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最新! 8つのエンジニア職種から採用動向がわかる!職種別 採用天気予報 [12年1〜3月期]
新しい年、2012年のエンジニア転職市場はどう動くのか。長引く超円高、震災復興、欧州の経済危機など不安材料が多い中、日本の技術は底力を見せられるのか。技術系職種を大きく8つに分け、3カ月間の短期予想を載せた。各分野のベテランアドバイザーたちが、2012年初めの求人動向を予報する。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/高橋マサシ)
龍のごとく天に駆け上がりたいけれど……景気減速を覚悟して早めの行動を
 「震」「災」「洪」など禍々しい字につきまとわれた感のある2011年。2012年こそは心機一転、干支にちなんで「竜の雲を得る如し」(英雄豪傑が機に臨んで盛んに活躍する)いい年であっってほしいと願うが、景気観測ははかばかしくない。
  欧州各国の財政危機は、欧州向け輸出の落ち込みや欧州銀行のアジア向け投融資の引き揚げなどで、その影響はアジアにも及ぶという予測がある。国内を見ても、一部業界では東日本大震災の復興景気はあるものの、円高、欧州危機、タイ洪水などが影響して、全体の景気は足踏み状態。2012年はさらに後退するという予測も少なくない。頼みの中国景気も、製造業の減産が相次ぐなど減速局面を迎えたというのがもっぱらの観測だ。

 2011年初頭から右肩上がりで伸びてきて、3月の震災でも大きな影響を受けなかったエンジニアの中途採用市場。一部には、リーマンショック以前の景気の6割近くまで求人数が戻った職種もあった。ところが、夏場を過ぎて上昇スピードに鈍りが見え始めている。やはり、輸出依存型産業で事業環境の先が見えにくくなったことが、採用にもじわりと影響を与えているようだ。
 むろん、これからグローバル展開を進めようとするソーシャルネットワーク業界など、好景気に湧く領域がないわけではない。ただ、自動車、電気、機械、化学などモノづくり系企業の踏ん張りがないと、やはり日本経済は全体的には浮上しない。

 リクルートエージェントのキャリアアドバイザーの意見をまとめると、2012年1〜3月期は大幅な減速はないにしても、求人の伸び悩みはある程度覚悟しなければならない、ということだ。
 しかしそんな時期でも転職意向をもつエンジニアはいる。いや、こうした時期だからこそ、より成長の期待できる業界や企業に自分の活躍の場を移したいと考えるのである。それが可能なのも、求人が潤沢にあればこそ。
 採用の枠が閉まらないうちに早め早めで動き出す。景気鈍化傾向の転職市場では、昔も今も鉄則である。
ページ内の各技術分野へリンクします。
制御系SE 曇り
電気・電子系 晴れ/曇り
アプリ系SE 晴れ
機会・メカトロ系 晴れ/曇り
コンサルタント 晴れ
半導体系 曇り
ネットワーク 曇り
科学・材料系 曇り
業界別求人人数の推移と今後の予測
 ※2010年10月の「IT通信・インターネット業界」の求人人数を0値として、職種ごとの求人数の推移をグラフ化した。
 ※リクルートエージェントのデータ(2011年11月まで)を基にTech総研編集部が作成。
制御系SE
曇り
求人数は横ばいで推移か、特定派遣会社で働くという選択肢も
狙われるのはこんな人 ECU、EPSなど自動車制御技術、移動体基地局の開発経験者
 自動車、医療、FA、装置メーカーからの求人は相変わらず堅調です。ただ、全体の求人数は横ばいになりつつあります。1月以降も全体のパイは急激に減ることはないにしても、急増する可能性もまた低いだろうと予測します。
 自動車では大手サプライヤーを始め、さまざまなメーカーから求人が出ています。現時点では、タイの洪水によるメーカーの生産調整の影響は出ていません。モーター制御、バッテリー制御など電気自動車関連の需要はあるものの、やはり主軸の求人は電気自動車関連に限らず、ECUやEPS(電動パワーステアリング)などの職種が目立ちます。
 自動車業界での経験者を求める企業が多数ですが、中には業界経験を問わないとする企業もあります。例えば家電業界で、ハードウェアや電気分野の開発経験があればエントリー可能です。

 医療機器は大型の検査装置だけでなく、歯科用ドリルの開発などもあって、意外といっては何ですが、面白い技術領域から求人が出ています。ただ、経験者を望む傾向は相変わらず強いです。
 このところ目立つのは、通信機器メーカーです。LTE(Long Term Evolution)や4G移動体通信の展開に向けた基地局開発などの、需要が背景になっています。既存の基地局の改修というニーズもあり、外資系基地局ベンダーを中心とした通信業界からの需要は、今後伸びていくと思われます。

 メーカー以外の求人企業は、従来多かった受託開発型のソフトハウスよりも、特定派遣会社の存在が目立つようになりました。特定派遣は一般派遣(登録型派遣)と異なり、派遣会社と正社員または契約社員として雇用契約を結び、そのうえで派遣先で勤務することになります。
 派遣先企業での業務が終了しても、特定派遣会社との雇用は継続されるので、それだけ安心して働くことができます。また、研修体制を整備して、社員のスキル向上に力を入れる企業が多いことも特徴。異業種のメーカーに転職するにはスキル・経験不足という技術者でも、その前の段階でスキルアップに努めるにはよい場所だと思います。
制御系SEの求人情報 リクルートエージェント
エージェントサービス第一事業部
首都圏一部
EMCCAグループ
キャリアアドバイザー
畑中澄夫氏
畑中澄夫氏
アプリ系SE
晴れ
システムの実装を請け負う、2次・3次請けの中小SIで求人増加
狙われるのはこんな人 ソーシャル業界ではLAMP環境でのアプリ開発経験、英語力
 企業のシステム開発を2次請け、3次請けの形で請け負っている、中小SI企業やソフトハウスからの求人が増えています。年度当初に要件定義を終えたシステム開発が、年度末にかけて実装フェイズになっているということが背景です。システムの内容は製造業向け、金融業界向け、流通業界向けと多岐にわたっています。
 これまでは、転職者に当該システムの業務知識を求める企業が多かったのですが、最近は「開発経験さえあれば、業務知識は問わない」とする企業が増えています。それだけ人材への渇望感があるのでしょう。

 一方、社内SEの求人も増えています。これまでIT投資を手控えていた企業が、基幹システムの入れ替えに伴って、専任のSEを確保したいといった声をよく聞きます。ただ、求人数は1社当たり1〜2名なので、求人が出てもすぐに枠は埋まってしまいがちです。
 社内SEへの転職を希望する方には、こまめに求人情報をリサーチして、募集が出たらすぐに応募するようにアドバイスしています。


 ソーシャルネットワーク系の求人は、スマートフォンのアプリ開発を中心に相変わらず堅調で、採用予定数も大きく伸びています。ただ、大手プラットフォーマーは誰もが転職できる状況ではなくなってきました。これらの企業は海外進出にも熱心ですから、LAMP環境での豊富な経験に加えて、英語力があれば興味を示してくれますが、やはりハードルは高い。
 そのすきまを縫うようにして、プラットフォームにゲームなどを提供する、中小のSAP(ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー)が採用枠を広げています。プラットフォーマーに比べれば技術要件は緩和されており、ソーシャル業界への転職なら、今後はSAPによりチャンスが広がると思います。

 ECサイトやポータルサイトの大手企業では、地方拠点を開設する動きが強まっており、地方勤務を前提とした求人も始まっています。Uターン、Iターンのニーズに応えるものですが、採用枠はまだそれほど大きなものにはなっていません。今後の動きに注目したいと思います。
 全体的に見て、アプリ系の求人は順調に推移していますが、機械系や電気系など製造業の求人動向が3〜4カ月遅れて反映されるというのが、この業界の特徴です。製造業の求人に陰りが見え始めるとすれば、数カ月後にはアプリ系も……という一抹の不安はあります。転職意向を持つ人は、予定を前倒して動くという心構えも必要でしょう。
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キャリアアドバイザー
高山淳子氏
高山淳子氏
コンサルタント
晴れ
事業会社、監査法人、アウトソーシングベンダーなど、求人が多様化
狙われるのはこんな人 基礎スキルに加え、ITの幅広い知識、課題を発見・整理する力
 コンサルティングファームからの求人は引き続き堅調ですが、新たに別の企業からのコンサルタント求人が増加しており、全体的に上昇傾向にあります。今回はコンサルタントを求める求人企業の多様化について話したいと思います。
 ひとつはグループ企業を多く抱える大手の事業会社。社内の業務改善を進めるうえで、その旗振り役としてコンサルタント経験者を採用する案件が出てきました。従来は外部のコンサルティングファームに依頼していたわけですが、コストが高いうえ、プランニングで終わってしまうことも多く、実効性が上がらないとわかってきました。ならば自社の社員として専任のコンサルタントを配し、業務改善などをリードしてもらおうという狙いです。

 次に監査法人。新しく上場する企業が減り、主戦場の監査業務での売上拡大が見込めない中、アドバイザリー・コンサルなどの「非監査」業務の売上比率を高める動きがあるため、監査法人からコンサルタントを求める求人が増えてきました。
 最後に、これまでコールセンター業務の受託などを行っていたアウトソーシングベンダー。従来のように業務の切り出しを待っているだけでは、今後は大幅なビジネス拡大を見込むことが難しく、コンサル力を高め、顧客の経営課題に自分たちで切り込んで行こうと攻めに転じています。
 ビジネスとIT、双方の知見があり、これまでファーム内でアウトソーシング・BPOの提案活動を行った経験がある人には、まさに活躍の場が広がる転職先です。

 事業会社がコンサルタントを自前で抱える、川下にいたアウトソーシング企業が上流工程に進出するとなると、コンサルティングファームはどうなるのか。
 双方から自分たちのビジネス領域が侵されている格好ですが、多くの企業でコンサルティングだけに留まらず、問題解決を実現するためのシステム構築、その保守・運用、さらには業務の受託まで事業領域を広げています。ここでは新たにSEのニーズが発生しています。
 いずれにせよ、コンサルタントを求める求人市場は活況で、面白い展開に。この動きはしばらく続くのではないでしょうか。
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垣見大介氏
垣見大介氏
ネットワーク
曇り
技術、資格、英語の3つが転職の必須アイテム、年収大幅アップの例も
狙われるのはこんな人 単なる設計・構築以上の経験、より上位の資格取得者など
 インフラ分野においては、少人数ながらもさまざまな職種で求人が出ているという状況です。
 例えば、スマートフォンに対応したモバイルネットワーク網の設計・構築。通信キャリアおよびキャリア向け通信機器ベンダーからの求人です。一方、データセンターからのクラウド系の需要はやや落ち着いてきました。データセンター運営企業は限られており、誰でも参入できるというものではないので、求人ニーズがある程度満たされて下降傾向にあるのでしょう。
 ソーシャルネットワーク業界では、プラットフォーマーからインフラエンジニアの求人があります。企業の求人意欲はかなり強いのですが、自宅でサーバーの構築を経験されている方や、ネットワーク、サーバーいずれの環境も実装までできる方が対象というように、スキルのハードルは高く、採用という点ではなかなか厳しいものがあります。

 全体的に見ると足元の景気はまだ堅調でも、先の予測が難しくなってきました。一部にはリストラを始める企業も出てきています。とはいえ、ネットワークやサーバーの構築経験、仮想化サーバーの構築経験、セキュリティ技術の経験者を求める求人は底堅いでしょう。ただ、インフラの運用経験だけでなく、できるだけ早い段階で設計・構築フェイズにスキルをシフトしたほうがよい――これは確実に言えることです。
 また、扱っている製品や技術が汎用的なものであるほど、転職では有利になります。ネットワークなら、Cisco社の製品、サーバーならWindows、UNIX、Linuxがキーワードです。
 さらに資格の重要性も際立っています。シスコ関連ではCCNAは当たり前。CCNPを持っていれば競争力があり、さらにCCIEについては1科目でも取っていると採用選考で高い評価を得られます。仮想化技術ではVCP(VMWare認定技術者プログラム)、LinuxならLPIC-3などより上位の資格を目指しましょう。

 資格取得で会社が受験費用を出してくれるのなら嬉しいですが、そういう資格サポートがないことは言い訳にはなりません。いずれの試験も受験料は高額ですが、自己投資のつもりで資格は取得しておくべきでしょう。
 もうひとつは英語力。メールの読み書きができるレベルの英語力があれば、外資系企業の社内SEやヘルプデスク、テクニカルサポートなど、キャリアの選択肢がより広がるからです。
 このように「技術」「資格」「英語」の3つが、転職の必須アイテムになろうとしています。簡単ではないにせよ、努力すれば手に入るものですから、競争はフェア。インフラの若手エンジニアで、技術力は高くないものの、CCIEを1科目取得し、かつ英語の勉強もしっかりやられていた方で、転職により年収が2倍以上にアップした例もありました。
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エージェントサービス第一事業部
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キャリアアドバイザー
福森嘉奈美氏
福森嘉奈美氏
電気・電子系
晴れ/くもり
自動車サプライヤーなどからのニーズで、特定派遣会社が正社員を大量募集
狙われるのはこんな人 ECU、パワエレなどの自動車関連技術、通信系では高周波技術
  エレクトロニクス系求人は11月末現在で、前年同期比1.3倍の求人数を示しています。押し上げ要因になっているのは、特定派遣会社からの正社員求人です。その伸び率はメーカーの求人を大きく上回り、求人全体の約3割を占めるまでになっていると思います。
 特定派遣が好調なのは、自動車サプライヤーや部品メーカーなどからの派遣ニーズが強いからです。また、半導体製造装置メーカーでも積極的に派遣人材を受け入れています。
 大手の特定派遣会社は、正社員としてエンジニアを採用、育成し、最終的には「定年による退職」を企業の目標としているところが少なくありません。現在、求人を出している派遣会社はリーマンショックを乗り越えた企業であり、経営方針や財務体質もしっかりしているという印象を受けます。派遣会社の財産は「人材」ですから、そこに責任を持つという姿勢が明確なのです。

 エンジニアの本音としては、やはりメーカーの正社員雇用という気持ちはあるのでしょうが、メーカーからの求人がさほど伸びない中では、派遣会社を重要な選択肢として考えることが大事です。そして、今後はより積極的な理由を、そこに見出す人も増えてくると思います。
 理由のひとつは待遇の向上です。中小の下請け型メーカーで働いていた人の中には、大手派遣会社に転職することで、給与が大幅に伸びるケースがあります。最近私が担当した方でも、27歳で年収250万円だった方が、転職で370万円に伸びました。前が低すぎたという面もありますが、これだけの増加幅はメーカーからメーカーへの転職でもなかなか見られないものです。
 また、設計とはいえ周辺の仕事しかさせてもらえなかったのが、派遣会社でしっかり技術研修を受けることで、派遣先企業では設計のより重要な部分を担当できるようになる。こうしたスキル向上の1ステップとして派遣会社をとらえる人も増えています。

 派遣会社以外では、家電メーカーの一部で、数こそ少ないものの、回路設計などのエンジニア募集が出てくるようになりました。これまで採用をセーブしていたが、もはや我慢しきれなくなった企業です。ほかの業界では、装置、通信業界関連、職種では、アナログ、高周波、パワエレ関連の技術ニーズが目立っています。
 エレクトロニクス系技術者に関しては、年明け以降も求人数は伸びていくのではないかと、現時点での動向から予想しています。
電気・電子系の求人情報 リクルートエージェント
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南 浩司氏
南 浩司氏
機械・メカトロ系
晴れ/くもり
求人数は増加中だが、年明け以降の上昇カーブは鈍化の予測
狙われるのはこんな人 「動きもの」の機械設計者、タービン、バブル、油圧装置系に注目
 11月現在で昨年同期よりも3〜4割の求人増ですが、8月以降の上昇カーブにはやや鈍化の兆しが見られます。
 自動車業界からの機械系求人を例にすれば、2011年度下期は増産体制に入るという見通しがあり、それに伴ってエンジニア求人が増えることを期待していました。しかし、欧州経済危機、新興国成長率の鈍化、そしてタイの洪水などの影響からか、下期の求人活動について「様子見」とする企業がいくつか出てきました。
 それでも年度の予定採用数を年内には採用しようという意欲は感じられるのですが、年明け以降の状況は予断を許しません。求人数が急激に下がるということはないにしても、これまでのような右肩上がりの上昇はあまり期待できません。

 自動車サプライヤーが中心となって求人市場を引っ張るという傾向は、2012年も変わらないと見ています。中でも強いのは、国内だけでなく海外市場にも製品を提供している企業。また、地域的には中部圏に本社を持つ企業が、関東圏の企業よりも強いという傾向も変わらないでしょう。
 ちなみにこの1年間の技術職全体の求人を振り返ると、関東地区では求人倍率が1.8倍程度であるのに対して、中部圏では約5倍と、数字の面でもその好調ぶりがうかがえます。
 機械系の中で求人意欲が強いのは、部品の機械設計、機構設計、生産技術です。また、医療機器や工作機械、分析装置の業界からはフィールドエンジニアのニーズが目立ちます。

 これから求人が増えそうな業界・職種としては、プラント設計や重工業分野における、タービン、バルブなどの発電装置関連が挙げられます。新興国を中心とした海外の発電プラントなどの需要が背景にあります。また、建設機械、制震装置、大型産業機械などにおける、油圧機構の設計者のニーズもこれからの注目です。
 機械設計者の場合、いわゆる「動きもの」と呼ばれる可動部品の多い機械の設計者であれば、製品や業界を超えて転職が可能です。当該業界の知識はあったに越したことはありませんが、なくても可能性はあります。また、CADソフトの知識は必須ですが、扱うソフトの種類が違っても十分やっていけます。
 個人的には、不況から脱していない家電業界の人材が、自動車や重工業、あるいは工作機械などへの流動が始まることを期待しているのですが、家電業界の技術者はなかなか腰が上がらないようです。不況は不況なりに仕事が忙しく、またコンシューマー製品を作ってきただけに、製品への愛着が他業種のエンジニアよりも強いのだろうと思っています。
機械・メカトロ系の求人情報 リクルートエージェント
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首都圏一部
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竹内賢一氏
竹内賢一氏
半導体系
曇り
半導体製造装置メーカーは依然元気、半導体商社のFAE求人にも注目
狙われるのはこんな人 半導体製造装置の開発経験、半導体の知識を生かしたFAE職
 半導体メーカーからの求人はあまり元気がありません。まったくないというわけではないものの、限られた数社のみで、勤務地は東海・九州地区が中心。東日本ではあまり求人を見かけない状況が続いています。
 採用基準も「パワー半導体の設計経験」など、かなりピンポイントなものになります。「前職でも当社と同じ製品を担当していた人」というような、製品軸での求人が中心になるため、異分野からの転職は難しくなっています。
 また、有機ELパネルの生産が好調で、下期の国内の半導体業界は全体としては上昇期にあるといわれますが、求人にはまだ反映されていません。

 その一方で堅調に採用活動を進めているのが、半導体製造装置メーカーです。海外市場での好調な業績が求人意欲を支えており、プロセス開発から装置設計まで幅広くエンジニアを採用しています。製造装置メーカーがなんとか頑張っているおかげで、求人市場はそれなりに活性化しているともいえます。
 もうひとつ目立つのは、半導体商社におけるFAE(フィールド・アプリケーション・エンジニア)求人で、国内企業が中心です。アジアや欧米系外資のメーカーからも数は少ないものの求人は出ていますが、これも職種的にはFAEや品質管理が中心になっています。変わったところでは、半導体設計ツールのベンダーから少し求人が出ています。

 ただ、昨年同期比で見ると、半導体関連の求人数は若干下回っていると思います。応募者は安定志向を強める傾向があり、転職市場の中でなかなかマッチングしないという難しさを感じています。
 社会全体でエネルギーや環境問題が改めて見直され、より高効率の省電力チップなどの技術開発が強く求められています。また、自動車のEV、HV化を進めるためにも、より安定性・効率性の高い車載ICや電源ICが求められています。
 そういう時代背景を考えれば、半導体技術者の求人はもっと伸びてもよいと思うのですが、求人には結びついていません。来年には晴れ間が見えるのを期待したいと思います。
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化学・材料系
曇り
全体的に求人は鈍い動き、化学分析の専門家に注目集まる
狙われるのはこんな人 フィルム、接着剤、レジストなどの研究開発職、プロセス開発
 化学・材料系では中長期的にはともかく、四半期ごとに求人状況が突然変わるというような短期的な変化はあまり見られません。フィルム、接着剤、コンデンサ、レジスト、洗浄材などの研究開発およびプロセスエンジニア──これまでもよく出ていた技術領域ですが、相変わらず人気があります。
 ただ、全体には上昇基調とは言えません。化学・素材は世界景気の動きを比較的早めに先取りする傾向があるので、その影響が出ているのかもしれません。

 国内企業が求人面で足踏みを続けるのと比較すれば、まだ韓国系化学メーカーからの求人は活発です。外資系とはいえ、日本でも製品開発業務を行う企業もあり、研究開発者にとっては仕事に集中できる環境があります。このような理由からか、応募や関心を示すエンジニアは結構多いです。給与水準も決して国内企業にひけをとりません。
 欧米系企業からは、アプリケーション・エンジニアやセールス・エンジニアの求人があります。ある程度の英語力は求められるものの、これまで培った技術や経験が生かせる場だと思います。ただ、研究開発拠点は本国などに置かれて国内には少ないため、研究者や開発者の求人は依然として少ないです。

 トピックス的な話題としては、化学分析の求人が最近目立つようになりました。これは化学メーカーだけでなく、自動車サプライヤーなどからの求人が出ています。
 例えば、鉄鋼など自動車用素材の組成研究や、海外から調達した製品・部材の品質管理のために、化学分析のノウハウが求められているからです。こうした専門職は以前からありましたが、求人はあまり見かけませんでした。ピンポイントな人にとってはチャンスでしょう。
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