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大不況が何だ!逆境転職に成功したエンジニア奮闘記

34歳SE
客先派遣経験を生かしスピード内定!

不況下転職に成功したエンジニアたちを紹介していく連載企画。今回は13年間、客先常駐派遣でキャリアを積んできたエンジニアが昨年12月に転職を決意、それからわずか25日という短期間で意中の企業から内定を獲得できた経緯や理由について紹介したい。

(総研スタッフ 山田モーキン)作成日:10.02.18

落ち着いて仕事がしたい!その一心で昨年末、転職を決意

Iさん(34歳)は専門学校を卒業してからおよそ13年間、いわゆる客先常駐エンジニアとして、さまざまな企業に派遣されてきた。金融、製造、販売などさまざまな業種のシステム、また数人規模から100人規模まで大小問わず、さまざまなプロジェクトを担当。プログラマからスタートしてSE、そして最終的にはプロジェクトリーダーとして順調にキャリアアップしてきた。

しかし一昨年に起こった経済危機の影響から、徐々に任される案件数が減少し、自宅待機となるケースも増えることに。その時、Iさんは「自社開発のプロジェクトで、もっと腰を据えて業務にじっくり取り組みたい」という思いを日に日に強くしていく。
そして昨年11月、ついに転職を決意して退職。寒さの厳しい師走の転職活動をスタートさせたのだ。この不況下、厳しい活動を覚悟していたというIさん。しかしその予想を裏切る形で、活動開始からわずか25日で意中の企業から内定を獲得できたのだ。
なぜこれほど早く内定を獲得できたのか?
25日間の活動について、本人に語ってもらおう。


転職エンジニア
株式会社ボーダーズ
システムエンジニア I氏

「落ち着きたい」客先常駐から自社開発できる環境を求めて……



昨年の11月までおよそ13年間、途中で一度転職を経験していますが客先常駐派遣のスタイルで、これまでさまざまなプロジェクトを経験してきました。
1社目ではまずプログラマとして、VBを使って金融や製造、販売などあらゆるシステムの開発を担当していました。その規模は数名クラスから100名規模まで、さまざまなプロジェクトに参加することで、エンジニアとしての経験値を上げることができたと思っています。
その後、VB以外の言語も経験したいと思い同業他社に転職。PHPやSQLなども使いつつプログラマ、そしてSEとして要件定義や設計などもこなし、最終的には5人チームのプロジェクトリーダーとして、マネジメント領域まで踏み込むんでキャリアアップすることができたのです。
しかし一昨年の秋以降の世界的な経済危機の影響から、徐々に案件が減りだし、昨年には自宅待機となる日も増えつつありました。それに加え自分自身、次々と職場も案件も変わる客先派遣のワークスタイルを今後も続けていくことに限界を感じていました。

もっと自社開発のような、腰を落ち着けてじっくり取り組める環境で仕事がしたい。
その思いが日に日に強くなってゆき、そして昨年11月末、転職を決意して前職を退社しました。

25日間で内定を獲得。成功の裏には客先派遣時代に培った数々の入社試験の経験が



転職先に求めた条件は、まず自社開発で3年〜5年くらいの長期スパンでじっくりプロジェクトに専念できる環境があること、それ以外にはプロジェクトリーダークラスのポジションであったり、前職並みの待遇を維持できることなど。
しかしこの不況下、スムーズに理想の職場に転職できるとは考えていませんでした。
そこでまず、人材紹介企業のエージェントに相談したところ、30社近く企業を紹介していただき、その中から20社程度に応募、書類選考を通過した7.8社の面接に臨みました。

その中に今勤務している、ボーダーズもありました。ボーダーズではベンチャー企業ながら自社製品開発でこの不況下でも成長している点や、PHPを使っているということで自分の経験も生かせるうえ、社員のほとんどが20代でリーダー的な役割を求められることでまさに、自分の理想に合致した企業でした。
面接ではこれまでの経験に加え、マネジメントや経営にもチャンスがあれば積極的に参加していきたいとアピールしたことが評価され、活動開始から25日のクリスマスに内定を得ることができたのです。
しかしその成功の裏には客先派遣時代の経験が大いに生かされていると思っています。
それはさまざまな客先に派遣されるときには必ず「入社試験」を受けなければならず、そこでこれまで何十回も面接を経験してきました。その中で自分をどうアピールすべきか、というコツをつかむことができたことが今回の面接でも、大いに役立ったと思います。

今年の1月から正式に入社し、プログラム修正や資料のドキュメント化に加え、PL業務や今春、入社してくる新卒社員の教育も担当することになっています。
今回の転職を通して特に面接では技術面だけでなく、例えば「少々の残業には音をあげません」とか「経営にも興味があります」といった他のポイントも積極的にアピールしていくことが重要なのではないかなと、個人的には強く実感しました。

Iさん採用企業:株式会社ボーダーズの採用戦略


代表取締役 萩野郁夫氏

当社は自社開発によるオンラインリサーチ事業を軸に、2006年の立ち上げたベンチャー企業です。小さな規模からスタートしたことから当初、正規のエンジニアメンバーは2人だけで、それ以外はフリーランスの外部メンバーをプロジェクトの繁忙時などに協力してもらうことで対応してきました。
しかし、おかげさまで順調に事業が軌道に乗った去年から本格的に、中途採用を開始することになり、その流れで今回紹介したIさんも採用した次第です。

当社が求めるエンジニア像としては、経験があること。うちの社員のほとんどは20代の若いメンバーで構成されていて、しかも今年はさらに新卒の社員も入ってくることから開発も、そしてマネジメントも含め、リーダーとして若いメンバーを引っ張っていける方を求めていました。
Iさんの場合も経験豊富なキャリアに加え、マネジメントや経営の領域にも積極的にコミットしていきたいという高い意欲をお持ちでしたので、その点を高く評価させていただきました。
今後もIさんのような経験豊富な方から、経験が浅くても当社のビジネスに興味がある方であれば積極的に採用していきたいと思います。

【転職活動のカギ】客先派遣の経験は、必ず転職時に生かせるチャンスがある

13年間、客先派遣というスタイルでエンジニアとしての経験を積み上げてきたIさん。
とかく客先派遣というと自社開発経験に比べて、中途採用時に評価されにくいというイメージがある。一方で、Iさんのような豊富な経験は特に、今回紹介したボーダーズのような若いメンバーが多いベンチャー企業にとって、喉から手が出るほど欲しい人材。
しかもIさんの場合、派遣先ごとに受けた入社試験の経験が、採用面接での効果的な自己アピールに役立てることができたことから、この不況期の厳しい状況でも短期間で、内定を獲得できたといえる。

Iさんと同じような状況に身を置くエンジニアは多いと思うが、これまでのキャリアをどうアピールするのか、そして自分を必要としている企業はどこなのかを冷静に分析した上で、希望の転職先を求めて行動に移すのは、このご時世だからといっても決して無謀な行為ではないはずだ。

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