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上海でSaaS、ベトナムで同時開発、英語版ガルーンも進行中 行くぞ世界!サイボウズは国際進出メンバーが欲しい! サイボウズ
国内の中小企業向けグループウェア市場で、大手ソフトベンダーを抑えて初のシェアトップとなったサイボウズ。上海やベトナムへと海外展開を進める同社では、主力製品である「ガルーン」の国際版を開発中であり、今後はアジアを中心に世界マーケットへと進出する!
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ 撮影/関本陽介)作成日:08.08.27
Part1 大企業向けグループウェア「ガルーン」を世界へ
 昨年創業10周年を迎えたサイボウズの勢いが止まらない。昨年5月には中国にサイボウズ上海を設立、今年3月には愛媛県に松山オフィスを設立すると、4月には主力製品である「ガルーン2」のバージョン2.5.0の販売を開始した。その先にあるのは本格的な世界展開だ。
SaaS型グループウェアで中国進出、次は「ガルーン」でアジアへ
 サイボウズ上海が設立されて1年が過ぎ、日本語と中国語に対応したSaaS型グループウェア「サイボウズ 弁公系統」の導入は、現地の日系企業を中心に約50社に上る。サイボウズ上海の立ち上げにも参加した開発部長の佐藤学さんは、今後は中国企業への導入を進めると語る。
「中国では日本型経営がちょっとしたブームになっていて、それを弊社のサービスで実現しませんかと中国企業にアプローチするために、今後は現地の中国人営業スタッフを強化していく予定です。このSaaS型サービスは国内でも注力していますが、今年の2月につくりました大手企業様向けのMA営業部と連携して、大規模版グループウェアで国内市場の足固めをすると同時に、2009年度中には国際版ガルーンで海外市場に打って出るつもりです」
 サイボウズの世界展開はこれが初めてではない。2002年には米国子会社でグループウェアのパッケージソフト「Share360」を発売しており、現在は10カ国語に対応している。爆発的に導入が進んだわけではないが、現在でも東南アジア、ヨーロッパ、アフリカなどの企業が購入しており、各地でニーズをヒアリングしているという。

 本格的な国際版となるのが同社の主力製品である「ガルーン」の英語版だ。既に開発が進められ、UI設計部で各国に合わせたユーザーインタフェースが研究されている。国によりITの進化フェーズはかなり異なるため、各国に応じた製品を投入する考えだ。ただ、それ以外にも「お国柄」による事情は大きいという。
「中国とアメリカは似ているのですが、自分の予定をオープンにして、他人とシェアしようとしないんですね。ですから、私たちは『チームワーク』の概念も一緒に輸出して、グループウェアのよさを知ってもらおうと思っています。最初の世界市場としては、香港やマレーシアなど英語の通じる東南アジア諸国、その後に多言語化を考えています」
佐藤学さん
佐藤 学さん
開発本部 開発部長
サイボウズの和風な会議室「京都」の中で撮影
世界に向けて「自分で考えて行動できる」エンジニアを
佐藤学さん
 同社の海外展開は開発拠点にも及ぶ。主要な場所はベトナムのホーチミンで、「ガルーン2」のバージョン2.5.0(Part2参照)では要件の半分を実装・試験し、リマインダーのすべてはベトナムで開発された。佐藤さんも2カ月に一度は訪れるという。 「現地企業によるオフショア開発ですが、丸投げではなく日本とベトナムでソースサーバ、バグ管理システムを共有して、相互にレビューしながら同時に開発します。ベトナムに社員を派遣しての1年間の教育期間を経て、昨年3月から開発がスタートしました。インドでも同様の試みをテスト中で、国内には愛媛県に『松山オフィス』を3月に開設。ここには開発部に加えてサポートセンターがあり、現在は合計20人ほどですが、5年後には各50人の100人体制にする計画です。将来的には東京、松山、ベトナム、上海、インドの各拠点での同時開発による、開発サイクルの短縮を目指します」
 そのためにも多くの職種でエンジニアが必要となるが、ソフト開発職においてはC++を中心とする製品開発者、JavaScriptやAjaxなどのWeb系開発者、そして今年から採用を始めたポスドク(ポストドクター:博士後期課程出身)の開発者が中心だ。
「開発を外注していると勘違いする方もいるのですが、弊社ではほとんどの製品を自社開発しています。また、面接ではよく『何年後には自分の設計したアプリを実装できますか』と聞かれるのですが、アプリケーションごとに担当しますので入社後すぐに携わってもらいます(笑)。当然プレッシャーはあるでしょうが、弊社の優秀なエンジニアにもまれて成長できますよ」
 同社のエンジニアには、自分のやりたいことがはっきりしている人、趣味でソフトやWebサイトなどのモノづくりをしている人が多いという。「時代のビジネスに合わせた製品を自分たちで考えて作る」という同社のテーマに合致した人たちなのだろう。
「自分で考え、そして行動する。『日本発、世界へ』を意識できる。そんなエンジニアにぜひ来てほしいですね」
サイボウズのパフォーマンス成長と海外進出
Part2 国際版ガルーンの開発責任者は4年前の転職エンジニア
 今年の4月に大企業向けのグループウェア「ガルーン2」のバージョン2.5.0が発表された。各機能を大きく向上させた最新版として話題になったが、その後のバージョン2.5.1の開発責任者が田縁英治さんだ。そして9月からは、「国際版ガルーン」の開発責任者として世界市場に臨む。
社員のあいさつが決め手となったサイボウズへの転職
 田縁さんは大学院で情報科学を専攻し、主に動画や画像の解析について学んだ後、大手SI企業に入社した。その後、大手ITベンダーの開発会社に転職するが、受託開発ではなかなか得られないユーザーの声や実際の使われ方を知りたいと、2004年9月にサイボウズに入社。いきなり「ガルーン」開発のメンバーとなり、1年ほどメンテナンスも含めて担当する。
「その後はVPNを利用した『リモートサービス』の開発を、データセンターの準備を含めて担当しました。同時にグループウェアに連携するネットサービス、例えば天気予報のサイトを表示させるといった機能の全般を、フルスクラッチで作り直しました」
 そして、今年の3月には「ガルーン」に戻り、次期バージョンである2.5.1の開発責任者となる。メンバー6人のプロジェクトマネジャーであり、製品のライフサイクルを管理するプロダクトマネジャーとコンセプトや要件を話し合い、提案をし、開発工程へと落とす役割だ。こうした経緯だけでもエンジニアとしての腕前が想像されるが、そんな彼もサイボウズのエンジニアの技術力には驚いたという。

「ここまで伝えればあそこまでやってくれるという期待値がありますよね。サイボウズの人はその期待より一歩も二歩も上のレベルでモノを出してくる。以前の会社ではあまりなかったことです」
 また、他社も併願していた彼がサイボウズに入社を決めた理由は、社員の「あいさつ」だったという。面接の過程で社内見学に連れて行ってもらったとき、会う全員が普通の調子であいさつをしてくれた。この社風が入社を決定づけたのだそうだ。
田縁英治さん
田縁英治さん(35歳)
開発本部 開発部長代理
背後に映るのは同社のキャラクター「ボウズマン」
「ですから、独りで集中して仕事をしたい人は、弊社のスタイルに合わないと思います。逆に入ってきてほしいのは、チームワークと考える力のある人。言語ならCやC++ができればOK。例えば、ガルーンはPHPで開発していますが、PHPはできなくてもいい。考える力があり、設計ができればいいんです」
9月からは国際版ガルーンの開発責任者に就任
田縁英治さん
 サイボウズに転職するエンジニアの前職はさまざまで、田縁さんのように自社ソフトの開発がしたくて受託開発型の企業から転職する人もいれば、同業のパッケージソフトベンダーからサイボウズの製品に携わりたくて入社する人もいるという。後者の割合が比較的多いとのことだが、受託型のSEなら「システム全体を考えられる」というメリットがあると語る。
「それぞれに強みはありますが、いずれにせよ自分の作った製品が一般の人に使われ、ユーザーからフィードバックがあるのは気持ちがいいですね。例えば電車に乗っていて、隣の人がサイボウズの話をしていると、とてもうれしくなるんです」
 バージョン2.5.0で斬新な機能強化がなされたため、現在開発中の2.5.1では不具合の解消といった作業が中心になり、9月中の完成が予定されている。そして田縁さんは9月から、サイボウズ歴代最大規模のプロジェクトを任される予定だ。メンバー15人をまとめる、ガルーン国際化業務の開発責任者に就くのだ。
「プロジェクトの進行管理や人のアサインはもちろん、エンタープライズ向けの機能強化やアプリケーションの追加機能開発などで、ガルーン自体を強力にしていくつもりです。国際化に伴うUIの設計などもあり、仕事は山のよう。今からどうしようかと思っているんですよ(笑)」
 しかし、国際化業務を前に気負いはない。なぜなら、今後のやりたいことを尋ねると、エンジニアとしてあまりに真っ当な返事が返ってきたからだ。
「ガルーンの新しい機能や連携して動くソフトを考えているので、いつかはこれらを実現させたいです。それと、最近では仕事がマネジャー寄りになってきたことがちょっと不満。現場のエンジニアとして、がっつり製品開発に取り組みたいです」
ガルーン2 バージョン2.5.0とは
ガルーン2のポータル画面 ワークフローの申請画面
▲ガルーン2のポータル画面 ▲ワークフローの申請画面
 グループウェア「ガルーン2」の最新バージョン。多彩な機能が追加されたが、主なポイントとなるのは3つ。ひとつは拡張性の強化で、Webサーバーだけでなくデータベースサーバーの分割構成にも対応して1万人超の同時利用が可能となった。また、複数のアプリケーションから横断的な検索ができるようになり、その対象はファイルだけでなくメールや掲示板の本文や添付ファイルなども含まれる。そして、ブラウザを起動していなくても、通知情報やスケジュールの開始時間をポップアップで知らせるリマインダー機能が付いた。近年にない大幅なバージョンアップである。
技術志向と社風が人気のサイボウズに転職するポイント
 サイボウズには優秀なエンジニアが集まることで有名だが、人事面でも開発職と管理職のキャリア選択制度や、最近始めたポスドク専門応募など話題が多い。「部活動」も盛んで、他社と交流戦のある「ニンテンドーDS部」や、人事部の中澤智香さんも所属する「そうじ部」などがある。
キャリア選択性から「部活動」までユニークな社内制度
 一般的なソフトエンジニアのキャリアステップは、プログラマとして実装し、SEとして顧客と折衝し、PMなどのマネジャー職になるというものだろう。しかし、サイボウズにこの考え方はない。エンジニアが「開発職」か「管理職」に進むかを自分で選択できるからだ。ちなみにPart1の佐藤さんは管理職で、Part2の田縁さんは開発職である。
「ソフトエンジニアには『35歳限界説』があり、年齢を重ねると管理職になるという不文律があるようですが、弊社では50歳や60歳のプログラマがいても当然と考えます。開発志向なら無理にマネジャーになる必要はありませんし、管理職に向いていると思えば若くてもそちらに進めます」
 こうした働きやすい環境を用意するのが人事の仕事だと中澤さんは語る。ほかにも新卒入社なら4カ月、転職者なら2カ月程度の研修期間や、ユニークな「部活動」もある。2つ以上の部署から5人以上のメンバーがそろえば、どんな部活でも設立可能。半年に3回以上の活動実績と、その内容を社内のブログにアップするのが条件で、半年でひとり5000円の補助金が出る。かけもちもOKで、8つの部に所属する人もいるそうだ。

 現在は17の部があり、野球、フットサル、テニス、バスケットボールなどから、「沖縄部」や「ニンテンドーDS部」なども。他社との交流試合では、「ニンテンドーDS部」はグーグルには「ボロ負け」し、挑戦状が送られてきたライブドアには大勝したとのこと。また、社内を清掃する「そうじ部」は、主に管理部の女性と技術職の男性の男女半々で構成されているそうだ。
「社内もそうですが、弊社ビルの周囲を皆で掃除しています。活動が遅くなる場合は、その後で飲みに行くこともありますよ。管理部門の女性が集まってつくったのですが、なぜかエンジニアの人たちがどっと入部してきました(笑)」
中澤智香さん
中澤智香さん
人事本部 人事部
「そうじ部」で使っているゴミを拾うトングと一緒に
自立、成長、伝承……人事が見る6つの視点
中澤智香さん
 エンジニアの求人職種では、Part1で佐藤さんが語った開発職のほか、UIデザイナーやサーバ・ネットワークエンジニア、品質保証エンジニアなどもある。特にテスティングだけに終わらない品質保証エンジニアはなかなか人材がいないそうだ。
 また、海外展開を前に外国人の採用にも力を入れており、カナダ人、ベトナム人が東京本社で働いている。一方の日本人のエンジニアも、上海やベトナムに出張する機会があるという。語学力があれば採用に有利にはなるが、必須条件ではなく、大切なのは自分で考えてモノがつくれること、顧客に対してこだわりがもてることだという。
 エンジニアの中途採用においては、技術面は技術職のマネジャーなどがチェックし、人事部門は6つの視点から応募者の人間性を確認する。その6つを聞いてみた。
「『自立』、『成長』、コミュニケーション力を含めた『伝承』、コツコツと続けられる『継続』、人の意見が聞ける『素直』、そして『誠実』です。そのためか、弊社のエンジニアはまじめで明るい人が多いと思います。それと、いい意味でとんがりすぎていないことも特徴ですね。そんな方なら弊社とそうじ部にぜひどうぞ(笑)」
サイボウズの「部活動」のシーン
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
「そうじ部」、いいですよね。こう言っては失礼かもしれませんけれど、萌えませんか? 日本のグループウェアが世界進出するという記事をつくっておいて何ですが、私は「そうじ部」に入りたいがためにサイボウズに転職するエンジニアがいても、不思議はないと感じました。ぜひ、皆さんのご意見を聞かせてください。

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