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純粋?異常?○○すぎるエンジニア 特別編

組織に依存せよ!
チームラボ猪子寿之の人類進化論

何かに対して深いこだわりを持つエンジニアを紹介しているこのコーナーであるが、今回は特別編としてチームラボ代表の猪子氏にご登場いただいた。テーマはズバリ「人類進化論」。猪子氏独自の視点から人類、そしてエンジニアの進化について語りつくす。

(総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:13.01.21

「ウルトラテクノロジスト集団」代表が語る、組織依存による人類進化論


チームラボ 代表
猪子寿之氏
1977年生まれ。東京大学工学部応用物理・計数工学科を卒業と同時にチームラボを創業。

今回ご登場いただくチームラボ代表の猪子氏は、業界内では広く知られたIT業界の異端児的存在だ。「ウルトラテクノロジスト集団」の代表として、最先端テクノロジーの研究や各種Webプロデュース、またクリエイティブアート作品の創作まで活躍のジャンルを広げるなど、非凡なセンス・才能を如何なく発揮している。
その彼に今回、ぶつけたテーマがこちらの記事

Web業界ではここ数年で、組織依存から個人主体のワークスタイルにシフトをしている状況について伺ったのだが、猪子氏の見解は“真逆”なものだった。
つまりエンジニア一人ひとりが今後、さらに組織に依存していくことを強く求めている、というもの。
その真意について、猪子氏ならではの見解を熱く語っていただいたので、その一部始終について紹介したい。

自分自身、昔よりますます組織依存が強くなってきているよね


今回、「組織依存から個人主体の働き方へのシフト」と言うテーマをいただいたんですが、僕はちょっと違うかな、と言うのが正直な実感。
だって僕自身、昔と比べてはるかにチームラボという組織に依存する割合が高くなってきているんだから(笑)。今では自分一人で考えて実行することはほとんどなくて、必ず社内のメンバーとディスカッションをしてから、アイデアを実現させていくことが主流になっている。それって結局のところ、「個人の限界」があるからなんだよね。

確かにここ最近、ソーシャルネットワークが急速に発展して、個人同士が組織の壁を越えてつながっていく傾向にはある。だからといって、それが即、個人主体の働き方になるとは思わない。
ソーシャルも含めたネットの情報量は、ハッキリ言ってその質や内容も含めて判断すれば少ないと思うし、それを活用していくことは効率も悪い。

その一方、空間や時間を共有できる組織や集団に属する方が、個人としてのパフォーマンスは間違いなく上がる。それは過去の実体験から断言できるし、実は人類の進化の歴史からも、証明されているんですよ。

人類の歴史から読み解く、個人より組織・集団の方が進化する説


例えば北半球と南半球を比べてみたとき、人類の歴史を見れば明らかに北半球の方が文明の発達スピードが早い。その理由はいくつかあると思うけど、僕が思うには「組織化・集団化しやすい自然環境があった」から、なんじゃないかと。

北半球には“ユーラシア大陸”という、巨大な大陸が存在している。西はヨーロッパ・ポルトガルから東はシベリア・中国・朝鮮半島まで。日本は島国だけど、はるか昔から大陸との交流が行われていたから、陸続きであるとみなしてもいい。

そうなると、各地で小さな組織・集団が生まれ、それが陸続きであるが故に他の組織・集団と結びつきやすくなるし、そのひとつの象徴が「シルクロード」。そうやって集団・組織が巨大化し、大量の人々が同じ時間・空間・目的を共有できるようになる。そこから各人が切磋琢磨し合うことで競争が生まれ、農業革命や産業革命による高度成長を引き起こすことが可能になった。

一方、南半球は海が大部分を占めているから、なかなか組織や集団が大きくならない。このことは、例えば大都市と田舎にも当てはまる。東京には質の高い情報やサービスが次々生まれる一方、地方ではそうはいかない。

そういう意味で、都市なり、企業なり、それぞれ大きな集団化・組織化された中で一人ひとりが切磋琢磨し合う方が、個人のスキルレベルも上がるし、結果として組織全体も進化していくはずなんだよね。

20世紀型組織からの脱却→目的・時間・空間共有に積極的にコミットしていくスタイルがエンジニアのデファクトスタンダードに


ただその一方「大きな組織や集団に属していない人の方が、人間的に劣っているのか?」というと決してそうではない。むしろ個人レベルで見たときには、大組織・集団に属する人間より優れているんじゃないかな。
それは現代人より、石器時代の人間の方が優れている、ということにもつながる。
だって少数の方が、一人でなんでも器用にこなさないと生きていけないから。食事をするにしても、まず狩りや栽培をして食べ物を自分の手で獲得し、それを調理する。それに比べ、現代人の多くは自分で直接、自分の食べるものをいちいち育てたり、狩りをすることはない。だから個人レベルで見れば、オールマイティな能力に関しては逆に退化してるのかも。

一方、あるテーマに特化したスキルであれば間違いなく集団や組織に属した人間の方が優れているはず。チームラボも「ウルトラテクノロジスト集団」を謳っているけど、各メンバーはそれぞれ得意の専門領域を持っている。そうした各自の得意領域をぶつけ合い、融合していくことで「チームラボ」としてでなければできない、画期的な技術やサービスを生み出せるわけ。

僕はいわゆる20世紀型の組織に属したことがないので断言はできないけど、おそらくそうした組織とチームラボのような組織集団とは構造が全く異なると思うんです。個人としてのスキルを生かしながら、組織の中で他のメンバーの知見やスキルとうまく融合していくことで、新しい価値を生み出す。それが僕の考える組織依存であり、今後ますます個の組織依存の流れは加速していくはず。

これからはまさに、Webエンジニアにとってこうした新しい組織依存型のワークスタイルが、デファクトスタンダードになっていくはずだと、少なくとも僕は確信しています。

◎チームラボのホームページはこちら http://www.team-lab.com/

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