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「働くクルマ」は魅力的だ。なかでも、「特殊な場所」「特殊な用途」に特化した車両は、そのメカニカルな動きを想像してみるだけでも楽しい。「掘り起こす」「持ち上げ、運ぶ」「長く、高く伸びる」など、用途に応じた特殊機能を遺憾なく発揮するための形や大きさは、機能美そのもの。 Webを検索してみると、自分で撮り集めた「働くクルマ」の写真を集めたファンサイトなどが結構ヒットするのもうなずけるというものである。 求められる機能実現に熱意を注ぐ開発者の「心意気」も感じられる、そんなクルマの勇姿を堪能してほしい。 |
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油圧で動く力強い腕や、土や石をぐんぐん押しのけるブレード、不整地をものともしない足回り……。“建機マニア”なるジャンル(?)も確立しているくらい、「働くクルマ」のなかでも魅力的な一群が建設機械だ。 不整地走行に適した無限軌道(クローラ)タイプが多いのも建機の特徴だが、「同じように見えても、ブルドーザは走行することで掘削、油圧ショベルは走行せずに掘削という具合に、役割が違う。ブルドーザは地面をよくグリップするように転輪にサスペンションがありますが、油圧ショベルはサスペンション機構はない。履帯表面の形状も違います」(コマツ 開発本部建機第一開発センタ副所長 森山雅之氏)。 例えば同じ機種の油圧ショベルでも、ユーザーニーズに従って、安定性や軟弱地での走行性能を高めるために幅広の履帯を装着していたり、あるいはアスファルトを傷めないよう、履帯表面にゴムパッドを付けていたり、特別に長いアームを持っていたり。そんな細かい仕様の違いがあるのも、「プロの仕事」を請け負う機械ならではだ。 |
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空港ビルから駐機場を眺めると、ムカデのようにトレーラを何台も連結して貨物を運ぶ輸送車、小さな体で巨大な旅客機を移動させるトーイングトラクタ、パッセンジャステップ(タラップ)やコンテナを貨物室に運び込むリフトローダ、電源車に各種補給車両……。街の中では決して見かけない、奇妙な形の「働くクルマ」たちでいっぱいだ。そんな“異世界”が、「これから遠くに飛んでいくんだな」という雰囲気を盛り上げるのに一役買ってくれる。 あるいは、工場の中でも、外では見られない変わったクルマがたくさん活躍中。資材や製品を持ち上げ、運ぶフォークリフトなどは名前も形も“おなじみ度”が高い車両だが、サイズや量が並でなくなれば、それを扱う車両もだんだんと形が変わったものになってくる。 ここでは空港や工場、さらに工事現場も含め、「持ち上げたり降ろしたり」「伸びたり縮んだり」な車両を集めてみた。 |
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「厳しい条件で故障しない。素早く、たくさんの仕事をしたい――これは、今も昔も変わらない、建機の条件です。しかし、作業量を上げるために、ひたすら力と動作のスピードを追求するのは、過去の話。 私が担当している油圧ショベルの場合、現在の設計の第一のポイントは、“いかにオペレータの意のままに、自分の手足の延長のようにスムーズに動くか”にあります。 油圧ショベルはエンジンで油圧ポンプを作動させ、バルブを経由して、バケット、アーム、ブームのシリンダ、旋回モータ、走行用のモータに油を送ります。作業中は各部が複合して動くのですから、それらが綿密なネットワークとして働いていなければならない。各部の動きをセンシングしながら、適切な電子制御を行うことが鍵になるのです。 油圧ショベルの基本形状自体は数十年前から変わりませんから、一見ローテクに見えるかもしれませんが、実はハイテク。見た目は同じようでも、中身はまったく別物といえるほど、性能も燃費も段違いに進歩しているんですよ。 新機種が完成すると、出荷式はもちろんうれしいですが、初期調査のためにお客さんのところに出向いたときに評判がいいとさらにうれしい。一方で、昔手掛けた車種が現役で働いているのを見ると、これまたうれしいですね」 |
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「当社は重量物運搬用のトランスポータやFA用の無人車などの産業用車両、空港用地上支援車両など、さまざまな“ほかでは扱わない、変わった車両”を開発しています。 空港用地上支援車両の開発は1960年代にスタート。今では“飛行機の周りのもの”はひととおり何でも手掛けています。 特に新型旅客機が登場する際は大変。一度も実物を見たことがないのに、実際に飛んできたときにちゃんと対応できるかどうか。航空機メーカーからは『今までの支援車両の規格で大丈夫』と言ってきたりするんですが、いざ、もらったデータを詳細にチェックしてみると、細かな仕様の差で“そのまま”はムリだったりする。 また同型機を運用していても、航空会社によって“好み”のようなものもあり、きめ細かな設計の対応が必要になります。 メーカーとしてはなるべく規格化して同一仕様で作りたいのは確かですが(笑)、厳しいニーズに対応するのも、技術者としての腕の見せどころ。 一方、サイドフォークのような『工場内で働く車両』はほとんどオーダーメイドに近く、1両1両手作り感覚。まさに職人芸の世界です。 こうした特殊車両は小さい中にたくさんの機能を収めなければいけない。そのためにいろいろな技術や工夫をもってくる。それが大きな楽しみですね」 |
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