシャルアプリに興味があり、スマートフォン向けのソーシャルゲームをつくりたかった。グリーで大きなチャレンジをしようと思いました」

 ではなぜグリーを選んだのか。その問いに対してラーマンさんはこう言う。
「もっと、技術の勉強をしたいと考えていました。グリーはエンジニアの数が多く、優秀な人も多いと聞いていました。それに、チャレンジしたいことを自由に勉強させてもらえる環境だということがとても魅力的でした」

 自由に勉強でき、自由に開発できるグリーの社風に魅力を感じて転職に踏み切った彼は今、これまでにできなかったことにトライできる環境に充実感を覚えているという。
「エンジニア同士の勉強会が行われていたり、情報を交換する方法がいろいろとあったり、それにほかのチームで何が起きているかが見えるのも面白い。あとは、新しい技術やサービスに敏感な人々が集まっていることが刺激的ですね」

 また、毎週金曜日の夜に社員同士が交流のため集まる「フライデーパーティ」など、組織の枠を越えてコミュニケーションがとれることもラーマンさんにとって魅力的なポイントだ。日本語については、日常会話では十分なレベルだが、本人としては「まだまだ」とのこと。
「日本語は周囲の人に習いながら上達していきたいですね」

最新ゲーム「どうぶつフレンズ」ほか、グリーの主力として活躍

 グリー入社後は、人気ゲーム「どうぶつフレンズ」の開発を担当。サーバ側の開発やユーザー管理システムなどを担当し、さらにはクライアント側の開発も担った。クライアントアプリの開発では、Unityを使った。
「クライアント開発では、オフラインでもゲームが遊べるようにしたのが最大のポイントですが、一方でそこが一番難しい点でもありました。オンラインなら、全てのデータはサーバ側、つまり自分たちで管理することができます。しかしオフラインでのプレイを可能にすると、その分ユーザーが何をしているかがわからなくなる。例えば、クライアントに保存されたデータを改造し、チート(不正)を行うこともできるかもしれません。そうした変化をきちんとサーバ側で把握できるような仕組みを開発しました」

 さらに彼は、グリーが開発・提供するオープンソースソフトウェア「LWF」(Lightweight SWF)の開発にも加わっている。このツールは、Flash(SWF)をHTML5やUnityで使えるように変換することができ、Flashでの資産を多数保有するソーシャルアプリケーションプロバイダー(SAP)にとっては非常にありがたいツール。特にFlash全盛からHTML5への過渡期である現在、とても有用なものなのだ。「ないものはつくりましょう、という考えがグリーの特徴。新しいツールをつくることも、自分たちで考えて決められるのはいいですね」

 アジア諸国の中でも、日本から地理的に離れたバングラデシュ。故郷を離れ日本で活躍する彼に、今後の目標について聞いてみた。
「グリーではグローバル向けのゲームやサービスもつくり、提供しています。私もその環境の中で、世界でも評価されるようないいものをつくりたいですね」

優れた世界のエンジニアと肩を並べて一緒に仕事をする環境

 グリーは優秀なエンジニアであれば国籍に関係なく、積極的な採用を行っていることで知られる。海外拠点ではもちろんのことだが、国内でもそのスタンスは変わらない。これからのグローバル企業としては当たり前の人事戦略といえるが、とりわけIT業界においては利用するプログラム言語やオープンソースが世界共通であることから、外国人エンジニアが活躍できる場は想像以上に多いのだ。実際にグリーでは、高い技術力を持つ外国人エンジニアたちが貴重な戦力として力を発揮し、そのパフォーマンスは日本人エンジニアと全く同一の基準で評価されている。

 外国人エンジニアの採用は職場に新たな活気を与える。彼らと共に働くことによって、日本人エンジニアたちも刺激を受け、共に成長することができるからだ。そこには「世界と闘う」というようなひと時代前のような気負いはない。優れた世界のエンジニアと肩を並べて一緒に仕事をする。ごくごく当たり前のグローバル環境がそこには実現されている。

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2004年2月に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) 「GREE」を公開、日本だけでなく米国・欧州などグローバル展開を進め、世界で億単位のユーザー数を目指すソーシャルメディア事業をはじめ、ソーシャルアプリケーション事業、プラットフォーム事業、広告・アドネットワーク事業等を展開しています。続きを見る

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