|
|
|||
|
|||
|
再生可能な電気エネルギーの利点を最大限に活かすためには、発電設備の高効率化や電気自動車(EV)、ヒートポンプなどの普及が重要だが、そうした単体での省エネに加えて、エネルギー、電力網、IT技術などを組み合わせた新しいインフラや社会システムの構築が課題になる。これが「スマートグリッド」と呼ばれるもの。先進国のみならず、今後は電力インフラ投資を本格的に進める途上国においても、大きな事業投資が見込まれる分野だ。 こう語るのは、デンソー技術開発センター内に新設された「特定開発室G」の金森淳一郎室長。ちなみに「G」はグリッドの頭文字。スマートグリッドとPHV・EVの連携システムの開発、および事業企画を練る特任の部署だ。 |
|
||
「スマートグリッド側から見ると、PHV・EVは新たに加わる電力ユーザーであり、大型の蓄電機能をもったシステムです。交通・輸送システムを通信ネットワークで結合することで、地域内を走るEVの蓄電量がわかるようになれば、充電のタイミングを電力会社に余力がある時間帯に行えるようにスケジュール管理したり、あるいは、電力需要のピーク時には電気自動車の余った電力を集めて利用する、というようなことも可能になるでしょう」 こうした近未来産業の創出に当たっては、PHV・EVの専門領域で、例えばパワーエレクトロニクスや熱機器、電力機器の設計・制御技術を持ち、それらをシステム製品として開発できる専門エンジニアが必要だ。同時に「それらを新しい事業として企画できるマインド」(金森氏)も重要となる。 |
|
|
|||
|
|||
|
世界同時不況の波から次第に業績を持ち直してきた日本の大手メーカー。ただ、ほとんどの企業ではいまだに厳しい経営状態にあり、製造業全般で「本格復活」と呼べる状況ではない。それは技術職の中途採用が低調であることに、如実に現れている。 |
|
||
このような環境・エネルギー分野にはどのようなエンジニアが求められるのか。ひとつは、パワーエレクトロニクス分野における電源設計や回路設計などの分野。もうひとつは、上記のヒートポンプを開発するような熱流体解析や蓄熱、制御システムなどの分野だ。全般的には電気、機械・メカトロ系の職種が多くなるという。 「もちろん社内での育成も行いますが、それだけでは事業のスピードに追いつかず、積極的な成長戦略が描けなくなってしまいます。異業種・異業界からの転職者は大歓迎です。当社の強みである生活に密着した技術力とグループ各社を併せた総合力は、環境・エネルギー分野に高いポテンシャルがあると自負しています」 |
|
このレポートに関連する企業情報です
自動車用システム製品(エンジン関係、空調関係、ボデー関係、走行安全関係)およびITS関連製品(ETC、カーナビゲーション等)、生活関連機器製品、産業機器製品等の開発・製造・販売続きを見る
|
||||
このレポートの連載バックナンバー
人気企業の採用実態
あの人気企業はいま、どんな採用活動を行っているのか。大量採用?厳選採用?社長の狙い、社員の思いは?Tech総研が独自に取材、気になる実態を徹底レポート。
このレポートを読んだあなたにオススメします
住宅からEVに高い電力量で急速充電も可能に!
本格化するデンソーのスマートグリッド開発と要素技術
7月に電気自動車(EV)と住宅の間で電力をやり取りするシステムを開発したと発表したデンソー。住宅に設置した蓄電池からE…
コンビニと連動する社会インフラづくり、エンジニアへの期待etc.
夏野剛氏・デンソー開発チームがマイクログリッド対談
デンソーが、マイクログリッドを軸にした新しい低炭素化ビジネスの開発を進めている。その実現に向けた取り組みや現状の課題、必要とされ…
車と住宅・街の連携、新たな社会インフラを作り出すプロジェクト
スマートグリッド本格始動。必要な技術と人材像とは?
スマートグリッドに関するプロジェクトが世界各国で本格化してきた。本格展開に向けた施策、そのために必要な技術や人材はどうあるべきか…
世界トップの環境革新企業を目指し、エンジニア採用を強化
省エネ革命の切り札!パナソニックのヒートポンプ開発
環境革新企業を目指すと宣言した2010年のパナソニック。中でも世界的に注目され、中核技術の一つが「ヒートポンプ」だ。家庭用冷蔵庫…
セミコン見ル野のシブすぎ技術に男泣き!
住宅、街、EV連携システム・マイクログリッドに男泣き
僕たち私たちの転職忍者の術★31
バレないようにコッソリ転職活動したいでござる の巻
在籍中に転職活動をする場合、今の会社にバレないようこっそり慎重に進めたいもの。ときには家族や友人にも内緒で活動したいケ…
あなたのメッセージがTech総研に載るかも