音楽命！クリエイティブなエンジニアにピッタリな職場

いつもは主役のエンジニアが急なアクシデントで職場にいない!!　そんな危機的状況の中で迎えた今回、ハニーはエンジニアと共に仕事をしているプロデューサーから、リアルなエンジニア像を聞きだすことに……。

（取材・文／津留有希　総研スタッフ／山田モーキン）作成日：08.07.16


	愛らしいメイド服に身を包んだＴｅｃｈ総研公認レポーター。インターネットやモバイル製品など最新の技術が大好きで、アニメやゲームをこよなく愛するマニアックな素顔がエンジニアの共感を呼んでいる。その使命は「エンジニアが快適に働ける、魅力的な職場を探しだすこと」。無邪気な質問と癒しの笑顔で、エンジニアから的確に職場の魅力を聞き出す、好奇心いっぱいの天性のレポーターである。そんなテックハニーも3年目。パワーアップを続けるテックハニーブログとともに、今年もきゃんちがエンジニアの生態に迫る！

エンジニアのみなさん、こんにちは！　テックハニーきゃんちです。7月も半ばを過ぎましたが、みなさんの夏休みのご予定はいかがですか？　お忙しいでしょうけど、たまには無理せず気分転換なさってくださいね☆

さて、今回突撃するのは、ポータルサイトでおなじみのインターネット情報サービス企業さんです。ユニークなヒットコンテンツを次々に送り出しておられる中でも、今回は音楽系のコンテンツを中心にお話を伺ってみました！　では、行ってきます♪




	1997年設立。ポータルサイト「Excite」にて、PCとモバイル双方でコミュニティーサービス、音楽コンテンツ配信など、独自の先駆的なインターネットサービスを提供しているほか、インターネット広告事業、金融サービス事業を行っている。 http://www.excite.co.jp/

岩渕晃一さん（31歳）
（上段右）
メディア本部音楽＆コンテンツビジネス事業部第一製作グループプロデューサーの岩渕さん。モバイルで着うたなどの音楽コンテンツ配信の企画・運営を手がける。釣り好き、洋楽好きという多趣味な一面も。

T・Mさん（29歳）
（上段左）
音楽レーベルであるエキサイト・ミュージックエンタテインメント株式会社に籍を置き、モバイル版Excite Musicにかかわっている。前職も音楽レーベルだったという、心から音楽を愛するプロデューサー。

村田雅人さん（41歳）
（下段右）
エンタテインメント事業部デジタルコミュニケーション部エンジニアリングマネージャーの村田さん。SEとしてエキサイトの複数の人気コンテンツを裏で支えるベテランエンジニア。

きゃ：	こんにちは！　テックハニーきゃんちです。今日はよろしくお願いいたします♪
岩渕：	申し訳ないのですが、本日ちょっと所用でエンジニアが総出で対応しておりまして……（汗）。プロデューサーの私とT・Mから、職場と当社のエンジニアについてご案内したいと思います。
きゃ：	うわあ、お忙しいところすみません！　では、さっそく岩渕さんのお仕事について教えてください☆
岩渕：	私はエキサイトの中でも、携帯電話の音楽コンテンツを担当しています。モバイル版Excite Musicという、着うたや着うたフルをダウンロードしたり、アーティストブログを読んだりできるサイトです。姉妹サイトでは、ロックやJPOPやビジュアル系バンドのコンテンツを担当しています。
きゃ：	あ、私も着うたはよくダウンロードしますよ！　プロデューサーというと、どのようなことをなさっているんですか？
岩渕：	企画を立て、予算を組んで、リリースすることが主な仕事です。どんな音楽を配信するか決めたり、トップページの構成をリニューアルしたり、独占配信の交渉を考えたり。自分の企画が当たって、先行配信した曲が数千ダウンロードされたりすると本当にうれしいですよ。
きゃ：	たくさんの人が利用されているわけですものね☆　その過程でエンジニアさんともいっしょにお仕事されるんですよね？
岩渕：	もちろんです。モバイルやWebサイトでコンテンツを実現するためにはエンジニアはなくてはならない存在ですから。新しいシステムを立ち上げるときに相談したり、この企画はこの日数で実現できるか話し合いながら進めたりと、かなり密にやりとりしています。
きゃ：	なるほど。話し合って進めるということは、エンジニアさんもプロデューサーさんの下というわけではなく、同じ目線でコンテンツにかかわって作り上げていけるんですね。
岩渕：	そうですね、上下関係ではなく、フラットですよ。
きゃ：	それはエンジニアさんにとってもやりがいがありますよね☆　上の写真の携帯電話の山は、テスト用ですか？
岩渕：	ええ、動作確認のために、各キャリアを用意しています。また、携帯が2台ないと迅速に対応できないので、トラブル時に会社の携帯を持ち帰ってもらうためでもあります。携帯電話が1台だと、携帯サイトを確認しながら電話連絡ができないでしょ？（笑）。
きゃ：	あ、確かにそうですね（笑）。ところで岩渕さんにとって、エンジニアさんというのはどのような存在でしょうか？
岩渕：	お互いに頼りにしていると思います。日ごろは協力し合って運営していますが、サーバが落ちるなどのトラブルはわれわれにはどうしようもなくて、エールを送ることしかできません。トラブルには夜でも即時対応が原則なので、自宅にも仕事できる環境を構築しているみたいですし、頭が下がりますよ。
きゃ：	企画の方とエンジニアさんが、お互いに尊重し合ってひとつのものを作っていける環境なんですね。素晴らしいです☆

恵比寿ガーデンプレイスにある職場は、落ち着いた環境

きゃ：	T・Mさんもプロデューサーの方なんですよね。お名刺の肩書が「エキサイト・ミュージックエンタテインメント株式会社」になっていますが……？
T・M：	エキサイトの子会社なのです。アーティストのプロモーションをしたり、インディーズレーベルの運営を行ったりしている音楽レーベルです。私はそのスタッフとして、現在はモバイル版Excite Musicに携わっております。
きゃ：	上のお写真にCDの山が写っていますが、本当に音楽に特化したお仕事なんですね。改めて、モバイル版Excite Musicの魅力を教えてください♪
T・M：	ジャンルにこだわらずに、さまざまなアーティストの楽曲を配信しているので、探せばレア音源が見つかるかもしれませんよ。アーティストブログがモバイルで楽しめるところも魅力です！
きゃ：	そうなんですね、私もさっそくサイトを見てみます♪　T・Mさんはどのようなお仕事をされているんですか？
T・M：	毎週水曜にサイトの内容を更新するので、新曲をあげたり、新しい企画を考えたりしています。やはり着うたというのはターゲット層の年齢が低いので、普通のレーベルとは企画の考え方も違っていて面白いですね。ただ、扱っているアーティストの数が多いので、さまざまなレーベルに対して承諾を取ったり書面を提出したりという雑務的なことが仕事のかなりの部分でもあるのですが……（苦笑）。
きゃ：	やはりエンジニアさんと協力してお仕事をされることは多いんですか？
T・M：	ええ、コンテンツづくりは常にエンジニアと連携を取りながら行っています。
きゃ：	では、エキサイトのプロデューサーさんの目からみた「こんなエンジニアが理想です！」というものがあれば、ぜひ教えてください☆
T・M：	うーん、理想のエンジニアですか……（笑）。あの、やっぱりコミュニケーション力のある方がいいですね。こちらは細かい技術のことなどはわからないので、そのあたりを質問したときにイライラしたり適当な表現でごまかしたりするのではなく、きちんと説明してくださらないと困ります。コンテンツは協力して作り上げるものなので、話し合えるエンジニアが私の理想です。
きゃ：	そうじゃないエンジニアさんもいるということですね？（笑）。
T・M：	あはは、まあ、うちのエンジニアはコンテンツをひとりでいくつも掛け持ちして支えているので、大変なのだろうなあと察してはいます。あとは、うちの部署にくるなら音楽好きな人がいいですね。
きゃ：	実際に音楽好きなエンジニアさんが多いんですか？
T・M：	ええ、割とマニアックに好きなエンジニアが多いですよ（笑）。企画について話すときもスムーズにわかり合えるし、音楽について語り合うことで人間同士の付き合いができていますね。それに、企画を考えるのはプロデューサーで、エンジニアは作ることが仕事……と壁を作るよりも、音楽好きのほうが仕事そのものも楽しめると思います。
きゃ：	なるほど、そうですよね。クリエイティブなエンジニアさんにピッタリの職場っていう感じです☆

普段からさまざまなジャンルの音楽に触れる機会が……

岩渕：	なんとかひとりエンジニアを捕まえてきました（笑）。
きゃ：	わあ、お忙しい中をありがとうございます！　エンジニアの村田さん、よろしくお願いします☆　早速ですが、村田さんのお仕事について教えてください。
村田：	私はエキサイトの中でも、「フレンズ」や「恋愛結婚」などのコンテンツの運用を担当しています。エンジニアとして、保守や改善を行う仕事です。
きゃ：	さきほど音楽コンテンツ担当の岩渕さんたちにお話を伺ったのですが、村田さんの部署でもプロデューサーさんと連携してお仕事をなさっているんですか？
村田：	そうです。プロデューサーが方針を決めて、それをエンジニアが実現します。設計レベルの細かい指示はなく「こういう企画を実現してください」と漠然とお願いされるので、自分の裁量でできる部分が大きいですよ。
きゃ：	それはかなりスキルアップになりそうですね～！　エンジニアさんは何人チームでお仕事されているんでしょうか。
村田：	私の場合は、ひとりですね。
きゃ：	ひとりですか!?
村田：	ええ。大規模なシステムを新しく作るとき以外は、基本的にひとりで複数コンテンツを支えています。だからトラブルが重なると忙しいんですよ～（笑）。
きゃ：	それは、かなりプレッシャーが大きいのでは……大変ですよね？
村田：	ええ、まあ（笑）。だけど、自分で考えて自由に作り込めるので、楽しくもあるんですよ。設計からリリースまで責任をもつので、成長もできると思います。それに、フロントエンドは確かにひとりですが、ID管理や課金などのインフラ・基幹系システムを担当するエンジニアとは常に連携を取って進行していますので。
きゃ：	なるほど～。でもコンテンツ側の担当がひとりって、さびしそう……。
村田：	いえいえ、エンジニアはひとりといっても、プロデューサーとは常に相談しながら進めていくので、孤独なわけではありません（笑）。組織はフラットなので、プロデューサーは上司というより、「よき仕事仲間」という感じなんですよ。
きゃ：	本当にステキな協力態勢ができているんですね。企画と製作がちゃんと二人三脚できているからこそ、変化スピードが速いインターネットサービス業界で新鮮なコンテンツを次々に送り出せるんだなと思いました☆
村田：	そういっていただけると有り難いですね。それに、インターネット業界は、とてもたくさんの人に自分の作ったコンテンツを見ていただけるので、やりがいがありますよ！
きゃ：	今日はみなさん、とってもお忙しいなか中をお時間いただいて、ありがとうございました！　これ、疲れを癒すハニー“きゃん”ディーです。深夜作業のときに食べてくださいね☆
岩渕・ T・M・村田：	ありがとうございます、いただきます！

各会議室には、著名音楽家の名がつけられている


	岩渕：		日々進化している携帯電話の世界で、どうやって着うたサイトなどの音楽配信サービスは生き残っていけるのか、その道を探ることが必要だと思っています。携帯電話の強みを生かしつつ、まったく新しいサービスを考えていきたいですね。

	T・M：		野望というか努力目標なのですが、Excite Musicモバイルの会員数を増やしていきたいと思います。そのためにもほかのサイトではやっていない独自の企画を立てたいです。具体的には考え中ですが(笑)、がんばります！

	村田：		自分で新しいコンテンツを提案できるようになりたいですね。プロデューサーから企画と要件をもらうだけではなく、一から手がけて「これが自分が作ったコンテンツだ！」というものを世に出してみたいです。それでみなさんに楽しんでいただけたら最高ですね。


	今日はいつものようにエンジニアさんにお話を聞くのではなく、おもにプロデューサーさんの立場から、エンジニア像や会社について伺うことができて新鮮でした！　私も友人によって携帯電話の着信音楽を使い分けているし、着うたはよくダウンロードするんです。身近なアイテムの裏にどんなやりがいやご苦労があるか知ることができて、またひとつ世界が広がった気がします♪ 　エンジニアさんは、ひとりで複数のコンテンツの舞台裏を支えることが多いというエキサイトさん。指示待ちタイプではなく、自立心旺盛でクリエイティブなエンジニアさんにとっては楽しい職場なんじゃないかなと思いました☆