大不況が何だ!逆境転職に成功したエンジニア奮闘記 |
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未経験で年収UP転職に成功した |
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不況下転職に成功したエンジニアたちを紹介していく連載企画。今回は不況の最中、未経験の職種に応募するという高いハードルを伴う転職活動を経験しながらも、年収アップを含め自身が希望した3つの条件をすべてクリアして転職できたケースを紹介したい。 (総研スタッフ 山田モーキン)作成日:10.06.18
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不況&未経験という逆境下、3つの条件をクリアして転職成功につながったわけ
山平さん(29歳)は現在、データセンターを軸に事業展開しているブロードバンドタワーで、ネットワークやサーバの構築・運用やホスティング業務を中心にネットワークエンジニアとして活躍している。 |
転職エンジニア |
ネットワークエンジニアになるべく、転職サイトのアドバイスを元に活動をスタート
もともと大学では経済学部に所属していたのですが、IT系に興味があった関係で総合アウトソーシング企業に就職。金融系や食品企業に出向し、基幹業務の運用やヘルプデスク、インフラ設備のサポート業務を主に担当していました。
就職してから5年が過ぎ、徐々にもっとネットワークのテクニカルな部分、つまりシステムそのものの構築や改善といった“コアな部分”に関わりたい気持ちが強くなってきたんです。シスコやリナックスなどの資格も取得するなど独学で勉強しつつ、転職への準備を進めていました。
そして一昨年、結婚を機に本格的にネットワークエンジニアとして次のステージに移ることを決意して、その年の秋から転職活動をスタートさせました。
まず私がとった行動は、複数の転職サイトに登録し、各転職サイトの担当者に転職に関する相談をすることでした。しかし多くの方から指摘されたのはこの不況下、しかも未経験でネットワークエンジニアになるのはかなり難しいという厳しい現実。少なくともエンジニアとして運用のキャリアがないと次のステップに移れないといわれ、出鼻をくじかれてしまいました。
そんな中、ある転職サイトの担当者からのアドバイスだけは全く違っていました。
「活動期間が短いうちに決めたほうがいい」「不況で求人数が減少しているといっても、まだ今なら求人はある。数があるうちにどんどん応募すべき」「今後何年間で○○のスキルを身につけよう」
不況かつ未経験の厳しい状況の中でも、積極的に転職活動をするためのアドバイスをしてくれたことで、非常に勇気づけられましたね。
そこから気持ちを切り替えるとともに、転職に対して妥協しないための「3つの条件」を掲げました。
それは「ネットワーク業務全般に関われるエンジニア」「年収アップ」「24時間運用でシフト制が通常のワークスタイルであるネットワーク業界で、朝〜夕方の通常勤務が可能なこと」。この3つの条件をすべて満たすところに転職することを“必須条件”に決めたのです。
ネットワークテクニカルに対する思いを徹底アピール!
これだけみるとかなり強気な態度に見られるかもしれません。しかし「どうせ転職までして仕事を変えるのなら気持ちよく、納得のいく環境でとことんやりたい!」という思いが自分の中でかなり強かったんです。その上、先述したアドバイスに背中を押されたことで、とことん自分のこだわりを貫こうと決心。上記3つの条件をある程度満たしつつ、未経験採用も実施している企業を探して、6社に応募。結果的には現職も含め、2社から内定を得ることができました。
面接ではテクニカルなスキルや経験に関して質問されるケースが多かったのですが、もともと運用に関する仕事の流れや内容は理解していた上、資格取得やテクニカルなスキル取得に対する思いを積極的にアピールしたことが、内定につながったのだと思います。
2社のうち、ブロードバンドタワーに入社を決めた理由はやはり「3つの条件」を完璧に満たしていたから。もう1社も社風もよく、非常に私の入社を歓迎してくれていたのですが唯一、「24時間シフト業務」がネックになりました。
一方、ブロードバンドタワーでは3つの条件をすべて満たしたうえ、面接でも入社してできることとできないことを、包み隠さずすべて話してくれた真摯な姿勢に共感。特にデータセンター業務は抽象的に説明されることが多いのですが、こちらからの細かい質問にもきちんと答えてくれたので、仕事のイメージをリアルにつかむことができましたね。
その後、全部で3回ほど面接を受けて内定を獲得。去年の5月に入社し、現在はネットワークやサーバの構築運用からホスティング業務全般、また新規サービス開発チームにも入ってゼロベースで、新しいものを生み出す業務にかかわっています。
結果的に今回の転職活動は半年ほどかかりましたが、理想の職場に転職することができて満足しています。成功の要因は「自分のいいところは何か」「今後、何をしていきたいのか」をはっきりさせた上で、後は自分を信じて粘り強く活動できたからだと思います。
そしてよき理解者からのアドバイスも心強かったですね。それがあったからこそ、最後まで信念を貫くことができたんだと思います。
山平さん採用企業:株式会社ブロードバンドタワーの採用戦略
ブロードバンドタワーは都市型データセンターの担い手として新しいサービスのイノベーターとなるべく、24時間365日、お客さまのIT資産を安全に管理・運用しています。
現在の大和社長就任直後(2007年9月)、強い会社(人)をつくるための事業戦略のひとつとしてエンジニア採用に力を入れてきました。その結果、前々期が10名、前期が4名、そして今期がこれまでに2名と継続してエンジニアのキャリア採用を実施しています。
当社が求めるエンジニアは専門スキルを有するのはもちろん、新サービスやソリューションを生み出す発想力、お客さまとの信頼を築くためのコミュニケーション能力、そして責任を持って最善を尽くし、期日までに速やかに行動する力のある方。これらは当社独自の企業文化ともいえる“4つの文化”(1.考える 2.コミュニケーション 3.責任 4.スピード)に起因しています。この4つの能力を持ち合わせたプロフェッショナルなエンジニアを求めていくことでより高品質で安定したサービス、そしてより付加価値の高いサービス開発に挑戦し続けていくことを目指しているのです。
今回紹介した山平さんの場合、転職の目的や動機がしっかりしていて共感できたこと、言葉だけでなく資格取得など何事にも前向きに取り組もうとしている姿勢が読み取れたこと、人当たりがよく対人関係は問題がない印象を受けたこと、以上の3点から未経験であっても十分当社で活躍できる資質を備えていると判断したことが、採用に至った大きな要因です。
【転職活動のカギ】専門家からのアドバイスを活用しつつ、仕事に対する思いにこだわり続けること
不況&未経験職種への応募という逆境下で、なおかつ3つの条件を掲げて強気に活動を展開できた今回のケースの転職成功の背景には、専門家からのアドバイスの存在が大きかった。今回の場合、「短い期間内で、求人数が多いうちに決めるべき」「今後○年間で、○○スキルを身につけよう」というアドバイスが転職初心者の山平さんの背中を押し、強気の活動を可能にさせた。
そして最終的な成功のポイントは、「どうせやるなら仕事は気持ちよくやりたい!」という、山平さんなりの仕事に対するこだわりを大事にしたこと。決して妥協せず、自分の信念を貫いたことで、半年に及ぶ活動が実を結んだのだ。
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