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30代エンジニアの8割が「自分の腹に覚えあり!」俺もお前もアイツも危ない“メタボリックエンジニア”
「メタボリックシンドローム」は腹部肥満と恐ろしい疾患(脳梗塞や心筋梗塞など)との深刻な関連を指す。運動不足で充実した食生活が送れないエンジニアは既にその危険水域に踏み込んでいるかもしれない……。
(取材・文/ぱうだー 総研スタッフ/山田モーキン)作成日:07.05.31
はじめに:あなたは大丈夫? エンジニアも無関係ではいられない「メタボリックシンドローム」
 30代といえばエンジニアとしてのキャリアや自分の生活スタイルが築かれ始めるころ。忙しさに慣れたと思いきや、実は毎日の習慣がメタボリックシンドロームまっしぐらだったら? まずはあなた自身の「メタボリック度」をチェックしてみよう。
あなたのメタボリックエンジニア度チェック
その1:30代エンジニア300人の調査結果から判明した、メタボリックシンドロームの実態とは?
 メタボリックシンドロームは、おなかに脂肪がつく「内臓脂肪型肥満(皮下脂肪型肥満とは区別される)」と糖尿病や高血圧、高脂血症といった「生活習慣病」が重なった状態をいう。上記チェックに該当し「メタボリックシンドローム」であった場合、動脈 硬化を引き起こす確率が高まり、日本人の死因として多い脳卒中や心筋梗塞のリスクが5倍〜35倍以上に激増するということで近年注目を集めている。
メタボリックシンドロームの大きな原因は「食生活の乱れ」と「運動不足」。もちろんエンジニアも無縁ではいられない。というのもエンジニアは頭脳労働が主、デスクワーク=運動不足に陥りがち。また人材が圧倒的に足りないIT業界などでは個々のエンジニアに仕事が集中。忙しい毎日の中、食事時間もままならず、毎日の食生活に注意を払えない=食生活が乱れるという構図だ。
Tech総研では30代エンジニア300人とメタボリックシンドロームの関係を独自調査。第一線で活躍するエンジニアの現状と、彼らが日ごろメタボリックシンドロームをどう感じているかを探った。
また今回の調査結果を専門家である、財団法人東京都保健医療公社大久保病院の関口医師に分析・解説していただいたので、併せて参考にしていただきたい。
財団法人東京都保健医療公社
大久保病院の医学博士
関口医師
 
同病院でメタボリックシンドローム対策の「週末短期入院 プログラム」を推進(記事中後半「コラム」参照)。多くの患者さんをサポートしている。
30代エンジニアの15%はメタボリックシンドローム?
 まず調査対象のエンジニア300人において、現在メタボリックシンドロームの恐れがある割合を下のグラフで見てみよう。
問題の内臓脂肪型肥満の指標である「腹囲」に関してはなんと3割が該当。職種別で見た場合「サービスエンジニア」「通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系)」では半数以上に危険信号。それに続き「機械・機構設計、金 型設計」「品質管理、製品評価、品質保証、生産管理」においては4割程度となっていた。
腹囲にプラスして判断される危険要因のひとつ、高脂血症をみると同じく「通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系)」で半数以上が該 当。血圧においては前述の「サービスエンジニア」が4割弱という結果となった。

「メタボリックシンドローム」度チェック

関口医師 関口医師:
いわゆる「腹囲」でスクリーニングする内臓脂肪型肥満の危険性が30代エンジニアで3割という結果にはさほど驚きません。というのも肥満は今、日本全体で深刻な問題となっているからです。特に日本の30代男性における肥満の割合はここ10年で2倍に増加しています。

実は「内臓脂肪型肥満」と俗にいう「肥満」は厳密には異なります。正確には腹部CTの断層撮影で内臓脂肪が100cm3以上の場合に内臓脂肪型肥満と診断されます。また、同じウエスト周囲径でも女性より男性のほうが内臓脂肪が多い傾向にあるので、30代男性は特に注意していただきたいと思います。
先ほどのチェックで腹囲+1項目該当の場合、将来への危険がかなり高いと考えてください。最近では「腹囲」+「糖尿病・高血圧・高脂血症」がすべて該当した場合、労災二次給付の対象となり、検診が無料で受けられるようになっています。
今回の結果を拝見すると、エンジニアの皆さんの場合、腹囲で引っかかった30%の半分、つまり全体の15%はメタボリックシンドローム予備軍ととらえてよいかと思います。
30代エンジニアの8割が「もしかしたら自分もメタボリック?」と感じている
 次にエンジニアが「メタボリックシンドローム」についてどう感じているかを右のグラフでみてみよう。
「自分が今、メタボリックシンドロームかもしれない」と答えたエンジニアは28.7%。約3割は今現在、既に自分自身の身体にメタボリックシンドロームへの不安を感じていることがわかる。また「将来メタボリックシンドロームになりそうだ」と感じるエンジニアは50.7%。両者合わせると79.4%となり、約8割のエンジニアはメタボリックシンドロームを気にしているという結果となった。
また自身の体調に関する別な質問を行ったところ「最近体調が思わしくなく健康をかなり気にするようになった」と答えたエンジニアは18.0%。
「メタボリックシンドローム」に対する関心度
「体調自体に問題はないが、内心ちょっと気になっている」と答えた57.7%を含めると合わせて75.7%、8割弱が自身の身体に何らかの不安を感じていることが今回明らかになった。
また最近気になる体調の具体例としては「腹囲増加による内臓脂肪への不安」が38.8%。それに「デスクワークによる運動不足」が24.2%と続く。「食生活が偏食・不規則」も21.1%と高く、エンジニアにおけるメタボリックシンドロームの要因である「食生活の乱れ」と「運動不足」に関する問題が浮かび上がった。
関口医師 関口医師:
エンジニアの方々は健康に対する意識・関心が高いですね。メタボリックシンドロームの危険因子である「生活習慣病」は自覚症状がないまま進むので、日ごろの注意がとても大切です。みなさんが常にご自身の体調を気に掛けていらっしゃ るのは素晴らしいと思います。

昔に比べると「メタボリックシンドローム」や「生活習慣病」という言葉はマスコミの力でずいぶん一般化しました。早いうちに診断を受け状況を改善する患者さんが増えています。内臓脂肪はつきやすいけど燃えやすいものです。早めに対処すれば改善されます。
30代エンジニアの普段の生活からみえた問題因子は「不規則な食生活」&「運動不足」
 今度はメタボリックシンドロームを引き起こす恐れが高い、個々の問題因子について右のグラフでみてみよう。
まず食生活。仕事が忙しかったり残業が多いためか、「早食いでよくかまない」「夕食が遅い」には約6割が該当。
食事で満腹感を得るためには満腹中枢が働くまでのある程度の時間が必要。そのため本来はゆっくり食事の時間をとることが望ましい。しかしほとんどのエンジニアにとってはむずかしいことだろう。食事の満足感を手っ取り早く得るための「満腹にならないと気がすまない」「脂っこいものが好きだ」という割合は半数以上と高い。
次に運動。自身が「運動不足」と答えたエンジニアは8割と項目内でダントツ1位。やはりデスクワークでほとんどオフィスにいるという仕事スタイルが関係しているようだ。
勤務中に体を動かす機会に関する質問では「出社〜退社までデスクワークや会議が多くほとんど体を動かさない」と答えたエンジニアは64.7%。ほとんど座りっぱなしの仕事スタイルであることがわかる。職種別にみた場合、「パッケージソフト・ミドルウェア開発」「回路・システム設計」「システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系)」の3つにおいては体を動かさないと答えたのは8割以上であった。

普段の食生活の実態

関口医師 関口医師:
メタボリックシンドロームの原因である「食生活の乱れ」と「運動不足」。問題になりそうな項目がいくつも見受けられますね。メタボリックシンドロームは毎日時間に追われているデスクワーク職種の方に多いように思われます。特に30代男性は肥満傾向の高さからしても要注意です。

職種別の統計はとっていないのですが、今回の調査結果を拝見するとエンジニア職種にもかなり問題ありといえると思います。
30代エンジニアの8割は、今のライフスタイルとメタボリックシンドロームに相関性がある!と考えている
 最後にエンジニアとしての仕事とメタボリックシンドロームの関係性についての意見を右のグラフで見てみよう。
 まず「相関性がかなり高いと思う」と答えたエンジニアは26.0%。4人にひとりはエンジニアはメタボリックになりやすいと感じていることがわかる。その次の「相関性はあると思う」を含めると80.7%、5人のうち4人が今の仕事をしているとメタボリックシンドロームになるのではという不安を抱えていることが明らかになった。
繰り返しになるがメタボリックシンドロームの要因は「食生活の乱れ」と「運動不足」。調査に寄せられた「関連性があると感じる事柄」の中から“メタボリックエンジニア”への危険を色濃く映し出しているものをいくつかご紹介したい。
エンジニアのワークスタイルと、メタボリックシンドロームの相関性について

<食生活の乱れ><運動不足>

関口医師 関口医師:
ほとんどの方が相関性があると感じていらっしゃるようですね。回答にまさにメタボリックシンドロームの原因となる問題がたくさん見受けられます。
エンジニア職種では、メタボリックシンドロームを加速させる要素として「時間の不規則さ」と「長時間労働」が加わっているように感じます。
その2:30代エンジニアが実践する、メタボリック防止テクニックとは?
 過酷な仕事状況にありながらも、自分ではどうしようもないとあきらめず、メタボリックシンドローム予防策を実践しているエンジニアもいる。オフィスで階段を使うと答えた方の中には、10階まで1日数往復する強者も。生活習慣病予防はちょっとしたことをストレスなく続けることが大切。その数々の工夫を個性的なものも織り交ぜながらご紹介したい。
食生活編 運動編
関口医師 関口医師:
よい回答がたくさんありますね。
食事に関して「なるべく和食を」というのは脂質の多い「洋食」と比べ、カロリーを抑えるという意味でとてもよいです。定食を選ぶというのも栄養素が偏らない食事をする、という点からいい心がけです。その際もできれば和定食がいいですね。自炊されているのは素晴らしい。どうしてもできあいのものは油分と塩分が多くなりますから。
運動に関しては、毎日何か続けていらっしゃるのはとてもよいですね。ただお忙しい方が多いと思いますので、コメントにあるような休日のみの運動でもいいと思います。週末に汗をかく運動をなさっているのはよい心がけですね。運動にはストレス解消効果もありますからね。ただし、運動を行う前には必ず医師によるメディカルチェックを行った後で開始してください。
コラム:「食事に感心を持つ」&「自分で見つけた運動は長く続けられる」
 エンジニアも30代となれば、メタボリックシンドロームの危険が迫る。デスクワークの運動不足に加えて残業や徹夜に代表される「時間が不規則」という過酷な仕事環境によるストレス。これはメタボリックシンドロームを加速させる恐れが高い、エンジニアに特有の要因であろう。
 読者コメントに「健康がエンジニアとしての発想力を高める」とあった。今後ますます活躍するであろう30代エンジニアのために、関口医師からのアドバイスをまとめとしてお送りしたい。メタボリックシンドロームに悩むことがない、健康的なエンジニアライフの参考になれば幸いである。

関口医師:
まず食事について。せっかくの食事ですから、ちゃんと「満足感を得る」ことが大切です。仕事をしながらの食事は避け「食事に関心を持つ」ようにしてみてください。
「食事に関心を持つ」というのは「よく見てよくかんで、なるべく時間をかけて食べる」ことです。食事に集中することで満足感が生まれ過食防止にもつながります。
そしてなるべく和食を選ぶようにしてください。どうしてもコンビニや単品料理(どんぶりものなど)になってしまう場合は、何か野菜を1品追加しましょう。野菜サラダはドレッシングを抑えればカロリーはさほど心配ありません。野菜を加えることで食事の満足感もさらに高まります。

次に運動。まず毎日無理なくできるものをご自分で何か見つけていただきたい。誰かのアドバイスは合わないこともありますが、自分で見つけた運動方法は意外と続けられるものです。
身近なところでは、例えば通勤時間に1駅前から歩く。1駅が15分であれば往復だと30分、1日約100〜150kcalの消費にしかなりません。しかし続けることで脂肪(特に内臓脂肪)が減少するだけでなく、太りにくい体となります。これは毎日続けられるのであれば十分な運動量です。
毎日がむずかしいならもちろん休日だけでも結構。その際はできれば動的運動(テニスや水泳、ジョギングなど体重が移動するもの)がいいですね。なるべく汗をかくようにして、精神的なストレスも一緒に解消しましょう。また運動と食事は一緒に行ってこそ良い効果が得られることを忘れずに!

皮下脂肪と違い、つきやすいけど燃えやすい内臓脂肪。日ごろから注意を怠らず、もし危険を感じたら早めの検診と改善をおすすめします。こちらをご覧のみなさまにはこれからも第一線のエンジニアとしてご活躍いただくために、日ごろの健康維持に努めていただきたいと思います。
財団法人東京都保健医療公社 大久保病院

財団法人東京都保健医療公社 大久保病院

今回の企画にご協力いただいた大久保病院で実施している「メタボリックシンドローム週末短期入院プログラム」では、専門医が内臓脂肪を正確に測定。
加えて運動・栄養・薬剤・心理といったさまざまな方面からメタボリックシンドローム改善へのサポートを行っている。

財団法人東京都保健医療公社 大久保病院〒160-8488
東京都新宿区歌舞伎町2-44-1
TEL:03-5273-7711

入院費用概算:医療保険3割負担の場合 自己負担額 3万1090円

URL:http://www.ohkubohospital.jp/raiin/gairai/
senmon/metabolic.html
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
私も30代ですがコーラや駄菓子が大好きな上に仕事柄、生活リズムがかなり不規則で明らかに健康に悪い生活を送っています。今回の調査でエンジニアの皆さんの、健康に対する意識がかなり高いことに驚いたのと同時に、その裏返しとして日々の生活の中で、メタボリックに対する“危機意識”が強い事実を垣間見ることができました。メタボリックに対するあなたのご意見もお待ちしています。

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