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責任を取る・自分で考える・高圧的で無責任・指示待ちetc 新入VS中堅エンジニアが激白!上司と部下の理想と現実
いつの時代も上司と部下、先輩と後輩の人間関係は仕事を円滑に進めていく上で、最も重要なテーマと断言してもいい。今回今年入社した若手エンジニアと中堅エンジニア、双方に対して、お互いに対する理想と嫌なタイプに関する本音を探ってみた。
(総研スタッフ/山田モーキン イラスト/駒見龍也)作成日:13.05.23
約半数が学生時代の経験を生かすためにエンジニアの道へ
今年も新年度を迎え、意気揚々と新エンジニアが社会デビューを果たした。そこで今回、入る側と受け入れる側、双方に対してアンケート調査を実施。具体的な内訳は、今年エンジニアデビュー〜入社4年目までの若手エンジニア合計100名と、入社5年目以上の中堅エンジニア100名の合わせて200名。

まず本題に入る前に、2つの質問を投げかけてみた。
ひとつ目は「エンジニアの道を選んだ理由」。
全体を通して最も多かったのが「学生時代に学んだ知識や経験を生かしたかったから」というもので、ほぼ半数を占めた。
続いて「手に職をつけて安定した生活を送りたい」「エンジニアとしてやりたいことがあった」がそれぞれ3割前後で、これら3つの理由が大勢を占める結果に。
さらに新入&若手と中堅エンジニアを比較してみると、おおよそ同じ傾向ではあったが「自分の手でヒット商品を生み出したい」の項目のみ「新入&若手:13% 中堅:21%」と、若干の開きがみられた。
エンジニアの職を選んだ理由
ふたつ目は「入社後、どんなことから取り組みたい(入社2年目以降は取り組んだか?)
その結果、まずは「上司・先輩から基礎となる技術をしっかり学ぶ」が4割強の割合でトップに。次に「自らの努力で技術を学び、わからない時は教えてもらう」が約23%。この2つで全体の2/3を占める結果となった。
ただしこのお題に関して、新入&若手と中堅エンジニアを比較してみたところ、両者に大きな差異はあらわれなかった。
エンジニアとしてまず取り組みたいこと
理想の上司・先輩と部下・後輩の現実
次に今回のテーマである、上司・先輩と部下・後輩、それぞれに対して今どきエンジニアが率直にどう考えているのか、探ってみたい。
まずは上司や部下に対する「理想」について、今回のアンケート結果から浮き彫りになったコメントの数々の中から、特徴的なコメントについて紹介しよう。
理想の上司&先輩の条件
丁寧に教えつつ、失敗や成功についての分析を入れてくれる
意見を柔軟に聞く姿勢があり、適切なアドバイスをくれる
正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると論理的に説明でき、相手を説得できる
自分に足りない部分をさりげなく気付かせてくれる
自分の立てた計画立案を客観的にかつ冷静に判断できる
頭ごなしに怒らず、部下の話を聞ける人
威圧感がなく、“さりげなく”面倒を見てくれる
普段は放任。大事なところや質問があれば的確にアドバイスしてくれる
自分の意見ばかり押し付けずに、部下の意見も聞き入れる
独自のビジョンを持ち、それに向かって業務に取り組むことで手本になる
圧倒的に多かったのは、リーダーシップがあり、自分のことばかりではなく、常に部下や後輩のことも含めて、チーム全体のことを冷静かつ広い視野で考えていること。そして伝える時は一方的にならずに、相手の意見を必ず聞く姿勢を持つこと。また適切なタイミングで適切なアドバイスを分かりやすく伝えてくれるなど、適度な距離感で接する姿勢が、上司・先輩の理想像として挙げられた。
理想の部下&後輩の条件
先輩の話はきちんと聞く。わからないことはわからないとハッキリ言う
自分なりの考えを持ち、間違った時は真摯に受け止めることができる
1知って、10を知る
説明したことをしっかり理解して覚える。わからないところも調べられる範囲で調べつつ、適度に質問する
自分で行動を選択できる
影響範囲を考えつつ、言われたこと以上の対応ができる。または確認してくれる
メモを忘れない。質問はその場でするか、「後でいいんで」と前置きしつつ、必ず聞いて解決できる
さりげなく手伝うことができる
失敗を恐れず、チャレンジする姿勢
言われたことに対して、よしなに仕事をこなしてくれる
基本的には上司・先輩の言うことに従いながら、仕事を進めることが前提。しかしただ言われたことを実行するだけではなく、自分の考えのもと、今よりもっと改善していくためのアイデアを積極的に提案し、実行していく姿勢が求められている。また「その場の空気を読む」という姿勢も重要で、言われた以上のことに取り組んだり、指示がなくてもそっとサポートしたりすることも高い評価につながっている。
絶対になってほしくない自分の上司・先輩と部下・後輩の現実
続いて、絶対に自分の上司や部下になってほしくないタイプについて、同じように代表的なコメントを紹介したい。
なってほしくない上司&先輩の条件
面倒なことは回避して、部下に押し付けて指図する。肝心な時は放置するのに、変な時に協調性だけをアピールする
すぐ根性論や精神論を持ち出して説得や納得させようとする、論理的思考のできない人
事なかれ主義で、新しい挑戦をせず既存の仕事を無難にこなす
自分の評価を第一に考える
傲慢。威圧的で仕事を押し付ける
自分の言うことがすべて正しいと思っている
根拠もなく、怒鳴るしか能がない
説明が曖昧で、相手の考えをくみ取ろうとしない
自分の自慢話、人の悪口で、上司に媚を売る
目的を伝えずに仕事を指示する
最も多かったコメントが、自己中心的で傲慢。高圧的な指示で部下を委縮させる。面倒なことはたらいまわしにして、責任を取ろうとしない。こうした上司としての責任や問題意識が欠如しているタイプに対して、かなり強烈な拒絶反応を示している。責任ある立場だからこそ、自分のことではなく、部下や組織のことを重視した言動が期待されているようだ。
なってほしくない部下&後輩の条件
言われたことはするが、情熱がない
現在自分が何をしているのかわからないまま、だらだらと手を動かす
大丈夫じゃないこともすべて「大丈夫」と言って、最後に「できません」という
指示待ち。ネガティブ。わかっていないのに放置する
やる気がなく、こちらからの会話にも無関心
自分で考えるのはいいか、相談せずに勝手にやってしまう
自己表現が弱い。何を考えているのか口に出さない
自分の世界に没頭し、周りへの意識が薄い
たいした実績も能力もないのに、ひとりよがり
指示と違った事をしておいて、自分で尻を拭かない
昨今世間で叫ばれている「草食系」の特徴にある程度共通したような内容が、コメントとして指摘されている。「何を考えているのか分からない」「自分から会話をしたり、行動しようとしない」。その一方で、「いざ自分で考えた事を実行しようとするときには周りに一言も言わずに勝手に進める」「その場の流れに安易に身を任せ、本質的なことを一切理解していない」といったことに対して、大きな不満を持っているようだ。
理想の上司と部下の関係を築くためにできること
このように新入&若手と中堅エンジニア、双方が思い描く理想と現実には大きなギャップが依然、根深く存在しているようだ。
それでは実際のところ、入社後にどれだけの確率で理想の上司や先輩、逆になってほしくない上司や先輩と遭遇したのか?その結果が右のグラフだ。
理想の上司、なってほしくない上司それぞれほぼ同数の割合となった。
さらにその結果も踏まえ、自分が上司や先輩として新入エンジニアを迎える時、どう接していくべきか聞いた結果が、右のグラフ。
厳しく叱る以前に、まずはこちらから気軽に声をかけていく。もしくは見守って、相談された時に対応するという両極に分かれた対応が現れた。つまり日頃のあいさつや声掛けはこちらから行いつつ、仕事の本質に関わることは、まず必要最低限のことだけを指示して、黙ってやらせる、という姿勢がベストだと判断しているエンジニアが多いようだ。


最後に新入エンジニアに対して、上司や先輩とうまく付き合うためのアドバイスを中堅エンジニアの声の中から一部抜粋して紹介したい。
ぜひこの中から、明日からの仕事に役立ちそうなテーマを一つでも取り入れて、実践に移してほしい。きっとそれだけでも、今回紹介した「理想の上司&先輩と部下&後輩」になれる可能性は、大きく高まるはずだ。
就職後、理想の上司先輩 or なってほしくない上司先輩に出会った?

新入りエンジニアに対する正しい接し方
新入りエンジニアに贈る、上司 & 先輩とうまく付き合うためのアドバイス
心を開く。本音で議論する
謙虚に学ぶ姿勢と、信念は貫き通すという、相反する考えを併せ持つ
何事も包み隠さずオープンにしたほうが仕事も人間関係をうまくいく
調べても無駄な事はすぐに聞く。話す時は理由からではなく結論から
物事を教える時はその理由を明確に伝え、相手が納得するまで話す
いかに自分が働いているかをアピールするか、そう思い込ませるかを念頭に置いて働く
わからないことを安易にすぐ聞くのではなく、ある程度自分で調べ「これ、どうすればいいですか?」ではなく「これ、調べたらこうだったんですけどこうやってもいいですか?」というように、「自分もちょっとは努力しましたよ」感があるといい
言いたいことは言う。納得できない時は納得できるまで説明を求める。安易に「はい」と返事をせず、できないことはできないとはっきり言う
質問で先輩を困らせてほしい。それが課全体の力の底上げにつながる
まず先輩の仕事を見て技術を盗む。調べる能力を高める
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タニー只野(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
Techでこれまで何度となく取り上げてきた、上司と部下の人間関係。今回改めてその実態を探ってみましたが、いかがでしたでしょうか。私も記事内で紹介した数々の赤裸々コメントを肝に銘じて、若手の方に対して接していきたいと思います。

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