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7割は育児に積極的に参加!涙ぐましい努力で捻出した子育て時間 孤立無援でも負けない!パパエンジニアたちの育児戦争
子育てといえば一昔前まで主に母親が行うスタイルが主流であった。しかし昨今「イクメン」という言葉が流行するなど、男性が積極的に子育てに関わる傾向に変化しつつある。そこで育児経験のある男性エンジニアへのアンケート調査から、今どきの育児事情について考察してみたい。
(総研スタッフ/山田モーキン イラスト/佐藤政)作成日:12.03.19
約7割が積極的に育児に参加!男性エンジニア50人の育児の実態
平日(勤務日)における、乳幼児の子育てをしている時の役割(複数回答) あやしたり、遊び相手になる88.0, お風呂に入れる世話84.0, おむつや着替えの世話64.0, 寝かしつける64.0, ミルクや食事作り・世話42.0, しつけや勉強を教える38.0, その他0.0 平日(勤務日)における、子育てにかかる時間 1時間未満26%, 1〜2時間未満48%, 2〜3時間未満18%, 3〜4時間未満6%, 4〜5時間未満2%, 5時間以上0%
エンジニアとして活躍しながら、育児も頑張る。限られた時間の中で仕事と育児を両立させるのは、想像以上に大変なことだ。その中で今回、育児(0歳〜6歳までの乳幼児が対象)経験を持つエンジニア50人に調査したところ、育児時間を創出するための努力をしたり、できるだけ時間のあるときは子供と一緒に過ごそうとする「積極的に育児に参加しているパパエンジニア」が、全体の7割にも及ぶ結果となった。過去のデータがないので主観的な判断になるが、多忙を極める割合が多いエンジニアが、それだけ積極的に育児に取り組もうとしている姿勢から、現代のトレンドの流れをそのまま証明していると言える。

またそれだけ多くのパパエンジニアが積極的に育児に取り組んでいることを示す、以下の2つの結果を紹介したい。
ひとつめは「平日(勤務日)における、子育てにかけた時間」。
最も多かったのは「1〜2時間未満」で、約半数を占める。続いて「1時間未満」「2〜3時間未満」で、ほとんどのエンジニアが3時間以内という結果に。勤務時間や睡眠時間等を除けば、ほぼプライベートの時間はすべて育児にかけている様子がうかがえる。
約7割が積極的に育児に参加!男性エンジニア50人の育児の実態 イラスト
そしてふたつめが「育児の内容」について。
「お風呂に入れる」「遊び相手になる」がそれぞれ8割以上という結果になった。食事やしつけなど勤務時間中は妻が、それ以外は夫であるエンジニアが帰宅後になるべくフォローする、という構図が見えてくる。
男性エンジニアの仕事と子育ての両立の苦労はズバリ「育児時間の創出」
では実際に男性エンジニアは仕事と育児の両立で、どんなことに苦労しているのか?
やはり一番多かったのが、「育児の時間をどう作るか?」という点。
例えば、こんな悲痛な声も。
男性エンジニアの仕事と子育ての両立の苦労はズバリ「育児時間の創出」 イラスト1
仕事はこなさないといけないし、保育園には迎えに行かないといけない。遅く寝かせるわけにもいかないし、早々に夕食を食べさせないといけない。風呂に入れて、本を読んで、寝かせる。もっとゆっくりと接してやりたいけど、とにかく時間がない。
妊娠してから妻の体調が悪くて戻っていない。平日昼間は妻に見てもらっているが、それ以外は家事も含めてほとんど自分が面倒を見ているため、自分の時間がない。
できるだけ子育ての時間を作るために、自分の趣味の時間を減らした。
その次に多いのが、「子供の病気&夜泣き」の対応。
妻も働いているため、子供が病気の時にどちらが休むかで苦労した
子供が病気の時に休みにくいこと
夜泣きが多く、寝不足に悩まされた
いかに早く寝させるか、夜泣きの時にはやく泣き止ませるかで苦労
男性エンジニアの仕事と子育ての両立の苦労はズバリ「育児時間の創出」 イラスト2
子供は親の都合など配慮するようなことはしない。突然やってくるこうした子供に起こる現象に振り回されてしまうことによる寝不足やストレスは、育児と仕事を両立していくうえでは避けては通れない問題だ。

またほかにも、
男性エンジニアの仕事と子育ての両立の苦労はズバリ「育児時間の創出」 イラスト3
職場を定時で上がること
朝早く出勤ができず、自分の仕事を進める時間が制限される
家でも勉強する必要がある為、いかに子育てとの両立を図りつつ妻の理解を得るかに苦労した
仕事で精神的・肉体的疲労がピークの時の、子供への接し方
といったように、やはり全体的には育児にかかる時間に対して、どのようにそれ以外の時間を調整するかに多くの苦労を強いられているケースがほとんどのようだ。
子育ての時間を生み出すために重ねた努力の数々
それでは1分でも子育ての時間を創出するために、男性エンジニアたちはどのような努力や工夫を実践しているのだろうか?
今回のアンケート調査結果の中から、特徴的なノウハウを紹介しよう。
休暇を取らなければならないとき、実施する日程が決まっているような作業はなるべく他の人に任せる
朝7時に出社した
「時間有給」の有効活用
共働きのため、妻と交互で早く帰るようにした
子育ての時間を生み出すために重ねた努力の数々 イラスト
フレックス制度を利用して、朝できる限りのことをしてから出社
通常より1〜2時間の早出で残業対応し、帰宅後子供が寝るまではなるべく子供との時間を過ごした
子供の突然の病気に対応できるよう、休暇取得に余裕を持たせた
週休2日のうち、1日は勉強に、もう1日は育児や家庭のために使うと決めて妻の理解を得た
このようにひとつひとつのノウハウは特にこれといってユニークなものというわけではない。しかしできる範囲で時間を生み出すノウハウを考えたり、会社の制度を積極的に活用することで、愛するわが子と接する時間を増やすための、涙ぐましい努力を日々積み重ねているのだ。
会社からの子育てサポートの厳しい現実に立ち向かうパパエンジニアたち
最後に、日々育児に奮闘するパパエンジニアたちを、会社や職場のメンバーたちはどれだけサポートしているのか?その結果、なんと全体の8割近くが、「会社や職場の上司・同僚から特にサポートは受けていない」という驚くべきことに。中には「特に上司に配慮されなかった。それどころか自分の若かったころの話で捕まることが多く、無駄な時間が増えた」といったものや、「育児に対する社内の理解はあったが、仕事が減るわけではないので、それでも早く帰宅できたのは自分の努力だけ」といった、パパエンジニアの中には非常に厳しい環境下で育児と仕事を両立せざるを得ないケースもあるようだ。
これは少子化問題や、日本の将来を考える上でも非常に由々しき事態と言わざるを得ない。

また「会社からのサポートを受けている」と回答した少数派のコメントは、以下の通り。
会社からの子育てサポートの厳しい現実に立ち向かうパパエンジニアたち イラスト
子供の保育園のお迎え時間に間に合うように、仕事を調整してもらった
定時に帰れるようにしてもらった
急な病気など緊急事態には休んだり、早退したりを気兼ねなくさせてもらった
就業開始時刻を遅くしてもらった
業務の軽減などを意識してもらい、また遅延に対しても大目に見てもらえる時期があったのでありがたかった
このように一部では育児に対する職場の配慮によって助けられているケースがあるものの、少なくとも今回の調査結果では圧倒的に少数派。これからますます男性エンジニアが育児に積極的に参加していく風潮が強まっていくことが予想される中で、エンジニアだけの努力ではおのずと限界がある。仕事と育児を両立させるための根本的なサポート体制を早急に確立することを、こうしたパパエンジニアたちの悲痛な叫びや涙ぐましい努力を目の当たりにするにつれ、切に願わずにはいられない。
新米パパエンジニアが語る。仕事より育児の方が断然大変!
「Fathering=父親であることを楽しもう」をコンセプトに、2007年からセミナー活動や募金・イベント活動などを通じて、日本の父親を支援する事業を展開しているNPO法人「ファザーリング・ジャパン」(以下FJ)。その賛助会員であり、自らも1歳の子供の父親でもある新米パパエンジニアのIさん(41歳)に、エンジニアの育児と仕事の両立の実情や、FJでの活動内容などについて伺った。
現在、1歳になる娘がいますが自分が実際に子育てを体験してみて、仕事以上に育児の大変さを実感しています。仕事は大手メーカーに常駐しながら、プリンターの設計業務を担当。残業は当たり前の世界で、納期直前には休日出勤も多い、典型的な日本のメーカーの勤務環境といったところです。私が父親になる以前から、まわりの同僚もまた、仕事と育児の両立にかなり苦労していました。その大きな理由は、会社からの育児支援がまったくないこと。特にメーカーで、なおかつ私のように客先に常駐する雇用形態の場合、育児休暇を取ることがそもそも難しく、とれた場合も一度、客先との契約を終了しなければならないため、場合によっては復帰後、別の客先と契約する可能性も。そうなれば地方勤務もありうるので、育児休暇の取得を躊躇するエンジニアが多いのが実情なんです。私も子供ができて1カ月間の育児休暇の申請をしたのですが結局、ゴールデンウィークも含めて3週間しかとれませんでした。

そういった事情から現在は、「平日は必ず夜8時までに仕事を終えて帰宅後、娘をお風呂に入れて寝かせる」「休日はずっと娘の面倒を見つつ、食事や洗濯・掃除など家事も行うことで妻をサポートする」という目標を掲げて、なんとか育児の時間を生み出す努力を続けているところです。

その私がFJに入った理由は、たまたまFJの安藤代表の講演を聞いたとき、私と同じように苦労している父親をサポートしたいと思ったから。現在は絵本の読み聞かせなどのイベントや児童養護施設への支援活動など、身近でできることをやっています。
2007年に活動を始めたFJは今、会員数が250名を超えて活動範囲も広がっています。また国が父親の育児支援に本腰を入れて取り組み始めたこともあり、少しずつですが父親に対する育児支援の体制は整えられようとしています。最近、私が実感したのは育児に積極的に参加している父親が増えていること。娘の定期健診で通院すると、3カ月前は母親と子供がほとんどだったのが、最近ではそこに父親も加わって親子3人で通院するケースが明らかに増えました。
元々、育児に積極的に関わりたいという願望を強く持つ父親が潜在的に多かったので、それが時代の変化とともに目に見える行動となって現われてきているのではないでしょうか。

とはいっても私のようなエンジニアの場合、どうしても仕事に納期が付きまとうため、仕事を短時間で切り上げたり、会社から手厚いサポートを受けられる環境に短期間でシフトするのは現実的に難しいと思います。だからこそこれからもFJの活動を通して少しずつですが、父親が育児に参加しやすい環境作りに関わっていくつもりです。
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山田モ―キン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モ―キン(総研スタッフ)からのメッセージ
最近の傾向で、夫が積極的に育児に参加するようになっていますが、今回のアンケート調査でもその傾向を裏付けるように、7割の男性エンジニアが積極的に育児に参加し、そのための時間を創出する努力を行っています。今後の少子化対策や日本の将来を考えると、より育児に対する会社や社会のサポートが必要不可欠。ぜひ早急なサポート体制の整備・充実を切望します。

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