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リアル勉強会潜入!最新技術に遭遇せよ Vol.3

目指すはIT技術イベント日本一!
テックヒルズの野望

1年前からスタートした『テックヒルズ』と呼ばれるイベント。これまで4回実施しながら、直近では400名以上の参加者を集め、今IT業界で注目を集めている。誕生の経緯や目的、参加者の反響などを探りながら、テックヒルズがITエンジニアにもたらす価値を明らかにしていきたい。

(総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:13.02.18

【今回のリアル勉強会】 3カ月に1度の開催。「ホット×ハイレベル」なテーマを発信


今回紹介企業
CROOZ株式会社

「“オモシロカッコイイ”をつくる」という夢を掲げ、現在はソーシャルゲームの企画開発を中心に急成長しているCROOZ株式会社。同社が昨年から本格的に主催しているのが、今回紹介する「テックヒルズ」だ。
次世代技術勉強会と銘打ったこのイベントは、「我々サービスを提供する側は、いかにしてユーザーを技術で夢中にさせていくかを追求するべく、日々奮闘している。そんな技術者たちが日本のインターネットサービスの中心、六本木ヒルズに集結し、次世代技術の可能性を追求していくためのイベント」と紹介されている。

毎回数百名が参加するテックヒルズ。驚くべきはこのイベント、参加費は一切徴収せず、すべてCROOZが自前の資金・社員で企画〜運営まで手掛けている点にある。
なぜ同社がここまで主体的にテックヒルズを運営しようとしているのか?その目的やテックヒルズ開催に対する思いについて、探ってみたい。

【勉強会開催の目的】日本全体の“IT力向上”を目指す


CROOZ株式会社
プライスレス本部
大西 克弥氏

IT業界にいるエンジニアであれば、自分の専門分野や注目している新技術に関して日々、最新情報をキャッチアップしていきたいという思いを持っているはず。しかし現状、最先端技術に関する情報の多くはアメリカ・西海岸から発信されることが多く、日本への伝播スピードには明らかな「タイムラグ」がある。かといって英語に自信がないエンジニアにとって、直接現地に行ったり、情報を収集するには、大きなハードルがあるのも事実。

その問題点が起点となって生まれたのが、テックヒルズだ。
「ターゲットは常に最先端技術を追い求めている、情報感度の高いエンジニア。その方たちに対して、気軽に参加できて日本ではほとんど知られていない、鮮度や質の高い情報を提供することで、日本全体のIT力向上を目指したのが、テックヒルズ最大の目的です」と語る、テックヒルズ担当の大西氏。

それに加え、優秀なエンジンニアが一堂に会することで、技術者通しが互いに切磋琢磨できるコミュニティの形成を図ることも、主要な目的だという。一方、「単なる自社の採用イベントのような形にはしたくない」と大西氏は力説する。
「『優秀なエンジニアが目の前にいれば、ぜひCROOZに』と思うのは当然ですが(笑)、それをしてしまうと、本来の目的から大きく逸れてしまいます。だからテックヒルズではCROOZの採用に関する紹介や、参加者に対する声掛けは一切していません。ただ当社ならではの現実的な目的を強いて言うなれば『CROOZの技術的なブランド価値が、回を重ねるごとに少しずつ向上してほしい』という点ですね」

【勉強会の特徴1】検索・Flash・UI/UX etc.テーマ設定×登壇者が最大のこだわり

2012年1月からスタートしたテックヒルズは、現在まで約3カ月に一度のペースで合計4回、開催している。その技術テーマは「検索」「ネイティブアプリ&Webアプリ」「Flash」「UI UX」であるが、注目したいのは正式なイベントテーマ名。4つのイベントを言いかえると「検索はシステムを救う」「ネイティブアプリケーションVS Webアプリケーション」「Flashの終焉!?」「UI,UXの衝撃〜ユーザーを魅了するプロダクトの裏側」といったように、どれも今どきエンジニアが気になるテーマばかりだ。
こうしたテーマはどのような観点から決まっていくのだろうか?

「基本社内のメンバーとのディスカッションから『今ならこんな技術を知りたいよね』といった意見を元にテーマ案をいくつかピックアップします。次に各テーマに対して、日本ではまだ知られていないような、情報鮮度が高く、なおかつレベルの高い内容を話せる登壇者がいるのか探すことで、現実的に開催可能かどうかを判断。適任者が見つかれば交渉をして、こちらの趣旨に賛同していただければ晴れてイベントの企画が決定します」(大西氏)

例えば「Flash」をテーマにしたとき、iPhoneがFlash非対応だったり、HTML5の台頭が注目を集める中で、このままFlashが無くなってしまうのか、という声が湧きあがっていた。そこでAdobeのエンジニア自ら現状と、今後の方向性を提言するという設定にすることで、関心を集める内容になったという。

さらに直近で開催した「UI/UX」に関しては破竹の勢いで急成長を続けていたLINEと、リリース直後でライバルとなるDeNAの「comm」、それぞれのエンジニアを同じ土俵でディスカッションさせるといった、かなり刺激的なセッティングで話題を集めた。

このようにその時旬なテーマと、そのテーマを最大限盛り上げる登壇者のセッティングこそ、テックヒルズの存在意義となっている。


テックヒルズ開催風景。この時のテーマは『UI、UXの衝撃〜ユーザーを魅了するプロダクトの裏側〜』

【勉強会の特徴2】参加者の8割がエンジニアやクリエイター。200名弱→400名以上に拡大


第1回目の参加者が200名弱だったが、会を重ねるごとに参加者数が増えて直近では400名以上増加した。

「第4回での応募自体は700名を超えていたのですが、会場のキャパシティの都合で実は500名以上、参加枠を増やせないんです」と短期間での予想以上の拡大ぶりに大西氏も驚いている。
想定通り参加者の8割以上が、エンジニアやクリエイターで、中には有名なソフトやアプリの開発者も参加しているという。

また肝心の参加者からの反応としては、「勉強になった」「次はこんなテーマで開催してほしい」等、ほとんどが好意的な感想が寄せられているそうだ。
テックヒルズではイベント終了後に懇親会の場が用意されていて、参加者と登壇者、また参加者同士が自由にコミュニケーションできるようになっている。そこでも登壇者に対する質問がひっきりなしに飛び交うなど、盛況だという。

【今後の展望】「日本一オモシロイ!」心からそう思ってもらえるイベントに

今後の予定について、大西氏は「当分は3カ月に一度のペースで開催していきます。ちなみに来月も“バージョン管理”をテーマに開催する予定です。少なくともこれまでのイベントに関して、テーマ設定からイベントの中身までこちらの想定通りに実現できているので、今後もテーマ設定と登壇者のセッティングにとことんこだわって、多くのエンジニアから『日本一オモシロイ!』と思ってもらえるイベントにしていきたいですね」と意気込む。

また今後のテーマ設定に関しては、よりコアなターゲットに刺さる技術に注目していくとともに、プレゼンテーション時間の配分や、参加者が登壇者に対しより気軽に質問できる環境などを用意し、活発なコミュニケーションが図れる内容にブラッシュアップしていくという。
究極の目標が『IT業界日本一の勉強会』であるテックヒルズが今後仕掛ける、日本中のエンジニアを刺激するイベントには要注目だ。


次回開催(3/22)のテーマは『Go to Git!』〜さらばSVN〜
詳しくはこちら

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