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過去の写真の加工、カラー版、別の漫画タッチが実現するか

漫画カメラが進化する!
   あなたの欲しい機能が追加?

スマホアプリの「漫画カメラ」。エンジニアなら知っていますよね? 私もユーザーのひとりですが、まだ知らない人に教えると、9割方はその場でDLします。そんな漫画カメラが「進化」しそうです。あなたが欲しい機能です。

(取材・文・撮影 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:13.01.18

今さらですが、「漫画カメラ」を説明します


「漫画カメラ」とはスマートフォン向けのカメラアプリ。何種類もの「フレーム」が背景として用意されていて、端末のカメラ機能で撮影すると、人でも物でもその場で「漫画」に変えてしまいます。値段は無料。
2012年9月10日にiPhone版がリリースされると大ヒットし、11月には400万DLを達成、12月にはAndroid版がリリースされました。漫画カメラの企画者である、株式会社スーパーソフトウエア東京オフィス代表の舩木俊介氏が、その秘話と今後の予定を語ります。
http://tokyo.supersoftware.co.jp/mangacamera/

『北斗の拳』や『ジョジョ』のような「劇画タッチ」で行ける!

―― そもそも、どうしてこのアプリをつくろうと思ったんですか?

船木 最初からカメラのアプリを考えていました。ただ、日本のユーザーは高精細な画面に慣れていますし、さまざまな仕掛けのアプリがすでにありました。うちは小さな会社で、マーケティングなんてできませんから、まず求めたのは「インパクト」です。これがないとマーケットで埋もれると思いました。
次に考えたのが、「どんなときでも楽しみながら撮れる」こと。ここから「漫画」を思い付きました。

―― ひと口に漫画と言っても、作家によってタッチがずいぶん分かれますよね? どこからこの感じが生まれたんですか?

船木 私が企画者で、開発者はエンジニアがひとり。この彼と漫画のテイストをやり取りしながら進めたのですが、彼が最初に出してきたサンプルがよかった。
『北斗の拳』や『ジョジョの奇妙な冒険』みたいな、「劇画タッチ」だったんです。まさにインパクトがあって、「これで行こう」と決めました。調べてみると、漫画化するアプリはほかにあっても、「劇画タッチ」は見つからなかったのです。
開発者は漫画に詳しくてセンスがよかったし、プログラミングの腕も確かでした。そのため、企画に1週間、開発に3週間、1カ月でリリースできました。

―― 昨年の9月10日にリリースですよね。今までのDL数はどのくらいですか?

船木 リリース後の1週間で約100万DL、累計で現在(2012年12月下旬)440万DLくらいです。歌手の方やタレントさんがTwitterなどで紹介して、アプリの存在が広まったようですが、特別なプロモーションはしていませんでした。ヒットしていちばん驚いているのは私たちです(笑)。
日本だけでなく海外でのDLも多くて、国別ではアメリカ、カナダ、中国が目立ちます。海外ユーザーからの問い合わせも多くて、「カメラロールの写真を加工したい」とか「こんなフレームをつくってくれ」などいろいろです。問い合わせはなぜかカナダからが多いですね。また、海外といえば、外国企業から事業の買収を持ち掛けられたこともあります(笑)。


株式会社スーパーソフトウエア
東京オフィス代表
舩木俊介氏


若い社員が多いスーパーソフトウエアの東京オフィス

漫画化の仕組みはシンプル、加工の速さがカギだった


漫画カメラで船木氏を「白い壁」を背景に撮影。黒系統のジャケットとネクタイがきちんと切り抜かれている


船木氏を「黒いパーティション」を背景に撮影。右上から光が当たっているので、右の肩口は多少切り抜かれているが、左肩は背後に溶け込んでいる

―― 漫画化する仕組みはどうなっているんでしょう? あの画像処理がキモだと思うのですが。

船木 漫画化の技術はさほど難しくありません。撮影の対象を「人物」と考えて、この人をどのように漫画にするかを考えました。仕組みとしては、写真を白黒の2階調に変えて、中央にあると想定した人物を切り抜く。次に選んでいただいたフレームを背景として差し込み、画像と合わせる。これだけなんです(笑)。
漫画化する画像処理では、陰の付け方とスクリーントーンがメインで、そこに線の太さを加えた程度です。パッと見て「漫画になった」とわかるようにしたかったのです。
対象が人物ですから、通常であれば髪の毛を正確に切り抜くのは難しいですよね。ただ、あくまでも漫画です。そこまでの精度は求められませんし、むしろシンプルな線で表現したいと思いました。

―― フレームを変えると写り方も変わりますか? 使っていてそんな気がするのですが?

船木 いえいえ、写り方は同じですよ(笑)。ただ、うまく漫画化する方法はあります。切り抜きは、背景とのコントラストが出すほどうまくいきます。例えば、白い壁に白い服、黒い壁に黒い服のように背景と服装が同系色ですと、色が重なって体のラインが明確にならないので、うまく切り抜けません。黒い服を着て黒いテーブルに手を着くと、手とテーブルがつながってしまうなどもありますね。
バックが白で服装が黒などコントラストを際立たせると、人物が強調されてきちんと浮かび上がります。

―― 開発で、ほかに気を使った点はありますか?

船木 技術的には「画像をどれだけ早く出すか」が課題でした。撮影した写真を漫画化して、切り抜いて、背景と張り合わせて表示するまでの時間です。今は1秒程度だと思いますが、ユーザーのストレスにならない速さを目指しました。
というのも、「起動して撮影」というシンプルさを追求したからです。これだけの動作であれば3歳の幼児からお年寄りまで使えます。父親が漫画カメラを勧めると、子供が「もう持ってるよ」と返したり、知り合った人同士が互いに撮影して仲良くなったり、コミュニケーションツールとして使ってもらいたいとも思いました。

―― 最初から人物を想定したという話でしたが、物撮りでもいい味が出ていますよね。

船木 はい。ご好評をいただいておりますが……結果論なんです(笑)。

過去の写真の加工、カラー化、複数の漫画タッチ……が始まるか

―― ネットを見ていると、カメラロールにある過去の写真も漫画化したいというユーザーが多いようですね。その予定はありますか?

船木 はい、そうします。というより、当初からカメラロールの写真を加工する機能はつくっていましたが、あえて入れなかったのです。
漫画カメラではまず、「その場で撮って笑える」を重視しました。過去の写真を漫画にしてひとりだけで喜ぶのではなく、「リアルタイムに撮る、笑う、シェアする」という流れをつくりたかったのです。すでに実現できたと思いますので、今後はカメラロールの写真にも対応していきます。海外の方からの要望も多いですし(笑)。

―― ほかの新しい予定はありますか?

船木 カラー化を考えています。こちらも技術的にはさほど難しくないのですが、「いかに面白く見せるか」の工夫が大変で、まだ実現化していません。いつかはと思っています。
また、漫画カメラを進化させた、クリエイター向けの写真アプリも開発したいんです。写真を加工することで、漫画のラフのようなものが簡単に描けるアプリです。漫画のタッチはいくつかの種類を用意しますので、そこから選んでもらう形です。誰でもクリエイターになれるアプリと言えるかもしれません。

―― 漫画カメラは大ヒットアプリに成長しました。ビジネスとして、マネタイズを考えたりはしませんか?

船木 漫画カメラ単独でのマネタイズは考えていませんでしたし、今も考えていません。弊社にはなかったマーケティングのツールとしたり、本業であるシステム・Web開発の技術力を見せることが目的でした。アプリがヒットすれば実績にも、会社のPRにもなります。東京オフィスでは携帯やスマホの組み込みソフト、スマホのアプリやWebサイトなどの受託開発が中心なのです。
ただ、写真の切り抜き方や漫画づくりのプロセスは、特許申請をしています。ほかの会社さんとのコラボレーションも進めています。

―― 御社は本社が大阪で、お父さんの船木雅文氏が社長。どちらかというと固い開発案件が多い気がしますが、息子さんは東京でベンチャー的に動いていると(笑)。

船木 その通りです。私はここに来る前はベンチャー企業でエンジニアをしていましたし、ベンチャーの気質が好きなんですね。東京では冒険的なビジネスがしたいと思っています。
漫画カメラがヒットしましたが、漫画化は誰にでもできます。より面白くするのが難しいのです。機能は開発できても、ユーザーを楽しませるものにできるかどうかは別の話です。今後も、「技術を使ってインパクトを生み出す」を続けたいですね。


「北斗の拳の劇画タッチ」とのことから、「ケンシロウ」を撮影してみた


デスク上にある体長10cmほどのフィギュア「雲のジュウザ」を撮影。後ろにあるのはパソコンのコード類

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