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最新! 8つのエンジニア職種から採用動向がわかる!職種別 採用天気予報 [09年7〜9月期]
リーマン・ショックから10カ月。昨今では景気の底打ちも語られるようになったが、エンジニアの転職市場はどうなっているのか。技術系職種を大きく8つに分け、7月から3カ月間の短期予想を載せた。各分野のベテラン転職アドバイザーたちが、夏以降の求人動向を予報する。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/高橋マサシ)
全体動向 景気の底打ち観測も採用反映には遠く、辛抱の時期が続く
 日経平均株価が8カ月ぶりに終値で1万円を回復するなど、景気底入れに期待感が高まっている。日本だけでなく世界の株式相場も底を打ったと見られるのは今年の3月。その後、新興国マーケットは上昇に転じ、リーマン・ショック以前の水準に戻った国もある。
 もちろん、このまま景気が順調に回復していくかどうかは予断を許さない。政府の巨額経済対策が景気を底上げしていることは事実だが、こうしたショック療法は何度も使えるものではないからだ。アメリカ経済という、日本にとっては生命線を握るファクターに本格的な回復のランプが灯らない限り、決して楽観はできない。

 ただ、キヤノンが長崎県でデジタルカメラの新工場建設に着手したり、三菱ガス化学が中国などで自動車部品に使う原料の新プラント建設を発表するなど、製造業の一部で景気回復を見越した動きが出てきているのも事実。
 もちろん、こうした動きが中途採用市場に波及するまでには時間がかかる。一般的に、企業の人材採用は景気悪化の気配を真っ先に感じる一方で、景気回復についてはかなり遅れて反映するものだ。企業の業績が回復したとしても、それが中途採用案件の増加につながるのは、やはり「早くても来年、遅ければ3年先」(キャリアアドバイザー)になりそうだ。

 こうした中で求職者の切迫感は高まっている。景気悪化で離職を余儀なくされた人が増え、採用を継続している企業の窓口には応募者が殺到しているのだ。競争率が昨年同期の数倍にも跳ね上がるという現象が、相変わらず続いている。
 厳しい倍率を勝ち抜くためには、単に技術の専門性が高く、その応用力もあるというだけでは足りない。企業業績をアップしてくれる人材であることを、何らかの形で証明しなければならない。つまり、エンジニアであると同時に、ひとりのビジネスパーソンとしての全面的な能力開陳が求められるのだ。
 その能力は、チームのマネジメントやリーダーシップだけにとどまらず、「仕事を取ってくる」能力にまで拡大される。果たして自分は、転職先で新しい案件を獲得し、それを社内に展開できるだけのスキルはあるのか。エンジニアもそれを自問自答せざるを得なくなっている。
ページ内の各技術分野へリンクします。
業界別求人人数の推移と今後の予測
 ※2008年4月の「IT通信・インターネット業界」の求人人数を0値として、職種ごとの求人数の推移をグラフ化した。
 ※リクルートエージェントのデータ(2009年5月まで)を基にTech総研編集部が作成。
制御系SE
雨
小型医療機器、遊戯機器、通信機器などで求人は続く
狙われるのはこんな人 技術転用性の高い人、技術力以外でのセンスを発揮できる人
 軒並み不況とはいえ、求人意欲の高い業種はまだあります。例えば、病室内で使う小型の医療機器、パチンコなどの遊戯機械、ルーターなど法人向けの通信機器などの分野です。
 遊戯機械系では同一業界の人を好む傾向がありますが、業界未経験者を全く受け付けないわけではありません。未知の業界であっても、調べていけば技術の転用先は意外と見つかるもので、新たな転職先が開ける可能性があります。ほかにも数こそ少ないものの、蓄電技術やセンサー技術などの専門企業からの求人も目を引きます。

 一方、当社の登録者の転職に対する切迫感は高まっています。既に離職している、あるいは離職の危機を感じている人が増えているのです。それらの人々が狭い窓口に殺到するので、競争率は当然高まります。そうした競争に打ち勝つためには、やはり技術の応用可能性を広げることが大切です。
 例えば、これまで組み込み系ソフトの中でも、アプリケーションやミドルウェア開発をしていた人が、業務系アプリケーション開発や自社パッケージ開発を目指すというのも決して不可能ではありません。開発言語や開発プラットフォームが一致すれば、チャンスは広がるでしょう。また、ひとつの専門領域に閉じこもらず、仕事のカバー範囲の広い人というのも、競争に打ち勝つ条件のひとつになります。

 重要なのは、そうした自分の特性を、面接でいかに発揮するかということ。これまで以上に、最終面接通過率が低くなっているので、何らかの対策を立てなければなりません。
 最終面接では、将来の自分と企業の発展を展望しながら、現在の自分がそこでどう貢献できるかや、経営的視点を持っているなどの、技術力以外のセンスが問われます。一口で言えば「役員が認める人材」ということでしょうか。
 これまで開発一筋で来たエンジニアに、すぐに経営を語れというのは難しいかもしれませんが、一度はそうした視点で自分の技術を見直すことも大切です。
制御系SEの求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
キャリアアドバイザー
畠田 仁氏
畠田 仁氏
アプリ系SE
曇り
景気の底は見えつつある。ネット系への転進も視野に
狙われるのはこんな人 モバイル系コンテンツ開発の知識、高度なマネジメント能力
 4〜5月の中途採用状況は、前の月に比べさらに悪化しているという実感があります。とはいえ、「これ以上は悪化しないだろう」とか「今年度下期にかけては採用ニーズが出てくるかも」といった見通しを語る企業がポツポツと出てきており、そろそろ谷間が見えたという感じです。
 好況期にはなかなか優秀な人材を採れない中小・中堅企業が、採用に関心を示していることもあり、6月ぐらいが「底」、7〜9月期は横ばいまたは少し浮上することを、私たちも期待しています。

 応募者側の動きでは、会社の業績不安、あるいはリストラや自宅待機などで転職を余儀なくされる人も出ており、採用側が期待する以上の人材が集まる傾向があります。例えば、「オープン系開発、言語不問」といった募集に、Java経験がある優秀な人材が応募するなど、現職と比較した企業規模や知名度、待遇条件にはこだわらない転職をしたいという人が増えているのです。
 こうした採用戦線では競争倍率も高まりますから、仮に40人の応募者がいたとして、面接まで進めるのは5〜6人。さらにそこから厳選されるわけです。技術力が高い、応用可能性が広い、業務知識が豊富というだけでなく、「大規模プロジェクトの経験」「顧客折衝能力の高さ」「困難なプロジェクトの現場を仕切れる」「新規案件の仕事を取れる」といった、技術とは別要素のスキルも要求されています。

 これまで業務システム構築一筋だったような企業が、モバイルコンテンツやWebサイト構築などネット系の新規事業に乗り出すという動きもあり、ここでは潜在的な求人需要があると思います。ただ、ネット系の業務をこなすためには、PHPやJava、Perl、Rubyなどのオブジェクト指向言語が必要です。また、ウォーターフォール・モデルのSIとは開発の方法がかなり違うので、そこに早く慣れることも大切になります。
 これまでSI系の開発しか経験してこなかったエンジニアにはハードルは高いですが、インターネット分野を視野に入れてはどうでしょうか。チャレンジしがいはあると思います。
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ITマーケット
グループマネジャー
江川理絵氏
江川理絵氏
コンサルタント
曇りときどき雨
求人はピンポイントだが、業務系SEにもチャンスあり
狙われるのはこんな人 稼働中案件での即戦力か、案件が獲得できるマネジャー以上
 先の見えない景況感は前回と変わりませんが、下げ止まった感はあります。採用の中心は前回と同じく戦略系や会計系のコンサルティングファームですが、どのファームも採用を完全にクローズしたわけではなく、案件ベースで必要な人材を採用している傾向です。
 特に、製薬や医療機器などメディカル全般、大手通信キャリア、物流(SCM)関連の業界では、新規案件のニーズも出てきているようです。また、ERPを含む基幹システムについても、大規模なリプレイスを必要とするクライアント企業も出てきています。

 これらの案件状況で求められるコンサルタント職の募集ニーズには、大きく2タイプあります。現在稼働している「顕在化している案件」にアサインするコンサルタントと、これから取りに行く「潜在的な案件」を獲得できるコンサルタントです。
 前者はシニアコンサルクラスで、緊急度が高いために即戦力が対象で、「条件への合致度が高い人材がいれば採用する」というスタンスです。後者はマネジャー以上ディレクタークラスまでで、新規営業的な要素も強く、コンサルティングファームの上位に在籍しているようなハイポジションの人材が対象です。
 ただ、後者については「業界へのコネクション」という観点から、ファームは「事業会社」の人材にも注目しています。経営企画室などの部署にいて、コンサルタント的な活躍ができ、深い業務知識と業界へのリレーションをもつ方です。

 このように現在では、求人状況はピンポイントであり、幅広い人に門戸が開かれているという状況ではありません。7月以降もしばらくは同じような傾向が続くと思われます。
 ただ、厳しい中にもチャンスの芽はあると思います。例えば、業務系SEとしてキャリアを積んできた方は、特定業界の業態に精通しているという条件付きではありますが、業務コンサルやITコンサルを目指せる可能性があります。
 もちろん選考のハードルは高いですし、しばらくは厳しい状況が続くと思いますが、着実に専門性を積んできた方にとっては、道は開かれつつあります。まずは今の環境の中で身につけられる専門性を見極め、コンサルタントとしてのスキルを磨くことで、可能性は広がると思います。
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ITマーケット
リクルーティングアドバイザー
山崎まり子氏
山崎まり子氏
ネットワーク
曇りときどき雨
ポータルサイトなどネット系大手、MSP企業からの求人が継続
狙われるのはこんな人 LinuxやUNIXなど幅広い知識、B to Cサービスのインフラ構築経験
 全般的に企業のシステム投資は冷え込んでおり、自社システムの構築などを専門企業に依頼するケース、つまりSI案件の減少が進んでいます。これまでサーバエンジニア、ネットワークエンジニアに対する求人の過半は、こうしたSI案件をベースにしたものでした。企業は今後の案件受注が伸びると判断して、そのための人材を確保しておくために、積極的な採用に動いたのです。ところが、案件の増加が見込めない現状では、採用も手控えざるを得なくなります。
 一方、保守・運用系エンジニアの採用は続いていますが、新規構築にかかわるニーズはほとんど見なくなってしまいました。同じ企業グループでも、構築系の企業からは話がなく、運用系の企業からはひんぱんに相談が持ち込まれるということが、実際にあります。

 しかし、エンジニア採用を継続・強化する企業がないわけではありません。そのひとつが B to CやB to Bのサービスを、自社インフラで提供している企業。例えばポータルサイト、ネット通販サイトの大手です。こうした企業はサービス内容で勝負しなければならず、それを可能にする人材には常に関心を持っています。この不況下でも依然、高い意欲で採用を継続しています。
 もうひとつ注目したいのが、企業システムのアウトソーシングを受ける側の、MSP(マネージド・サービス・プロバイダ)と呼ばれる業態です。ここではセキュリティや仮想化などカスタマーの高度なニーズを迅速に応えられるよう、エンジニアの拡充を急いでいます。
 こうした状況を前提として、これまでSI企業の中でサーバエンジニア、ネットワークエンジニアをしていた方が、ポータルサイトなどのネット系企業やMSPへ転職するための条件を考えてみましょう。

 最低限必要なのはLinux、UNIXの知識。ネット系大手は、B to Cサービスのインフラ構築歴3年以上など高い採用条件を提示しますが、ベンチャー系の場合はもっと基準が広がります。ただ、同じサーバー系技術でも、Windows Serverだけしか知らないと競争力は弱くなるでしょう。MSP企業の場合は業務範囲が広いので、顧客折衝も含む設計・構築経験から運用監視のエキスパートまで、幅広く人材が求められています。
 そのほか、動画配信サービスやモバイルコンテンツ系ベンチャーからの求人は、今後も続くでしょう。一般にこうしたビジネスは不況に強いのが特徴ですが、エンジニアには「ネットベンチャーは敬遠したい」と端から関心を示さない人もいます。しかし、企業の設立背景やビジネスの可能性などをじっくり説明すると、関心を示していただけるようになります。先入観にとらわれず、可能性の幅を広げてみてください。
ネットワークの求人情報 リクルートエージェント
ITマーケット
キャリアアドバイザー
森 琢郎氏
森 琢郎氏
電気・電子系
曇りときどき雨
電験3種に注目。シーケンサーや品質保証関連で求人も
狙われるのはこんな人 電験3種、PLCやPLCラダーの経験者、電池系技術者など
 しばらく低迷のつづいていた電気・電子系の求人ですが、5月半ばごろから一部の職種でやや回復の兆しを感じるようになりました。プラントの電気設備がそのひとつです。
 特にビルや工場の高圧電気の管理・保全に従事する、第三種電気主任技術者(電験3種)の資格者に人気があります。採用人数は大規模というまでには至っていませんが、仕事の現場からのニーズがかなり高くなっていることは事実です。

 また、配電盤などの制御関連の技術も需要が高まっています。シーケンサー、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)の経験や、それを制御するためのプログラム言語PLCラダーなどの特殊技術を持つ人であれば、かなりの確率で内定が出るのではないでしょうか。
 さらに、品質管理、品質保証のセクションからの求人も増えています。安心・安全を求める世の中のニーズに、企業が対応せざるをえないことを物語っています。
 ベンチャー企業の頑張りも目立ちます。例えば、電池分野に高い専門技術を持つベンチャーなどは、ここぞとばかり熱心に人を求めています。そうした求人はバックグラウンドが電池専門でなくともよく、電気回路がわかっていればOKという間口の広さです。

 もちろん、電気・電子関連の求人が全体にわたって回復したと言うことはできません。これまでお話したのはあくまでも一部の動き。大手企業のほとんどの動きは鈍く、とりわけハード系の技術についてはかなりきつい状況が続いています。
 ただ私は、今は知名度の低い企業でも、電池などの分野では将来のソニーやパナソニック並みに成長する可能性を秘める企業も多いと思っています。なかなかそれが登録者に伝わらないのが残念です。いまだ会社の規模にこだわったり、景気が回復してからと様子見をする人が多いようです。
 しかし、こういう時期だからこそ逆転の発想が重要です。今の時期に人を求める企業は人材に先行投資をしようとしているわけで、将来有望と見ることができます。つまり、未来の優良企業を発見するチャンスでもあるのです。
電気・電子系の求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
キャリアアドバイザー
関野光剛氏
関野光剛氏
機械・メカトロ系
曇りときどき雨
この時期に本気で人を求めるプラント系、航空機関連企業
狙われるのはこんな人 プラント設計、生産技術、量産化技術、品質保証関連技術など
 機械・メカトロ関係の採用市場は2月ごろの状況が固定したまま、停滞を続けています。ただ、4月に年度が替わり、改めて年間採用計画を立てる企業もあります。当面は現場からの人材需要を社内異動でまかなうことになりますが、それでも足りないとなれば、中途採用市場に触手を伸ばすことになります。従って、7月以降は多少の動きがあるのではないかと予感しています。
 今年の年初は、業績悪化があっという間に進んだ時期なので、採用選考が進んでいる渦中に突然動きを止める企業もありました。しかし、今はそういう状況は見られません。むしろ、今の時期に採用意欲を見せているのは、景気の低迷は織り込みずみでより中長期的視点で人を求める、「本気度」が高い企業と考えられます。求職者からみると、「安心感」のある企業ということもいえそうです。

 そのひとつが発電やエネルギーなどのプラント関連業種でしょう。プラントはプロジェクトの規模が国家レベルだったり、10年以上の長期計画だったりするので、目先の好不況にとらわれず、採用を続ける企業が多いです。また、プラントエンジニアは好況期でも人を採るのが難しい職種ですので、いまだ需要を満たしていないということもあります。
 航空機関連の求人も根強いものがあります。手がける企業群のすそ野が広く、それなりの採用数になりますが、かつての自動車産業に取って代わるだけのボリュームではありません。

 その自動車もすべての求人がストップしているわけではなく、ハイブリッド車や電気自動車、電池関連のエンジニアについては、依然として採用意欲は旺盛です。とはいえ、この場合は材料系の求人であり、機械系の求人の回復にまではつながっていません。自動車業界で機械・メカトロ技術者の採用が完全回復するのは「3年後」と語る、メーカーの担当者もいます。
 全般に機械系求人は、開発よりは経験豊富な生産技術や品質保証へシフトしています。生産現場の中でより後工程が重視され、より経験豊富な人材が求められているということでしょう。
機械・メカトロ系の求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
グループマネジャー
柴田由実氏
柴田由実氏
半導体系
雨
半導体エンジニアの業界外流出が始まるが、行き先は見えにくい
狙われるのはこんな人

FAEやアナログICなどの高度な専門知識、高い英語力

 転職・中途採用のお手伝いをして10年になりますが、半導体業界、半導体関連職種のマーケットは、まさに最悪の状態を迎えています。まだ底が見えず、悪化に歯止めがかからない状況が続いています。
 半導体業界のチップメーカーは限られ、すそ野もけっして広くはないので、業界全体の景況が全体に行き渡るのがあっという間でした。ご承知のように、大手チップメーカーは生き残りをかけた企業再編を模索しており、現段階では人を採用するどころではないのでしょう。

 ただ、業界全体でゼロというわけではなく、ときおりベンチャー系や外資系企業から、きわめてピンポイント的な求人が出てくることはあります。例えば、FAEやアナログICなどで高度な専門知識をもち、英語力も高くなければならないなど、きわめて敷居の高い求人です。
 潜在的な採用意欲をもつ企業にとっては、リストラ圧力で優秀な求職者が転職市場に流れている今は、人材の高度化を進めるうえでは願ってもない好機といえます。しかし、業界再編が落ち着くまでは動けないということで、企業はなかなか採用にまで踏み切れないようです。
 半導体エンジニアは一般に「つぶしが効かない」と言われます。転職も業界内でというのがこれまでの通例でしたが、業界の不況がここまでになると、別の業界に転職してもよいと考えるエンジニアも増えてきます。彼らも電気・電子のバックグラウンドはあるので、エレクトロニクス業界の品質管理、品質保証などへの転職は可能ですが、電気・電子系エンジニアも苦境なのでそう簡単にはいきません。

 ただ、同じチップ設計でも、回路設計などハードよりの技術よりは、組み込み系などソフトウェア的な技術はまだ汎用性が高く、業界を超えて通用する可能性が大です。組み込み系のエンジニアであれば、採用の可能性のある企業もまだあります。
 これからの各企業の戦略は、「Fab Lite」(半導体製造設備を維持しながら、新規製造設備を外部へ委託すること)に向かうといわれます。そうなると、自社にかかえる開発者の数は少なくてすむことになります。半導体開発にかかわるエンジニアのパイはますます狭くなるわけで、転職マーケットとしては中長期的に見ても厳しい状況が続くと思われます。
半導体系の求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
キャリアアドバイザー
関野光剛氏
関野光剛氏
化学・材料系
曇りときどき雨
唯一気を吐く「電池系」。異業界で第一人者になれるチャンス
狙われるのはこんな人 電池生産に関するエンジニア全般
 化学・材料系エンジニアの求人は動きが止まったままです。前回の記事でも「一時は旺盛な求人があった液晶関連のニーズなど、電気・電子業界でのケミカル・マテリアル系求人は減り、全体的な求人数は半年前に比べて半減」とありますが、この状況は7月以降も基本的に変わらないのではないかと見ています。
 電池や環境対応車関連を除けば、自動車、家電、液晶メーカーなど非化学系企業の求人は非常に少ない状態。化学、素材、石化、石油などの業界からはわずかながら求人がありますが、きわめて限定された職種・経験を求めるピンポイント求人であり、しかも採用企業側は同業界からの移動を強く望んでいます。

 唯一気を吐く電池技術については、どういう人材が求められているのか。電池関連でエンジニアを求める企業は、電池が本業ではなく、新たに社内で電池技術の蓄積を必要としている企業です。そのため、電池の生産プロセス全般にわたってエンジニアを必要としています。電池メーカー在籍者など経験者への採用ニーズはかなり強いものがあります。
 ただ、例えば自動車メーカーがどういう電池技術者を求めているのかを公にすると、研究の進捗状況が他社にもれてしまうということもあって、詳細なスペックは企業秘とするところが多いようです。リチウムイオン電池という大枠は明らかでも、そのどこのプロセスを担当するかということについては、私たちエージェントにも知らされないことが多いのです。

 電池は専門性の高い技術だけに、電池メーカーから非電池の他業界へ移るのは勇気がいることはわかります。ただ、ここで考えていただきたいのは、電池メーカーで数多くの電池技術者のひとりという立ち位置に甘んじるのか、自動車や家電業界で、電池技術の第一人者というポジションを得るのかという選択肢です。
 もし後者であれば、今はそのチャンスが大いにあります。自分の未来図を描きながら検討してみるのもよいでしょう。
化学・材料系の求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
グループマネジャー
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