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2008年10月に社名を「パナソニック」に変更する松下電器。グローバルマーケットを意識した、Panasonicブランド価値向上にむけた事業戦略のひとつが、薄型大画面ディスプレイ(FPD)。中でも注目は有機ELディスプレイを使った大型テレビだ。2010年代の実用化に向けて、エンジニア採用が活発化している。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき 撮影/栗原克己・設楽政浩)作成日:08.08.29
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![[Part1]「松下の顔」ディスプレイ事業に最大級の投資。世界ナンバーワンを目指すために](../contents/ts_report/img/200808/001395/part1_title.gif)

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![[Part2]幅広い分野の技術者を総結集して、2010年代の有機ELはパナソニックがリードする](../contents/ts_report/img/200808/001395/part2_title.gif)

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![]() しかしながら、30〜40インチ級の有機ELテレビを量産化するためには、かなりハイレベルな技術が必要となることは間違いない。有機ELディスプレイの開発でこれまでネックとされていたのは、高発光効率や長寿命を実現する材料デバイス技術、大画面を実現するプロセス技術、高画質・低電力を実現する駆動技術などであり、これらの課題を量産までに一つひとつクリアしていかなければならないからだ。 「例えば、パネル製造に欠かせないEL発光層の形成技術ひとつとっても、真空蒸着以外に、転写技術や印刷技術などいくつかの方式があり、大画面化にはどれが最適なのか、現時点ではまだ決着がついていない」(熊川氏)のだと言う。 デバイス開発における最適技術を模索しながらの、商品化への道。険しい道のりになることは十分に予想できる。そのためにも、有機ELディスプレイを成り立たせる要素技術をもつエンジニアを、幅広い業界から採用する必要があるのだ。有機ELディスプレイ技術を要素分解してみると、図2のように技術のすそ野の広がりがわかる。まさにディスプレイは技術の集合体であり、各分野の技術者の知恵の総結集が必要なゆえんだ。 ![]() ![]() ![]() ![]()
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![[Part3]独身寮に帰っても次世代技術の話で盛り上がる。有機ELエンジニアの興奮する日々](../contents/ts_report/img/200808/001395/part3_title.gif)

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映像デバイス開発センターの次世代ディスプレイ開発室。年代を超えた松下グループ内の人材に加え、最近、ほかのディスプレイメーカーから転職してきたエンジニアも数多い。異種混交の風土の中で、世界初の大型有機ELテレビに向けた開発が進む。若手エンジニアのひとり、近藤哲郎さんにその思いを聞いた。 ![]()
![]() ![]() 大学院時代は、生物物理が専攻で、バクテリアの鞭毛の動きをヒントに生物モーターのような新しいデバイスの原理を研究していました。その研究がいま、直接生かされているわけではないのですが、有機ELに限らずテレビの技術というのは、物理、化学、機械、電気など多くの技術の総合であり、各分野の先端技術の集約でもあるので、私のような経歴の技術者がいても全然不思議ではありません。 中でも有機ELは新しい技術なので、いろんなバックグラウンドをもつ技術者が始終、ディスカッションを繰り返す風景が日常的に見られます。若手の突拍子もないアイデアが、話題の中心になったり、採用されたりすることもよくあります。こういう点では松下の研究所はとても風通しがよい。技術分野や年齢・経験を問わず、発言し、実行し、成果を問うというR&Dのよさがここにはあると思います。 忙しい中でも、労働時間は自己裁量制なので、人から「やらされている感」というのはないですね。私だけの例かもしれませんが、仕事を終えて独身寮に帰った後も、違う事業部や職種の人と会う機会が多く、寮でごはんを食べながらでもよく技術的な議論をします。ついつい夜遅くまで話し込んでしまうこともありますが、こんなときに問題解決のヒントをもらったり、何かアイデアが浮かんだりこともあるんですよ。 職場の印象としては、多様な技術者が好き勝手を言っているように見えて、いつの間にかある方向に動き出している……といった感じですね。それもこれも、単なるデバイスやパネルを生産するだけでなく、テレビを作るんだという思いがみんなにあるから。有機ELテレビで、世の中をいい方向に変えることができるんだという確信が、私たちの原動力になっています。 |

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