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「サーバエンジニア日記」の小悪魔女子大生がTech総研に降臨
小悪魔のイラスト日記4 真空管と半導体の歴史(後編)
『小悪魔のイラスト日記3真空管と半導体の歴史』の後編だ! 試験と夏休みの最中、小悪魔が一生懸命に描き上げた力作である。ライブドア執行役員の伊勢幸一氏による講義の下、真空管も半導体も初体験だった小悪魔はいかにして理解・描画できたのか? その苦労は想像に任せよう。
(取材・文・イラスト/aico 講師・監修/伊勢幸一 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:11.08.25

今回は三極管とトランジスタのしくみについて聞いてきました!
そのまえに前回の二極真空管についてのおさらいです。


二極真空管は1904年にフレミングが発明しました。


真空管に電流を流すと、中のヒーターが発熱し、その熱によってカソードが電子を放出します。
カソードから出た電子が、外側に巻かれているプラスの電圧のかかった金属板のプレート(アノード)に引きつけられ流れ込むと、電流が発生します。


そのため、二極真空管に交流の電流を流し検波すると、プラスの電流だけを検波することが出来ます。


検波器は放送電波からラジオやテレビの音声や映像を再生したり、 交流を直流に変えることでテレビなどの電子機器に使うことができるようになります。


三極管は、二極管をもとにアメリカの発明家、リー・ド・フォレストが発明しました。


ド・フォレストはフレミングの特許に引っかからない二極管を作ろうとしていて、
たまたまカソードとアノードの間に金網(グリッド)を入れてみたところ、 増幅効果があることを発見し三極真空管の発明に成功したんだとか。


プレート(アノード)には二極管と同じくプラスの電圧をかけ、グリッドにはマイナスの電圧をかけます。
するとヒーターの熱によってカソードから放出された電子はマイナスの性質を持っているので、
グリッドのマイナスの電圧に反発して跳ね返りますが、 一部はグリッドをすり抜けてプラスの電圧のかかっているプレートへと流れ込み、わずかに電流が発生します。


このとき、グリッドの電圧をプラスに近くすると跳ね返る電子が減り、 より多くの電子がプレートに流れ込むので、大きな電流が発生します。
つまり、グリッドの電圧を少し変化させるだけで、プレートとカソードに流れる電流を大きく変化させることが出来るのです。


真空管にはヒーターの寿命や電力消費量、軽量化が困難などの欠点があったため、
真空管に取って代わる、半導体を使った二極管、三極管が生まれました。 それがダイオードとトランジスタです。


半導体にはプラスっぽい性質を持つP型と、マイナスっぽい性質を持つN型があります。
この2つをつなげたのがダイオードで、P型にプラス、N型にマイナスをかけると、電子の流れがうまれ、電流が発生します。
反対にすると電流が発生しなくなるので二極真空管同様、検波を行うことが出来ます。


トランジスタはN型とP型の半導体を3つつなげたもので、バイポーラトランジスタとFETの2つのタイプがあります。


アメリカのAT&Tベル研究所にウィリアム・ショックレーという人物がいました。
ショックレーは現在最も一般的な接合型のトランジスタのしくみを発明したため、トランジスタの父と呼ばれています。


最初のトランジスタを作ったのはショックレーの部下のバーディーンとブラッテンでした。
彼らはゲルマニウムを使った点接触型のトランジスタを発明していますが、この研究にはショックレーは関わっていなかったのです。
ショックレーは科学者としては優秀でしたが、部下を卑下するなど会社での人間関係が上手く行っておらず、部下や同僚から反感を抱かれていたそうです。
しかし、点接触型のトランジスタは実用が難しかったため、1947年に実用可能な接合型のトランジスタを発明したの
はショックレーでした。
その後、ショックレー半導体研究所を設立、サンフランシスコ郊外はたくさんの半導体企業が集まったためシリコン
バレーと呼ばれるようになりました。
では、トランジスタのしくみを見てみましょう。


ショックレーたちが作ったトランジスタはバイポーラトランジスタと呼ばれています。


NPN型のトランジスタに電流を流すと、マイナスの電子はプラスの方へ、プラスの電子(正孔)はマイナスの方へ引きつけられます。
すると、真ん中のP型のプラスの電子と下のN型のマイナスの電子が結びつき安定してしまいます。


ここで、真ん中のP型にプラスを、下のN型にマイナスをかけると、P型にプラスの電子、下のN型にマイナスの電子が供給され、電子の流れが生まれます。
下のマイナスの電子はP型のプラスの電子に引き寄せられていくのですが、ここで、P型を突き抜けてより強いプラスの電圧がかかっている上のN型に引き寄せられていく電子が出てきます。
すると、ものすごい勢いで引きつけられた電子が流れ、電流が発生します。


P型と下のN型に流す電流をちょっと変えるだけでP型を突き抜けていく電子が増えるため電流は大きくなります。
このようにちょっとの変化で大きな変化を起こす、それが増幅効果です。


次に、FET(電界効果トランジスタ)のしくみを見てみましょう。


電界効果トランジスタには、MOSFETとJFETの2つがあり、
今回は、現在コンピュータに使われているMOSFETについて教えてもらいました。


MOSFETにも、NPN型のものとPNP型のものがあり、NPN型をNチャンネル、PNP型をPチャンネルと呼びます。


Nチャンネルの場合、NPN型の半導体に絶縁体の酸化膜を付け、その上にゲートとして金属を配置します。
N型の半導体同士をつなげ、それぞれをソース(入口)、ドレイン(出口)と呼びます。


NPN型のトランジスタに電流を流しても、電子の流れが生まれないので電流は流れません。


ここで、ゲートにプラスの電圧をかけると、P型の中のプラスの電子(正しくは正孔)が反発、マイナスの電子が引き寄せられていきます。


しかし、引き寄せられた電子は絶縁体の酸化膜を通ることが出来ません。
すると、この電子たちによってP型の半導体の中に、ドレインとソースを繋げる道が出来上がり、


電子がその道を通り移動することで電子の流れが生まれ、電流が発生するのです。


ゲートに流す電圧を低くすると電流は弱く、高くすると電流は強くなります。
このように、ドレインとソースの間に流れる電流はゲートに流れる電圧によって制御することが出来るのです!




今回は、とてもむずかしくてこあくま大混乱!だったので、前編と後編にわけてお話を聞いてきました。
特に後編のトランジスタと三極管の仕組みがむずかしかったのですが、偶然三極管作れちゃったフォレストさんの逸話とか、ショックレーさんのいざこざの逸話とか、
面白い話をいっぱい聞けて楽しかったです!
ところで…もう売られてなくて…と言いながら骨董品のようなダイオードやトランジスタを箱から色々出して見せてくれた伊勢さん。
伊勢さんが色々持っているだけなのかな??エンジニアの人たちはみんな持ってて当然なのかな???と
文系女子こあくまはちょっとぐるぐると考えてしまいました。


株式会社ライブドア
情報環境技術研究室
執行役員 CTA 室長
伊勢幸一氏


メモを取る小悪魔


「講義」は1時間半ほど続いた


伊勢氏の提供による中国製の真空管


ロシア製の真空管


講義の後でなごむ2人

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