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専門用語連発で相手がポカン…、めんどくさくて説明放棄etc. 彼女も納得?きたみりゅうじのエンジニア仕事説明術
「どんな仕事?」と聞かれて「○○を作ってるんだよ」とストレートに答えられればいいけれど、 専門的になるほど説明しづらいのがエンジニアというもの。そんな四苦八苦の実例、Dr.きたみりゅうじのアドバイスとともにご紹介!
(取材・文/川畑英毅 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/きたみりゅうじ)作成日:07.11.20
じっくり説明? あきらめムード? みんな説明には苦労している
 エンジニアは、スペシャリスト。誰もが持っているってわけじゃない、特別な技術を駆使する“お仕事”である。それだけに、いざ、仕事の中身を説明しようとするとさあ大変。ある程度技術の下地がある人が相手ならいいけれど、家族や恋人など、知識が“まっさら”の人だと、頑張って説明すればするだけ、「目が点状態」にさせてしまったりする。

 Tech総研がエンジニア500人を対象に行ったアンケートによれば、およそ半数が「理解してもらえなかったことがよくある」「ときどき理解してもらえず苦労」と答えている。「ほとんど理解してもらっている」と答えた人も、よく回答の中身を見ると、ずいぶん投げやりな説明の人もちらほら。

 以下、説明の実態を4タイプに分けてご紹介! さらに、「きたみりゅうじのIT業界勘違いクリニック」でおなじみ、Dr.きたみりゅうじに説明術のアドバイスをいただいた。
家族や恋人、知人に仕事の説明うまくできてる?
<タイプ1> 「言葉をつくして、さらに距離が」型 「わかってもらおう」と頑張っちゃう分だけ、思いは空回り……
PDFの……Webの……ごにょごにょ
PDFやWebなどの言葉を使って説明したものの、相手はインターネットという言葉がかろうじてわかる程度だったので、まったく通じずポカーン。結局、説明をあきらめちゃいました。
(システム開発/25歳)
えっ?これでもわからない?
「○○(作っている商品)が動くようにするプログラムとか、そういう“中”のことをやってる」と説明することが多いかな。けれど、自分的にはかなりわかりやすく簡単に説明しているつもりなんだけれど「難しくてよくわからない」といつも言われて、結局深く説明しないように……。
(システム開発/26歳)
あっ、専門用語使っちゃった……
50台規模くらいまでの有線・無線LANで、サーバ・クライアントOS導入のテクニカル・サポートが仕事。仕事を説明するのについ専門用語を使い、あやしまれてしまいました。その後、用語解説にものすごく時間がかかりました。
(ネットワーク設計・構築/30歳)
説明するけど……長いよ?
半導体、基板の回路設計からシステム設計まで、電気に関する回路設計全般が担当。基本的に電気というものを知らない相手だと、強電・弱電の区別もついていないので、そこから説明を開始。というわけで、説明し始めると1日じゃ終わりません。
(回路・システム設計/29歳)
業界の人でも説明しにくいのに……
会社の中で書類を作って回している業務を、コンピュータを使って自動的に処理してくれる仕組みを売っている、と説明。でも詳しいところは、業界の人に説明をするときでも理解してもらうには多少時間がかかる商品なので、相手はまったく“ちんぷんかんぷん”という状態に。
(プリセールス/33歳)
本題まで行き着かな〜いっ!
半導体製造装置のメンテナンスが仕事なんですが、一般の人には“半導体”というもの自体が「?」。どういったものなのかを一から説明してみるものの、ほとんど理解されず、おかげで本題まで行き着かないことも。
(サービスエンジニア/28歳)
そんなにスゴくないんだけど……
いろんな情報をきちんと保存したり、ユーザが見たいときに引き出せたり……と、扱っているデータベースの説明をすると、相手によっては、難しい、ものスゴイ仕事をしているんだと思われたり。そんなにスゴイと思われると困っちゃうんだけど。
(システム開発/35歳)
「詳しく知って欲しい」のはわかるけれど
親しい人には、自分のことをよりよく知っていて欲しい!もちろん、仕事のことも……そんな思いは当然だけれど、その思いに説明術が追いつかず、かえって墓穴を掘っちゃうのがこのタイプ。少なくとも「エンジニアって、まじめだなぁ」ということ“だけ”はわかってもらえているかも。
<タイプ2> 「テキトーな説明で煙に巻いちゃえ」型 「なんかスゴそう!」「難しそう!」をカマしてポイ!
でっかいパソコンいじってるんだ
オフコンのプログラム作成や保守が仕事。ある程度わかる人なら、「汎用機だよ」とか「スーパーコンピュータみたいなやつ」とか、大きそうなことを言っちゃう。それがわからない人には、面倒なので「大きいパソコンをいじってるんだよ」と言っちゃうことも。
(システム開発/35歳)
とにかくすっごい仕事をしてるんだよ
システム導入の基礎構築をしています。詳しくない人に説明するときは、「すっごい仕事をしてるんだよ!」「ハードディスクとか、いっぱいあってすごいよ!」……みんなポカーンとして終わります(笑)。
(サービスエンジニア/29歳)
パソコンをカタカタやってます
企業で使うシステムの開発。……といってもわかってもらえないので、「どんな仕事?」と言われたら、「パソコンをカタカタやってる」と答えます。意味がわからずきょとんとされるけど、それ以上は説明しません。
(システム開発/25歳)
ネットにつなぐ企業版!
ネットワーク機器のカスタマーサポートをしているので、「家で、ADSLなんかでインターネットにつなぐでしょ。それの企業版みたいなもの」と説明しています。深くは理解されませんが、別にそこまで理解される必要性も感じないので、困ったことはないです。
(テクニカルサポート/32歳)
開き直って、一刀両断!
詳しく説明しようにも、そうなると前提やら細かい技術の解説やらが難しいし……。というわけで、ハッタリも含めて、「とにかく、何か、こんなような仕事!」というひと言で切って捨てちゃうのがこのタイプ。一応説明できている、と言えば言えるのかもしれないけれど……。
<タイプ3> 「最初からあきらめて、説明放棄!」型 結局わかってもらえないのに、頑張って説明するだけ無駄っしょ
IT関連です……以上
Webからオフコンまで何でもありのシステム開発。上流工程から下流工程まで、プロジェクト規模によっていろいろやってます。でも仕事を尋ねられたら「IT関連の……」と漠然と答えてお茶をにごしちゃう。
(システム開発/28歳)
どうせわかんないでしょ
扱っているのはビルの空調や給湯を一括管理できるコントローラの組み込みソフト。でも基本的にBtoBなので、説明の相手はまず間違いなく、そんなものは見たことがないです。どうせわかってもらえないのだから、「ソフトウェアの開発」以上は触れませんね。
(システム開発/29歳)
例える語彙がないんです
仕事はカーナビ用のソフトウェア開発なんですが、詳しく説明しようとすると、相手は専門用語がわからないのに、こちらは専門用語でしか説明できず、どう一般的な言葉に置き換えていいやら一苦労。たとえ話をしようにも、そんな語彙(ごい)がなくて……。
(システム開発/31歳)
最初から説明しません(きっぱり)
他社の情報部門のアウトソーシングなので、その仕事が何の役に立っているんだかわからないんです。専門用語をうまく日本語にもできないし。というわけで、詳しくない人にはいっさい仕事の説明はしません。
(テクニカルサポート/35歳)
自分でもわからないんです
プログラマやってます。どんな仕事をしているか聞かれたら、「プログラマ」としか言いません。理解してもらえない時はよくありますが、自分自身でもよくわかっていないので……。
(システム開発/32歳)
どうせわからないんだし、と開き直り
2番目のタイプと近いけれど、これはもっと徹底して、最初から説明の努力自体を放棄。なかには、どうも過去、頑張って説明しようとしてダメだった“苦い経験”を経ているらしき人も多数。単に上手な説明の言葉が思い浮かばないだけでなく、えてして、自分でも自分の仕事の全体像がわかっていないことも。
<タイプ4> これでバッチリわかってもらえます」型 やさしい言葉で、実例やたとえ話なども交えながらスマートに
病院の仕事を便利にしているの
医療情報システムの構築をやってます。Wordみたいなソフトをお客さんのところで使えるようにする仕事、というとわかってもらいやすいかな。自分が病院で体験したことを思い出させて、そこにシステムがどう絡んでるかを説明すると、相手は「なるほど!」と感心してくれます。
(ネットワーク設計・構築/25歳)
現代の“隠密同心”ですっ!
仕事を尋ねられると、コンサルだったりサービスエンジニアだったりSEだったり、その都度、相手にわかりやすそうな名前にしちゃいます。たとえるとしたら、「目立たないところで重要な任務をこなしている隠密同心(もちろん精鋭部隊!)」かな。
(コンサルタント/32歳)
困ったときに連絡する人だよ
「会社の中で、パソコンの設定をしたり、『パソコンがおかしいんですけど?』って言われたときに見に行く人」って答えるかな。相手の環境、状況に応じて多少説明を変えるけれど、だいたいそれでわかってもらえてるみたい。
(社内情報システム/29歳)
IT関連用語は使いません
ITに関連するコンサルタントをやっているけれど、プロジェクトごとにいろいろなことをしているので、まさに“何でも屋”という感じ。仕事を説明するときはIT関連用語はできるだけ使わずに話してます。ほとんどわかってもらえてるんじゃないかな。
(コンサルタント/29歳)
「やった結果」がどうなるかを説明
社内システムのメンテナンスが主業務なのですが、仕事の説明をするときには、「何をしているか」よりも、「やった結果どうなるか」をメインに言いますね。ほぼ、理解してもらえなかったことはないと思います。
(システム開発/29歳)
説明は「わかってもらえるところ」から
「モノづくり」エンジニアなら説明はしやすいけれど、IT系は「わかってもらえない度」高し。そんな中でもうまく納得してもらえている例がコレ。「IT系でも比較的わかりやすい仕事をしているからじゃない?」と言ってしまえばそれまでだが、平易な言葉で、わかりやすい部分から話している点には要注目。
きたみりゅうじの「これで家族も恋人も納得!」仕事説明アドバイス
仕事が「部分」になるほどわからない
 小さい単位で完結している仕事は説明しやすいですよね。何かひとつの製品を作っているなら、「○○を作っています」ですむ。IT系の仕事でも、例えば「ウェブサイトの構築」なら、それだけで大抵は納得してもらえます。しかし、企業の大規模なシステムの開発など、仕事が大きなものの一部分になってくるほど、だんだんわかってもらえなくなってくる。
 これは、そんなシステムが、企業の“ビジネスロジック”をソフトウェアに置き換えるものだから。

 答えてくださった人の中にもありますが、「病院のシステム」のように、人が日常、目にしたことがある、触ったことがあるとか、そうでなくても仕事の流れが想像しやすいものであれば、まだ理解してもらえる。けれども、それが普段の生活に関係ない会社の、関係ないシステムになると、とたんにわからなくなる。企業の仕事の流れなんて、そこに関係していなければ、わからなくて当たり前ですからね。
まずは“全体像”を言えるかどうか
 つまり、「何をしている」を言う前に、前提条件や背景が大きすぎる。これがプロジェクトのリーダーさんなら、全体像がわかっているのでまだ説明しやすいんですが、一部だけで全体を把握しきれていないと、えてして上司に言いつけられた仕事内容そのままを、一生懸命説明しようとしたり。

 結局、話が末端から始まるので、ひとつ説明しようとするたび、前後関係や登場人物が増えていって、話がどんどん長く、複雑になっちゃう。
 例えば、野球選手という職業を、知らない人に説明することを考えてみるとわかりやすいと思うんですよ。「野球というスポーツがあって、その選手です」から始めれば、あとから細かいところを必要に応じて補足すればいい。けれど、「バットっていう棒を持って、飛んで来たボールを打って、バットはこんな形で、ボールはこれくらいの大きさで……。そもそもそのボールは、敵のピッチャーが投げてきたもので、自分の後ろにはキャッチャーっていって、それを取る人がいて……えーっと」??これじゃわかりませんよね。「それで結局、なんでボール打たなきゃならないの?」なんて言われたりして(笑)。
Dr.きたみりゅうじも昔はわかってもらえなかった!
 10年くらい前、プログラマをしていたときは、やはり親戚に「どんな仕事?」と尋ねられると、説明に苦労してました。
 インターネットのサービス立ち上げにかかわっていたんですが、そもそもそのころだと、「インターネット」がわかってもらえない。メディアといえば新聞・雑誌やテレビくらいの時代。「コンピュータのネットワーク上でこういうものを見られるような仕組みを作っている」というと、「なるほど、雑誌のページみたいなもの作ってるのね」と言われる。「……ページそのものを作ってるんじゃなくて、その裏にある、表示させる仕組みを」なんて言っていると、最後は「わからん」って怒られたり(笑)。

 兄貴は住宅の営業をしてたんですが、説明しやすくてうらやましかったですね。「10億円の家を売ってる」ならわかってもらえるし、話が盛り上がる。こっちは「10億円のシステムを作ってる」なんて言っても、誰も実感がわかないし。
 それを思うと、“IT”って、便利な言葉が生まれてくれたなと思うんですよ。「IT業界です」って言えば、少なくともなんとなくイメージしてもらえたりする。ちょっとオシャレで、一方で、ちょっとうさんくさくもありますけれど(笑)。
きたみりゅうじ プロフィール きたみりゅうじ
ソフトウェア開発会社にて約7年間、企業システムの営業・設計開発、Windows向けパッケージ商品の企画開発などに従事。現在は、フリーのイラストレーターおよびライターとして活躍中。SE時代の七転八倒を描いたコミックエッセイ『新卒はツラいよ!』『会社じゃ言えない SEのホンネ話』に加え、『Dr.きたみりゅうじのSE業界ありがち勘違いクリニック』が現在好評発売中。http://www.kitajirushi.jp/
きたみりゅうじ流お仕事説明上手の条件
・小さい単位で完結している仕事は説明しやすい。・説明するときは、仕事の“大枠”からざっくりと。・「誰のため」「何のため」から切り出すと説明しやすい。
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宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ 
宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
取材でエンジニアの方に「まずは、お仕事内容を簡単にご説明してください」と尋ねると、「この人に自分の技術の説明をして、わかってもらえるんだろうか?」と不安そうな顔をされることが多いです。もちろん事前にこちらも下調べをして伺うので、まったく理解できないということはなく、話しているうちにどんどん話は弾むのですが……。一昔前よりは仕事の説明が楽になってきたという声もありますが、エンジニアの仕事のすごさは、Tech総研一同もっともっと頑張って伝えていきますね!

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