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柳澤大輔@カヤック、平川克美@リナックスカフェ…3人が推薦 転職に迷ったら読む!エンジニアに勧めたい20冊
転職活動期間というものは、人生の中で特別なひととき。自らの将来や、働く意味・やりがいなどを時間をかけて振り返る、絶好のチャンスなのだ。たまには技術書以外の本を手にとり、これから進むべき道について、じっくり考えてみてはいかがだろうか。
(文/白谷輝英 総研スタッフ/根村かやの)作成日:08.10.23
転職を考えたとき、どんな本を何のために読むか?
 転職という大きなターニングポイントで読む本は、その後の人生を大きく左右するほどの影響力をもちうるものだ。そこで今回は、読書に関して一家言を持つ3人の方に、転職を考え始めたエンジニアにお勧めの本を挙げてもらった。
3人の視点は、それぞれ異なっている。リナックスカフェの平川氏は「仕事の意味」。エニグモの安藤氏は「志」。そして、カヤックの柳澤氏は「自由」という切り口で5冊を選んでくれた。それぞれの推薦コメントを読んでいくと、3人の方がどのようなことを考えて働いているかが垣間見えるだろう。
世界には、たくさんの本があふれている。3人の勧める本のリストを手掛かりに、良い本との出合いを求めてみよう。そうすれば、「より良い転職」に近づけるはずだ。

※価格はすべて税込みです。
柳澤大輔氏@カヤックの「考え方を自由にする5冊」
既成概念から自由になることが大切だ
 縁を大切にするのが僕のポリシー。ですから、人から勧められたり、打ち合わせなどで話題に上ったりした本は「縁があって僕の前に現れたのだから」と必ず読み、感想も書いて送るようにしています。恐らく、1カ月に30〜40冊くらいは読んでいますね。
  今回挙げた5冊は、「考え方を自由にする」という観点で選びました。エンジニアの中には、プログラミングなど好きなことに打ち込みたい、マネジメントなどしたくないという考え方の人もいます。でも、複数の部下に仕事を任せれば、自分1人の場合より大きなプロジェクトを手掛けられるし、部下も鍛えられる。そうやって発想を切り替え、自らの思い込みから自由になることは、エンジニアにとってとても大切だと思いますね。

柳澤大輔氏
柳澤大輔氏
(株)カヤック代表取締役
1974年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、ソニーミュージックエンタテインメントに入社。1998年、大学の同級生だった貝畑政徳氏、久場智喜氏と共に、Webサービスの企画・制作などを手掛ける「面白法人カヤック」を設立。
この「社則」、効果あり。
この「社則」、効果あり。
柳澤大輔/祥伝社新書/2008/¥798
◆社則が面白い企業は
  中身も面白い

  カヤックが運営していた「総務の森」の連載記事をまとめた書籍。「経営者という立場からすれば、『会社』という枠を取っ払って自由に考えたほうが、面白くてとがった企業がつくれる。また、働く人の立場からすれば、入社前に社則を知り、その背後にある考え方に共感できれば、自分に合った会社が選べると思います」。

Tech総研が読んでみました
失恋したら休暇が取れる、デート費用を会社に請求できる、仕事をする際には本名ではなく「ビジネスネーム」を使うなど、企業の面白ルールと、その背後にある考え方を紹介。制度がユニークな会社は、事業内容もそこに集まる人材もユニークだということがわかる。
自由になるのは大変なのだ:インプロ・マニュアル
自由になるのは大変なのだ:インプロ・マニュアル
今井純/論創社/2005/¥2,100
◆自由に生きる方法を
  学べた本

  インプロ(インプロビゼーション)とは、即興芝居のこと。その場で与えられたテーマに沿って、芝居をする方法が書かれた本。「人が自らに対して壁を作り、可能性を押し込めていることがわかりました。また、演劇というものは他者と協力しながら作らなければならないもの。組織の創造性と個人の自由度を同時に上げるノウハウも役立ったと思います」。
回想の野口晴哉:朴歯の下駄
回想の野口晴哉:朴歯の下駄
野口昭子/ちくま文庫/2006/¥714
◆病気を受け入れることを
  学んだ

  著者は「野口整体」の創始者である野口晴哉氏の妻で、整体の普及に力を尽くした人物。「仕事でストレスを感じると、体も変調をきたすことは多い。でも、この本を読んで病気を受け入れることを学んで以来、風邪をひかなくなりました。この『感謝し、受け入れる』という思考法は、育児などほかの分野にも応用がききますよ」。

生きて行く私
生きて行く私
宇野千代/角川文庫/1996/¥620
◆自由に生きる姿に
  元気づけられる

  小説家、デザイナーなどとしての活躍はもちろん、数多くの恋愛遍歴でも知られる宇野千代氏のエッセイ。「生き方、考え方が自由。非常に苦しい状況であっても、自らを客観的にとらえ、陽気に生きる姿が印象的です。また、自らを愛することの大切さも書かれていて、元気づけられます。こういう自由な女性がどんどん増えてほしい」。
夜と霧:ドイツ強制収容所の体験記録
夜と霧:ドイツ強制収容所の体験記録
V.E.フランクル/霜山徳爾訳/みすず書房/1985/¥1,890
◆「生かされている意味」が
  わかる本

  アウシュビッツに収容されたユダヤ人心理学者がつづった体験談。「中学時代に読んだときはただ怖いとしか思えなかったんですが、今読むと印象が違います。著者が生きて収容所を出られたのは、この本を書く使命があったから。そう考えると、僕らが『生かされている』ことにも、何らかの使命があるのだろうと思えるんです」。
平川克美氏@リナックスカフェの「働く意味を再認識する5冊」
仕事は高度なコミュニケーション行為である
 何らかの利益を得るために本を読む習慣はないので、ビジネス書のたぐいを読むことは皆無です。そういう読書は人にも勧めたくありません。即効性だけを求める本は、僕に言わせれば「役立たず」。エンジニアに限らず、知的欲望を満足させる思想書や哲学書、小説などを読むべきですね。
  転職活動期間は、ものごとをじっくり考えやすい時期。特に、働くことが自分にとってどんな意味を持つのか再認識する絶好のチャンスです。そこで私は、「働くこと」とは何かきちんと書かれている本を選んでみました。仕事とは、成果と報酬を等価交換するだけの行為ではない。高度な文化的コミュニケーションなのだとわかると、エンジニアの仕事はもっと面白くなると思いますよ。

平川克美氏
平川克美氏
(株)リナックスカフェ
代表取締役社長

1950年生まれ。77年、翻訳、出版などを手掛ける(株)アーバントランスレーション(現 レピック・グローバル)を設立。2001年、Webマーケティングやシステム開発を行うリナックスカフェを設立した。企業支援事業などにも携わっている。
羽田浦地図
羽田浦地図
小関智弘/現代書館/2003/¥1,785
◆職人の生き方を
  描いた小説

  著者の小関智弘氏は、作家として売れた後も旋盤工を続けていた人物。「蒲田・大森といった工業地帯で、職人として働く人々の姿を描いています。お金儲けなどとは全く無縁。しかし、『お天道様が見ている』という発想で、自らのやるべき仕事をきちんと果たしている職人の姿は素晴らしい。これは、本当にいい本ですよ」。

Tech総研が読んでみました
4編の短編小説を収録。表題作は、戦中から1970年代にかけての羽田近くの工場地帯が舞台。薄汚れた街にしがみつくように生きる人々の姿と、運命を淡々と受け入れる一方で妻や地域に小さな愛を注ぐ、主人公の温かな視点が印象的。
忘れられた日本人
忘れられた日本人
宮本常一/岩波文庫/1984/¥735
◆貧しくとも正しく生きる大切さ
  日本の辺境を綿密にフィールドワークして書かれた、民俗学の名著。「日本人がどういう常識や倫理観をもっているのか、よくわかる本です。日本というのはもともと貧乏な国。でも、貧しい中でもきちんと生きる人々のことが、しっかり書かれている。この本を読んで、人生をどう生きるか考えるきっかけにしてほしいですね」。

ダンス・ダンス・ダンス(上)(下)
ダンス・ダンス・ダンス
(上)(下)

村上春樹/講談社文庫/2004/各¥680
◆現代文明の在り方を
  痛烈に批判

『風の歌を聴け』から始まる「村上三部作」の続編。「この10年ほどで、日本には『人間的なものを差し出す代わりに、見合った報酬を金銭で得るのが当然』という考え方が充満しました。そうした労働観に対するアンチテーゼのような作品。『山を崩して家を建て』るようなやり方以外にも、働き方はたくさんあることがわかります」。
下流志向:学ばない子どもたち働かない若者たち
下流志向:学ばない子どもたち働かない若者たち
内田樹/講談社/2007/¥1,470
◆若者が働かない理由とは
  何か

  今の子供たちが学ばなくなり、多くのニートやフリーターが生まれてしまった理由を、理論的に解き明かした本。「これは、僕が主催して開いたセミナーで内田さんが講演した内容をまとめたもの。教育や労働を避けることで『下流』に落ちる若者を通じて、何のために働くのか見つける契機になるのではと思います」。
ビジネスに「戦略」なんていらない
ビジネスに「戦略」なんていらない
平川克美/洋泉社新書/2008/¥819
◆仕事の現場の現状を
  解き明かす

  最後は、平川氏自身の著書。「今、仕事の現場で現れている人間関係、給与、モチベーション、組織、戦略といったものを原理的に考察しました。働くということは、成果と報酬だけを等価交換しているのではなく、『誠意』や『信頼』といった目に見えないものも交換しているということがおわかりいただけると思います」。
安藤英男氏@エニグモの「仕事への『志』を高める5冊」
志をもつ人の周りには、志をもつ人が集まる
 月に読む本は4〜5冊くらい。書店に足を運んで、気になった本を読むというケースが多いです。ビジネス系の本を読むことが多いのですが、サーフィンや茶道など、趣味に関する本も読みます。
「志」をもって仕事に取り組み、それを高めていくことはとても大切だと思います。志があれば、困難にぶつかってもそれを打ち破るパワーが自ずから湧き出ますし、軸がぶれないから問題を解決する方法も見つけやすい。また、強い志をもっている人の周りには、志をもった人が集まってくるとも感じます。僕は、良い本に出合うことで仕事への志を新たにし、挑戦意識が高まることが多い。ですからエンジニアの皆さんにも、志を高めるための読書をお勧めしたいですね。

安藤英男氏
安藤英男氏
(株)エニグモ
取締役・最高製作責任者

1974年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業後、電通国際情報サービスに入社。2004年、「BuyMa」「プレスブログ」「filmo」など独自のインターネットサービスを展開するエニグモに参加し、情報・IT戦略全般の立案・指揮を担当。
言志四録:現代語抄訳
言志四録:現代語抄訳
佐藤一斎/岬竜一郎編訳/PHP研究所/2005/¥1,260
◆人生の節目で何度も
  読み直す本

  儒学者・佐藤一斎(1772-1859)の著作『言志四録』を現代語訳した本。「侍の時代から伝わる人生指南書ですが、現代でもなお、十分に通じる本。私たちは『世界初のサービス』を生み出す企業。それだけに壁にぶつかることも多々ありますが、そんなときにはこの本を読みます。これからも、人生の節目節目で読み返す、一生付き合う本ですね」。

Tech総研が読んでみました
佐久間象山、渡辺崋山などそうそうたる人材を育てた佐藤一斎の語録。「七つ誉めて、三つ叱る」「人を見るときは長所を見よ」「謙譲の精神は大切だ。しかし、志だけは師や古人に対しても遠慮することはない」など、仕事にも役立てられそうな金言が満載だ。
謎の会社、世界を変える。:エニグモの挑戦
謎の会社、世界を変える。:エニグモの挑戦
須田将啓、田中禎人/ミシマ社/2008/¥1,680
◆人を大切にする理由とは
  エニグモの創業者である須田氏と田中氏が、多くの人に助けられながら事業を立ち上げる過程を赤裸々に描いた本。「われわれは、世界初のビジネスをつくる『創造性』にもこだわっていますが、それ以上に『誰と働くか』という点を大切にしている。この本をご覧いただければ、当社がなぜ人を大事にするのかおわかりいただけると思います」。
生き方:人間として一番大切なこと
生き方:人間として一番大切なこと
稲盛和夫/サンマーク出版/2004/¥1,785

◆世界を変えるには、
  まず思うこと

  京セラやKDDIを設立した経営者・稲盛和夫氏の著書。「われわれの目標は新ビジネスで世界をさらに良いものに変えることです。そのためには、まずは強く思い続けることが大切。また、人間として正しく生きることの重要性などが述べられています。共感、というと非常におこがましいですが(笑)、とても納得できる本ですね」。

世界を変えるお金の使い方
世界を変えるお金の使い方
山本良一責任編集/Think the Earthプロジェクト編集/ダイヤモンド社/2004/¥1,260
◆お金の良い使い方を知る本
  100円で何人の子どもに予防接種ができるかなど、社会問題を解決するのに必要な金額を示している。「お金は、使う人によってその価値が大きく変わります。また、仕事をする上で必ずかかわる要素。エンジニアにとって、お金との上手な付き合い方を知ったり、自らが手掛けた仕事がどれだけの価値を生むのかという視点をもったりすることは大切です」。
遺し書き
遺し書き
仲代達矢/主婦と生活社/2001/¥1,680
◆「今」を全力で楽しむ大切さ
  俳優の仲代達矢氏が、奥様をがんで亡くしたのをきっかけに書いた本。「人生の瞬間瞬間を、大切な人たちと全力で楽しむことが大切だと痛感させられた1冊。おかげさまで今はとても忙しいのですが、それは会社のメンバーやお客さま、そして家族などの支えがあるから。皆さんへの感謝を常に思いつつ、『今』を大切に生きたいですね」。

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根村かやの(総研スタッフ)からのメッセージ 根村かやの(総研スタッフ)からのメッセージ
今回はテーマを「転職」に限定したので、似たような本ばかりになるのではと多少心配していました。が、結果的には恒例の「5冊本」企画と同様に幅の広い20冊となっています。同じテーマで「総研スタッフの5冊」を選べばまたまったく違いますし……。あなたの「転職についての5冊」も教えてください。

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