きゃ: |
こんにちは! テックハニーきゃんちです。あの、鐘ヶ江さんのお仕事の中身を伺う前に、まず「表面処理」ってどういうことなのか教えてください。
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鐘ヶ江: |
ここ千葉製造所で行っているのは、鋼板にサビ防止や長もちさせるために亜鉛などのめっき処理をしたり、意匠性を高めるためにカラー処理をしたりしています。処理された鋼板はお客さまのところで、いろいろなものに加工されていくんですよ。彩色をほどこしたのが写真(  )ですね。
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きゃ: |
えっ、これ鉄板なんですか? まるで煉瓦みたいな色と、質感もざらざらしてます!
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鐘ヶ江: |
これは屋根に使われるものです。屋根や壁など見える部分に使われるものは、自然な風合いや色合いを求められることが多いんですよ。
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きゃ: |
処理をする前のものが写真(  )ですよね。ピカピカしていて、いかにもスチールという感じ。これをいろいろと加工していくんですね。
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鐘ヶ江: |
ええ。このメタリックな鋼板を加工していくのですが、お客様の要求はさまざまです。例えば先ほどの煉瓦のような加工などは、微妙な凹凸の質感やランダムな模様を再現させて、しかも製品にムラを出さないようにしなければならない。研究も製造も、試行錯誤しながら製品化していきます。
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きゃ: |
写真(  )のコイルは、きれいにめっきされた鋼板ですよね。大きいですねえ、乗っかって遊んだりしたくなっちゃう♪
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鐘ヶ江: |
いやあ、やめたほうがいいですよ。大きいものでコイル1巻き20tくらいありますから。
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きゃ: |
20t! こわい〜、つぶされるどころの話じゃないですね(汗)。
工場には、製造、研究開発、営業など、いろいろと役割があるかと思うのですが、鐘ヶ江さんの技術室というのは、どういう部署なのでしょう?
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鐘ヶ江: |
営業からあがってくるお客様のニーズや、研究所が新しく開発した技術を、いかにコストカットしながら実際に製造していくかを検討し、設計し、製品化までもっていく役割を担っています。営業や開発のアイデアと、製造ラインとの橋渡しであり、製品を具現化するキーとなる部署です。
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きゃ: |
実現可能かどうかを判断するんですか? 工場のキャパとか、技術とか、コストとか、いろんなことを知っていないと判断できませんよね?
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鐘ヶ江: |
そうなんです。ラインの稼働を阻害することなく、新しい製品を作るにはどうすればいいかなど、製造の現場と開発と、両方の知識が必要です。私は昨年7月までは製造部でラインを直接管理していたので、製造のことがひととおりわかるところが強みですね。
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きゃ: |
製品がどうやって世に出て行くか、全体がわかって楽しそう!
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鐘ヶ江: |
まさに、そこが今の仕事のやりがいなんです。製品が実際にでき上がるまで責任がありますから。
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きゃ: |
そうやって作られた鋼板が、いろいろなものになっていくんですものね。
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鐘ヶ江: |
ええ。うちで生産する表面処理鋼板は、消費者に直接届く商品ではなく、お客さまのところで屋根や壁、あるいはホワイトボードやガスコンロみたいなものに加工されていくので、この状態ではイメージしにくいとは思いますが、みなさんの身近なところで役に立っていくものですから、やりがいがありますよ!
例えば先日、当社で、製薬会社と技術提携して、ゴキブリを寄せ付けない鋼板を開発したのですが……。
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きゃ: |
ええっ、鋼板でゴキブリを退治できるんですか!?
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鐘ヶ江: |
はい、忌避効果が確認されています。テレビやパソコンなどの内部は暖かくてゴキブリの巣になりやすいので、この鋼板は応用範囲が広いでしょうね。
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きゃ: |
ゴキブリを寄せ付けない家電、なんて発想をしたことがなかった! もう、今すぐ欲しいです、そういう商品! すごく苦手なんですよ〜、ゴキ…(泣)。
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鐘ヶ江: |
おかげさまで、お客さまの反応も上々です。
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きゃ: |
鋼板はいろいろなところに使われる素材だから、アイデアも無限ですよね。今まで鋼板っていう素材そのものに注目したことはなかったです。また世界が広がった感じがします♪
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