中国発！世界最先端の次世代通信技術を日本へ

実録　求人魂！知られざるエンジニア採用の舞台裏　Vol.18
中国発！世界最先端の次世代通信技術を日本へ
昨今、ますます世界の中で存在感を高めている中国。今回の求人魂では2年前に日本に進出してきた中国の大手通信機器メーカーに注目、世界最先端の通信技術を軸に急ピッチで展開している同社の特徴に迫った。（総研スタッフ　山田モーキン）作成日：10.06.04

【今回の求人魂】　日本進出3年目。中国携帯電話トップメーカーが勝負をかける

今回紹介企業
ZTEジャパン株式会社

「ZTE」と聞くと日本ではあまり耳慣れない名称だが、中国では携帯電話メーカーシェアトップに位置し、135の国と地域において500社以上の通信事業者に携帯電話網設備、無線製品、ネットワークプロダクトなどを供給する、中国系企業トップクラスの通信機器メーカーだ。
設立してから25年と歴史は浅いながらも、これまでに世界で約7000万台の通信端末を出荷しているという同社は年間、約1万2千件もの特許を取得する高い技術力をバックに、世界に先駆けて次世代通信方式である3.9G、4G端末を開発・展開しているという。
そして2008年4月、同社が「最後のマーケット」と位置づける日本に進出。それから3年目を迎える今期、一気に事業拡大のスピードを加速させ、日本市場における地位を確立することを目指している。

【求人背景】　昨年1年間で6名から19名（委託社員含めて29人）に拡大。次世代通信技術が鍵を握る

ZTEジャパン株式会社
モバイルターミナル事業部
シニアマネジャー　工学博士
王旗氏

「2年前、中国本社から2人と現地採用4人のメンバーが日本に法人を立ち上げて以降、主にLTEをはじめとする次世代無線通信システムおよび光伝送装置、3Gデータ/音声端末の拡販に注力してきました。その結果、実績としてNTTドコモのFOMA網に接続する端末を10万台供給するなど順調に事業は拡大し、今ではメンバーも5倍近い規模になりました」と語るのは、同社シニアマネジャーで工学博士の王氏。
これまで台湾や香港、アメリカやヨーロッパで技術認証を取得してきた同社が最後のマーケットとして目を向けたのが、日本。日本では現在、第3世代と呼ばれる3G方式が主流だが近い将来、次世代の4G方式の端末が急速に普及するといわれている。実はそこに、ZTEにとって大きなビジネスチャンスがある。
「当社の最大の強みは技術力。中国のみならず、世界各地に高い技術力を持った人材がそろう研究開発拠点を抱えています。その利点を生かし、世界に先駆けて次世代通信技術である4G方式の端末を開発・展開しているのです。日本においても今後、データ通信端末やスマートフォンなどの携帯端末において新製品を積極的に投入していくことで、市場で確固たる地位を築きたいと考えています」

日本進出3年目の今期、ZTEジャパンは勝負の年と位置付けかつてないほど積極的に事業を展開、併せてエンジニアも大量採用していくことで、日本におけるブランド力やシェア獲得を一気に高める戦略をとる。その同社ならではの特徴や職場の魅力について、探ってみたい。

【求人魂1】　中国・アジアを中心に世界中のエンジニアと交流できるチャンスがある！

中国語で記載されたポスターが社内のいたるところに。中国語の飛び交う社内にいると、中国企業であることを実感させられる

第一にZTEで働く大きな魅力は、グローバル展開による最先端通信技術＆人的交流だろう。
「先ほども触れたとおり、ZTEグループは世界135の国と地域に展開、さらに最先端の通信技術を研究開発している拠点も中国を中心に、全世界に点在しています。社員であれば主に中国本部と定期的に交流を図ったり、また各国で行われる技術展示会などへの出展を通して、通信にかかわりを持つさまざまな国の、さまざまな職種の方たちと積極的に話す機会が得られます。それは人脈を築き、今後のキャリアにとっても非常に有益なチャンスといえるでしょう」と王氏は、グローバル展開しているメリットを強調する。
特に今、最先端の通信技術に関する人材や情報は、中国や香港・台湾などを中心にした東アジア地域が最もホットなエリアとして注目されている。
グローバルな視野で、世界中の優れた技術者との交流を通して、最先端の通信技術をキャッチアップしていく。まさに通信エンジニアにとって刺激的な環境だ。

【求人魂2】　フランクなコミュニケーション＆自由なワークスタイル

現在のところ、社員の9割は中国人。しかし今後、日本人エンジニアを積極採用することでより賑やかな職場になるはず

ところで、社内の雰囲気やワークスタイルには、どんな特徴があるのだろうか？
「実はこれまで採用してきた方も含め、社員の9割は中国人。今後、日本人エンジニアも多く採用していく予定ですが今は中国語が飛び交い、社内に掲示されたポスターなども中国語で書かれたものが多いなど一見、日本を感じさせない雰囲気ですね」と、中国企業ならではの特徴を語る王氏。
しかし日本においては「ベンチャー企業」であるが故、中国本部と比べて人付き合いもフランクかつ、ワークスタイルも比較的自由だという。
「当社ではWimaxやLTEなど次世代通信システムなどの有線・無線ネットワークシステムや端末の提案～プロジェクト遂行業務に関して、プロジェクトマネジャーをトップに、プリセールス・テクニカル・ポストセールス、そして中国本部にある研究開発部隊と連絡を取り合うブリッジエンジニアがチームを組んでお客様とWin＆Winの関係を目指して活動します。その中で各ポジションが緻密に連携を図ることで、お客様の要求にこたえることが可能だと思いますから、チーム間のコミュニケーションは特に重視します」（王）
またワークスタイルに関してもプロ意識の高いメンバーがそろっているため、各自がやりやすいスタイルで仕事を進めることに対して、特に制約を設けないとのこと。顧客至上主義と徹底したプロ意識を持つ社員に対する、同社なりの配慮が感じられる。

【今後の展望】今期30名の通信エンジニアを採用。Wimaxなど次世代通信経験を重視

「30名の即戦力採用を展開して、日本法人の組織強化を図りたい」と語る王氏

「先ほど触れた通り、今期は当社にとって“勝負の年”となります。次世代データ通信端末および無線通信システムを軸に積極的に展開していくため、今期は30名のエンジニアを採用していく予定です」（王）と、これまでにない大規模な採用を図っていくというZTEジャパン。
そこで同社が求めるエンジニアとは何か？
「条件としてネットワーク領域においてみると、WimaxやLTEなど次世代通信技術のバックボーンを有すること。そしてさまざまな資料や知識を整理して、お客さまに対してユーザビリティを兼ねそろえた最適な提案力の2点を最も重視します。また中国語や英語能力に関してもチェックします」と、通信技術や語学力に秀でたエンジニア採用を積極的に展開していくという。

このように同社のエンジニア採用条件に対するハードルは決して低くはない。しかし晴れてメンバーとなれば、その後の活躍次第ではプロジェクトマネジャーとして、また中国本部の研究部隊に加わることで最先端通信技術の開発に携われるチャンスもある。
最先端の通信技術を核に世界で活躍したいエンジニアにとって、チャレンジしがいのある環境がZTEには確実に存在する。