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営業→SE、アパレル販売→サーバ運用etc. これってアリ?キャリアチェンジエンジニアの生き方
エンジニアの中には、就職してから今まで一貫してエンジニアである方もいれば、就職時は全く異なる職種だった方がキャリアチェンジしてエンジニアになった方もいる。今回、そうしたキャリアチェンジエンジニアがどのような経緯を経て現在、活躍しているのか?実態調査を実施してみた。
(総研スタッフ/山田モーキン イラスト/佐藤政)作成日:12.03.06
営業、販売、企画、事務 etc...→エンジニアに。キャリアチェンジエンジニアの実態を探る
現在エンジニアとして活躍している方の多くは、就職した時からプログラマやSE、また機械・電気・半導体の設計や生産技術職などエンジニアの道を選んでいる。
しかしその一方、エンジニア以外の職業に就いた後、さまざまな事情でエンジニアに“キャリアチェンジ”をしたことで現在、活躍している方もいる。
今回、そうしたキャリアチェンジを経験したエンジニア50人に対してアンケート調査を実施。
・エンジニアになる前にどんな職業に就いていたのか?
・どのような理由・経緯でエンジニアキャリアチェンジしたのか?
・キャリアチェンジを成功させた方法とは?
・エンジニア以外の仕事の経験が、今の仕事にどのように役立っているのか?


上記の点に関する回答内容を探っていくことで、キャリアチェンジエンジニアの実態について明らかにしていきたい。
エンジニアになる前の職業トップは営業・事務企画職
まずエンジニアにキャリアチェンジする前にどんな職業に就いていたのか、その結果がグラフにある通り。全体では営業・事務・企画職の割合がトップとなっているが、よく見ると他の職業も含めて幅広く分散している。
例えば少数回答の職種例としては以下のようなものが挙げられる。
営業・事務・企画:13:26.0, 専門職:10:20.0, サービス・販売:7:14.0, クリエイティブ:6:12.0, 製造(工場など生産現場の従事者):5:10.0, 建設/建築従事者・職人:4:8.0, その他:13:26.0
ビジネスホテルで、飲食の接客を3年経験→Webアプリケーション開発, アパレル販売を2年経験→基幹業務のテクニカルサポート, 学習塾の講師を2年経験→液晶画面のカラーフィルター生産, 介護師を3年半経験→社内アプリ開発, 会計事務所で1年経験→ERPシステムの開発運用保守, ゴルフ用品の販売を3年経験→環境機器の製造, 写真屋で撮影カメラマンを3年経験→結晶材料の開発, 不動産関連の調査業務を5年経験→プラントの設計
中には「会計→ERP」など関連性のありそうなキャリアチェンジをしていることもあるが、それは今回調査した中では少数派。多くはあまり関連がなさそうなキャリアチェンジをしているケースの方が多い。
引き抜き、異動、リストラetc.キャリアチェンジの理由
先ほど紹介したように、キャリアチェンジすることで全く異なる職種を選んだエンジニアたちが、なぜその道を選んだのか?または選ばざるを得なかったのか?その理由について聞いてみたところ、
1.自分のやりたいことを選んだ
2.会社の事情
3.他からの誘い
上記3つの理由によるキャリアチェンジが大勢を占めた。
それではその具体的な理由を、項目ごとに紹介したい。
01. 自分のやりたいことを選んだ
・事務作業ではなく、自分で計画を立てたり仕事のやり方を変えるようなことがしたかったし、技術もつけたかった(製造業で事務→社内向けWebシステム開発)
・公務員の体質に疑問を感じ、もともと興味のあった技術系に転職(公務員→自動車の衝突CAE解析)
・販売をやっていたころに「PCに詳しい」という理由でネットワークの設定などを手伝ううちに興味がわいて、本格的に仕事をするため転職(ギター販売員→ネットワークエンジニア)
・もともとエンジニアで営業に舵を切るも、9割断られる非効率な働き方に嫌気がさし、入念に作り込むエンジニアに復活(損保営業→業務システム設計開発)
・サーバインフラ全体に興味があり転職(ネットワークセキュリティのサポート→サーバインフラエンジニア)
02. 会社の事情
・人手が足りなかったので、強引に引き抜かれた(図面の維持管理→社内ネットワーク管理)
・社内異動でエンジニアではない業務に就いたため、転職(保険販売業務の営業事務→製鉄現場のシステム運用)
・会社の規模縮小で勤務地が変わるのが嫌だったから転職(ガラス工場で研磨作業→サーバ運用管理)
03. 他からの誘い
・ソフトウェア部署の上長に気に入られてキャリアチェンジ(装置管理→Webアプリ開発)
・友人から誘われて転職(造園業→法人向けネットワーク設計)
・前の会社が倒産し、副業でHP制作等をしていたことがきっかけで今の会社の社長に気に入られて転職(ゴルフ用品販売→環境機器の製造)
ただし今回の調査に限ってみると、最終的には自分の意思でエンジニアとして仕事がしたい、という主体的な理由により転職をしたり、自分から異動届けを提出するなどしてキャリアチェンジしている割合が全体の半数程度と最も多かった。
キャリアチェンジを成功させた大きな要因とは?
そうはいっても全く仕事の異なるキャリアチェンジをする上で、さまざまなハードルが待ち受けることは容易に想像できる。そこで実際にキャリアチェンジを成功できた理由について探ってみると、それぞれかなり創意工夫をしながら自己アピールをしたり、入念な準備や勉強を行っていることがわかった。その具体例をいくつか紹介しよう。
独学で資格取得やプログラミング習得のための勉強を行った(ビジネスホテルの飲食接客→Webアプリ開発), 営業窓口としてシステムと業務のギャップを感じていたので、現場主義をシステム開発に持ち込むことで乗り越えた(顧客窓口営業→(社内異動により)社内業務システム企画設計), 前職在籍時にスクールに通い、そこで勉強したことをデータでまとめて面接時に持参、アピール(事務→社内向けWebシステム開発), 営業経験で犯した失敗から何を学んだのかを、エンジニア視点で再検討して転職時にアピール(損保営業→業務システム設計), 前職の経験を生かしつつ、より深い領域に関われるようにまず業種を選び、その業界への紹介や働き掛けをしつつ、現職を紹介してもらった(輸送機器メーカーのメーカーサービス→自動車の車両実験統括), 40万円を貯蓄して、PCを購入。独学で勉強し転職時にアピール(アパレル販売→基幹業務テクニカルサポート), ちょっとしたことから遠回りでも、SEに関連する業務に積極的に携わるようにしたことで、徐々に経験を積んだ(事務→ネットワーク構築), 未経験でもやる気があれば採用してくれる小さな会社でプログラマとしての経験を積み、実力がついたころにキャリアチェンジ(コールセンター業務→ERP導入SE), 紹介してもらった会社に研修制度があり、ひと月でCCNAの資格を取得したことで評価してもらい、転職できた(造園業→法人向けネットワーク設計), 入社面接時、最終学歴で研究したテーマに興味を持ってもらい、自分の視点やアプローチ方法などが開発にも応用できそうなことをアピールした(カメラマン→結晶材料開発)
ここで共通するのは、少しでもエンジニアの仕事に生かせる知識や資格を事前に取得したり、またエンジニアに関連する業務を自ら積極的に経験しておく姿勢。当然、実務経験として豊富なキャリアを有する「生粋のエンジニア」に比べれば、限られた条件下で経験を積むハンデキャップがあるものの、「そこまでしてエンジニアになりたい!」という姿勢を示す努力をアピールすることが、ハードルの高いキャリアチェンジを成功させる最大の要因といえそうだ。
エンジニア以外の仕事の経験が、今の仕事にどう役立っている?
このように高いハードルを乗り越えてキャリアチェンジに成功したエンジニアたち。そこで最後は実際にエンジニアの仕事をしていく上で、前職の経験が役立っているのかどうかについて探ってみたい。 今回の調査では約8割のエンジニアが、前職の経験が役立っていると回答している。その具体例に就いて紹介しよう。
業務知識や会計知識はどこに行っても役立っている(ソフトウェア販売→コンサルティング), 現場の声をダイレクトに聞く機会が多かったので、ユーザー目線で設計できる(顧客窓口営業→社内業務システム設計), 顧客対応が社内の調整に役立っている(コンサル→システム開発】, 販売などで培ったトーク技術が、今の交渉や案件に対応する順応力につながっている(ギター販売→ネットワークエンジニア), 現在の仕事は完全にプロダクトアウトな環境だが、サービスとしてマーケットインな環境で仕事をした経験によって、予測的活動ができる強みが生かせる(メーカーサービス→自動車車両実験統括), セキュリティの経験がサーバインフラ構築の際の確認作業等で生かせる(ネットワークセキュリティサポート→サーバインフラエンジニア), 営業の経験によって、システムと関係ない相手の業務内容や力関係を把握できるため、スムーズに仕事を進めることができる(不動産営業→業務アプリ開発), 作る人間はどうしても性能機能にとらわれ過ぎてしまうが、売る側の立場も経験したことで「売りやすいモノづくり」ができる(ゴルフ用品販売→環境機器製造), 大型の機械設備では、建築系の知識も役立っている(不動産調査→プラント設計)
役立った内容で特に目立ったのが、「違う視点でモノ作りができる」という点。全く違う環境で、違う立場で仕事をしてきたからこそ得られた“視点”は、生粋のエンジニアにはないもの。その視点をモノ作りにどう生かしていくか?それがキャリアチェンジを本当の意味で成功させる重要なポイントなのかもしれない
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山田モ―キン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モ―キン(総研スタッフ)からのメッセージ
最近、キャリアチェンジ経験のあるエンジニアの方に取材する機会が多いことから、この企画が生まれました。私も就職当時の職種とは全く違う「キャリアチェンジ組」なのですが、今回のアンケート調査結果にあるように、違う視点を持つことで今の仕事に役立つという実感を改めて認識しているところです。

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