私、転職してエンジニアになりました。vol.1 |
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元ジュエリー販売→スマホ向け |
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前職は全く異質な職業でありながら、ある理由でエンジニアを目指して転職したケースを紹介する新コーナー。今回は元ジュエリーショップの販売員から、今注目を集めているスマホ向けのネットワーク設計構築にキャリアチェンジしたケースを紹介したい。 (総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:12.12.06
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ジュエリー販売で培った接客経験を生かし、独自のコミュニケーション術を確立
株式会社VSN |
今回紹介する徳満氏(27歳)は現在、VSNからの技術派遣で、大手通信キャリア企業に常駐。現在、急速に普及しているスマートフォン向けのネットワーク設計・構築業務を担っている。入社から6年、一貫してネットワーク領域で活躍を続けているわけだが、彼には現在の仕事にたどり着くまでに、大きな「キャリアチェンジ」を経験している。 ネットワークの構築とジュエリーの販売。一見すると全く結びつかない仕事である。 |
【前職:ジュエリー販売】自分目当ての高頻度来店客、クレーム対応など密度の濃い接客
短大を卒業後、全国展開している有名ジュエリー販売店に就職したのは、もともとアクセサリーやアパレル関連に興味があったから。「どうせやるなら自分がとことん好きなものを仕事にしたい!」と思っての決断でした。
入社後、配属されたのは某メジャーリゾートエリアの近隣にある店舗。
土地柄、カップルやご家族の方が多く来店される上、婚約指輪や結婚指輪の販売が他の店舗に比べても多かったように思います。
当然、こうした販売接客の仕事は初めてでしたので、実際に経験をしてみると苦労や新しい発見の連続でした。特に難しいのは、さまざまなお客さまに対して、短い時間でその方の特性や求めているものを把握し、それに見合った対応をしなければいけないことでした。
例えば一般例として男性客の場合、あまり接客されたがらない傾向があるため、相手から声をかけられるまではこちらから声をかけないようにしました。逆に女性の場合、中にはジュエリーではなく「何か話をしたい」と思って来店される方もいます。その場合、世間話等でできる限り付き合って対応しますね。そうするとその時はご購入いただかなくても後日、また来て購入していただけることも多いんです。中には私のことを気に入ってくれて、2日に一度ご来店されるお客さまもいました。
この仕事でやはり苦労したのは「クレーム対応」です。購入したジュエリーが壊れたり、また事前にオーダーしていただいていた結婚指輪を、何らかの事情で突然キャンセルされたり(笑)。
この場合、電話ではなく直接来店されてクレームを言い付ける場合が多いのですが、相手はかなりナーバスになっているので、最初はどのように応対すべきか非常にとまどいましたね。
そこで機転を利かせて、例えば「壊れた時は、このように手当てしてください」とかオーダーキャンセルの場合、キャンセル自体は受け付けられないので他の用途でご利用いただけるように提案したりして、なんとかご納得いただけるように努力しました。
【現職:ネットワークエンジニア】前職で身につけた「対人スキル」を生かす
このようにジュエリー販売は大変な仕事でしたが、貴重な経験をさせてもらいました。
しかし1年弱で、現在の仕事に移ることになりました。理由は「趣味」と「仕事」の違いでした。
純粋に趣味でジュエリーが好きという理由でこの仕事を選んだわけですが、それで仕事が好きになるかはまた別、ということに気付かされたんです。
そこで転職を決意したのですが、この仕事を選んだのは短大でシステム系の授業を受けていたことと、父がサーバー系の情報システム部にいたことで少し関心があったことがきっかけでした。その中でVSNを選んだのは、未経験からでもしっかり研修を受けて活躍できる体制があったからです。
入社後、昨年まではネットワークの保守運用やトラブルシューティングをメインに担当しました。その後今は、某大手通信キャリア企業に常駐し、スマホ向けのネットワーク設計構築を担当しています。ネットワークは「24時間365日つながって当たり前」という絶対条件下で、私も含めた多くの一般人が利用している身近なものです。そこに自分の考えでさまざまなネットワーク機器をつなぎ合わせて、思い通りにセッティングできた時、この仕事のやりがいを感じます。
実は今の仕事において、前職での経験が非常に生かされているんです。
私はネットワークが専門ですが、理想的なネットワークを構築するためにはサーバー部門など他の部署との密接な連携・協力なくては目的を果たせない。そこで他部署の方に協力を求めるわけですが、中には気難しくてクセの強い方も(笑)。
その場合、例えばその相手と仲のいい方とまずコンタクトを取って、仲良くなります。その上でその方を経由して協力依頼します。これは前職でのさまざまなお客さまとの接客経験で培ったノウハウの一つ。
また入社直後に担当していた、「ネットワークがつながらない」等の電話でのトラブル対応でも、前職のクレーム対応の経験が生かされています。実は電話対応の方が、直接クレームを付ける場合に比べて短時間で感情が沈静化するので、対応は難しくないんです。
今後は前職での経験を生かしながら、「ネットワークエンジニアのプロ」としてステップアップしていきたいですね。
【今回の発見】対人スキルはエンジニアにとってもかなり重要。接客からエンジニアへの道は合理的!?
ジュエリー販売とネットワークエンジニア。業界も職種も全く異なる両者だが「対人スキル」という面で見たとき、実はどちらも非常に重要なスキル。今回ご登場いただいた徳満氏いわく「若いうちなら技術は後からキャッチアップできる。最初に接客を通して対人スキルを磨けたことは、今考えるとよかった」と話す。
実は接客からエンジニアにキャリアチェンジした方が、より合理的な転職ができるのかもしれないと、今回のケースを紹介しながら深く考えさせられた。
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