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ポータルサイトで初!ユーザーに合わせた適切なコンテンツを発信 次世代msn.を開発せよ!マイクロソフトの採用戦略 マイクロソフト
マイクロソフトが着々と技術の地固めを行い、ポータルサイトを使った新規のコンシューマーサービスを計画していた。「次世代msn.」とも呼ぶべきもので、基盤技術の開発は米国などで行うが、その上に乗せるコンテンツやサービスの開発は日本で独自に行う。ポータルサイトを変える仕掛けが自分の手でできる。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ 撮影/関本陽介)作成日:08.10.22
Part1 ユーザーの嗜好性に合わせて情報を配信する「次世代msn.」
 この7月にオンラインサービス事業部から生まれ変わったコンシューマー&オンライン事業部。その目的は、よりコンシューマーに特化した各種サービスを作り出すため。そしてその延長線上には、ビヘイビア・ターゲティング機能を備えたポータルサイト初の「次世代msn.」が見えてくる。
法廷ライブ、マガジンサーチ……ここにしかない情報が強み
 全世界に約4500万人のユーザーをもつ巨大な総合ポータルサイト「msn.」。基盤となるテクノロジーが世界共通であるのに対して、コンシューマー向けサービスにはローカル(国別)の豊かさが何より求められる。MSN Japanであれば日本人ユーザーがどんなサービスを求め、何を使いたがっているのか。それを満たすコンテンツの開発は国ごとで大きな差異があるのだ。
「MSN Japanのコンテンツは、毎日更新のニュースなど速報性の高い『デイリー』、住宅、自動車、就職といった生活情報の『クラシファイド』、映画、音楽、ゲームなどの『エンターテイメント』、グルメ、ファッション、ショッピングなど雑誌の内容に近い『ライフスタイル』の4分野に大きく分かれます。共通した特徴は『ここにしかない情報』の配信です」

 2つを紹介すれば、ひとつは産経新聞との協力による「法廷ライブ」。カメラやマイクの持ち込めない裁判所で傍聴した内容を、記者がテキストで「生中継」する人気コンテンツだ。もうひとつはマガジンハウスとの協力による「マガジンサーチ」。Tarzan、Hanako、クロワッサンという人気3誌のすべての掲載記事を誌面と同じレイアウトで表示、検索機能や付せん機能も備えている。今後はBRUTUS、Casa BRUTUS、Hanako WESTが加わる予定で、ほかの出版社とも交渉中。こうした独自のコンテンツがmsn.の強みなのだ。
「この2年間はローカルなコンテンツの充実に注力してきましたが、今後は2010年をめどに、ビヘイビア・ターゲティングをコンテンツに使った『次世代msn.』を完成させる予定です」
儲 俊祥さん
儲 俊祥さん
コンシューマー&オンライン事業部
MSNメディアネットワーク
エグゼクティブプロデューサー
日本ではローカル向けのレイヤーで「次世代msn.」を開発
儲俊祥さん
 ビヘイビア・ターゲティングとは、アクセスユーザーが過去に閲覧したページや検索したキーワードなどの行動履歴を自動解析し、その嗜好性に合った情報を配信する手法のこと。広告やショッピングのWebサイトでは既に使われているが、ポータルサイトでは初の試みだろうと儲さんは語る。詳細はまだ明らかにできないが、ユーザーの嗜好を読み取ったmsn.がそれぞれのユーザーに向けて、例えばエンターテイメント、経済、生活全般などのきめ細やかなコンテンツを推薦することになりそうだ。
「サーチエンジンとポータルサイトの中間に位置するものだと考えます。自分で設定できるMy MSNなどの機能は、残念ながら数週間後に使われなくなることが多いんですね。なぜなら新しい発見がないから。興味はあってもそれが何だか気付かない、そんな情報をmsn.から提供したいと思います」
 従来のオンライン向けサービスからコンシューマー向けサービスを充実させるため、全社を挙げての活動は今年に入り活発化。昨年には米広告配信企業のアクアンティブを買収するなど、全社的な技術力の向上も着々と進めてきた。
 そして今、「次世代msn.」の実現に向けて米国本社ではサーチ機能など基礎的な技術開発を進め、日本のコンシューマー&オンライン事業部ではその上のレイヤーでローカル向けの新規開発を続けている。独自のサーチエンジンと強力なポータルをもつ同社ならではの新サービスだ。
「まずはβ版をテストカントリーで始め、修正しながら精度を上げて、日本や米国で展開したいと思っています。そのためにも日本のエンジニアの協力が必要です。スピード感をもち、変化を楽しめる人にぜひ来てほしいですね」
リニューアルが続くMSN JAPANのコンテンツ
Part2 msn.とユーザーを技術でつなげるプログラムマネージャー
 製品・サービスの提案からデザイン、開発を経てテスト工程までをマネジメントするプログラムマネージャー。例えば、msn.の「知る」の中には「ニュース」「スポーツ」「マネー」……など複数のチャンネルがあるが、それらの運用や新規開発を支えるのが彼らの仕事だ。今年4月に転職した佐藤さんを例にその業務を見てみよう。
米国から帰国後、パッケージ開発職からの転身
 米国の大学で情報システムを学んだ佐藤さん。卒業後はバージニアにあるWebアプリのコンサルティング企業に入社し、カスタマー系Webアプリの開発を担当する。その後、会議用登録システムやEコマースサイト、大規模アンケートシステムなどのパッケージソフト開発に携わるが、約3年後にパッケージソフト開発企業が会社を買収。以降4年にわたって同様にパッケージソフト開発を続けた。開発拠点はテキサスに移ったが、バージニアからリモートで開発に参加していたという。
 その後、個人的な事情から日本に帰国し、半年ほどは日本からリモート開発をしていたが、2008年4月にマイクロソフトに入社。サービスを提供する企業で、プロジェクト全体を見る仕事に就きたいと考え、開発プログラマからmsn.のプログラムマネージャーへと転身した。

「スポーツ、デジタルライフ、ビューティスタイル、占いの4つのチャンネルの、運用保守と新規開発を担当しています。自分のグループや別グループから依頼された開発やテストをITベンダーさんにお願いして、スケジュールやコストなどのマネジメントをするのが業務です。社内の開発やテストのチームから、いろいろなアドバイスをもらえるのが心強いですね」
 パッケージソフト開発はひとつのプロジェクトが1年ほど継続していたのに対して、現在はいくつもの案件が同時に進行し、数週間後には形になっていく。そこがいちばん楽しいと語るが、以前の会社で開発メンバーのマネジメントはしていても社外の人とは今回が初めて。「周りの人たちに聞きまくっている状態」なので自律的に動けるようになりたいという。
佐藤永理さん
佐藤永理さん
MSNメディアネットワーク開発統括部
プログラムマネージャー
スポーツ/ニュースのWebアプリを新規開発中
佐藤永理さん
 彼女の仕事の一例を挙げれば、スポーツニュースのWebアプリ開発がある。契約しているパートナー企業からのニュース記事を取り込んでmsn.に表示させるもので、より確実に、伝わりやすく表示させるために、新バージョンを開発中だ。
「スポーツ以外のチャンネルにも応用できるので、使ってもらえるような拡張性を考えています。ただ、そうすると現状の要素だけでは見えない部分も出てきますし、汎用性をもたせすぎると本来のスポーツで使いにくくなります。ニュースは毎日更新なので気が抜けないうえに、今はちょっと大変ですね(笑)」

 彼女たちのグループではいくつかのモジュールも開発しているが、今までにないよいものができれば、海外のmsn.でも展開していきたいと話し合っている。例えば日本では、携帯電話の機能が多様で、サイト内の「クチコミ」が一般的という特徴がある。こうした独自モジュールを米国本社に「輸出する」というアイデアだ。
 入社して半年になる佐藤さんにマイクロソフトの感想を尋ねると、「自分で何かを始めたい方には向いている会社だと思う」とのこと。
「こんなプロジェクトがあるけどやってみる? 誰かアイデアのある人いる? こんな提案が気さくにできて、周りが普通にこたえるような職場です。自分で意思表示すれば輪の中に入って行けます。私も『自分でいいな』と思うことを、サービスとしてどんどん実現したいです」
佐藤さんが担当しているmsn.のチャンネル
▲msn.のスポーツ ▲msn.のビューティスタイル ▲msn.のデジタルライフ
Part3 愛情をもって育ててほしい大企業の中のベンチャー部署
 コンシューマー&オンライン事業部などmsn.が求めるエンジニアの職種は多岐に渡っている。Part2のようなB to C型のほかにB to B to C型のプログラムマネージャーもおり、開発職やテスティング職もある。共通して求められるのは積極的な挑戦姿勢と、製品やサービスへの愛情だ。
開発、テスト、プロダクトマネジャーなど多様な技術職
 Part1の儲氏さんはmsn.というポータルサービスの責任者。より現場に近い技術職では、msn.、Windows Live、Windows Mobile、Hotmailなどの単位でプロダクトマネジャーがいる。世界共通のサーチエンジンやHotmailなどの機能を使って日本版ローカルにフィットしたポータルを作るリーダーで、製品開発側とやりとりするのでマーケティングに加えて技術的な知識が必須となる。このためにエンジニア出身がほとんどであり、新しいビジネスモデルを考えるなども業務の一部になる。
「ほかには『ソフトウェア ディベロップメント エンジニア』というWebの開発職があります。通常この職種は調布技術センターに勤務しますが、msn.やWindows Liveなどの開発者はビジネスサイドとの交渉も多いので赤坂ガーデンシティにいます。C、C#、C++、Javaなど開発言語の知識とWebアプリケーションの開発経験が必要で、マネジメント的な仕事もありますが開発がメインです。同様にテスティングを行う技術職もあります」

 一方で、プロジェクトマネジメント職となるのがプログラムマネージャーだ。一般的な意味でのプロジェクトマネジャーと同様に、人材(主に社外)、スケジュール、コストを管理する仕事で、msn.やWindows Liveのコンテンツを支える中心的な職種だ。マーケティング担当者などと協力しながら製品やサービスの内容を決め、開発をスタートさせて進行を管理し、テスティングの進行管理まで責任をもつ。
大渡郁佳さん
大渡郁佳さん
リクルーター
「多いのは佐藤(Part2)のようなB to C型ですが、パートナー企業を通して間接的にサービスを提供する、B to B to C型のプログラムマネージャーもいます。例を挙げれば、NTTコミュニケーションズさんの『Windows Live Call by ドットフォン』です。Windows Live Messenger 2008からIP電話がかけられるサービスで、パートナー企業経由でMessengerのユーザーを増やしていく形になります」
msn.を変えるエンジニアなら業界の流れも変えられる
「次世代msn.」開発や新コンテンツ作成も担当するエンジニアには、どのような人材が求められているのか。大渡さんに聞くと「チャレンジャー」という言葉が返ってきた。
「大手企業は動きが鈍い、新しいことができないというイメージをもつ人がいるかもしれませんが、コンシューマー&オンライン事業部はベンチャー企業と同じです。シェアの高いパッケージソフト分野と比べて、msn.などコンシューマー向けサービスはチャレンジャーの立場です。愛情をもって新しい製品やサービスを育てていける人がいいですね」
 ユーザーに使ってもらうためには何が必要か、今のmsn.には何が足りないか。解決するアイデアを出せる人材が入社すれば、業界の大きな流れさえ変えられるという。そのためには上の決めたことを従うだけでなく、思ったことがあれば自分から発信する。同社では上司がメンバーの意見にダメを出すことはなく、その企業文化には自信があると大渡さんは語る。
「ただ、英語力は必須な場合が多いです。開発の主体は米国など海外であり、これらチームとの交渉や情報共有は日常的です。読み書き以上に、テレビ会議で意見交換ができる程度のビジネス英語力が必要です」
 マイクロソフトの年間の中途採用人数は約350人。開発、マネジメント、コンサルタント、プリセールス、サポートなどの技術職は約200人〜250人を予定しているという。ポータルサイトを変える「次世代msn.」にチャレンジするエンジニアなら大歓迎だ。
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
今回の取材は事前にテーマを聞かずに伺ったのですが、出てきたのは何と「次世代msn.」。具体的なことは聞けませんでしたが、実はなかなか話してくれなかった内容なんです。言い方は別にして、「やるなあ」と思いませんか? 人間のアイデアもそれを支える技術の進歩も止まらない。この2つがあれば景気後退を押し戻すこともできます!

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