エンジニア熱望！コラボしてほしい企業ベスト５＋３０

ソニー×アップル＝？　積水ハウス×マイクロソフト＝？etc．エンジニア熱望！コラボしてほしい企業ベスト5＋30

「あの企業同士がタッグを組んで○○を出してほしい！」――誰もが一度は想像したことがある夢のコラボレーション。今回、エンジニア300人の声から飛び出た“ユニークコラボ”の数々を一挙、紹介しよう。

（総研スタッフ／山田モーキン　イラスト／八重樫王明）作成日：08.10.08

まず本題に入る前に、過去にコラボレーションした企業が生み出した製品で、印象に残っているものをエンジニア300人に聞いてみた。その結果、上位にランキングされたのがご覧のとおり。1位の「WiLL」は、正確には各企業がコラボレーションしたわけではなく「WiLL」というオレンジ色のロゴのもと、共通の主張・コンセプトをもとに各社が製品を開発・販売展開した共同プロジェクトである。「コラボの先駆けとなったことが印象的」（38歳・パッケージ・ミドルウェア開発）「統一ブランドが新鮮かつ、斬新なデザインにインパクトがあった」（29歳・システム開発Webオープン系）など、多くのエンジニアにとっても「WiLL」ブランドは、強烈な印象を残したといえるだろう。またそのほか上位には、モバイル端末がすべて占める結果に。いずれも機能性＋デザイン性やブランド力といった組み合わせが多い。

続いて今回のアンケート調査の最大の目的である、エンジニアが望む企業の組み合わせを紹介していきたい。ベスト5の顔ぶれをみると「ソニー」「アップル」「トヨタ自動車」の3社が必ずコラボの相手先として登場している。どれもエンジニア人気企業の常連であることからも、この結果は順当といえるだろう。では詳しい中身について順を追ってみていこう。

・	iPhoneにワンセグ＆FeliCaを搭載してほしい。あとはiTunesにソニーの曲を配信（34歳・システム開発マイコンファームウェア系）
・	薄型TV音響＆映像に徹底的にこだわった携帯電話。お互いデザインセンスではトップレベルの企業。それが組み合わさったときにどんなモノが生まれるのか興味がある（28歳・通信インフラ設計）
・	PCとしての機能・拡張性と携帯性を兼ね備えた、現在のモバイルを大きく超えた製品。両方とも独創性や創造性に優れた企業だから（37歳・社内SE）

・	iPhoneとウォークマンのような小型化とWireless/IPアクセス技術（フリーロケーションなど）を生かしたユビキタスデバイス（37歳・回路システム設計）
・	iTunesで動くウォークマンを作ってほしい（30歳・半導体設計）

ウォークマン・iPodとどちらもデザイン性・機能性・音楽性に優れたモバイル端末でメジャーな製品を有していることから“つわもの同士”が生み出す、まったく新しいモバイル端末を期待する声が、最も多かった。確かに両者が生み出すモバイル端末だったら、エンジニアでなくても大きな夢や期待を抱いてしまうだろう。

・	全家電対応型の自動車（キャンピングカーのような）。自動車としての各種電気機器のトータルコーディネート製品は面白そう（38歳・研究特許）
・	全面TVの車のような変わったモノができそう（29歳・回路設計）
・	音楽性のある車（35歳・品質管理）

ソニーのデザイン性・AV機能を有し、なおかつトヨタならではのきっちりつくり込まれた車が開発されたら、車の可能性を大きく広げてくれるかもしれない。日本を代表するメーカー同士の“純国産最強コラボ”に、多くのエンジニアが期待している。

・	究極のエコカー。日本一の技術を投入できる（38歳・システム開発ファームウェア系）
・	画期的なナビゲーションシステム。両社の高い生産力と技術力で（39歳・社内SE）
・	ハイブリッドカー。高性能モーターを搭載した高効率な乗り物になりそう（27歳・制御設計）

現在、F1の分野でもタッグを組んでいる両社。お互い、技術力には定評があるだけに両社の高い技術開発力を結集させた、ハイテクカーの登場を待ち望む声が多かった。今後、ハイブリッドカーや電気自動車などの分野で、本当に両社のコラボが実現する可能性もあるかもしれない。

・	全世界共通OS。お互い補完し合えればいいものができそう（28歳・システム開発Webオープン系）
・	二大OSメーカーが作り上げる至上のOSを見てみたい！（38歳・システム開発ファームウェア系）
・	MacのデザインとWindowsの利便性を兼ね備えた新しいユーザーインターフェースOS（34歳・運用）

特にIT・ソフト系職種のエンジニアからの要望が多く、普段当たり前のように使っているOSを、より使いやすく、より楽しめるようにしてほしいと願う声がアンケートの回答からも読み取れた。

・	高画質＆高処理性能だけど家族誰でも楽しめるゲーム機。プレステの映像技術とWiiのような面白さを組み合わせてほしい（34歳・システム開発Webオープン系）
・	PSPとDSで通信できるようにしてほしい（31歳・パッケージソフト開発）
・	スペックの高い体感ゲーム機。ゲーム機を統一してほしい！（25歳・ネットワーク設計構築）

エンジニアの方もよくプレイされているであろうゲーム機の統合を望む切実な声が多かった。高機能のソニーと、ユニークかつ操作性の優れた任天堂がコラボすれば確かに、ゲームマニアから老若男女、誰もが楽しめる究極のゲーム機が誕生するかもしれない。

今すぐ現実になりそうなコラボ製品もあれば、「ホントにできたらすごいな！」と思わせる斬新なアイデアまで可能な限り紹介してみた。
そこで最後に、エンジニア自身は企業同士のコラボレーションに対してどう考えているのか、右図をご覧いただきたい。
実に9割以上のエンジニアが同業種・異業種含め「積極的にコラボレーションしていくべき」と回答している。

・	異業種間ではそれぞれ得意分野が協力することで自社開発に費やす時間・コストが減るので、いい商品が生まれそう（35歳・システム開発Webオープン系）
・	同業種でも社風が違えばモノづくりへのスタンスも違う。違うもの同士がコラボすれば、どんな化学反応が起きて、どんな商品ができるのか楽しみ（31歳・品質管理）
・	特にソフトウェアはコラボしてさまざまなハードに対応できる共通インターフェースのプラットフォームをどんどん作るべき（37歳・回路設計）

・	消費者の目が肥えているので、従来の発想で開発された商品では魅力が薄い。異業種から新たな発想を取り入れる必要がある（34歳・機械設計）
・	自動車に関する技術力の向上やアピールも大事だが、遊び心や斬新なデザイン、変わった装置などもっと面白いクルマがあっていいと思う（35歳・機械設計）

今後、日本企業がより積極的にコラボしていくかどうか、最終的には経営陣の判断に委ねられる面もあるが、少なくとも開発現場の第一線にいる多くのエンジニアは、コラボレーションによる、より魅力的な製品開発を待ち望んでいる。


	今回、併せてエンジニア300人に「もし自分の勤務する企業がコラボすることになるとしたら、理想の相手先企業はどこ？」という質問を投げてみた。IT・ソフト系エンジニア150人と、モノづくり系エンジニア150人に分けて集計したそれぞれの上位が、下の表。やはりIT系・ハード系ともに有名企業がランクインしているが、共通した意見としては「デザイン力のある製品」「グローバル規模で展開できる製品」など、自社がもつコア技術をもとに、製品としての魅力を高めたうえでグローバル展開していきたいというエンジニアの思いが、背景にあるようだ。