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API開放によるSNSのオープン化を日本に広めたのはmixiだ。APIを2008年12月より順次提供し、それらを利用したmixiアプリPC版を昨年8月、mixiアプリモバイル版を10月に公開したことで、日本市場拡大の「火つけ役」ともなった。PCとモバイルを合わせたmixiアプリのタイトル数は、現在1000以上。公開から約半年が過ぎた先駆者の仕事と今後を紹介する。 | |||||
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SNSのオープン化はFacebookが先駆けとなり、GoogleがOpenSocial(ソーシャルアプリケーションの標準API)を公開したことで後押しされ、2008年から世界的に拡大した。mixiではこのころ、日記やフォトなどに続く新しいコミュニケーションサービスを追加していくためには、ソーシャルアプリや外部サイトとの連携がカギになると判断していた。世界的なムーブメントもあり、まずはオープン化の準備を開始し、そして加速させた。 「APIの開放では、ユーザー情報などの自社データをどこまで他社に提供するか、開発ベンダーとどう線引きをするかが重要です。国や企業により大きく異なるのですが、FacebookやほかのSNSなどの例を参考にしながら、社内の法務部などと話し合って決めていきました」 |
また、それまでのmixiは、Webページが切り替わっていく方式だったので、リクエストがきたらページをつくって返すという、多少時間がかかる処理をしていた。しかし、APIを公開して他社から細かなリクエストが無数にくる状態になると、それらをできる限り短時間で返すことが至上命令となる。田中氏とチームメンバーは課題を探った。 |
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「日本の携帯電話は独自性が強いので、OpenSocialに書かれていないこともmixiでは実装しています。OpenSocialには、仕様策定などを行っている世界的なコミュニティがあり、主要なSNSは加入しています。ここに新しいAPIの提案や事例の提供などをしていくことで、OpenSocial自体を広げていきたいんです。OpenSocialには、個人としても会社としても、今までお世話になりましたから」 |
モバゲータウンのAPI開放は昨年11月。携帯電話でのアバターやゲームはオープン化との親和性が高く、その波を大きく加速させるとともに、自社開発のソーシャルアプリも大ヒットとなった。世界展開を打ち出したDeNAはSNSプラットフォーマーとしても動く。 | |||||
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DeNAは昨年5月ごろにソーシャルアプリの開発を決定。海外ではPCが中心だが、機能がシンプルかつ短時間で楽しめるソーシャルゲームは、日本では携帯電話向きという読みからだ。この判断が後に「怪盗ロワイヤル」などのヒットにつながるのだが、自社タイトルだけではリリース数に限界があるとオープン化も決定する。自社プラットフォームにライバル企業が参入するデメリットより、長期的な視野で市場活性化を求めたからだ。実際にソーシャルアプリ市場が成長する起爆剤となった。 ポータル事業本部システム部の山口徹氏は、zigorouの名で知られるPerlハッカーであり、前職はサイボウズ・ラボの研究職。今まで培ってきた技術や知識を、多くの人に影響を与えるサービスに役立てたい。しかも、個人ではなくチームの一員としての評価を受けたいと考え、2009年1月にDeNAに入社した。オープン化の方針が決まるとすぐにメンバーにアサインされ、APIの実装をひとりで担当する。 「モバゲータウンはプラットフォームですから安定稼働が第一。大量のトラフィックをできるだけ少ないサーバーでさばく効率化も重要です。大切なのは使う側の視点を持つこと。ユーザーは開発ベンダーさんなので直接の対話も、こうすれば使い勝手がいいなという想像もできます。アプリの内容で違ってきますが、APIを出していくうちに先方のほしいものも飲み込めてきます。後はさっとプログラムを書いて、しっかりとテストして、ドキュメントを提供します」 |
例えば、ユーザー同士のコミュニケーションで使う自由文入力では、「TextData API」を提供している。ユーザーが入力したテキストはDeNAのサーバーに保存され、チェックを受ける仕組みだ。開発ベンダーで管理してもアプリの動作に支障は出ないが、健全化のために同社が責任を持って審査しているのだ。 このデータは以前は時系列でしか取得できなかったが、ID単位で指定してまとめて取得したいという要望が出てきた。山口氏にもそうした思いがあったことから、すぐに仕様を決めて実装し、リリースしたという。また、アバターの画像を取得する際には1回ずつリクエストを送るのだが、アバター表示の頻度はさほど多くないという判断に基づいていた。しかし、友達一覧など複数のアバターを表示させる場合は、IDを指定して画像をまとめて取得したいという声が出てきた。 「あまり必要のないAPIをコールするベンダーさんもいますし、APIを効率的に使ってくれるところもあります。こちらがケチケチ資源を使わないようにしているのに、ごっそり持って行かれたり(笑)。ただ、プラットフォーム側で吸収できたほうがよいことは間違いありません。会員数1600万人以上のモンスターサイトですからデータ量が膨大で、パフォーマンスのチューニングは確かに大変です。しかし、こんな経験はほかではできません」 |
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