|
|
|||
「なめこ栽培キット」アプリが
女子ウケするのはなぜ? |
||||
今、女子高生や女子大生からOLまで、ガールズに大人気の「おさわり探偵 なめこ栽培キット」。2011年6月のリリースからロングヒットを続けるこの大人気アプリが、なぜガールズのハートをつかんだのかをレポートします!
(取材・文・撮影/田中里実 総研スタッフ/宮みゆき 撮影/佐藤聡)作成日:12.04.26
|
年代問わず大人気の謎!女子たちはなぜ、なめこを栽培してしまうのか?
おさわり探偵 なめこ栽培キット
そうです。あの、なめこ栽培キットです。今回ソーシャルガールズにインタビューを開始しようとしたところ、「え、今さら?」と言われてしまいましたが、そう言われるほどロングヒットのこのアプリ。皆さんの周りの女子にもブームを巻き起こしたのではないでしょうか?「ガールズがなぜ、なめこを栽培しているのか」がわかれば、女子の心をつかむアプリのヒントが得られるかも?そんなわけで、過去にハマったという女子、今育てている最中という女子、友達がハマってるという女子、みんなの気持ちを聞いてみました。 |
|
デザインとストーリーが女子の心をつかむ!?
「なんでなめこを集めていたのか、よく考えたら分からない。全く意味ないような気もするけど、楽しくてつい集めたくなっちゃう」
こんな風に、「つい集めたくなってしまう」なめこ栽培。 「なめこ栽培の好きなところは何?」と聞いてみると、一番はじめに出てくる答えは、たいてい、
「キャラのデザインが可愛い」 という声でした。 |
「なんかキャラのデザインが可愛くて癒される」
「ひとつひとつにプロフィールみたいなやつがあって、『こういうなめこあるんだよー』って、つい友達に言っちゃう」
「だから、『?』になってるなめこも早く集めたくなる。1個新しいのが開いた時のうれしさやワクワクが癖になる」
やはり、まずはキャラクターのデザインとストーリーが女子の心をつかんでいるようです。
キャラクターやキャラクターのストーリーが女子の共感を集めているからこそ、みんな「なめこ図鑑」をコンプリートしたくなるのかも。
「なんか『たまごっち』みたい(笑)」
なるほどー。確かに昔「たまごっち」にハマった世代の女子たちには、懐かしさもあるのかもしれません。
「たまごっち」のように、一つひとつのキャラが立っていて、なおかつキャラ設定に一貫性もある、というのが、思い入れが生じる理由かも。
また、キャラデザインの他に、UIのデザインにも秘訣があるよう。
「なめこを抜く時の動きが快感って友達が言ってた!確かに、抜く時、達成感があるよね。普段は音消してるけど、抜ける時の音も、なんかいい。全部キレイに収穫しなきゃ!って思う」
「抜ける時に、ちゃんと土の抵抗とかもあって、ちょっとぴくぴくするのがリアル!」
動きと効果音も、なめこ収穫の楽しみのようです。
土からなめこが抜けるイメージなど、細かいところが「収穫」というストーリーに沿っていることも、ガールズが、「なめこ栽培」の世界観にどっぷりハマる理由かもしれませんね。
リア充女子ほどハマる!?
今回のインタビューを通して、ガールズのなめこ栽培の習熟度が、とても高いことに驚きました。
中には、なめこのキャラクター設定や、開発秘話、レアなめこの出し方まで、詳しく語ってくれる女子も(笑)。
また、すぐにやめてしまった人もいるのかも、とは思いますが、今回インタビューしたなめこ栽培経験者のガールズは、コンプリート、もしくは、コンプリート一歩手前、という猛者ぞろい。
そんな彼女たちが、普段からゲーマーなのかというと、
「なめこ以外はゲームアプリは入れていない」
「ゲームはめったにしない」
と、決してゲームヘビーユーザーではない模様。
そんな、普通の女子である彼女たちが、なめこ栽培にハマった理由は何なのでしょうか。
私が考えるポイントは3つ。
・ 新しいことを覚えなくてもゲームを進行できる、日常の感覚にマッチしたルール
・ シンプルな「因果応報」による義務化
・ 「スキマ時間」に進行できる、スケジュールの柔軟性
一つずつご紹介していきます。
まず一つ目は、「日常の感覚にマッチしたルール」。
「最初に出てくる説明を読むだけで、やりながら覚えられた。
説明を読まなくても、長時間放置するとカビが生えるとか、原木を変えると違うなめこが出てくるとか、ゲームのルールが、なんとなく想像できるからかな?
そういうことを考えながら、新しいなめこが出ないかとか、もっと早くなめこを収穫するにはとか、考えるのも楽しい」
「新しい器具とか原木に変えて、新しいキャラが出ると、すごく報われた気がする(笑)やっぱりね!って感じ」
なるほど!日常的に自分の中にある感覚や知識を使って、ゲームを進行できるところも、普通の女子たちにウケている理由かも。 「育て始めて、最初は何となく暇つぶしにやってたけど、途中からハマって、最終的には、なめこの収穫がもはや義務になった(笑)」 こんな風に、「もはや義務」と言わせてしまうほど、なめこ栽培にハマってしまう理由は何なのでしょう? そこで二つ目のポイント、「シンプルな『因果応報』による義務化」。
「放置してカビが生えると申し訳ない気持ちになる(笑)」
なめこ栽培も因果応報。 |
ストーリーに思い入れを持っているからこそ、自分のせいでなめこを枯らしてはいけない!と思うのでしょう。
放置すると環境が悪化するし、こまめに世話をすると、スムーズに育ってくれる。
そんなシンプルな「因果応報」が、ガールズたちの母性を刺激して、なめこ栽培を「義務」にしているのかもしれません。
また、いわゆる「スキマ」時間に続けられるのも、忙しいガールズにとって、無理なく「栽培」を続けられる秘訣のよう。
「いったんハマると、休憩に行くときとか、友達を待ってるときとか、ちょっと空いた時間に必ずなめこアプリを開いてしまう」
「使ってる時間は一日のうちのほんのわずかだけど、何度も見る」
この「ちょっと空いた時間」にできることは、結構大事。
ゲームって、普通はずっとやり続けなきゃいけないから、なかなか毎日はできないけど、このゲームなら、なめこフードを選ぶことで、次になめこの様子を見るときまでのスケジュールを自分で決められる。
忙しいときには、長い時間切れないフードを使うし、すぐに暇になるときには、短い時間で育つフードを使う。あとのスケジュールを予想して、無駄なくフードを使い切る。
確かに、いくらキャラが可愛いとはいえ、過剰に時間を浪費してしまうゲームでは、使い始めるときに覚悟が要るもの。
15分、30分、1時間、4時間、8時間と、自分のライフスタイルに合った形でアプリの利用頻度を管理できる、「なめこフード」のシステムも、忙しいガールズたちが、長期間ハマっていられる理由なのかもしれません。 「一回も枯れなめこを生やさず一日終わったときの達成感がヤバい(笑)」 そして、そんなタイムマネジメントまで、楽しみの一つになっているようです。 いかがでしたか? 先述した「キャラや世界観への思い入れ」と、これまで説明した「ゲームとしてのシンプルさ、敷居の低さ」が相まって、「リア充女子」でもハマれる面白さを実現しているようです。 次は、具体的にどんなプロセスで、女子をどんな気持ちにさせているのか?を大検証です! |
なめこ栽培にハマっていくプロセス
女子はどうやって、「なめこ栽培」を学び、ハマっていっているのでしょうか?
実は私、周りのみんながそろいもそろってなめこを栽培していたことは知っていたのですが、この機会までなめこを栽培したことがなかったのです(笑)
そこで、今回ついに始めてみました。
いくつかのポイントに関して、「なめこ栽培」を始めたときの気持ちと、「なめこ栽培」にハマっていくプロセスを、女子代表としてレポートします!
まずは、開始。
ダウンロードして開始すると、
「うんうん、友達のスマホで見たことあるお馴染みの画面」
友達から聞いてだいたいどんな感じでゲームが進行するのか知っているけど、ポップアップで出てくる説明を読んで、もう一度整理します。
「なるほど、これがなめこフードか。時間が選べるっていうのはこれのことね」
さっそく、最初に選べるなめこフードを使って育成開始!
しばらく後、ちょっと枯れてしまいました。 |
「なんかカビまで生えてる……」 |
<レッスン1>時間が経つとカビが生えてくる。 ちょっとずつ教育されています(笑)。 次は、もうちょっと余裕を持たせて、4時間のなめこフードを採用。 この後、「全部のなめこフードを使う」という暴挙に出てみますが、結局時間通りに見れず、たくさん収穫できないわ、次のなめこフードは買えなくなるわ、で大誤算! <レッスン3>とりあえず自分のライフスタイルには、一個だけなめこフードを選んでゆっくり育てるほうが合ってる。
そろそろ「じい」が気になってくる頃です。
「じい」をタップすると、思ったより「執事」っぽい「じい」が登場。 <レッスン4>「じい」は執事っぽい。 |
|
|
原木、加湿器などを変えようと思ったけど、フードでNpを使いすぎて、Npがない。 <レッスン5>Npはフードじゃなくてむしろ設備のために貯めるもの。 あれこれやってるうちに、画像の図鑑くらいまでは、すぐに到達。 うん。確かにここまで来ると、 「枯れなめこはもう持ってます!」
っていう感覚が分かるな(笑)
それでも、育成開始3日目くらいに、 |
見てみると、画像のように、 「全部なめこが枯れてる!しかも木がなんか緑……」 説明を見ると、「原木がカビ病にかかってしまいました」と。 「なにー!!!」 この時は、衝撃でした。
「原木も、照明も、加湿器も、ちょっといいやつにしたから、新しいなめこが生えてくると思ったのに……」 もう一日放置したりしない、と心に誓った瞬間でした(笑)。 初めは、4時間と決めたら4時間以降じゃないとなめこが生えていないものだと思っていたのですが、こまめにチェックすればするほど、無駄なく収穫ができることもそのうち学びました。 <レッスン6>できるだけ細かくチェックした方が良い。
今では、起きてから寝るまで、一日5〜6回はチェックしています。 ずぼらな私は、いまだ「枯れなめこなしの一日」は体験したことがありませんが(笑)、カビ病は一度だけ。 でも、なめこは結構集まりました♪ これがハマったっていうことなのかな? 引き続き、しばらくなめこを栽培してみます! |
|
なめこと女子の出会いは必然?なめこクチコミの仕組み
なんでなめこ栽培を始めたの?と聞くと、ほとんどの女子が、
「友達がやってるのを見て」 と答えてくれました。 私もその一人。 友達一人どころか、周りのガールズほとんどみんななんじゃないか、っていうくらい、誰もがスマホでなめこを育てているのを知っていました。 もちろん、キャラデザインが可愛く、プロフィールも面白いので、人に言いたくなるというのもあるでしょうし、義務になるほどハマっているという事実を、友達に伝えたくなる、ということもあると思います。 |
でも、「なめこ栽培」のクチコミ力の強さの一番の要因は、「一回の操作の時間が短いからこそ、短い間隔で何度もこまめにチェックする」というプレイスタイルそのものにあるような気がします。
ちょっと友達が席を立った合間や、お店を出る瞬間など、友達と会っている最中にも、なめこを収穫するチャンスがあれば、画面をフリック。
操作も特徴的だから、
「何してるの?」
「私なめこ育てててさ」
「え!?なめこ!?」
という会話や、
「あ!なめこ採ってるでしょ」
「そうそう、ハマっちゃって!見てみてこのなめこ!最近採ったの」
という会話が生まれやすくなるのだと思います。
前回のレビューでも触れましたが、あまり検索やアプリ情報のチェックが一般的でない「普通の女子」たちには、友達からのクチコミが、アプリを知ったり、欲しくなったりするときの大きな要因の一つ。
頻繁にチェックされる設計にすれば、オフラインでのクチコミを味方につけることができそうです。
以上、普通のガールズたちの日常に見事に入り込んだ「なめこ栽培キット」レビューでした!
株式会社アゲハ取締役。 |
|
株式会社アゲハ |
このレポートの連載バックナンバー
アゲハ田中里実のガールズアプリレビュー
アゲハ田中里実と「ソーシャル・ガールズ」が、話題のスマホアプリを使い倒し、どう女性の心を掴んでいるのかをカジュアルにレポートします。
このレポートを読んだあなたにオススメします
アゲハ田中里実の“実のなる”ガールズアプリレビュー
女子に話題沸騰中の「フォトコラージュ」アプリって?
写真をオシャレに可愛く加工するなんて、スマホを使いこなすガールズにとってはもう当たり前。ソーシャルメディアに載せるため…
アゲハ田中里実の“実のなる”ガールズアプリレビュー
話題のメッセージアプリLINEが女子ウケするのはなぜ?
ファッション性、企画力、ソーシャル発信力のある女性コミュニティ「ソーシャル・ガールズ」を運営し、その生声をもとにした商品企画を得…
アゲハ田中里実の“実のなる”ガールズアプリレビュー
恋人×スマホに関するニーズは?カップルアプリ大特集
今回のガールズアプリレビューは、「恋人×スマホ」に関するニーズと、人気のアプリをレビューします! カップル限定のSNS…
アゲハ田中里実の“実のなる”ガールズアプリレビュー
女子が「スマホアプリ」の占いに求めるものって何?
新年あけましておめでとうございます! 2013年第一弾のガールズアプリレビューは「占いアプリ」。女子が占いにどのような…
アゲハ田中里実の“実のなる”ガールズアプリレビュー
「お仕事大好き女子」愛用のワークライフハックアプリ
あなたのメッセージがTech総研に載るかも