超こだわりの“一筋メーカー”探訪記 この分野なら任せなさい! |
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チロルチョコ一筋51年!
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誕生から半世紀、独自路線で顧客の心をつかむチロルチョコ
1日に10〜20種類の試作品を開発、「まずはつくってみようよ」
人気の定番、「ストロベリー」、「コーヒーヌガー」、「ホワイト&クッキー」、「ミルク」
「チロルチョコは1年に20〜30の新商品が出ます。その種類は累計で300種類と公表していますが、実は数えたことがないんです(笑)。パッケージを変えた復刻版などを含めると、確実にもっと多いですね」
こう語るのは5年前に入社し、以降に発売されたほぼすべてのチロルチョコに携わった開発室室長の松嶋祐介氏。チロルチョコには企画・デザインの担当チームが3人、研究・試作の担当チームが3人おり、松嶋氏はこの2つの部署を統括している。
「企画と研究の橋渡し的な立場ですが、どちらかというと試作中心の研究開発職です。1日に10〜20種類の試作品を開発しています。次から次へと考え、つくっていくので、前のものは半分くらい忘れていますね」
同社では市場調査などのマーケティングはしていない。営業担当者が販売先であるコンビニ、スーパー、問屋などの意見をヒアリングする程度だ。こうした顧客の意見と社内から上がった企画が融合されて、試作品がどんどん開発されていく。
ただ、累計300種類以上となると、以前の商品と似たものが出てきそうだが……。
「パッケージを変えて再発売する以外は、以前と同じ商品は出しませんが、社風がポジティブなんですね。既存の商品をベースにして、食材の配合を変えたり、新しい材料を加えるなどは全然OK。『まずはつくって、食べてみようよ』という考え方です」
3つ山の初代チョコから1粒にシフト、思わぬ課題はバーコード
チロルチョコ株式会社 |
チロルチョコの定番といえば「コーヒーヌガー」、「ミルク」、「ストロベリー」、「ホワイト&クッキー」など。大ヒットしたのは「きなこもち」で、今年で10年目となる人気商品だ。冬場限定発売で主に10月〜翌年1月に生産するが、年間ではなく期間で見ればダントツの出荷数になるという。 その後、「アーモンド」や「ビスケット」などの種類を発売し、販路の拡大も目指す。減少していた駄菓子屋と対照的に、台頭著しかったコンビニに売り込みを掛けたのだ。この試みは成功し、同社の名を全国的に広めるのだが、問題もあった。チロルチョコは約2.5cm角、このサイズではバーコードが印刷できなかったのだ。 |
半年先の新商品を企画、2月は「ホワイトマシュマロ」を発売
素材を集めて試作を繰り返し、「可食部分」を食べまくる
試作はどのように行われるのか。前述のようにチームでアイデアを出したり、顧客の声を参考にするなどして、最初にテーマを決める。デザインが先行して、「こんなパッケージを思いついた」などの発想から始まる場合もあるという。 「パッケージや包装紙ではない食べる部分を、社内では『可食部分』と呼んでいます。試作で出来上がったチョコ、ビスケット、ヌガー、マシュマロなどの具材ですね。ここを食べて良し悪しを判断します。いつも考えているのは新しい味、新しい食感です」 |
種類がいっぱい、チロルチョコ! 試作室で材料を練る女性社員 左が約2.5cm角、右が約3cm角 |
新商品「ホワイトマシュマロ」のヒミツは、甘さ抑えめ
2月18日に発売予定の「ホワイトマシュマロ」(9個入り) 3種類の「ホワイトマシュマロ」 |
2月18日に発売予定なのが「ホワイトマシュマロ」(9個入り)だ。この新商品の企画は昨年の夏前から始まったという。 |
小さなチョコの中に込める、開発者の「世界観」や「こだわり」
最初の開発は「ホットケーキ味」、残念なのは「キャラメルナッツ」
松嶋氏は大学農学部で農芸化学を専攻し、研究室は食品系。卒業後は興味があった菓子メーカーに入社した。1年目から開発チームに配属され、キャンディやグミの食品開発に9年間携わる。そして、5年前にチロルチョコに転職。入社後まもなく担当した「ホットケーキ」には今でも強い思い入れがあるという。こだわったのは「味の再現」だった。 一方では、頑張って開発し、売れると思ったにもかかわらず、イマイチに終わった商品もある。例えば「キャラメルナッツ」。 |
松嶋氏の思いがこもった「ホットケーキ」 「ホットケーキ」の断面 「キャラメルナッツ」 |
小さなチョコの中に込める、開発者の「世界観」や「こだわり」
色々な種類が詰まった「ミックス」(アソート品) 初代チロルチョコを復刻させた「ミルクヌガー」 |
現在、「キャラメルナッツ」は生産を縮小しており、商品によっては終了するものも少なくない。それはすべての商品に当てはまる。コンビニなどの売り場スペースは小さいので、自然と定番商品+新商品が置かれるようになる。3〜4カ月単位で新商品が出るため、「きなこもち」のような大ヒット商品でない限りは、新作に置き換えられる運命なのだ。 |
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超こだわりの「一筋メーカー」探訪記
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