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モバイルオフィス、社内公募制度、メンター制度etc. 日本IBMのワークスタイルが技術者を成長させるわけ
インターネットのサービスや技術など、急速に進化を遂げるIT業界。だからこそ、エンジニアにとって仕事のはかどる環境が整った企業が理想といえる。どこよりも先駆けて先進的ワークスタイルを導入し、ITエンジニアの理想会社ランキングで常に上位に位置する日本IBMを通じて、新しいワークスタイルに迫る。
(取材・文/OFFICE-SANGA 総研スタッフ/山田モーキン)作成日:07.06.06
世界規模でITを利用したビジネスが急速に拡大し、日々すさまじいスピードで進化を遂げる。こうした激しい変化の兆しを瞬時に察知して、ワーク・フレキシビリティーを促進するのが日本IBMだ。ネットワーク社会のリーディングカンパニーが、2007年5月19日、「リクルート エンジニア適職フェア」のイベントにて、現場の第一線でエンジニアとして活躍する三橋氏と川田氏の両者に加え、人事担当の赤石氏を交えてネットワークに即した新しいワークスタイルについて語っていただいた。
プロフィール
三橋亜紀子(みはし あきこ)氏
三橋亜紀子(みはし あきこ)氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業 
アプリケーション・サービス銀行第二プロジェクト第三開発部
アソシエイト・プロジェクト・スペシャリスト
川田博美(かわた ひろみ)氏
川田博美(かわた ひろみ)氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業
エンタープライズ・インテグレーション第二技術部
アソシエイト・ITスペシャリスト
赤石昌也(あかいし まさや)氏
赤石昌也(あかいし まさや)氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
人事 人事企画担当
(司会進行)リクルート Works編集長 工代将章
その1 ワークライフ・バランスの成長をキーワードに、先進的な制度でバックアップ
場所を選ばず最大限のアウトプットが実行できるようにフレキシブルな働き方を推進
赤石氏:
 最先端の企業改革を支え、プロフェッショナルの成長を支援するワークスタイルとして、「eワーク制度」や「モバイルオフィス」「サテライト・オフィス」といった制度を取り入れ、フレキシブルな働き方を推進しています。ポイントとしては、プロフェッショナルの自律したワークライフ・バランスをサポートしている点です。「eワーク制度」は自宅でもPC1台あれば、セキュリティを保ち、社内ネットワークにアクセスできて仕事が効率的に行えます。加えて、社内チャットツールを利用しリアルタイムに連絡を取り合ったり、電話会議や、パソコンで資料を共有できるWeb会議などを実施することで、オフィスで仕事をするのと実質ほとんど変わらない環境のもとでより効率的に仕事に専念することができます。時間に縛られることなく在宅勤務が可能なため、育児や介護等との両立を図ることもできます。また、お客様と接することが主業務の社員には、PCに加え、携帯ツールを貸与しどこでも仕事ができるよう支援する「モバイル・オフィス」や、お客様先に近い場所に設置した「サテライト・オフィス」を利用することで、時間と空間を節約し、お客様にお会いする時間をより多く取れるよう工夫しています。

 また、社内では固定のデスクを設けず、「必要なときに、必要な人や情報にアクセスできる、相談できる」オフィス環境を整えるとともに、情報共有や協業作業を促進できるITインフラ整備を通じ、さらに一歩先を行くビジネス・プロセスの変革を行っています。お客様情報、プロジェクト情報、対応状況を一元的に管理し、チームで共有することで膨大だった紙による資料も減り、瞬時に必要なものをそろえることも可能となり、オンデマンドな対応を実現しています。
自らキャリアをデザインできる仕組みを用意
赤石氏:
 一方でキャリアアップを図るうえでは、『仕事を通じて自ら成長したい』と考えている社員にはさまざまなカタチで支援できる体制を積極的に取り入れています。例えば、自身のスキルや能力を、目指す部門で生かしたいと自ら宣言し、その部門が必要としている人材であれば異動が実現するというFA制度があります。また、各部門で欲しい人材をweb上で募る人材公募により、部門間人材交流を活性化させ、個人の成長支援と部門業績向上の両立を狙っています。さらに、今よりも上位の職務を遂行するのに十分な能力があることを、これまでの実績を基に自ら申告し、審査を受け昇進をしていくシステムもあります。

 社員自身が成長していく過程での自己啓発支援や各種ラーニング制度も充実しています。入社したときの研修はもちろん、スキルを磨きたいという社員に対し、OJTのみにとどまらず、バーチャルな研修センターである「ラーニング・インスティチュート」で非常にたくさんのメニューの研修を常に提供しており、自ら適宜利用し、学ぶことができます。会社は、各社員が将来どんなふうになりたいのか、5年後、10年後の目標を見据えて、今自分に何が必要なのか考えることを常に推奨していますので、各々がキャリアビジョンに照らして、今足りない、磨きたいというニーズに合致したコンテンツを簡単に見つけ出し、実際に自分のものにできるよう、さまざまなアプローチでバックアップしているのです。つまり、自らキャリアをデザインしてスキルアップのプランを設計できる仕組みが非常に整っているといえます。成長するために仕事をしていく、仕事で良い結果が生まれると自身が成長していく、この相互作用を私たちは求めています。
その2 プロジェクトリーダーの両者が実践するワークスタイルの活用方法とは?
三橋氏:チーム一人ひとりのいる場所を意識する必要がなく、幅広いネットワークを生かして仕事を進めることができるので、仕事の品質と効率が上がります。
 私が所属するプロジェクトは、お客様のところにいることが多いので箱崎(本来の事務所)のオフィスに戻ることはほとんどありません。そのため、赤石から紹介したチャットシステムをとても有効に活用しています。例えば、プロジェクト内で問題が発生すると、開発部門やスペシャリストの方々と連絡を取らないといけません。そういったケースで、まずチャットでコンタクトを取ってから、その後にメールを送るとレスポンスが早いことが多々あるので、傷口を広げることなく最小限で抑えることができます。また、チームのメンバーが入院を余儀なくされたことがあったのですが、自宅療養のときでもメールや電話会議システムを利用することで通常と近い形で仕事が行え、プロジェクトとしての支障を来すことなく業務を滞りなく進められ、eワーク制度を十分活用することができたと思います。そのとき自分が現状でできることを最大限にカバーしてくれる環境が整っているんだ、ということを改めてわかった出来事でした。

 昔に比べて超高速ネットワークのインフラ整備のおかげで、ネットワーク環境が充実していることから電話会議も頻繁に行うようになりました。異なったプロジェクトルーム間での会議の際、打ち合わせ資料を事前にメールで送付していることもありますが、同じパソコン画面を共有して会議を行うこともあります。ほんとうに場所を考えなくて仕事をしていると実感しています。
川田氏:制度の枠の中で自由に仕事を熟し、効率よくアウトプットを生み出す
 私はこれまでに紹介された社内システムや人事施策制度・研修制度を平均値以上に利用していると実感しています。製造業を担当している立場上、各地にお客様が点在しているため移動や出張が多いんです。会社に寄ってお客様のところに行くとなると、どうしても時間のロスになってしまいます。そういったケースの場合、各所に散らばっている「サテライト・オフィス」を利用しています。私の考え方として、どこでどのような仕事を行うといったプロセスよりも肝心なのはアウトプットです。効率よく仕事をし、お客様にご満足していただけるようその結果がだせればいいという考えがベースなんです。そのために、キャリアの細かい評価制度やきちんと確立されたeワーク制度のもとに仕事を熟し、制度の枠の中で自由に仕事をしているといえます。また、小さい子供がいて子育ての期間ですので自宅で作業をして息子を迎えに行くといったケースもありますし、また空いた時間にeラーニング等を受けて自分のキャリアを磨くようにしています。しっかり自分自身で時間管理にけじめをつけ仕事とプライベートを切り分けて有効的に時間を使っています。

 残念ながら現状は、いまだに一緒に帯同してさえいれば、そこで仕事がクローズするといったイメージで時間を拘束している企業が多いという印象を受けます。そろそろこのような考えを見直さないといけない時期ではないかと感じています。例えば、自宅で仕事をした場合、どうしても怠けてしまうと思いがちですが、それではアウトプットは生まれません。自分にとって何が重要かといったことをしっかりもっていれば、どこでも仕事はきちんとできるのです。ITにまつわる便利なツールさえきちんと整っていれば、オフィスと同様どこでも仕事はできると自負しております。そういった意味では、当社は他社より先に進んだ環境だと実感していますし、これからもこのワークスタイルの環境を活用しながら会社の期待に応えていきたいと思います。
その3 三者が描く、ワークライフ・バランスの未来予想図
赤石氏:日本でもグローバルスタンダードのもと、アウトプットを評価できるシステムが必要になる
 アウトプットをきちんと評価できるシステムを構築することが、グローバル化が進む中で、日本でも必要であると考えています。そうでないといつまでたっても時間に縛られることになりますから。アウトプットを評価するには、職務の重要度やその職務に求められる能力やスキルが何か、さらに自分が何を達成すれば職務に対して十分なアウトプットと評価されるのかがわかるという仕組みや環境を整備することが第一条件です。それらをきちんと整えたうえで、eワーク制度やオンデマンドワークスタイルのようなシステムを導入しないと、チームワークが乱れたり、成果がなかなか出てこないなど、逆に支障を来すことになります。次に、物理的に縛られないということは、マネジメントもしっかりしていないといけません。チームメンバーの一人ひとりがプロ意識をもっているということが大前提ですが、それに加えてリーダーとしての役割が非常に重要になります。リーダーシップといっても、ただメンバーを引っ張っていけばよいというわけではありません。メンバーの一人ひとりの力をよく理解し、信頼し仕事を任せつつ、個々に気配りもできるようなリーダーシップが求められるのです。
川田氏:製造業に貢献したいという強い思いが、キャリアステップにつながっている
 製造業というキーワードで仕事を続けている以上、日本の製造業をどのようにしたら競争力を高めることができるのかという点と、そしていかにして次世代に製造業の良さを伝えていく事ができるのかといった点に着目した考えをもっています。だからこそキャリアアップとワークスタイルは深く結びつき、製造業と離すことができません。前々職の自動車メーカーで製造プロセスを約10年学んだ後、その知識を生かしてITの知識と結びつけないかと転職を考え、製造業も世界的に発展しなければならないといったことで、転職先はCADが学べる会社を選びました。そして双方の経験を存分に発揮できるフィールドを考えたとき、日本IBMの総合ソリューションで製造業のお客様に貢献したいと思い入社し、今後も製造業のお客様のために頑張っていきたいと思っています。
三橋氏:今活用している人たちが、もっと世に広めて社会に普及させたい
 ネットワークを生かしたさまざまな体制が整ってはいますが、活用しきれていない人もまだまだ社内にいるのではと思っています。だからこそ、今活用している人たちがどんどん広めて社会に普及するようになってほしいと感じています。現場の人間としては、その後に次の段階がくるのかなととらえています、赤石も話しましたが、グローバルを常に意識した世界標準のワークスタイルをどんどん取り入れて、企業全体が変革していかないといけないのではないかと考えています。いかにして効率を高めるかをみんなで考えて、会社として組織として変わっていく志が重要ではないでしょうか。

 個々のキャリアアップとしては、自分の将来をリアルに描ける人は少ないと思うんです。私自身もそのひとりですから。ただ、当社は直属の上司ではなく同じロールの経験豊富な人を直接のアドバイザーにもてるという「メンター制度」があり、同じ立場でキャリアを積まれた先輩方の話を直に聞くことができるシステムがあります。こういった先輩たちの歩んできたロードマップを参考に、自分の3年後・5年後の将来像をリアルにイメージできた上で、目標を一つひとつ実現できたらと考えています。やはり、悩み事などは同じ立場の人からアドバイスをもらえるほうがより現実的な回答を得られることができるし、将来のビジョンを描くうえでもメンターからのアドバイスは有用だと思っています。
 現在の目標はプロジェクトをマネジメントする立場上、お客様の満足度の高いプロジェクトを実現させることがまず頭に浮かびますが、それ以上にプロジェクトに参画する個々のメンバーの満足度の高いプロジェクトをキャリーできたらと常に考えています。プロジェクト全体のゴールは個々のメンバーの努力の結果であり、個々のメンバーの満足度を上げることが、プロジェクトのパフォーマンス向上につながると考えています。
最後に これから日本IBMに転職を考えているITエンジニアに向けてのアドバイス
三橋氏
三橋氏
 転職は誰でも戸惑うものです。しかし、新人の社員研修や中途採用向けの研修が用意されています。当社の考えを教育できるプログラムを講習できるので早く会社になじむことができました。大企業ならではのグローバルな仕事もたくさんあります。また、いろんな人と接する機会が多く人としてのネットワークを作れる環境でもあるので、人が好きな方や自分で自らを成長させたいと考えている方にはマッチするのではないでしょうか。
川田氏
川田氏
 今の会社に不満を抱いて転職を考えている人には向いてないかもしれません。どこの会社に転職しても現状と同じような不満を抱くことはあるでしょう。ですから、自分が将来的にどういう仕事をしたいか、何を実現させたいかといった5年後、10年後の自分を考え、“会社”で選ぶのではなく“仕事“で選んでもらいたいです。このような将来像をきちんともっていれば、当社はあらゆる面からサポートしてくれるはずです。また当社に限らず前向きな気持ちで取り組めば、ほかの会社でも成功すると思います。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
Tech総研でも過去、何度か取り上げた日本IBMの先進的ワークスタイル制度。今回改めてご出演いただいたお三方のお話をお伺いして、仕事に対する目的意識が高いことはもちろんなのですが、その高い目標を実現させるためのひとつの手段として、うまく日本IBMが提供するワーク制度を活用している印象を強く受けました。また機会があればぜひ、今後の日本IBMの動きを随時、レポートしていきたいと思います。

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