SEって、コミュニケーション力ありゃいいんでしょ？

SEはお客さまが望むシステムを作るのがお仕事。そこで要求されるのは「コミュニケーション力」。でも、最近やけにそのコミュニケーション力のことだけがクローズアップされてません？　きたみりゅうじがぶったぎります！

（イラスト・文／きたみりゅうじ　総研スタッフ／宮みゆき）作成日：07.06.15

　「SEはコミュニケーションスキルこそが大事です」。ひところに比べたら、今やどこでも耳にするようになったこのセリフ。本屋に行ったら、そんな主張の本ばかりがわらわら並んでたりもいたします。でもちょっと待って。なんか言葉が一人歩きを始めちゃって、「コミュニケーションスキルさえあればよい」みたいな風潮になってない？　実際それがあれば事足りちゃうもんなんですか？　はてさて、それは以降の物語をご覧あれ。


お客さまのシステムを、受注して開発して納品して焼き肉とビールでぷっはーウメー……という職業プログラマさんの場合、多くは「コミュニケーションスキルが大事」という言われ方をすることになります。だって、先方の要望を取りまとめて形にするのがお仕事なわけだから、うまくくみ取ることができない人じゃあ、満足度の高いシステムにはならないわけで。　でも、そこで求められるコミュニケーションスキルというのは、あくまでも「総合力を生かすために必要なスキル」なんですよね。口先だけの上滑りした知識じゃ話になんなくて、ちゃんと開発の実際を踏まえたうえで、どう現場とお客さまとの間をつなぐゲートウェイ足り得るか……。そのためのスキルなわけです。そうした現場に携わりながら、技術技術とそればかりを免罪符にするSEさんも困りものですが、コミュニケーションスキルにばかり傾倒するのもやっぱり同様に困りもの。いや、地力がない分、こっちのほうがタチが悪い。　いずれにせよ、「○○さえあれば」なんて極論は会社人である以上あり得なくて、総合力というか人間力というか、当たり前だけどそんなあたりが大事になるのだと思います。まぁ、一番タチが悪いのは、今回の話に出てくる開発部長さんみたいな御仁でありますけどね……。と、遠い目で懐かしんでみる初夏の夜。

Dr.きたみりゅうじ

ソフトウェア開発会社にて約7年間、企業システムの営業・設計開発、Windows向けパッケージ商品の企画開発などに従事。現在は、フリーのイラストレーターおよびライターとして活躍中。SE時代の七転八倒を描いたコミックエッセイ『新卒はツラいよ！』『改訂版図解でよくわかるネットワークの重要用語解説100』が現在好評発売中。

http://www.kitajirushi.jp/

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宮みゆき（総研スタッフ）からのメッセージ

今回のテーマである「SEのコミュニケーション力」。もちろん世間話が得意とか、お客さまの話を聞いて帰ってくるだけではSEは務まりません。最適なシステムをお客様に提供するためには、技術スキルや知識ももちろん必要ですよね。とはいえ、現場で経験を積みながらどちらもスキルアップしていくことも大事。今回登場した新人SEさんにも、そんなコミュニケーション力を身につけてほしいなと、応援したくなりました。