大手ソーシャルゲーム企業が
福岡にオフィスを構えた訳

「農業革命、産業革命、そして今、情報革命という第3の革命が起こっている中で、特にSNS業界ではグローバル規模の競争が激しくなる一方、ビジネス成功の大きなチャンスを少ないコストで獲得できる千載一遇のチャンスを迎えています」と語るのは、gumiの代表取締役社長である国光氏。現在、ソーシャルゲーム市場は国内で今年2,500億円が見込まれているが、来年には3,000億円、再来年には4,000億円規模にまで急拡大するとの予測もある。この数字は、映画や音楽産業を超える規模。その一つの象徴が、世界No.1ソーシャルゲーム企業のzynga。創業5年で時価総額約2兆円、1000億円の利益を生み出している。その中でgumiも2007年に創業後、わずか4年で先述したとおり2000万人以上のユーザーを獲得する、国内ソーシャルゲームアプリ開発の大手としてその存在感を急速に高めてきた。

その同社が今年9月、新たに福岡にオフィスを開設した。しかも単なる子会社としてではなく、本社と対等な立場で国内、そして海外を視野にしたアプリ開発を展開していくという。その福岡オフィスでは現在、東京本社から6名のスタッフが派遣されているが、来年度末には100名体制を目標に本気で採用していくという。
なぜ福岡にオフィスを開設したのか。また短期間でなぜそれだけの大規模な採用を展開するのか。その理由にこそ、今回紹介したい内容の核心がある。

先ほど紹介したとおり、福岡にオフィスを構えたgumi。その狙いはどこにあるのか？
「基本、ソーシャルゲームの開発自体はどこでもできます。私たちが重視しているのは『どこでやりたいか』ではなく、『どこに優秀な人材が多くいるか』という点。確かに東京のような大都市には多くの優秀なエンジニアがいますがその分、同業他社との獲得競争も激しい。その点、今回オフィスを構えた福岡には九州大学を初め伝統のある理系の教育機関が立地している上、潜在的に優秀なエンジニアが多くいる地域でもあるため、この地を選んだのです」

このように語る国光氏は、今後世界規模で事業を推進していく上で、国内外に拠点を築く条件に関しても、福岡と同じ考えで進めていくという。つまり、優秀なエンジニアがいるところで、なおかつそうしたエンジニアが満足できる職場＆生活環境があるところだ。
「これまで企業側は福利厚生面におけるサポートで、主に職場環境面の充実に力を入れてきた側面があります。しかしこれからの時代、それだけでエンジニアは満足しません。つまり職場だけでなく、食事や気候、教育・文化・生活水準など住む環境自体が恵まれていなければ、当社が重視する優秀なエンジニアを採用するのは難しいと考えているのです」
そのため、今後は福岡のように国内外の拠点に関してもいかに優秀なエンジニアが仕事も生活も充実できる環境があるか、という視点で展開していくという。

そしてもうひとつ注目すべき点が、同社が掲げる「モバイルソーシャルアプリにおいて2013年までに国内、そして世界一を実現する」というもの。その根拠について、国光氏はこのように語る。
「当社は創業4年で、国内SAP業界で確固たる地位を築き、また2000万人以上のユーザーを抱えるほどソーシャルゲーム事業を拡大させてきたという実績があります。その上、ソーシャルゲーム業界は今、まさにグローバル規模でパラダイムシフトを起こしている最中。その中で『１．ソーシャルゲーム事業は売上が倍になっても開発コストは増えない＝ベンチャー企業でもグローバル企業に変身できるチャンスがある』『２．70億人市場へのビジネスに挑戦できる大きな可能性』『３．便利なモノ、ではなく充実した時間を得られて自己実現や新時代を創る感覚を味わえるソーシャルゲームの価値を今、世界中の人々は求めている』という3つの観点から、今後ますますソーシャルゲーム市場は急拡大していくことが確実です。
　そこに今、当社は果敢に挑戦しているわけで、これまでの実績や今後のソーシャルゲームの可能性を加味した上で2013年の世界一という目標は達成可能だと考えています」

これまでの実績と今後の可能性、そして飽くなき挑戦を仕掛けていくgumiは今、本気で世界一を獲得するためにアグレッシブに攻めている。
 

今後の採用計画として、エンジニアも含めて来年末までに100人増を目指すという。これは現在の2倍の規模だ。そこにも、世界一を獲得するための本気度が見て取れる。
そのgumiが求めるエンジニアは、1．新しい時代を切り拓こうと挑戦している　2．今何をすべきかを考え、自分の意思で行動できる　3．チームワークを重視する　という3つの条件を備えていること。さらに「今、うちにいる社員と同じタイプではなく、異質の個性を持ったタイプを求めている」（国光氏）ということだ。

本気で世界一獲得を目指し、今回の福岡オフィスの開設や100人の採用など壮大な挑戦を続けている同社の姿勢に共感できるなら、「今こそ、自分のやりたいことを存分にやろう」という国光氏のメッセージと共に、世界に向けたソーシャルゲーム開発に挑戦する価値はある。