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加速する世界展開、進化する自社製品…大手メーカー技術者の魅力
日本HPが最先端インフラ部隊の100人増強を決定!
日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)では「ITからB.T.へ」というテーマを掲げ、総合的なソリューション提供を行っている。その基盤となるのがインフラだが、設計・構築を担当するエンジニアが不足しているという。10月末までに100人の増員を見込む。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ) 作成日:08.01.30
事業戦略: 「B.T.」を支えるインフラ基盤でエンジニア100人募集
 企業の経営や事業にITは欠かせないものだが、日本HPではそれを一歩も二歩も推し進め、ビジネスをITで制御して利益を生み出す「B.T.」(ビジネス・テクノロジー)へと変化させようとしている。その土台であるインフラについて本部長の黒川徹氏が語る。
IT主導でビジネスを変革するインフラ設計・構築

「弊社では通信、メディア、金融、製造、流通、製薬、公共など幅広い業界に対して、『B.T.』というソリューションのフレームワークを提供しています。上流の部分ではビジネスを加速させるBIO、企業のリスクを低減させるBTO、そしてITインフラで運用効率やROIを高めるアダプティブ・インフラストラクチャがあります。これらを支えるのが自社開発のハードやソフトであり、サービスなのです(下図参照)

 最後のサービスは「コンサルティング・インテグレーション」(CI)、「アウトソーシング」(OS)、「テクノロジーサービス」(TS)で構成され、CIでは名前のとおりコンサルティングからシステム開発までを行う。開発はアプリとインフラに大別されるが、黒川氏の部署が担当するのはインフラだ。
「半年や1年で事業が変化していく中で、その度にハードウェアや基盤を作り変えていてはコストも時間も足りません。変化に適応できるインフラを構築することがわれわれの目的です」

 企業の土台を支えるITインフラはアプリケーションと異なり、「取り換え」が容易ではなく、使用スパンは長期にわたる。存在は地味かもしれないが、いわば企業の生命線だ。そのポイントは「高可用性と信頼性」「容易な運用管理」「グローバル化」だという。
「システムを安定に保って障害を発生しにくくする高可用性、人を介在させない運用管理の自動化、グローバルビジネスに対応した大規模システムの設計・構築の3つです。こうしたインフラにかかわるエンジニアはSEからPMまでさまざまですが、案件が増加しているにもかかわらず、圧倒的に人材が足りない状況です」
黒川 徹氏
コンサルティング・インテグレーション統括本部
ITインフラ第三技術本部
本部長
黒川 徹氏
最先端メーカーとしての総合力がHPの魅力
黒川 徹氏  インフラ系エンジニアの面白味とは何だろうか。黒川氏はハードとソフト両方のITベンダーである、日本HPだからこその魅力を挙げた。

「弊社はサーバやストレージを開発するメーカーでもありますから、最先端のハード機器とアプリケーションをつなげる醍醐味を感じてもらえると思います。しかも、ワールドワイドに展開していますから、例えば、米国本社のハードの開発元に情報発信ができて、それを全世界の仲間と共有できます。こうした企業は世界でも数えるほどしかないと思います」

 例えば、米国本社のマーケティング部門や研究所から配信された2012年までの製品ロードマップ情報が、社内Webサイトで閲覧できる。こうした製品を顧客に提案したり、逆に顧客から要求された機能を開発元に提案して、次期製品の新機能として搭載される場合などもあるそうだ。業務コンサルタントから渡されたドキュメントどおりに設計・構築するSI企業では、こうした経験はできないだろう。

 日本HPのインフラ部隊は社員とパートナー企業とで構成されるが、その数は社員だけで約600人。これを年度末(10月末)までに100人増やしたいという。
「以前ならインフラの仕事はある程度限定されたものだったかもしれませんが、現在ではインフラ構築も全世界的に行われています。十分に満足していただける仕事を用意していますし、弊社は外資系企業ですがいわゆるUp or Leave型ではありません。離職率も低く、長く勤めてもらうことを大切に考えています。じっくりと腰を据えて、お客様のビジネスを変革するようなインフラづくりに取り組んでください」

ビジネス・テクノロジーのポートフォリオ
ビジネス・テクノロジーのポートフォリオ
 1991年に技術者派遣会社に入社し、CADなどのアプリ開発に4年ほど携わった後、1998年に日本HPに入社した菅家智博氏。前職と異なるインフラ系SEとなった菅家氏は、現在ではPMの立場にあり、UNIXのアンバサダーも務めている。
必須となるのはアプリからハードまでの広範な知識

「最初は運用管理ツールなどの実装を経験して、徐々に設計へと移り、現在はPMをしています。お客様への提案・折衝から、設計・構築の体制づくり、業務内容やスケジュールの管理などです。割合でいえばプリセールス的な仕事が7割、設計・構築関連が3割といったところです」

 社内のコンサルタントやアプリ開発部隊と打ち合わせることもあるが、自身が顧客にヒアリングしてコンサルタント的に動く場合もある。幅広い職種を知る菅家氏によれば、インフラの仕事にはあらゆる分野の知識が要求されるという。
「アプリ系エンジニアはインフラを知らなくても開発できますが、われわれはインフラにのせるアプリはもちろん、ハードやソフトを知らなくては設計も構築もできません。また、コーディングなどの作業はまずない一方で、お客様との窓口となって要件定義や仕様書の話を進めますから、コミュニケーション能力は大切です」

 案件は小さいもので3カ月程度、その内の1カ月はハード機器の選定や設計になるという。大きなものなら全期間で3年になり、インフラ系で30人、アプリ系で100人ものエンジニアが参加するそうだ。
「先端的なインフラづくりはやはり楽しいですし、米国本社の開発元に製品の改善要求が出せるのも魅力です。彼らも現場の声を聞きたがっていますからね。メールでのやり取りが基本ですが、開発元を訪問してコミュニケーションを取ることもあります」

菅家智博氏
コンサルティング・インテグレーション統括本部
技術本部
ITインフラ第三技術本部 第四部
シニアITスペシャリスト
菅家智博氏(36歳)
昨年からは「UNIXエバンジェリスト」も兼務
菅家智博氏

 菅家氏は日本HPの特徴を「チャレンジングに仕事が選べること」だと語る。マネジャーが希望する仕事をアサインしてくれ、サポートもしてくれる。仕事を断ることもできる。ただ、「自分で探す・動く」が前提だ。
「会社からの『どうぞ』はないので、何でも自分で取りにいきます。例えば、担当したい案件はあるのにお客様とうまく話せるかが不安なら、『顧客折衝に長けた先輩を付けてくれ』と希望すれば、その助け舟を用意してくれます。ただ、その提案を考えるのは自分です。マネジャーはヒントをくれても答えは言ってくれません」

 菅家氏は昨年からUNIXのアンバサダーを務めている。日本で10人程度いる、ワールドワイドでHPのUNIXを広報するエバンジェリストだ。サービス部門(上図参照)のCI、OS、TSを横断した、エンジニア同士の交流会も開催している。
「インフラ系エンジニアならUNIX、あるいはWindowsかLinuxの管理経験と技術知識が必要でしょう。また、私はこの仕事を『接客業』とも思っているので、コミュニケーション能力も欠かせません。そして、変化に対応できる能動的な人であること。インフラの仕事自体も楽しいですが、自然と精通する分野が多くなりますから、提案力が身につきやすいのも魅力です」

設計構築作業〜フェーズ定義
設計構築作業〜フェーズ定義
人材採用:問われるのは幅広い技術知識と顧客との折衝力
 日本HPの求めるインフラ系のエンジニア像とはどのようなものか。また、どのような経歴をもった転職者が多いのか。入社後のキャリアパスと併せて、採用を担当する青井孝之氏に語ってもらう。
転職者に多いのは、技術に自信をもつエンジニア

「サーバやストレージなどインフラの設計・構築経験があり、実際のプロジェクトに参加していたことが前提ですね。コーディングの実装経験は特になくても、技術知識は必要不可欠。お客様に技術を伝え、要件を聞きだし、その内容をもとに設計できる方を求めています」
 これまでの転職者に多いのは大手企業のベンダー小会社出身者だという。親会社が受注したインフラの案件を設計・構築する、実質的な技術部隊だ。HPはソリューション提供からハードやソフトの製品開発までを行う総合的なIT企業なので、こうした冠子会社からの転職は大手プライム企業への転進となる。

 また、事業会社の社内系IT出身者もいるそうだ。その場合は、ある程度大きな案件の経験と、社外の関係者とも折衝できるコミュニケーション能力が必要となる。業務知識が生かせることから、金融系企業からの転職するケースなどもあるという。
 職種では一般的なエンジニアはもちろん、PLやPMへの希望者も大歓迎。PLとPMの差は案件の規模と、PMは予算管理まで行うこと。職種を問わず求められるのは、待ちの姿勢ではない積極的な行動力だ。インフラ構築のPMは絶対数が少ないこともあり、こうした積極性がステップアップにつながることも期待できそうだ。
「弊社には多彩なキャリアパスが用意されており、それを自分で選ぶことができます。途中で変更することも可能です」

青井孝之氏
コンサルティング・インテグレーション統括本部
リソースマネジメント部
青井孝之氏
キャリアパスの柱は3本。顧客交渉力を磨きPL/PMへ
青井孝之氏

 日本HPのキャリアパスは大きく3つに分かれる(下図参照)。技術とソリューションを究める「テクニカル・キャリアパス」は、技術分野、ソリューション分野で知識、ノウハウを深め、いずれはシステム全体を担当し構築することを目標とする。
「プログラム・マネジメント・キャリアパス」は、当初テクニカル・キャリアパスで養った技術の基礎をベースに、チームリーディング、納期、品質、コスト管理などで大規模プロジェクトをトラブルなく進める、知識とノウハウをスキルアップしていく。現在の菅家氏がこれに当たる。日本HPは技術ベースにしてソフト的なスキルをアップさせるため、顧客からの信頼が厚いという。

 また、「マネジメント・パス」は組織管理職で黒川氏のポジションだ。ただ、黒川氏ももともとはアプリ開発エンジニアであり、PMを経て現職に就いた。技術の一般職から組織マネジャーへのキャリアパスも珍しくないということだ。
「実際にはITアーキテクト、ITコンサルタント、プリセールス、PL、PM、本部長など、ポジションは細かく分かれています。キャリアを縦方向だけでなく横方向にも動かせるのが、IT業界のすべての事業を行っている弊社の特徴でしょう。ご自分の望むキャリアが選択できると思います」

 黒川氏の話にもあったが、日本HPでは10月末までに100人のインフラ系エンジニアを募集している。近年では顧客企業からの引合いが多く、ワールドワイドの事業としての米国本社の決定でもある。
「ハードからシステムまで、総合的かつ大規模なインフラを提供できるのがHPのメリットです。募集する職種は幅広く、現在は特にPL、PMの採用を積極的に進めています。『インフラで活躍したいならHPへ』というのが私の本音です」
HPのキャリアパス・フレームワーク
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
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