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明日に向かってプログラめ!!PARTV vol.7/10 川崎修平@モバゲータウンは、午後ティーだけで三徹する
中・高校生を中心に大人気の「モバゲータウン」。ユーザー数約1200万人、1日の平均ページビュー5億強というとんでもないこの携帯ポータルサイトを、ひとりで開発したのが川崎さんです。独特な個性の持ち主で、うまく言えないけどふわふわしている方です。「取締役」ってことは最後まで忘れてました!
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ 撮影/関本陽介)作成日:09.01.16
プログラミングとは、自分を乗せる手段である
川崎修平さん
「モバゲータウン」のトップ画面 「モバオク」のトップ画面
「モバゲータウン」のトップ画面   「モバオク」のトップ画面
「ポケットアフィリエイト」(PC版)のトップ画面
「ポケットアフィリエイト」(PC版)のトップ画面
気分が乗るまで家でマンガ、乗ったら力尽きるまで開発
開発は自宅でなさっているとか。
最初はごろごろ寝てますね。気分が高まるまで待つというか、それまで1週間とかかかるので、寝ながらマンガを読んでます。作るもののイメージがまだないんですから、作れないじゃないですか。ですから開発は家でやってますし、作り始めたら集中して続けます。
アイデアが出てくるまでの過程が知りたいです。
どうなんだろう……まず、大きな目標はありますよね。すると、その解決にはこうしたらいいがこの方法では難しい、できるけどサービスとして成立しないなどの、制約条件が無数に出てきます。これらの制約条件はふわふわと浮いていて論理的につぶせるものではないので、それらを前にしてうなっているわけです。そのうちに、「何だ、これでできるじゃん」がひらめくというか。
頭の中で設計図を完成させてから始めるのですか、それとも最初に手が動く?
頭の中には仕様書ではなくシステムがあるという感じです。なので、「これでいけるかな」と思ったら作っちゃいます。作ること自体はリズムのようなものですから、苦ではありません。むしろ、文字をいっぱい打っていると乗ってくるので、ここの遷移が気に入らないとか、この手順を先にもってこようなどと思ったら、途中で全部を捨てて構造から作り直すこともあります。非効率かもしれませんが、個人的には開発の効率化に興味はないんです。
 また、乗っているときに固形物を食べるとリズムが途切れるので、食事はしません。
川崎修平さん
お聞きしました。午後ティー(午後の紅茶)を飲むだけとか。なぜ午後ティーを?
ミルクティー味なんですけど、紅茶で目が覚めるし、糖分は頭に働くし、ミルクは健康的でしょ。箱買いしてありますよ(笑)。開発中はずっと飲んでいるんですけど、たくさん飲むと定期的にトイレに行くようになりますよね。それがリズムを生むのでまたいいんです。
 さっきも言いましたけど、私は乗るまでに時間がかかるので、始めたら力尽きるまで続けます。昔は三徹とか普通でしたよ。
午後ティーだけで三日徹夜ですか!
はい。でも最近は後を引くようになって、あまり無理をするとスループットが出なくなってきた(笑)。徹夜は一日までに抑えています。
夜のジャンプ、腕立て、受験勉強……限界に挑戦し続ける男
プログラミングを始めたのは何歳ごろですか?
小学校4年生くらいで、父親がファミリーベーシックを買ってきて、オモチャとして家にあったんです。もともとゲーム好きだったので、ゲームをする感覚でプログラミングを覚えました。
 中学校では完全にパソコン少年でしたね。シャープのX68000が出たころで、初代機を買って、自作のゲームプログラミングばかりしていました。アドレスを直接たたいて絵を描いたり音を鳴らしたりできましたから、いちばん楽しい時期だったかもしれません。部活はパソコン部、それと柔道部に入っていました。
話をそらせてすみません。柔道部のイメージがないんですけど。
3年生の1カ月だけです。人数が足りなくて大会に引っ張り出されて、初心者バレバレで(笑)。でも、体を動かすことは好きですよ。球技なんかはダメなのでスポーツというよりは体力づくりで、夜の小学校でジャンプや踏み込みのトレーニングをしたりです。そこらへんでやっていると人の迷惑になるので、母校の校庭を使っていました。
……中学生が母校の校庭で夜中にジャンプ? 踏み込み?
中学だけでなく高校でも大学でもやってました。踏み込みはわかりにくいですけど、(週刊少年)サンデーに載っていた『拳児』の八極拳の練習などです。基礎トレーニング系が好きで、高校の受験生のころは腕立て、腹筋、スクワットを1日1000回ずつしていました。
 もちろん一度にではなく、1時間ごとに100回で10時間で1000回。受験勉強が大好きだったので、勉強を1時間したらインターバルに100回ずつやってリフレッシュして、また勉強するんです。
川崎修平さん
……筋トレも勉強も好きだと。
勉強そのものではなく、「1日に何時間勉強できるか」にチャレンジしていました。中身は何でもよかったんですが、効果が出ないとカッコ悪いですから真剣に勉強していました。
 それに、高校時代は国産パソコンからDOS/V機、Windowsに入ろうかという時期で、パソコンにあまり熱中できませんでした。ハードの隅まで触れないとパソコンではないと思っていましたから、高校の後半から大学2年くらいまでは触ってないです。大学に行ったら端末室にUNIXがあって復活しましたけど。
モバゲータウン
「いいっすよ」で、モバオクやモバゲーをひとりで開発
川崎修平さん
話を戻して、大学でのプログラミングについて聞かせてください。
当時はネットオークションが盛り上がっていて、私も大好きでした。これがなければ二度と出合わなかったであろう宝物が山ほどあるので、有無を言わさぬ迫力でしたね。せっかくプログラミングができるのだから、自分用のシステムを作ろうと思ったんです。
 それで、オークションサイトを比較する「オークション統計ページ(仮)」(現オークファン)を開発して、自宅サーバーで立ち上げて、「おすそ分け」という意味で公開しました。そうしたらディー・エヌ・エーの広報の人から、「いいサイトですね。一度会って話しましょう」みたいな謎のメールが届いた(笑)。それがアルバイトを始めるきっかけです。最初の仕事は、社内向けシステムの開発やオークションサイトの負荷対策などでした。
「モバオク」や「ポケットアフィリエイト」を開発されたそうですね。
入社後ですね。何かのときに「今度、携帯でオークションサイトを作ろうと思うんだけど、ひとりでできる? どのくらいかかる?」と聞かれました。前からオークションサイトは作りたかったんですけど、個人名義で出しても信頼がないので構想だけは頭にあって、これはチャンスとばかりに「好きに作らせてくれるならいいっすよ」と。そして2カ月くらいで作ったのが「モバオク」です。
 次の「ポケットアフィリエイト」は、皆で昼飯を食べているときに「うちでアフィリエイトをやろうか」という話が出て、「え、うちでありなんすか? じゃあ作ってきますよ」みたいな。もともとアフィリエイターなので、使いやすいのがいいかなと思って、2週間ほどで開発しました。
自宅で開発されたわけですね。「モバゲー」(モバゲータウン)も?
そうです。大雑把にアバターで収益、ゲームで集客というモデルがあって、成立させる方法をむにゃむにゃと考えました。当時はSNSがはやってきていたんですが、SNSではなくコミュニティの中の仮想人格、アバターに価値を置いてもらおうと思ったんです。今ではSNSとの線引きもあまりなくなっていますが。
 開発期間は3カ月、Web機能で1カ月、管理機能で1カ月、ゲーム作るので1カ月です。私が開発したのはモバゲー用のゲームを開発するときに使うAPIやフレームワークの部分と、APIの組み込みサンプルを兼ねたゲームです。言葉で説明するよりモノを作って見せたほうが早いですし、昔はゲーム開発者になりたかったので、せっかくだからサンプルのゲームも作らせてもらいました。
川崎修平さんのキーボード
ドラクエ9の発売に向けて現在は仕事をシュリンク中
ご趣味を聞かせてください。
やっぱりゲームです。これなんかは(トップの写真)ドンキーコングのゲーム&ウオッチです。高校時代に実態はないけど勝手に「ゲーム&ウオッチ部」を作って、周りからかき集めたので、今でもたくさんもっています。「お前も入ろうよ」って仲間に声を掛けて、家にあるゲーム&ウオッチをもってきてもらって、集まった何十個かを皆でシェアして遊んだんです。飽きてきたら「もういらないよ」という人が多くて、そのままお預かりしています。入手が目的ではありませんでしたけど(笑)。
どんなゲームが好きなんです?
ゲーム&ウオッチなら「オクトパス」や「オイルパニック」も好きですけど、世代的にも「ドンキーコング」がいちばんですね。こうしてデスクに置いてあるだけで落ち着きますし、仕事中はゲームミュージックを聞いています(トップの写真のCD)。ぜんぶひっくるめて好きなゲームは「スペランカー」かな。
今、いちばんハマっているのは?
難しいですね。というのは3月に「ドラクエ(ドラゴンクエスト)9」が出るので。今は発売日に向けて仕事を片付けている最中です。ゲームをやり始めると1カ月は仕事ができなくなるので、そのための準備です。
……わかりました。ところで取締役ですよね? もうプログラミングはしていない?
一応経営側ですが、モノづくりで方向を示していくのが自分のスタイルだと思っています。ですから開発は続けていますし、プログラミングをやめたら辞めたほうがいいかも。
では、川崎さんにとってプログラミングとは?
私は考えているだけではダメで、プログラミングをしていないと調子が乗ってこないんです。逆に書いているとアイデアがどんどん出てきます。ですので、自分を乗せるための手段ですね。
川崎修平さん
川崎修平さん 川崎修平さん(33歳)
1975年生まれ。早稲田大学・大学院時代に社内用コンテンツマネジメントシステムなどを個人請負で開発、東京大学大学院博士課程在学中に株式会社ディー・エヌ・エーにアルバイト入社。大学院単位取得退学後の2004年4月に正社員となる。携帯電話のオークションサイト「モバオク」、アフィリエイトサービス「ポケットアフィリエイト」、携帯ポータルサイト「モバゲータウン」を独力で開発。現在はポータル・コマース事業部システム部システム開発第一グループにて多くのサービスの開発・運用に携わる。同社の取締役を務める。
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
「天才が仕事をしているときは邪魔をするな」って、川崎さんのための言葉かも。しかし、何も食べずにプログラミングを続けて家庭はどうなんだろう……と思ったら、先日お子さんが生まれたとか。おめでとうございます! これから徹夜は少なくなりそうですね。ドラクエ9でもお体をお気を付けください!

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