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事業会社の情報システム部門で働く社内SE。自社システムの導入から運用、社員のITサポート、事業戦略でのIT活用などを幅広く担当する「社内の知恵袋」だ。IT企業のSEなど顧客にシステムを提供する側から、こうした社内SEを目指すエンジニアが増加している。その背景と社内SEの魅力に迫った。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ) 作成日:07.08.02
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社内SEを取り巻く環境は大きく変化しつつある。その一方は企業側のニーズだ。景気回復に伴い多くの企業でシステム投資が盛んになっているが、背景にはさまざまな要因がある。例えば日本版SOX法への対応、既存システムのバージョンアップ、新たな事業に向けた再構築や拡張、顧客の要求に合わせたサービスの展開、セキュリティの高度化などである。 ![]()
エンジニア側の転職意向も社内SEに向いている。リクルートが2007年6月に実施したITエンジニア約3000人へのアンケート調査によると、転職したい職種(複数回答)の人気1位はWeb・オープン系SE(45%)で、社内SEは微差の2位(41%)。また、回答者の11.2%を占める社内SEに限れば、実に77%が現職(社内SE)に転職したいと答えている。ITエンジニア全般からの熱い視線と、経験者の満足度が察せられる。 ![]() ![]() ![]() |

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![]() ![]() 株式会社ノバレーゼ 野武宏充氏 デザイン系専門学校を卒業後、流通機器メーカーに入社。機構設計業務に携わった後にSEとなり、主に流通業や飲食店向けのパッケージソフトを開発する。2005年2月ノバレーゼに転職。
デザイン系専門学校を卒業した野武氏は流通機器メーカーに入社。当初は機構設計を担当するが、その後はSEとして開発業務に従事する。設計に使うCADを、独学で学んだプログラムでカスタマイズするなどの実績が認められての配属だ。
「親しくお付き合いしていた先方の管理本部長が転属になり、新しい担当者に変わったら、仕事がなくなりました。われわれの業務に落ち度があったのではなく、その方の知り合いの業者に発注先が変わったのです。やりやすいという理由からでしょうが、『むなしいな』と感じました」 ![]() ![]()
人材開発部 永江愛香氏
当時のノバレーゼは業績が伸張した成長期でもあり、社内のIT化が急務とされていた。一方では、ブライダルという仕事柄で若い女性スタッフが多く、「お客様を幸せにするのが仕事でパソコンなんて二の次」と考える風潮もあったようだ。人材開発部の永江氏は語る。
野武氏の実績はこれだけに終わらない。彼が自社のシステムやソフトを調べてみたところ、業務管理ソフトがハウスウエディングという事業にはマッチしていないとわかったのだ。当初は既存のパッケージをカスタマイズすることも考えられたが、コストが変わらないことからソフトベンダーとの共同開発に踏み切った。2006年の初夏にスタートし、現在は既存システムから移行中である。 ![]()
社内SEに転職して2年半が過ぎた野武氏だが、やりたいことは山ほどあるという。 |

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![]() ![]() 株式会社リクルートエージェント 中村 朗氏
実際にIT企業から社内SEに転職しているのは、どのようなエンジニアだろうか。リクルートエージェントの中村氏は、転職経験のあるSI企業在籍のSEを例に挙げる。 この背景にはIT業界の課題も見え隠れしている。短納期での開発案件が多く、十分な人員が割り当てられないため、労働時間も長くなる。ひとつの案件が終わるとすぐに次の仕事にアサインされるという状況で、エンジニアは仕事の達成感が乏しくなり、肉体的にも疲弊するという構図だ。
では、どのような人材が求められているのだろうか。基幹系システムの構築経験を通して業務知識を身につけているSE、経営課題解決のためERP導入を手がけてきたコンサルタント、Web系の開発経験豊富なSEやプログラマ、インフラ系SEなどだ。「社内SE」にもいろいろな役割があるので、求人内容や採用背景をしっかりと確認する必要があると、中村氏は語る。 ![]() ![]() ![]()
ただ、自社の先頭に立って社内システムの導入や再構築を指揮する仕事が、毎年のようにあるわけではない。社内SEの仕事はかなり幅広く、割合が高いのはシステムやインフラの運用・保守であり、エンドユーザー(社員)へのサポートである。 |
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