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明日に向かってプログラめ!!PARTV vol.5/10 赤松洋介@フィードメーターは、操作系ガジェットで遊ぶ
機能を網羅した高額なソフトではなく、気が利いて便利なWebアプリってありますよね。自分のブログの人気度がわかったり、ブックマークが後でメールで届いたり……は赤松洋介さんが作ったもの。穏やかな外見からは想像できませんが、昔は峠を攻める走り屋であり、今はラジコンのヘリやクルマやZゲージに夢中です。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ 撮影/関本陽介)作成日:08.11.14
プログラミングとは、社会貢献である
赤松洋介さん
ブログの更新頻度と人気を測定する「フィードメーター」
ブログの更新頻度と人気を測定する「フィードメーター」
ブログ読者が読む別のブログがわかる「あわせて読みたい」
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ライター、京大、スタンフォード、フィードメーター
赤松さんは中学生のときにパソコン雑誌のライターだったとか。
はい。『月刊I/O』という雑誌で「日本橋マップ」というコラムを書いていました。大阪の日本橋は東京の秋葉原のような場所ですから、お店の情報なんかを取材して地図に載せる企画です。1本3000円でしたからいいお小遣いになりましたね。
そのころは既にプログラミングを始めていた?
小学校6年生くらいにPC-8001を買ってもらって、BASICでゲームを打ち込んで遊んだりして、中学になるとアセンブラを覚えていきました。ただ、高校時代は全くパソコンには触っていないんです。再び出合ったのは大学時代の研究室で、UNIXのワークステーションでした。当時は珍しかったインターネットにつながっていましたから、夢中になって世界中の情報を集めました。知れば知るほど面白くって。
大学院を出て、大阪ガスの子会社のオージス総研に就職したんですね。
私は大阪生まれで、実は関東嫌いだった(笑)。地元で就職したかったのと、まだ一般的でなかったオブジェクト指向を事業にしていたので希望しました。私が入社したころは海外のソフト開発企業などと取引があり、アメリカに事務所を作るという話になったんですね。だったらビザが必要だろうと、現地の大学の研究員になったら取得できるぞと、ならば行ってこいと入社2年目の私に白羽の矢が立って、1年ほどスタンフォード大学に行きました(笑)。
 昼間は大学に行って、夕方の6時から日本時間で仕事をしていました。大学ではオンライン精算の仕組みを考えたりしていましたが、同じプロジェクトにラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン(共にGoogleの創業者)もいたんです。仕事は海外ソフトのローカライズやカスタマイズなどです。
赤松洋介さん
赤松洋介さん
帰国後は、しばらくしてサイボウズに転職するんですね。
転職先を探していた同僚が「面白い会社を見つけた」っていうんです。それがサイボウズだったのですが、当時は正社員が10人くらいのベンチャー企業でした。迷った時期もありますが決心して転職したら、なぜか東京に行くことになりまして(笑)。
 サイボウズではポータルサイトの開発などから入って、後に「サイボウズ AG」や「サイボウズ Office 6」のプロダクトマネージャーを務めました。ただ、仕事は面白くてもマネージャーという立場が続いたので、自分の手で何かを作りたくなってきました。RSSが出てきた2003年後半くらいですね。
 そんなときに百式の田口さんのイベント「忘年会議」に参加したんです。若い人が次々と自分の作品を紹介していく姿にショックを受けて、この場で発表できるようなものを開発したいと思いました。
そうして生まれたのが「MyRSS.jp」ですね。
平日は夜の11時30分〜1時30分、金曜日は徹夜と開発時間と決め、2〜3カ月かかりました。2004年1月に一般公開したのですが、全然反応がなくて泣かず飛ばず。おいおいと思いました(笑)。
でも、次の「フィードメーター」が大ヒットします。
個人ブログの人気がわかったら面白いなという発想で、1週間ほどで作りました。いつもそうなのですが、発想の基は「あったらいいな」なんです。今度は評判がよくて3日で100万アクセスがあり、レンタルサーバを追い出されました(笑)。
赤松洋介さん
田口さんとは「開発合宿」もされているようですね。
以前は毎月のように行っていましたが、今年はまだ1回かな。仲間が集まって2泊3日で開発するもので、まあ、はてなさんの合宿をまねたわけです(笑)。わざわざはてなさんと同じ民宿に泊まったりして。
 覚えているのは、合宿初日はぜいたくしようと、皆で1000円のカレーを食べていたときのことです。宿のおばちゃんが、「はてなさんは皆さんカップラーメンでしたよ。かわいそうになってゴハンをあげましたけど」と言われて、やっぱり違うのかと(笑)。
ラジコン好きの原点は「山中越え」にあり?
ここ(会社の中)にもたくさんありますが、Zゲージやラジコンがお好きなんですか?
小さいころは誰でもNゲージやラジコンやプラモデルに夢中になるじゃないですか。ちょっとしたブームがあったり、価格も安くなってきましたので、クルマにヘリにボートにと何でもやります。公園の池にボートを浮かべると、最後は藻がからまって止まっちゃうんですよね。
  サイボウズの時代には、夜に電気を消してライトのつくクルマを走らせていたら、同僚が入ってきてしまったんですよ。そしたら「赤松さん、何やってるの? 何か悩みがあるんですか?」と心配されてしまった(笑)。
この小さい汽車は精巧なものですね。
今はなきメルクリンのZゲージです。ちょっと走らせてみましょうか……(と操作する)。こちらのクルマはよくあるタイヨーのもので、ヘリはヒロボーです。今はヘリを動かしているときが楽しいですね。部屋の中で飛ばすんですけど。
 昔から改造するのも好きで、モーターを変えるなどは普通でした。クルマも運転するので、車体のいろんな部分を改造していたんですよ。
赤松洋介さん
クルマは大学時代からですか?
18歳で免許を取って、「山中越え」(京都府京都市から滋賀県大津市までの京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線)ですね。チューニングしたマシンに乗って、仲間と無線で話しながら、スピードを楽しむわけです。そういう道ですから。
 当時はセリカGT4に乗っていまして、この写真(メインカットの下)がそうです。トンネルの中でスピンして壁に激突して、車体の4分の1が破損したのですが、珍しいことではないんですよ。
赤松さんの友人のクルマ。本人は無事で、赤松さんは「よくあること」と語るが……
赤松さんの友人のクルマ。本人は無事で、赤松さんは「よくあること」と語るが……
はい?
クラッシュはよくあることで、ドライバーは意外に大丈夫なんです。その後はインテグラタイプRに乗り換えて、これを手放してスタンフォードに行ったんです。
 今はもう昔のようには乗らないですね。嫁さんとドライブしていて、マフラーをいじってあるので(うるさくて)会話ができないことがあったんですけど、怒られて外しましたし。
今はどんなクルマに乗っているんですか?
レガシィのGTですね。280馬力出ます。
プロとしてお金を稼ぐことも社会貢献のひとつ
2005年にサイドフィードを設立されていますが、起業なさったのはなぜです?
実家が自営業で以前から会社を作りたいと思っていたのと、フィードメーターへの反応の大きさです。多くの企業がネットの広告費にかなりのお金を使っているのに、個人向けツールに3日で100万アクセスもあった。純粋に面白いなと感じました。そんなときにサイボウズの創業メンバーである高須賀社長が退任され、いいタイミングではないかと感じたんです。
  今、弊社では個人向けツールも開発していますが、個人ブロガーのネットワークを使った法人向けの製品プロモーションを始めました。代理店への丸投げではなく、企業さんが独自に動ける低コストのネット広告を考えています。
 ただ、これまでの経験から、世界で勝負できるようなWebサービスは日本からは出てこない気がします。もちろん、国内の内需を満たすビジネスはありますが、世界に通じるとなると……。ただ英語化すればよいという話ではありませんし。
赤松洋介さん
なぜそう感じるのですか?
外に目を向ける企業が少ないですし、サラリーマン志向が強くてベンチャーを育む土壌があまりない。そもそも、ITの中心はどこかを考える必要もあります。日本は極東ですよ。米国時代に感じて寂しかったことは、誰も日本のIT企業に興味などないということです。
  日本人のお金に対する意識も疑問です。社会の歯車として給与をもらうのではなく、本当の意味でお金を稼いでいる人は少数派だと思います。お金を払ってもらえる価値を提供して、初めて報酬を得られるのだと思いますが、そうしたプロ意識をもつ人は少ないですよね。プロが少ないと日本が沈没してしまう(笑)。
 私ももちろん世界に出て行きたいのですが、まだまだ結果を出せていません。アイデアはあってもビジネスモデルに結びつかず、最近はフラストレーションがたまっているんです。
最後の質問ですが、赤松さんにとってのプログラミングとは?
ひとりでできる社会貢献です。プログラムによって世の中の人を動かすことができ、それが社会の貢献へとつながる。私は、先のようにきちんとお金を稼げることも、ひとつの社会貢献だと思っているんです。
赤松洋介さん 赤松洋介さん(?歳)
1970年代生まれ。京都大学工学部工学研究科修士課程修了後、株式会社オージス総研に入社。1996年からの1年間は米スタンフォード大学の研究員となる。サイボウズ株式会社に転職後、「サイボウズ Office 6」のプロダクトマネージャーなどを務める。在職中からRSS未対応のWebサイトをRSS化する「MyRSS.jp」や、ブログの更新頻度と人気を測定するブログパーツ「フィードメーター」を開発して公開。後者は3日で100万アクセスを突破する。2005年にサイドフィード株式会社を設立し、「あとで読む」や企業向け製品「RSSフィード.cc」などを発表。同社の代表取締役を務める。
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
以前にも何度かコメントしていますが、私は元気なベンチャーが好きです。赤松さんの言うように、日本のベンチャーはあまり恵まれていません。社会風土としても、資金調達という意味でも。応援したいと考えても結局は冒険しませんし、寄らば大樹で大手を支持したりして。それでも、ガンバレ、プログラめ!!

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明日に向かってプログラめ!!

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