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会計力、英語力etc 人材市場で価値を高めるスキルレベルは?

基幹系パッケージ導入コンサルタントの
キャリア展望

ERPをはじめとする、基幹系システムのパッケージ市場は2008年の経済危機の影響で一時的に落ち込んだものの、その後着実に回復してきている。そこでパッケージ導入コンサルタントの採用ニーズの傾向やキャリア展望について、専門家に詳しく話を聞いてみた。

(総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:11.06.15

【ADVISER】

(株)アイ・ティ・アール<br />
プリンシパル・アナリスト 浅利浩一氏

(株)アイ・ティ・アール
プリンシパル・アナリスト 浅利浩一氏

ERPを中核としたエンタープライズ・アプリケーションや標準化、データ・マネジメント、GRC(ガバナンス/リスク/コンプライアンス)が主な担当領域

(株)リクルートエージェント<br />
エージェントサービス第一事業部<br />
首都圏一部 ITCAグループ<br />
キャリアアドバイザー 福森嘉奈美氏

(株)リクルートエージェント
エージェントサービス第一事業部
首都圏一部 ITCAグループ
キャリアアドバイザー 福森嘉奈美氏

ERP市場は中堅企業向けを中心にゆるやかに拡大する一方、クラウドの影響は限定的

中堅企業を中心に、まだERPでの基幹システム未導入のところが多い


基幹システム系パッケージ市場の中で、中核的な分野であるERPパッケージ。その市場動向について、(株)アイ・ティ・アールのアナリストである浅利氏は、「現状としては、2008年のリーマンショック以前の水準に戻りつつある」と指摘している。
事実、同社が発表したERP市場規模の推移と予測の上記グラフを見ると、2009年度を底に徐々にではあるが市場は回復傾向にあることがわかる。しかも今後の予測に関しても、少しずつ拡大が続くとみている。その要因として浅利氏が上げるのは「リプレイス&対象領域の拡大需要」「中堅企業を中心にした新規導入開拓」の2点。

「ERPのような基幹系システムの場合、おおよそ導入から10年程度で全面的にシステムを見直したり、システム対象領域の変更や拡大が起こります。ビジネスは常に変化していくものですから、変化に合わせてシステムを最適化させていくのは当然の流れといえます。今から10年前の2000年前後を中心に大手企業がこぞってERPを本格導入したので、ちょうど今がリプレイスするタイミングとマッチするわけです。
またかなりの企業がすでに導入済みと思われているERPですが、一方でいまだにレガシー化したシステムを利用しているなど、実際のところ未導入の企業の中には、企業規模として中堅でも“ニッチ・トップ”と呼ばれる、特定分野では有力な企業もあるのです。そういった実情を踏まえて、市場予測でも中堅企業分野の伸びが最も高い数値になっているわけです」

クラウドやオープンソースERPの影響は受けず、市場は長期に渡って緩やかに拡大していく予想


ここ数年、クラウドが市場をにぎわせているが、こと基幹系システムにおいてクラウド化の動きは限定的とみられている。また数年前に登場した「オープンソースERP」についても、数年たった現在でも導入企業は一部に限られる。それらの原因について、浅利氏は基幹系システム独特の事情が大きく影響しているという。
「例えば営業支援システムなどの情報系システムにおいては、システム構造が比較的シンプルであるため、SaaSによるクラウド化は比較的容易で、すでに選択肢としてのクラウドは定着している。しかし基幹系システムの場合、システム内部の構造が非常に複雑であるため、クラウド化するのは非常に大きな困難を伴う。それが基幹系におけるクラウド化が簡単には進まない大きな要因です。
また数年前に登場して注目を集めた『オープンソースERP』も、導入コスト自体は安く抑えられても、導入するには高いスキルが必要となり負担も大きい。そのため自前で導入しようとする国内企業は少なく、結局はSIに頼って導入するケースが多いのが現状。これでは、従来のパッケージで導入するのとあまり変わりがないのです」

今後もクラウドなど外部要因による大きな影響を受けず、安定的に基幹系パッケージ市場は拡大していくようだ。

会計分野の業務知識+英語力、プロジェクト全体のマネジメント力が長期的に活躍できるキャリアパスの必須条件

圧倒的に会計分野の基幹系システムパッケージ導入コンサルタントの採用ニーズが高い


ERPを中心にした基幹系システムのパッケージ市場は今後、緩やかながら伸びていくと予想される中で、パッケージ導入コンサルタントの採用ニーズや動向はどうだろうか?リクルートエージェント キャリアアドバイザーの福森氏によると「会計分野を中心に、一定数の採用ニーズは長期間維持される」という見方をしている。

「基幹系システムには大きく分けて、『人事給与』『会計』『生産管理』『CRM(顧客管理)』の4つに分類できますが、この中でも特に、会計分野に精通したパッケージ導入コンサルタントの採用ニーズが今後、長期間に渡って高止まりする傾向が続くと考えられます。その理由はいくつかあるのですが、大きなポイントとして挙げられるのは『海外進出企業の増加』『クラウド化が困難』という2点。近年、大企業を中心にアジア地域への進出が加速していますが、企業の多くは日本と同じシステムを導入しようと考えます。その時に最もハードルが高いのが会計分野。IFRS(国際財務報告基準)」の影響もあったり会計制度そのものが複雑であるため、会計分野のシステム化は非常に難易度が高いことが、採用ニーズが高い原因です。また最近脚光を浴びるクラウド化に関してもCRMなどはともかく、会計や人事などの詳細データを外部に預けることに抵抗感を持つ日本企業が多いため、クラウド化が困難であることもパッケージ導入ニーズを下支えしているといえるでしょう」

会計分野の知識&資格取得に英語力、マネジメント力を高めることが今後のキャリアパスを大きく広げる


このように基幹系システムにおいて、会計分野の採用ニーズがほか分野に比べて突出して高い傾向が長期にわたって続くとみられる中、今後もパッケージ導入コンサルタントとして活躍していくために必要なことは何だろうか?

「まず会計に関する資格の取得や業務知識ですね。簿記1級や会計士レベルの資格を取得すれば、転職時に大きなアピール材料となります。また会計分野は非常に幅が広い上、1年ごとに法や制度が変わるため常に知識を吸収する必要があります。その中でSAPのFI(財務会計)分野の導入経験があれば、会計全体の動きを理解しながら提案できる能力として高く評価される傾向がありますね。
その他に必要な能力としては、加速するグローバル化の流れを受けた英語力。目安としてはTOEIC750点以上で、電話の受け答えなどのビジネスレベルの能力があればなお良いでしょう。そして最後にプロジェクトの調整力やマネジメント力。特に全体で数十名〜数百名レベルの大規模案件の経験が必須です。また基幹系システムのプロジェクトは数年単位の長期に及ぶケースが多いのですが、その中でパッケージの導入段階から納品まで担当した経験があると、どんな状況でも対応できる力が身に付くので、よりアピールしやすくなります」

キャリアチェンジする場合、最有力が「ITコンサル」&「プリセールス」。他に「会計コンサル」「社内情報システム」も視野に

また実際にここ最近、基幹系システムのパッケージ導入コンサルタントが転職したケースの傾向としては、「最初から最後までプロジェクトをマネジメントしたい」といった欲求や年収アップを目的としているケースが多い。その上で最終的な転職先としては、パッケージ導入コンサルタントを除けば「会計コンサル」「ITコンサル」「プリセールス」「社内情報システム」が多いという。
「特にITコンサルやプリセールスに関しては、パッケージ導入と同じような流れの業務内容や顧客折衝の業務経験など、これまでのスキルをほぼそのまま生かせるので、キャリアチェンジしやすい職種といえます。また他にも会計コンサルや社内情報システムもキャリアチェンジの選択肢として入りますが、先述した2つの職種に比べて転職のハードルは高くなります。特に社内情報システムは最近、『開発の実装経験』を求められるケースが多いので、独学でもプログラミングを習得しておくと可能性が広がると思います。また会計コンサルの場合は豊富な会計知識が求められるため、会計士など取得するべき資格のハードルが高いのですが、頑張って資格取得すれば可能性は広がります」

このように今後も基幹システム系パッケージ市場やコンサルタントの採用ニーズは、長期に渡り一定数のニーズがある一方、その中で長期的に活躍可能なキャリアパスを描いていくためには、「会計を中心とした業務知識&資格取得」「英語力」「マネジメント&調整力」を常に磨いていく努力を怠らないこと。またキャリアチェンジする場合には、ITコンサルやプリセールスを中心に視野を広げていく必要がありそうだ。

本レポートは総合転職サイト「リクナビNEXT」連動コンテンツです。 Supported by リクナビNEXT

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