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準備編に続く第2弾〜企業選びから転職手法、面接ノウハウまで 悲惨な景気…今、知っておきたい転職必勝法 行動編
米国サブプライム問題から始まった世界的な金融危機。その余波を受け、海外市場への依存度の高い製造業を中心に業績悪化の連鎖が始まっている。景気の冷え込みはまだまだ続いていくことが予想される今、転職をするにはどのような方法、どのようなツボを押さえればよいのか、取材をもとに探っていく。
(総研スタッフ/関洋子)作成日:08.12.10
転職行動を起こす前のチェックポイント
 11月12日に公開した「悲惨な景気…今、知っておきたい転職必勝法 準備編」では、「景気後退期だからといって、転職に不利とは限らない。自分にとって今が転職のタイミングだと思うのであれば、経済状況がどうであっても転職行動を起こすべき」とTech総研では結論づけた。ここで注目してほしいのは「自分にとって」ということ。つまり、求人数が低下している今だから、転職タイミングかどうかをじっくり見極めてから、転職行動を起こすのが得策というわけだ。
 Tech総研の記事「第1位は『ダメ上司にウンザリ』―転職を考えた瞬間」でもあるように、転職を考える瞬間はさまざま。本当に今が転職タイミングかどうかは、次のような点でジャッジしていけばいいだろう。
図.不況期だから長期的視点で考える転職タイミング 判定フローチャート
 次からは転職行動編。実際にどういう点に注意して転職活動をすればよいか、さまざまな専門家に話を聞いてみた。
IRコンサルタント 西堀敬氏
西堀敬氏
株式会社フィナンテック 取締役
東京IPO 編集長 
ファイナンシャルプランナー(FP) 平野泰嗣氏
平野泰嗣氏
Life & Financial Clinic
ヘッドハンター 福田裕氏
福田裕氏
サーチファーム・ジャパン株式会社 
アソシエートパートナー
 キャリアアドバイザー(CA) 高原健人氏
高原健人氏
株式会社リクルートエージェント
EMC・メディカルカスタマーマーケット 1グループ
グループマネジャー
組織・人材マネジメント研究 豊田義博氏
豊田義博氏
株式会社リクルート
ワークス研究所
主任研究員
景気低迷期における転職活動のポイント
Point1.転職先はどんな視点で選択する?
西堀敬氏 IRコンサルタント ・西堀氏:「フリーキャッシュフローがプラスだといい会社」
 投資家が企業の良しあしを判断する一つの基準が、フリーキャッシュフローです。キャッシュフローとはその名のとおり、実際の現金の流れ、およびその結果としての現金の増減を表します。キャッシュフロー計算書には営業キャッシュフロー(会社が営業活動をして稼いだ収入)、投資キャッシュフロー(商品やサービスを提供するために、固定資産や有価証券の取得、売却などに伴う現金収支)、財務キャッシュフロー(銀行からの借入金など)と3種類のキャッシュフローが出てきますが、会社選びで注目したいのは営業キャッシュフローと投資キャッシュフロー。この和が実は企業が自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)であり、この額が大きければ大きいほど、財務状態のよい会社だといえるからです。数年間さかのぼってみて、フリーキャッシュフローがプラスになっている会社であれば、突然の倒産など心配せずに働くことができると考えられるからです。
 IT系ベンチャー企業の場合、安心して働ける会社かどうかのひとつの判断ポイントは、2000年春に起こったバブル崩壊以降の不況期を経験しているかどうか。一度不況を経験している企業で経営陣や大株主が変わってなければ、現在の不況期も乗り越えられる可能性が高いと考えられるからです。
平野泰嗣氏 FP・平野氏:「中小企業の場合は、取引先の経営状況までチェックするとよい」
 転職するならやはり、経営状態のよい会社を選びたいもの。大手などであれば新聞やテレビなどで情報を仕入れられますが、中堅、中小企業ではよくわかりません。積極的に採用をしているということは経営状態がよく、よりビジネスを拡大するためであることがほとんどかもしれませんが、気をつけなければならないのは、中小企業の場合は特に取引先の経営状況に左右されてしまう面があるということ。そのためにもチェックしたいのが、取引先の情報。どんな取引先があるのか、それらの経営状態はどうかなどまで調べると、より安心な転職が可能になると思います。
福田裕氏
ヘッドハンター・福田氏:「企業風土や理念との相性が重要」
 専門性で会社選びをするのはもちろんですが、企業風土や理念との相性です。自分の考えや方向性に合う会社かどうかを判断にはどうするか。面接を進める中で企業理念や経営者の考えを理解することが重要です。信頼性のある情報ソースから客観的な情報収集をすることも必要です。
高原健人氏 CA・高原氏:「妥協するところは妥協して、幅を広げる」
 転職先を選ぶ際、仕事内容や勤務地、給与などさまざまな条件を掲げます。買い手市場である現在は、条件の緩和が必要。妥協できる幅を広げることも、大切です。内定をもらっていない時点では今の会社に残って働き続けるか、もしくはその会社を辞めてしまうか、という選択肢しかなく、「転職」という選択肢はまだ手に入っていないのです。したがって会社選びは選択肢が入った時点で考えればいいこと。ですので、なるべく条件を狭めずに緩和して、選択肢を増やす行動をすること。これが不況期における転職活動のヒケツの一つです。
豊田義博氏 ワークス研究員・豊田氏:「仕事スタイルにも注目」
 社会人にとって必須の3つの基礎力、対人能力(コミュニケーション能力や人を動かす力)、対課題能力(課題を発見して分析し、その解決の段取りを考え実践していく力)、対自己能力(困難なことにぶつかっても自己をコントロールし、やり続ける力)は、30歳ぐらいで成長が止まるといわれています。もし20代での転職を考えているのなら、このような基礎力が身につく仕事スタイルかどうかをチェックすること。例えば言われたことをするだけ、人との接点が限定されているような職場だと、基礎力は身につきにくい。自分で考えて行動できる会社かどうか、そういう視点で選ぶことが大切でしょう。
 30歳前後からの転職は自分の専門性が勝負。今まで培ってきた専門性が生かせる場所を選択していくことになるでしょう。30代半ば以降の転職は、管理職(PM的な立場)に進むのか、もしくはエキスパートとして生きていくのかを決めたうえで、そのポジションが転職先の環境で求められているかどうかで判断していくことになるでしょう。
Point2:効果的な転職手法はどれ?
 誰もが一般的に活用できる転職手法は大きく公募、人材紹介(斡旋)の2つがある。例えば公募であれば応募先を選べるが、人材紹介のように自分ではなかなか探せない仕事に出合える可能性があるなどそれぞれ一長一短がある。では現在のように景気後退期において、一体、どのような転職手法が効果的といえるのだろうか。
福田裕氏 ヘッドハンター・福田氏:「キャリアコンサルタントとのパイプをもつ」
 転職活動をうまく進めるために重要なのは、信頼性のある情報ソースと転職エージェントとの継続的な関係をもち、外部環境や業界動向について情報の収集や交換を行い、信頼性のある情報ソースをもつことが重要です。その意味ではエージェントも信頼性ある情報ソースのひとつ。従ってエージェントとの継続的な関係を築くことはプラスになります。自身の今後のキャリアをうまく構築していくためにも、コンサルタントと継続的な関係をつくっておくことをお勧めします。
高原健人氏 CA・高原氏:「CAは作戦参謀。厳しい時代だから有効に活用すべき」
 今は企業が選ぶ時代に入っています。また求人数が減る傾向にあるため、ライバルも多くなる。そんな中での転職活動は工夫しないとうまくいきません。そのためにはやはり、作戦が必要です。会社を既に辞めており、転職活動だけに集中できるという人であれば、転職サイトなどでどんどん応募するという方法も良いでしょう。働きながら転職活動をする人は日々の仕事をこなしながらになるので、作戦を立てるのは時間的な余裕がなく難しい。そこで活用してほしいのが、エージェント。CAは転職活動の作戦参謀なんです。例えば自分のスキル・経験、および志向にマッチした転職先の提示、レジュメの書き方や面接の指南など、転職にかかわるさまざまな活動を支援します。ぜひ、CAを有効活用して、よい転職をしてほしいですね。
Point3.面接に失敗しないためのポイントとは?
 最近、役員面接まで進んでも落ちるケースが多いという。なぜ、うまくいかないのか。うまくいくための秘訣とは?
福田裕氏 ヘッドハンター・福田氏:「面接では価値観や社風が合うかがチェックされる」
 役員面接まで進むと、チェックされるのはもはや専門性ではなく、社風や価値観が合うかどうかという点。当然だが、企業は長く定着してくれる人を求めているからです。またもうひとつのチェックポイントがコミュニケーションなど、専門性以外にどんなプラスアルファのスキル要素があるかという点。景気後退期にある中で企業が採用するのは、事業目標を達成するために必要なコアな人材です。だからこそ、プラスアルファの部分が求められるのです。専門性を追求していればよいという意識は、もたないほうが得策でしょう。
高原健人氏 CA・高原氏:「最終面接まで進んでも気を抜くな」
 従来は最終面接まで進めば、ほぼ内定で決まりというイメージがありましたが、今はそんな甘い状況ではありません。企業は最終面接時でも「この人を本当に雇用しきれるのだろうか」「もっといい人に出会えるのではないだろうか」と考えており、採用基準は確実に上がっています。そこでお伝えしたいのは「最終面接まで気を抜くな」ということ。
 面接がうまくいくための秘訣その1は、自分の売りをはっきりと話せること。その2は汎用性をアピールすること。得意の技だけではなく、こんなこともできるという汎用性の高さを訴えることで、その企業が求めている人材像に近づけられる可能性が増すからです。その3は企業が求めている人物像と自分との間のギャップがわかっており、それを補う努力がアピールできること。その4は企業研究をした上で、自分が入社した後、どんなことをしてみたいのか、そのビジョンをきちんと語れること。実はこれこそが本当の志望動機。なぜ、働きたいのかを自分の言葉ではっきりと話せるようにすることが大事なのです。これら4つのポイントを押さえれば、採用される率はアップするはずです。
資産は「お金」だけじゃない。転職で損をしないために
平野泰嗣氏
FP・平野氏:「幸せな転職は可処分資金と可処分時間で考える」
 転職で年収アップを考える人も多いかもしれませんが、目先の年収だけで転職先を選ぶのは得策ではありません。豊かな人生を送るためには3つの資産を手に入れることが必要です。第一に経済的資産。第二が健康資産、第三が社会的資産です。例えば年収がアップしても、自由に使える時間(可処分時間)が少なくなりそうな職場であれば、体や心の健康など(健康資産)を損なってしまう可能性もあります。またキャリア開発の時間や人とのつながりの時間(社会的資産)をもてなくなるかもしれません。つまり豊かな人生を送るには、「お金」と「時間」のポートフォリオを考えることが重要なのです。
図.お金と時間のポートフォリオ
 どの資産を重視するかは年齢や立場によっても異なります。例えば将来の起業に備えて資金をためる、という時期であれば、多少可処分時間が少なくなっても可処分資金の多い職場で働くことが幸せとなります。一方、社会人大学に通いたいというのであれば、年収が多少下がっても可処分時間の多い、またはそういったことを支援してくれそうな職場で働くことが幸せとなる。お金だけではなく時間という観点も入れることではじめて、損をしない転職ができるのではないでしょうか。
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関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ 関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ
2回にわたり展開してきた今回の転職ノウハウ記事、いかがでしたか。第44代米大統領にバラック・オバマ氏が当選し、新風を巻き込んだことは明るいニュースでしたが、米三大自動車メーカーの業績悪化など、まだまだ暗いニュースは続いていきそうです。でもそんな状況でも、自分が「Change」のときだと思えば、それが転職タイミング。このノウハウ記事がその際の参考になれば幸いです。

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